http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/294.html
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※図のなかの「プルームが流れたおおよその時期」について:
A:ABは、2号機S/C破壊(水が枯渇してしまったS/C(圧力抑制室)に対し主蒸気逃がし弁操作で何度も高圧蒸気を噴射したことで起きた事象)に伴う漏出
「事故を「レベル7」まで深刻化させた政府・東電の大罪:2号機圧力抑制室損壊は事故対策チームの極めて深刻な失態」
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/549.html
「[事故発生から2号機圧力抑制室損壊までの経緯:5] (その7)」
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/601.html
「[2号機圧力抑制室損壊問題]東電資料より:S/Cプールの水は隔離時冷却に使われ防護機能を喪失:圧力破壊の可能性が大」
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/219.html
B:FGHは、3号機での「ドライベント」やいずれかの号機で起きた再臨界により漏出したと思われる。
[参照投稿]
「「3月20日3号機格納容器内爆発」説を読む[その1]“鮮度がいい”放射性物質の漏出・飛散に関する検証」
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/600.html
「「3月20日3号機格納容器内爆発」説を読む[その2]」
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/646.html
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セシウムの粒、事故知る鍵
炉心溶融で生成?影響未知
東京電力福島第1原子力発電所事故の際、放射性セシウムを含む未知の微粒子(セシウムボール)が原子炉から放出され、遠く関東地方まで飛んできたことが最近の研究で分かった。従来知られてきたセシウム放出物とは体内に取り込んだ場合の健康への影響も異なると考えられる。事故の進展を推測する手がかりとしても注目される。
セシウムボールを最初に見つけたのは茨城県つくば市にある気象研究所の研究チームだ。大気汚染の観測装置のフィルターから直径2.6マイクロ(マイクロは百万分の1)メートルのセシウムを含む球形粒子を発見した。装置に粒子が採取されたのは2011年3月14日から15日の間。福島第1原発で炉心溶融(メルトダウン)が相次いで起きていたと考えられているころだ。
研究チームが解析を終え発表したのは13年夏だ。この発見は、事故で広がった放射性物質の影響を調べている科学者らの間に懸念を呼び起こした。セシウムボールは水に溶けない微粒子だったからだ。
今年5月には東京理科大学などが、セシウムボールが関東地方の広い範囲に飛んできたことを学会で発表した。
炉心が溶融した原子炉から出る放射性セシウムは、大気中の成分と結合し化合物(水酸化物や硫化物など)の微粒子となり広がる。これらは可溶性で地面に落ちるとセシウムは水に溶けた後、土壌粒子と固く結びつく。表土をはがせばセシウムは除去できる。体に取り込んだ場合、1〜3カ月程度で半分が体外に排出される。セシウムを含む食物をとらないよう心がければ内部被曝(ひばく)は減らせる。
一方、セシウムボールは地面に落ちてもセシウムは溶け出さず、土壌に固定されない。微粒子は再飛散の恐れがある。体内に入ると肺の中などに長くとどまりやすい。大きさが大気汚染の原因となる微小粒子状物質PM2.5と同程度で、吸い込むと出にくい。森口祐一東京大学教授は「健康影響を知るうえで従来の考え方が適用できない」と話す。
現在、複数のチームが謎の粒子を追いかけている。小暮敏博東大教授らはセシウムボールの構造や成分を詳しく調べた。ケイ酸塩ガラス(窓ガラスの主要成分)の中にセシウムや鉄、亜鉛などが閉じ込められていた。原発に近い場所では10マイクロメートルを超える大きさで丸くないものも見つかった。
健康影響を把握するうえで何より知りたいのは、放出量と放出のタイミングだ。東大や東京理科大などの研究者らは東北、関東地方にある大気中の浮遊粉じん観測装置のフィルターを集めて調べ、セシウムボールがいつ、どれくらい飛んでいたかを割り出そうとしている。
12日ころに北に流れた1回目のプルーム(放射性物質を運んだ空気の流れ)ではセシウムボールは見つからず、15日に関東に到達したプルームに多く含まれていたことがこれまでに判明。九州大学などの分析では、15日に東京都内でとらえた放射性セシウムの8〜9割が不溶性だった。つくば市より南の関東地方南部でも15日に飛来したと考えられるセシウムボールが見つかった。
中島映至東大名誉教授らは福島第1原発からは9回のプルームが出たと推測する。このうち福島第1原発2号機から出たと考えられる2回目のプルームが15日に関東に来た。2号機は14日夜から冷却ができなくなり15日にかけて炉心溶融が進んだと考えられている。粒子が2号機のものだということは放射性物質の構成比から推定できる。
2号機では今年2月、東京電力などが格納容器内にロボットを入れたところ、原子炉本体(圧力容器)の外側で非常に高い放射線を検出した。その正体は不明だが、炉心溶融で発生した様々な放射性物質が相当な量、原子炉の外側に広がることを示唆する。
セシウムボールの主成分のケイ素はコンクリートや断熱材に含まれる。溶けた核燃料がコンクリートなどを蒸発させ、それが大気中で急冷しガラス状に固まる際にセシウムなどを取り込んだというシナリオが想定されている。
東京理科大チームは、直径約1マイクロメートルのセシウムボール1個に含まれる放射性セシウムの量は1ベクレル以下と報告する。飛散地域の空間放射線量を上げるほどではなく外部被曝を心配する必要は小さい。ただ帰宅困難地域の住宅内のホコリの中にセシウムボールがあったと東大が報告している。掃除や除染のために立ち入る際には吸い込まないようマスク着用などの注意が必須だ。
事故の進展過程を知り、健康影響の全体像を把握するためにはセシウムボールについてさらに詳しい研究が必要だ。
(編集委員 滝順一)
[キーワード]浮遊粉じん観測 当時のろ紙の調査進む
都道府県はPM2.5など浮遊粉じんを観測する装置を各地に持つ。装置のフィルター(ろ紙)に福島事故時に飛散した放射性物質がとらえられていることに気がついた研究者が呼びかけ、環境省は2011年に自治体に対し、ろ紙の保存を要請した。
現在までに東北、関東の99地点からろ紙が東京大学などに集められ、順次調べられている。ろ紙は1時間ごとに交換されるため、セシウムボールに限らず放射性セシウムの飛散量の時間変化が分かる。
例えばリモート・センシング技術センターの鶴田治雄特任首席研究員は、3月12日の1号機のベント(排気)で出た高濃度のプルームの検出に成功した。
[日経新聞6月11日朝刊P.30]
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