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「核のごみ地図公表 広がる波紋」〜10万年先の安全性をどうやって保障することができるのか、納得してもらわなければならない/水野倫之・nhk
「核のごみ地図公表 広がる波紋」(時論公論)
2017年07月31日 (月)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/276693.html
水野 倫之 解説委員
原発を運転すれば必ず出る放射能レベルが極めて高い廃棄物・核のごみの地下の処分地選定に向けて、政府は科学的に候補地となりうる可能性のある地域を示した地図を公表。
ただ処分地選定に向けては地下を調査しなければならず、自治体や住民の理解が不可欠だが、すでに戸惑いや反発の声が上がっており、この先、困難が予想。
▽地図でどこが候補地となりうる可能性があるとされたのか。
▽地図公表にはどんな意味があるのか。
▽さらに政府は今後どう対応すべきか。
以上3点から核のごみの課題について水野倫之解説委員の解説。
公表された「科学的特性マップ」です。火山や活断層などのデータベースをもとに、経済産業省が日本全体を4色に分けて作成。
だいだい色は「火山」や「活断層」の周辺、それに隆起などがある地域。
銀色は「資源」がある地域。
こうした地域は、処分場が地震などで破壊されたり、将来資源を求めてヒトが掘削する可能性があるため「好ましくない」として、候補地からは除外。
それ以外の緑色の地域が「好ましく」、候補地となりうる可能性がある地域。
なかでも濃い緑は沿岸部から20キロ以内の地域で、船で運ばれてきた核のごみを短時間で処分場まで陸上輸送できることから、可能性がより高い地域に区分。
▽候補地となりうる可能性のある緑の地域は、
国土の3分の2。その中でも可能性がより高い濃い緑の地域は国土の3分の1。900の自治体が該当。
また今回、電気の大消費地で人口密度が高い都市部も除外せず、色分け。
▽東京では都心などの地下にはガス田が広がっていることから候補地からは除外。世田谷区など23区の西側は濃い緑、候補地となりうる可能性が高い地域に区分。
また大阪や名古屋も中心部には地盤がゆるい地域や炭田などが広がり除外。周辺には濃い緑の可能性がより高い地域が多い。
地図の公表に当たって世耕経済産業大臣は、「あくまでも科学的な特性を示したもので、今の段階で処分場の受け入れの判断をお願いするものではない」と説明。
地図に一体どんな意味があるのか。
核のゴミは原発から出る使用済みの燃料や、これを再処理した後に残る放射能レベルが極めて高い廃棄物で、安全になるまで10万年は隔離する必要。
各国は地下深くに閉じ込めて処分を検討。
中でも日本は取り組みが大きく遅れた。
そこに福島の事故が起きて、原子炉だけでなく使用済み燃料もメルトダウンが懸念され、その危険性が明らかに。
全国の原発には1万8000tに迫る大量の使用済み燃料がたまり続け、さすがに先送りできないところまで追い詰められ、政府として処分できる場所があることを示して関心を高めてもらうおうと作成したのが今回の地図。
政府は今後、濃い緑の地域に重点的に働きかけをして、将来的に複数の自治体が処分場に関心を示すことを期待。
これまで核のごみ問題に真剣に向き合ってこなかった政府が、ようやく前面に出て取り組む姿勢を見せた点は、一定の評価。ただこの先も相当な困難を覚悟しなければならない。
地図の公表に対して、すでにとまどいや反発の声。
▽福島第一原発を抱える福島県の内堀知事は「福島県が最終処分地になることはありえない」とコメント。
▽地下処分の研究施設がある北海道からは、施設が処分場に転用されるのではないかと懸念。
道の担当者は、核のごみの持ち込みは受け入れがたいという姿勢を続けていきたいと。
▽さらに原子力関連施設がない岩手県も達増知事が「地下処分については疑問があり、処分場は受け入れられない」とコメント。
政府が「処分場の受け入れを求めない」と言っているのに、なぜ反発やとまどいの声が上がるのか。その根底にあるのは国の原子力政策への不信。
▽10年余り前全国で唯一、調査受け入れを受諾した高知県の東洋町では、政府や電力会社が町と水面下で交渉を進めたため、住民の間に反発が広がり、受け入れは撤回。
▽誘致の動きがあった滋賀県でも、交付金や安全性ばかり強調する国の姿勢に反発が。
▽さらに今回の地図提示に先立って政府が主要都市で開いた説明会でも、安全を強調する説明に対し、参加者の多くから、疑問の声が。
政府は、地下深くは地上よりも地震の揺れは小さく、さびの原因となる酸素も少ないこと、それに地下水の動きは緩やかで仮に放射性物質が漏れたとしても地上に到達するまでかなり時間がかかることなどから、安全性は確保されると。
しかし、政府が重大事故は起きないと説明してきた原発でメルトダウンが起き、安全性ばかり強調されても、にわかには信じることはできない。
地図を示した今、政府がまずやるべきことは、地下処分の安全性について、不確実な点も含めて、きちんと説明していくこと。
日本では、毎年のように大きな地震が起きます。
活断層が見逃された場合、処分場の安全性にどんな影響があり、対策はあるのか。
10万年先の安全性をどうやって保障することができるのか。
こうした点について、地下処分に批判的な人たちも交えて説明をし、納得してもらわなければならない。
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