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甲状腺がんに対する放射性ヨウ素(ヨード)内用療法について調べてみた。
これは甲状腺がんで甲状腺の全摘出をした後に行なう治療で、甲状腺の残存組織や
リンパ節や肺、骨に転移したがん細胞が放射性ヨウ素を取り込むことを利用して
破壊するものだ。
チラージンなどの甲状腺ホルモン剤の内服を中止し、食事でのヨウ素摂取制限を行ない、
体内の残存ヨウ素をできるだけ下げ、放射性ヨウ素を吸収しやすくする。
そして患者はヨウ素131のカプセルを内服する。
その投与量は数千メガベクレル、数千ベクレルの100万倍という莫大な量である。
ヨウ素131はベータ線だけではなくガンマ線も放出するため、近くにいる人も被ばくする。
そのため投与後、患者を1週間前後、鉛で遮蔽された個室に隔離する。
この間、患者の具合が悪くても医師や看護師は近づけない。
(介護を要する人はこの治療法は受けられない)
ヨウ素131の体内残存量を測定し、退出基準(500メガベクレル、1mの距離で
30マイクロシーベルト/h)以下になれば、退出が許可される。
被ばく防止のため隔離室は退出後も1週間は空室にする。
退院後も患者は、数日から数週間、子供や妊婦に近づくな、一人で寝ろ、風呂は
最後にはいれ、洗濯物は別にしろ、半年以上は妊娠を避けろと言った制限が課される。
実際に病巣にうまく放射性ヨードが取り込まれたか、ヨードシンチグラムで確認し、
効果が今ひとつなら複数回を繰り返すこともある。
以上だが、この放射性ヨード内用療法には多くの疑問がある。
ヨウ素131の放つベータ線は到達距離が数ミリ程度と短く、がん病巣のみに集中して
放射線を照射するので安全であると患者に説明される。
しかし強いガンマ線も放出するので、しばらくは誰も患者に近づけない。
とても安全と言えない。
体内に入り込んだヨウ素の9割は甲状腺に集まるが、卵巣など他の臓器にも蓄積される。
それらの部位に異常が生じることはないのだろうか。
副作用として唾液腺、消化管障害、骨髄障害、不妊、肺線維症、そして膀胱がんなどの
二次発がんが挙げられている。
これら副作用は問題にならないほど小さいというが本当だろうか。
今までは甲状腺を全摘する患者も多くなかったので、副作用に関するデータは
十分に揃っていないとも言われる。
たとえ二次発がんが生じても、甲状腺がんの転移ですと言われれば患者は反論できない。
そもそも原発事故でヨウ素131を取り込んだために悪性の甲状腺がんになり、
甲状腺を全摘した患者にさらに何千メガベクレルものヨウ素131を投与することに
大きな矛盾を感じる。
一部の御用医学者は、放射性ヨード内用療法で何千メガベクレルも投与して
問題がないのだから、原発事故でヨウ素131を取り込んでも影響はわずかで、
がんにはならないと主張している。
しかしこの療法は甲状腺を全摘した患者が対象であり、甲状腺が正常な健常者に
これほど莫大な量のヨウ素131を投与したらまちがいなく甲状腺がんになるだろう。
実際に、この療法よりもはるかに低い被ばく量でも、通常の数百倍以上の発症率で
甲状腺がんが多発しているのだ。
もう一つの懸念は、放射能汚染による被ばくで生じた甲状腺がんは悪性度が高く、
また患者はセシウムやストロンチウムなどによる被ばくもしており、免疫力が
極端に低下していることだ。
そんな状態で、何千メガベクレルものヨウ素131を投与して本当に大丈夫なのか。
腎機能低下などで思うようにヨウ素が体外へ排泄されない可能性もある。
今までの甲状腺がん治療の常識や経験は必ずしも通用しない。
500メガベクレルという隔離室の退出基準も高すぎて危険だ。
原発作業員にこのレベルの汚染があったら管理区域外に出られない。
ヨウ素131の半減期は8日、1000分の1のレベルになるには80日間もかかる。
安全を考慮したら1ヶ月以上隔離しなければならないはずだが非現実的なので、
その危険性に目をつぶって数日で退室・退院させる。
患者は何十日も強いガンマ線を放ってまわりの人を被ばくさせる。
一緒に住む家族は相当量の被ばくを強いられることになる。
退院してまもない人が満員電車に乗る可能性もあるわけで、それを考えるとぞっとする。
ヨウ素131は自然界には存在せず、核物質の臨界反応が起きた重要な証拠となる。
しかしこういった危険な状態の患者を退院させることで、下水でヨウ素131が検出されても
医療用のものだという言い逃れができる。
放射線医学は原子力産業と深くつながっていることを忘れてはならない。
この放射性ヨウ素内用療法を行なえる病院は国内でも限られており、約130床しかない。
激増する甲状腺がんに対応するため、規制緩和を求める声が高まっているという。
しかし上に述べた通り放射性物質の大量投与が安全であるわけがなく、安易な規制緩和は
すべきではないだろう。
こういった患者のみならずまわりの人間も被ばくさせる危険な放射性ヨウ素内用療法は
できるだけ避けるべきではないだろうか。
がん患者に抗がん剤治療をすすめる医師も、自分ががんになったら必ずしも同じ治療を
選ばないという。
医師が甲状腺がんになったら放射性ヨウ素内用療法を進んで選ぶだろうか。
聞いてみたいものだ。
(関連情報)
甲状腺ヨード内服照射 (東北大学病院・放射線治療科)
http://www.radiol.med.tohoku.ac.jp/chiryo/treatment05.html
「甲状腺がんの放射性ヨード内用療法に関するガイドライン」
(日本核医学会分科会腫瘍・免疫核医学研究会)
http://oncology.jsnm.org/files/pdf/thyroid-guideline09.pdf
「I-131内用療法」 (東京大学医学部附属病院 )
http://www.u-tokyo-rad.jp/equipment/i131.html
「甲状腺癌の放射性ヨード治療」 (都立駒込病院)
http://www.cick.jp/houshasenchiryou/thyroid_iodine/
「放射性ヨウ素内用療法:甲状腺がん」 (harecoco.net)
http://harecoco.net/malignancy/index.html
「放射性物質の体内投与でがん攻撃 『内用療法』に遅れ 厳しい規制、改善求める声」
(NIKKEI STYLE 2017/5/1)
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO15875570Y7A420C1TCC001
「がんの放射線治療──その3 放射性ヨウ素内用療法 」 (team nakagawa 2011/4/21)
http://tnakagawa.exblog.jp/15314393/
「第9話『放射性ヨウ素内用療法。隔離された病室』」 (MillionsLIFE 2016/12/22)
https://www.millions.life/story432/10/
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