http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/574.html
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フリーランス・ライター・林智裕氏が先日放映されたテレビ朝日の番組「ビキニ事件とフクシマ」
について、講談社・現代ビジネス・ウェブ上に批判を投稿している。
長い記事なのでリンク先の元記事を読んでいただきたい。
「大炎上したテレビ朝日「ビキニ事件とフクシマ」番組を冷静に検証する」
(講談社・現代ビジネス 2017/8/10) 林 智裕
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52558
さすが御用ライターと悪評が高い林智裕氏だけあって、ウソ、デタラメ、マヤカシだらけである。
以下、一つ一つ間違いを指摘していこう。
>福島では現在、除染の完了などによる避難指示解除に伴って、「帰福島」が進みつつあリます。
帰還しているのは避難住民の1割だけ、それも高齢者が大半だ[1][2]。
>「政府を信じて帰還したら、お前たち福島県民もこういう運命になる」という
>「呪い」をかけようとする意図があったことは明らかです。
呪いではなく、科学的・医学的事実である。
科学的な議論では太刀打ちできないので、「呪い」だの「言葉の暴力」だの感情的な言葉で
論点をごまかそうとしている。
>そうでなければ、「ビキニ環礁と福島では、放射性物質による被曝量がケタ違いに異なる」
>といった前提条件を無視してまで、この文脈で「フクシマの未来予想図」などというサブタイトルを
>付ける理由はないでしょう。
原水爆とくらべ原発事故のほうが放射性物質の放出量はケタ違いに多い。
政府ですら福島原発事故のセシウム137の放出量は広島原爆の168倍と発表している[3]。
実際は1000倍以上だろう。ビキニの被ばくとは比較にならないほどの被害が出るのは明らか。
ゆえに、このサブタイトルは適切である。
>何故、具体的な数値やデータを示さず、証言のみで番組を構成しようとしたのでしょうか。
ロンゲラップ島住民の被ばく被害については米国政府を始め、多くの論文が発表されており、
常識である。改めて番組で詳細を説明するまでもない。林氏が不勉強なだけである[4]。
>福島に関しても、たとえば東日本震災直後に週刊誌『AERA』の「放射能がくる」特集や、
>東京新聞特報部の「子供に体調異変、じわり」と題する記事などのような、
>恐怖と不安だけを煽る報道が溢れたことを思い出します。
すべて真実であった[5]。
都内でも経産省前やお台場などで1万ベクレル/kgを越える土壌汚染が見つかった[6][7]。
>たとえば被曝によって鼻血を出すには、一般的な空間線量の数千万倍レベルの
>大量被曝を一気にしなければなりません。
それは外部被ばくの場合であって、放射性微粒子が鼻の粘膜に付着すれば、
容易に鼻血は出る[8]。
鼻血が典型的な被ばく症状の一つであることは常識だ。
外部被ばくよりもはるかに危険な内部被ばくを徹底的に無視するのが原子力ムラの
常套手段である。
>福島での原発事故でそのような被曝をした人はいませんし、
>当然そうした出血の症例も報告されていません。
多くの子どもが鼻血を出したということが、国会で報告されている[9]。
6年以上経った現在でも、多くの人が鼻血に悩んでいる[10]。
>そもそも、線量計を地面に「直置き」するという測定方法からして間違っています。
空間線量ではなく土壌の線量を議論しなければならないので正しい。土壌を測定すべき。
>しかも、そこまでして得た「高い数値」でさえも0.042μSv/hなのです。
線量計の示す値が低いから安全と考えること自体が根本的な間違い[11]。
同じ0.042uSv/hでも、ホットスポットがそばにある場合とない場合では危険が全く違う。
100万ベクレル/kgの汚染物から1メートルも離れれば、線量はバックグラウンドと
ほぼ同じになるが、もちろん安全とは言えない。飛散や流出の危険性がある。
>そもそも、被曝による健康被害そのものが「100mSv未満の低線量による放射線の影響は、
>科学的に確かめることができないほど小さなものと考えられています」とされている
科学的根拠ゼロ。実際には累積線量5mSvで白血病になった人に労災が下りている[12]。
つまり政府は累積被ばく量5mSvで白血病になりうることをはっきり認めている。
>輸血や注射などの医療行為を介して大勢の人がC型肝炎にかかったと考えられています。
核実験による被ばく被害の責任を認めたくない米国が、根拠のないC型肝炎説を
でっち上げているだけ。
第五福竜丸だけではなく他の漁船の乗組員も大量に被ばくし健康被害に苦しんでいる[13][14]。
>著名人が病気になったり、亡くなったりするたびに「(福島の食材を)『食べて応援』していたせいだ」
>「被曝が原因だ」などと、全く根拠の無い言いがかりをつける人がインターネット上に数多く現れたのです。
被災地に応援に行ったり食べて応援した人が白血病やがんで若死にしているのは
紛れもない事実[15]。被ばくのせいではないと断言できる証拠はどこにもない。
>「ビキニ環礁水爆実験」と「福島第一原発事故」という二つのまったく異なる問題を、
>「放射能」という共通項だけをもって強引かつ情緒的に混同させ、
>問題の本質をぼやけさせようとしていました。
両者に共通する問題の本質は紛れもなく放射能被ばくであり、それ以外にはない。
>テレビ朝日には「福島でも政府が住民を使った人体実験をしようとしている」
>「福島に帰還すれば重大な健康被害が出る」と仄めかす意図があったのではないか、
>と疑わざるを得ません。
ほのめかすどころか、長崎大・山下俊一教授は「福島県は世界最大の実験場である」と
はっきり公言している[16]。福島県民をモルモットにしているのは明らか。
>福島では、幸いにも直接の被曝を原因として亡くなった方はいません。
こんなウソを信じる人はもう誰もいない。
原発ADRを申し立てた人のうち2014年3月から1年半弱で202人も亡くなっている[17]。
短期間にこれだけ多くの人が亡くなる理由は被ばく以外にありえない。
もし健康被害がないというのなら、なぜ福島県は白血病やがんの罹患数を発表しないのか。
避難移住した元住民の大半が帰還しないのは、福島に残った親族や友人知人が
恐ろしい勢いで亡くなっているのを知っているからだ。
>しかしその反面、無理な避難などに伴う「震災関連死」は、他県に比べて
>飛び抜けて高いのが現状です。
被ばく死を震災関連死とごまかしているからである[18]。
>たとえば、今回の番組を放送したテレビ朝日の報道番組『報道ステーション』では、
>2013年の時点ですでに国連科学委員会が「福島では、被曝を原因とする
>甲状腺ガンの多発は起こらない」と報告しているにもかかわらず、2014年、2015年、
>2016年と3年連続で、3月11日に「被曝の影響により、福島で甲状腺ガンが多発している」
>かのような誤解を与える特集を放送し、環境省が「事実関係に誤解を生ずるおそれもある」
>として注意喚起を出す事態となっています
山本太郎議員の追及により2011-15年に福島県の9病院で行われた甲状腺悪性腫瘍手術は
1082件であることが判明している[19]。
甲状腺がんの発症率は10万人に数人であり、実にその数十倍以上だ。
異常に多発しているのは否定できない事実。
以上である。
放射能被ばく被害が深刻になるにつれ、こういった安全デマに耳を傾ける人も減っている。
最終的には、放射能汚染はなく安全だと何が何でも信じたい放射能安全教信者だけが
まわりに残り、カルト化するのだろう。
こんなデタラメ記事を投稿するライターも問題だが、それをそのまま掲載する講談社も非常識だ。
「原子力ムラがスポンサーですから」とみずから語っているようなものではないか。
講談社も良心があるのなら、こういった放射能安全デマを批判する記事を掲載すべきだろう。
(関連情報)
[1] 「避難指示解除1年2ヵ月の葛尾村、対象1、259人中162人(帰還率13%)
(めげ猫「タマ」の日記)」 (阿修羅・赤かぶ 2017/8/9)
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/526.html
[2] 「浪江・富岡、帰還1%台にとどまる 避難解除から1カ月 (日経新聞)」 (拙稿 2017/5/8)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/877.html
[3] 「原発事故のセシウム137、広島原爆168個分 (読売新聞)」 (阿修羅・赤かぶ 2011/8/27)
http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/838.html
[4] 「流産、死産、指がない子、精神障害、甲状腺の異常や奇形の遺伝、消えない被爆後遺症、
ビキニ環礁核実験(6/20 神奈川新聞)」 (阿修羅・赤かぶ 2014/6/20)
http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/799.html
[5] 「アエラ「放射能がくる」(2011/3/28号)は正しかった 風評被害を招くと抗議した愚か者は
己の不明を反省、謝罪すべし」 (拙稿 2016/3/16)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/312.html
[6] 「〔速報〕経済産業省前土壌が、セシウム合算で10,000Bq/kgを超えました。」
(木下黄太のブログ 2011/9/14)
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/de0cf1bb5398a4056141f19bbbe00d84
[7] 「お台場から土1キロ当たり1万ベクレル超の衝撃 (日刊ゲンダイ)」 (阿修羅・赤かぶ 2012/3/20)
http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/170.html
[8] 「福島の鼻血『内部被ばくか』 神戸の医師 学会で発表(とある原発の溶融貫通(メルトスルー))」
(阿修羅・赤かぶ 2014/7/14)
http://www.asyura2.com/14/genpatu39/msg/324.html
[9] 「2−3年前の国会で鼻血が出た人が多いことについて議論していた!!」 (拙稿 2014/5/11)
http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/898.html
[10] 「あいかわらず鼻血を出す人が非常に多い」 (拙稿 2016/5/9)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/641.html
[11] 「線量が毎時0.1マイクロシーベルト以下だからと安心してはいけない」 (拙稿 2015/10/9)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/107.html
[12] 「白血病労災認定された最低の被ばく線量は5.2ミリシーベルト!共産高橋千鶴子議員に
細川厚労相答弁」 (男も女もすなる日記をいふものを、オカマもしてみむとてするなり 2012/11/19)
http://ameblo.jp/megumi-jk/entry-11408161833.html
[13] 「<ビキニ水爆>漁船員被ばくは最大414ミリシーベルト(毎日新聞)」
(阿修羅・赤かぶ 2014/8/8)
http://www.asyura2.com/14/genpatu39/msg/654.html
[14] 「ビキニ被ばく17隻 元乗組員ら告発へ 政府文書発掘 国の責任問う(しんぶん赤旗)」
(阿修羅・gataro 2016/2/25)
http://www.asyura2.com/16/senkyo201/msg/791.html
[15] 「発病、病死した有名人・芸能人の多くは高汚染地域を訪問していた 」 (拙稿 2016/3/26)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/376.html
[16] 「『福島県は世界最大の実験場』 『1ミリで支援』山下俊一氏 (OurPlanet-TV)」
(拙稿 2015/5/20)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/836.html
[17] 「東電第一原発被害で「原発ADR」を申し立てた福島浪江町住民 和解案提示後
すでに202人が死亡。病因開示されず。」 (阿修羅・赤かぶ 2015/7/3)
www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/354.html
[18] 「20キロ圏に数百〜千の遺体か 「死亡後に被ばくの疑い」←ウソ(wantonのブログ)」
(阿修羅・赤かぶ 2015/6/14)
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/228.html
[19] 「2011-15年に福島県で行われた甲状腺悪性腫瘍手術は1082件以上!山本太郎議員が追及」
(拙稿 2017/4/16)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/783.html
[20] 「TV朝日の不適切な副題削除(めげ猫「タマ」の日記)」 (阿修羅・赤かぶ 2017/8/5)
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/514.html
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