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今回は珍しく、反・脱原発団体「原子力資料情報室」(CNIC)を批判の俎上にのせよう[1]。
CNICについては説明の必要はないだろう。
あの高木仁三郎氏が中心となって設立し、日本で最も有名で歴史が長く、有力かつ
信頼のおける反・脱原発団体である。
CNICの情報によりいろいろと原子力に関して勉強させてもらい感謝しているが、
福島原発事故後の同団体の活動についてはひどく失望している。
というのは、福島第一原発事故で生じた放射能汚染の状況や健康被害の実態について、
全くと言ってよいほど取り上げないからである。
CNIC会員には月に1回、「原子力資料情報室通信」という会報が送られてくる。
(目次はこちら[2])
これを見ると、原子力技術の危険性に関する議論、国内外の原子力業界や反・脱原発団体
や活動の情報、原子力関連裁判の進捗など、福島原発事故以前と全く同じような内容で驚く。
まるで原子炉が4基も大爆発した人類史上最悪の事故など起きなかったかのようだ。
福島原発事故が取り上げられることがあっても、マスコミが報じる情報以上のものはない。
信じがたいことだが、今回の事故で生じた深刻な放射能汚染や健康被害の情報や議論は
皆無である。
これでは原子力ムラの息のかかったマスコミと変わらないではないか。
政府・原子力ムラからの圧力があるのか、あるいは工作員が入り込んで無力化されて
しまったのか。
むしろ福島事故以後に設立された民間団体のほうが、食品の汚染測定や移住の支援など
積極的に活動をしているのは何とも皮肉なことだ。
東京も即避難が必要なホットスポットがあちこちにあり、本来ならCNICは率先して事務所を
汚染のない西へ移転し、避難・移住を呼びかけなければいけない立場であろう。
原発が4基も爆発して未だに収束していないのに、たった220キロしか離れていない首都圏が
安全だというのなら、放射能汚染など恐れる必要もなく、原子力に強く反対する理由もない。
これほどの矛盾もあるまい。
われわれ国民が一番知りたいのは、飲料水、食品、土壌などの汚染状況、そしてますます
深刻になりつつある内部被ばくによる健康被害の実態である。
原子力技術に関する議論は原発差し止め訴訟には必要かもしれないが、技術的欠陥を示して
原発は危ないと主張したところで裁判所は原子力ムラと完全に癒着しており、勝訴する可能性は
ゼロだ。
そんな議論は今やほとんど意味がない。国民は原発が危険であることぐらい十分理解している。
原発を廃炉に追い込むためには、福島原発事故で生じた環境汚染と健康被害の深刻な実態を
国民に隠すことなく知らせるほうがはるかに効果がある。
放射能汚染や被ばくによる健康被害に目を閉じていては、決して原発はなくならない。
被ばく被害について口を閉ざすことは、原子力推進の片棒を担ぐことに等しい。
この問題はCNICだけではない。
環境汚染や健康被害を追及しない反・脱原発団体がいくつも存在するが、その存在意義は
ほとんどないと言ってよい。
被ばく被害を無視して何の反・脱原発か。
CNICはなぜ原子力に反対するのか、根本的な理由に戻って今一度よく考えるべきだろう。
中立的な民間測定所と協力して、飲料水、食品、土壌の汚染を定期的にチェックする。
(とくにストロンチウム汚染は重点的に調べる)
信頼できる医師に深刻化する健康被害の状況を説明してもらう。
食品安全基準を100Bq/kgから1Bq/kgに下げるよう政府に強く申し入れる。
CNICはこういった放射能汚染や健康被害に関する情報提供や活動を行なうべきだろう。
今のままでは、CNICはその役割を終えたと言われてもしかたがない。
放射能汚染にさらされている国民に役に立つ情報を提供しなければ、会員数も伸びず
活動も先細りになるにちがいない。
設立者の高木仁三郎氏も草葉の陰で嘆いていることだろう。
(関連情報)
[1] 「原子力資料情報室 CNIC ホームページ」
http://www.cnic.jp/
[2] 「『通信』もくじ」 (原子力資料情報室)
http://www.cnic.jp/category/cat010/cat012
[3] 「CNIC 原子力資料情報室 ツイッター・アカウント」
https://twitter.com/cnicjapan
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