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東北中央道11月4日、米沢開通、福島にささるストロー
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2017/09/17(日) 19:52:12 めげ猫「タマ」の日記
東北中央道の福島市と山形県米沢市の区間が11月4日開通することが決まりました(1)(2)。これで東京と米沢は高速道路で繋がります。これについて福島県の地方紙・福島民報は9月14日の社説で
「人の交流や物流が活発になる。県境を越えた新たな経済圏が膨らむ好機」
と論じていますが(3)、(=^・^=)は福島から観光客を吸い上げるストローだと思います。
福島は原発事故によって汚染されました。
※1(4)のデータを(5)に示す手法で9月1日に換算
※2 東北中央道は(6)による。
図―1 事故で汚染された福島
図に示す通り事故から6年半が経過しましたが、福島では国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(7)地域が広がっています。事故から6年半を経て福島は汚染されたままです。一方で山形はこのような場所はありません。
以下に福島から山形へ避難された方の人数を示します。
※(8)を集計
図―2 福島から山形へ避難された方の推移
図―2に示す様に事故直後は多くの方が福島を恐れ山形に避難しました。だいぶ減りましたが事故から6年半を経た今も2,778人方が山形で避難生活を続けています(9)。東北中央自動車道のうち福島県福島市の福島大笹生インターチェンジと山形県米沢市の米沢北IC間の35・6キロが11月4日に開通することがきまりました。
※(9)を9月14日に閲覧
図―3 東北中央道の米沢までの開通を報じる福島県の地方紙・福島民報
福島市と米沢市は無料通行区間で、所要時間は従来の約1時間から約40分に短縮されます(1)(2)。これについて、山形県の地方紙・山形新聞は
「本県と関東方面を結ぶ新たな大動脈で、冬期間の安全通行に加え観光交流、産業振興が期待される。」
と報じていました(2)。一方で福島県の地方紙・福島民報は9月14日の社説で
「人の交流や物流が活発になる。県境を越えた新たな経済圏が膨らむ好機」
と論じていますが(3)、(=^・^=)は福島から観光客を吸い上げるストローだと思います。
以下に福島の観光客入り込み数を示します。
※1(10)を転載
※2 凡例中「既存」は事故前より集計対象になっていた施設を示す。
※3 凡例中「新規」は事故後に集計対象になった施設を示す。
図―4 福島の観光客入り込み数
これについて福島の地方紙・福島民報は
「5717万9千人だった震災前の2010年の92.3%まで回復した。」
と報じていました。でもこの数字には事故前からあった施設なのに、事故前は集計の対象とせず2016年から集計対象とした施設等も含まれており、「水増し」した数字です。事故前からあった観光地や施設、イベントだけで集計すると
2010年 5,717万9千人
2013年 4,669万1千人
2015年 4,664万5千人
2016年 4,691万8千人
で、2013年からは回復がほぼ止まり2016年は事故前の8割程になっています(10)。
もっと悲惨なのが教育旅行です。以下に福島県内に教育旅行で訪れた方の延べ宿泊数を示します。
※1 (11)を転載
※2 「ふくしまっ子事業」は「ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業」を略したもので福島県園児、小中学生が福島県内に出かける場合に宿泊費、交通費・活動費を補助する制度
図―5 福島県の教育旅行・延べ宿泊数
福島県内から「ふくしまっ子事業」を含めればほぼ事故前の水準に戻っていますが、福島県外からの教育旅行は回復せず合計で4割程度落ち込んだままです(11)。
福島は避けられています。当然です。図―1に示す様に福島は今も汚染されています。福島と米沢間短縮されれば同じサービスなら多くの方が米沢を選ぶと思います。
山形県米沢市が力を入れている農作物にリンゴがあります(12)。東北中央道が開通する11月にはリンゴ狩りが楽しめます(13)。その頃は福島市もリンゴ狩りのシーズンです(14)。図―1に示すように福島市は除染が必要な地域が広がっています。福島市と米沢市はお隣同士です(15)。交通の便が良くなれば競合します。どちらが選ばれるか明らかです。
米沢と言えば「米沢牛」が有名だと思います(16)。ただし米沢市の牛の飼育頭数は乳牛も含め3,431頭と決して多くありません。一方で福島県郡山市の牛の飼育頭数は乳牛を含め7,264頭で米沢市の倍以上で福島県随一です(17)。福島県郡山市にも「うめね牛」なるものがありますが(18)、まったく知名度はないと思います。「米沢牛」には対抗できません。
米沢市が力を入れている水産物に「鯉」があります。今から200年程前に福島から導入ししたものだそうです。米沢の「鯉」は最上川上流の雪国ならではの清く豊富な水で3年間飼育され、肉が良く締まり、泥臭さのまったくない良質の鯉で人気があるそうです(19)。福島県郡山市は市町村別では、全国1位の鯉の生産量を誇っています。鯉は郡山市を代表する特産物です(20)。猪苗代湖を水源とする安積疏水(21)の水で育てられるそうです(20)。以下に福島県の猪苗代湖で捕れたお魚のセシウム毛なあ結果を示します。
※1(22)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
※3 日付けは捕獲日
図―6 猪苗代湖産の魚の検査結果
図に示す様に事故から6年半の間、セシウムが見つかりづつけています。セシウム入り魚と同じ水で育った鯉より、最上川の源流の近くの米沢(23)で育った鯉の方が「安心」できます。
吾妻連峰は福島市側がらのアクセスルートの方が有名ですが(24)、米沢市側からもアクセスできます(25)。春先には福島からは「雪うさぎ」が楽しめますが(24)、米沢市側からは「白馬の騎士」が楽しめます。
※(25)を引用
図―7 米沢市側から見える「白馬の騎士」
放射能を気にしながら福島側からアクセスするより、米沢市側からのアクセスの方が楽しいと思います。
福島県には二本松市等の城下町として名高く(26)、観光地になっておる市があります。山形県米沢市の米沢城は戦国時代には伊達氏の居城があり伊達正宗生誕の地です。江戸時代には米沢藩の藩庁が置かれて上杉景勝・上杉鷹山などの歴代藩主が居住しました(27)。そのため米沢市には城下町由来の名所・旧跡があります(28)。放射線を気にしながら福島の城下町を散策するよりは、少し遠いですが福島よりはるかに放射線の心配が少ない米沢の方が楽しめそうです。
リンゴなどの果物、牛肉、鯉、吾妻山、城下町など米沢には福島と競合する物があります。他にも温泉(29)(30)、スキー場(31)、(32)が競合します。放射線を気にしながら福島で楽しむより、一寸だけ足を延ばし米沢で楽しむ方がより楽しめると思います。東北中央道は福島から観光客を吸い上げるストローになります。
こうしたストローは過去にも作られました。2007年に仙台空港鉄道が開通しました(33)。この結果、福島市からだと福島空港まで1時間半ですが、仙台空港までは50分と(34)、福島県内でも仙台空港が便利になりました。以下に福島空港の利用者数を示します。
※(35)にて作成
図―8 福島空港利用者数
図に示すように仙台空港鉄道が開通しら2007年以降に福島空港の利用者は激減しています。仙台空港鉄道によって福島空港の利用者は吸い上げられたようです。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
東北中央道が米沢まで開通すれば確実に福島から観光客は流れ、福島の観光客は減少すると思います。それでも福島復興には必要な道路です。原発事故で福島が汚染されても、多くの方が福島に残るざるを得なかったと思います。こうした方は休日くらいは放射線の心配が無い場所で楽しみたいと思います。福島に比べ汚染が各段に少ない米沢を結ぶ道路は福島の皆様の生活の質の向上に寄与します。
磐越道は福島県と新潟県を結ぶ高速道路です。新潟県側区間を中心に2車線の対面交通となっています(36)。これを4車線化しようとの主張があります。この主張は新潟県側でなく福島県側から聞こえてきます(37)(38)。福島の皆様にとって汚染された福島から抜け出せる交通網は不可欠なようです。
事故から6年半が経ちましたが福島の皆様は放射能汚染を恐れていると思います。
福島県会津若松市は福島のブドウの産地のひとつです(39)。福島県会津若松市では今、ブドウ狩りが楽しめます。福島県会津若松市はブドウの季節です。同市のブドウは甘いそうです(40)。福島県は福島産ブドウは安全だと主張しています。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシに福島産ブドウはありません。
※(41)を引用
図―9 福島産ブドウが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「福島産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-asyuracom-2285.html
(1)11月4日開通 東北中央道大笹生−米沢北IC | 県内ニュース | 福島民報
(2)東北中央道、福島−米沢間開通へ 11月4日、無料区間は約40分に短縮|山形新聞
(3)【高速道路、米沢へ】経済圏拡大の好機(9月14日) | 県内ニュース | 福島民報
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日〜11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(6)福島河川国道事務所|東北中央自動車道
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)県外への避難者数の状況 - 福島県ホームページ中の「・県外への避難状況の推移 [PDFファイル/205KB](29.7.31更新)」
(9)福島民報
(10)めげ猫「タマ」の日記 2016年の福島・観光客は4.9%増、これまで集計してない施設を集計しただけ
(11)めげ猫「タマ」の日記 復興大臣は福島への教育旅行を呼びかけ、でも止めた方が!
(12)A(Apple)館山りんご/米沢市役所
(13)米沢の味ABCのAのApple(りんご)!狩り☆:米沢観光コンベンション協会|山形県米沢市の観光情報サイト
(14)くだもの ? 一般社団法人福島市観光コンベンション協会公式ページ
(15)米沢市 - Wikipedia
(16)米沢牛 - Wikipedia
(17)届出情報の統計-目的別索引-牛の個体識別情報検索サービス中の「【平成28年10月31日公表】 (毎年10月31日頃更新)⇒飼養頭数⇒牛の種別⇒市区町村別⇒平成28年9月末時点⇒Excel 」
(18)黒毛和種雌牛 うねめ牛 | 福島県郡山市采女牛を育てる会 郡山ブランド認証産品
(19)C(Carp)米沢鯉/米沢市役所
(20)郡山の鯉/郡山市
(21)安積疏水 - Wikipedia
(22)報道発表資料 |厚生労働省
(23)最上川の源流
(24)吾妻山 - Wikipedia
(25)天元台高原 - Wikipedia
(26)二本松城跡│二本松城跡の概要
(27)米沢城 - Wikipedia
(28)城下町ふらり歴史探訪/米沢市役所
(29)福島 スキー場情報サイト ‐ SURF&SNOW
(30)米沢スキー場2016-2017シーズン|Yonezawa Snow World スキー&スノーボード|山形県米沢市
(31)福島県の温泉旅館・ホテル一覧 【楽天トラベル】
(32)米沢・置賜の温泉・露天風呂のある宿・ホテル - じゃらん温泉ガイド
(33)仙台空港鉄道 - Wikipedia
(34)福島市とは - 福島市
(35)めげ猫「タマ」の日記 福島空港2年連続の利用者減、当然の結果です。
(36)磐越自動車道 - Wikipedia
(37)【磐越道開通20周年】広域連携強化の契機に(9月6日) | 県内ニュース | 福島民報
(38)磐越道、2車線箇所「付加車線」整備 石井国交相が考え示す:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(39)ぶどうを作って一世紀(会津若松市) | ふくしま 新発売。
(40)フルーツランド北会津
(41)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(42)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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