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で
ガンダーセン氏の即発臨界が正しいというコメントを頂きましたが、それに対する疑問を兼ねて、ガンダーセン氏の即発臨界説に対する疑問を述べさせて頂きます。
>>05
05さん、コメントありがとうございます。
質問をさせて下さい。
1.即発臨界について、ATOMICAに次のような解説があります。
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=495
より引用開始:
即発臨界 そくはつりんかい
prompt critical. 原子炉が即発中性子のみで臨界となること。臨界とは核分裂で誕生する中性子と吸収または漏えいによって失われる中性子の数が均衡しており、核分裂連鎖反応が持続する状態をいう。1個の原子核が核分裂を起こすと2〜3個の中性子が生まれる。その99%以上は即発中性子として瞬時に放出されるが、わずかな割合の中性子(遅発中性子)はやや遅れて放出される。核分裂連鎖反応が持続できない未臨界状態の原子炉で制御棒を引き抜いて中性子吸収量を徐々に減少させると、まず遅発中性子の数も含めて核分裂連鎖反応が持続する状態(遅発臨界)になる。さらに、制御棒を引き抜くとやがて即発中性子のみの再生で核分裂連鎖反応が維持できる状態(即発臨界)に至る。即発臨界になるとわずかな反応度増加で急激な出力上昇が起こり原子炉の安定制御ができないため、原子炉の運転は遅発臨界の状態で行われる。
(*以上引用終わり)
上に書かれていることをまとめると次のようになります。
1.1個の原子核が核分裂を起こすと2〜3個の中性子が生まれる。その99%以上は即発中性子として瞬時に放出されるが、わずかな割合の中性子(遅発中性子)はやや遅れて放出される。
2.核分裂連鎖反応が持続できない未臨界状態の原子炉で制御棒を引き抜いて中性子吸収量を徐々に減少させると、まず遅発中性子の数も含めて核分裂連鎖反応が持続する状態(遅発臨界)になる。
3.さらに、制御棒を引き抜くとやがて即発中性子のみの再生で核分裂連鎖反応が維持できる状態(即発臨界)に至る。
上の記述は原子炉の中でのこととして述べられています。しかし、プールであっても、燃料棒に制御棒が付いた状態であるのは変わりなく、また周りが水で満たされていたのも同じ条件でしょう。プールの方は、原子炉よりも燃料体間の距離があるはずです。つまり、プールの方が減速材が多くあるわけです。
この状態で、どうやって、制御棒が外れるかが問題です。地震が起こった場合、揺れがあるでしょうが、その揺れで制御棒が外れたとしても、即発臨界に至るのかどうか?思い出していただきたいのは、3号機の爆発は1号機の爆発の後であり、311大地震から2日以上経過してからであることです。地震の揺れで燃料体が影響を受けたとしたら、地震と同時に爆発に至っていたはずです。
つまり、ガンダーセン氏の主張でおかしいのは、どういった過程で即発臨界に至るのかが説明されていないことなのです。単に、「即発」という言葉のイメージで、ちょっとしたきっかけで起こる臨界であると印象付けることが狙いであった可能性があるのではないでしょうか?
上のATOMICAの引用では制御棒が引き抜かれるに従って、遅発臨界から即発臨界に至るとあります。つまり、制御棒がより効いている状態でまず遅発臨界が起こるのです。その後、制御棒の効きが弱くなったときに即発臨界になるということが述べられていて、同じ推移を辿るとすると、3号機のプールの中でも先に遅発臨界が来て、その後、即発臨界になるわけです。
05さんが指摘されている、核爆発で温度が上がり、そのために急激に体積が膨張して核燃料間の距離が大きくなってしまい、結果的に核分裂が止まってしまうということは、自分もよく理解できます。しかし、そうであれば、遅発臨界の状態でそもそも急激な体積膨張が起こってしまい、即発臨界状態には行かないのではないでしょうか。
仮に、遅発臨界と即発臨界がほぼ同時に起こったとしても、論理的には遅発臨界の影響が大きかったはずであり、そうであれば、ガンダーセン氏は遅発臨界という言葉を使うべきであったのではないでしょうか。
どちらにしろ、あれだけの爆発がプールの燃料棒が原因で起こったのだとしたら、その過程についてある程度でも説明が必要です。制御棒がどれだけずれると、どの程度核燃料棒がむき出しになり、そこからどの程度の量の中性子線が出て来て、他の核燃料棒と反応するかという説明です。そして、こういった過程を考えると、M9地震から数日後に、燃料体(何本かの燃料棒が組み合わさったもの)から制御棒が抜け落ちるというシナリオは不自然で、いわゆる臨界状態になりにくいことは想像が付くはずです。
そもそも、原子炉内で制御棒は燃料体の下部から出し入れする構造になっています。プールでも、同様に制御棒の位置は燃料体の下部からセットされる形式であるはずであり、そうであれば多少燃料体が揺れても制御棒がずれる可能性はほとんど無いはずです。
なお、原子炉では制御棒を上下に動かすので、ずれる要素が構造的にあるのですが、プールでは制御棒はセットされたままです。その意味でも、制御棒がずれ落ちると言った事態は考えにくいのです。
そして、更には、仮に即発臨界で爆発が起こったのであれば、その影響でより多くの制御棒が外れ、二次的に即発臨界が周囲の幾つかの地点で起こることになるのではないでしょうか。
仮に、燃料体間の距離が狭まったために臨界が起こったとしても、そのタイミングが問題です。なぜ、1号機の爆発の後なのか?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%B6%E5%BE%A1%E6%A3%92#BWR.E3.81.AE.E5.88.B6.E5.BE.A1.E6.A3.92
BWRの制御棒[編集]
沸騰水型原子炉(BWR)は、冷却水の水量の増減による炉内蒸気ボイド(泡)の量によって短期的な出力調整が行えるため、制御棒は主に長期的な反応度の調整に用いられる。BWRは圧力容器上部に主蒸気系配管が通っているため、圧力容器の下方から水圧動作の制御棒駆動装置(CRD)で炉心内に挿入される。緊急時には蓄圧タンクからのガス圧で炉心に全挿入される。制御棒断面は4体の燃料集合体の間に挟まるような4つのブレードを持つ十字形をしており、運転サイクル中の原子炉の反応度変化に追随して細かな調整が行える様に、制御棒上部と下部では材質が変えられている。
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