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「2009」番 「トランプが、エルサレムを首都承認した」問題を徹底的に解説する。日本人は、中東アラブ、イスラエル問題を大きく理解するために、歴史を勉強するべきだ(前編)。 副島隆彦 2017.12.19 」
http://www.snsi.jp/tops/kouhou/2007
(抜粋)
私、副島隆彦は、イスラエル(ユダヤ教徒)、イスラム教諸国の両方の立場、主張を大きく説明することで、皆の理解を得ようと思う。
いまイスラエル国(人口はたったの850万人ぐらい。千葉県ぐらい)は、一番大きな都市であるテルアビブから東に100キ行ったところの西エルサレムに首都があります。
アメリカ政府は、今はテルアビブにあるアメリカ大使館を、エルサレムの西側の高層ビルも建っている地区に少しずつ移していくと決定した。これを今から4〜5年かけて実行すると、言っています。
アメリカ政府が自国の大使館をイスラエル国内のどこに置こうが、建物は、お金さえ払えば買ったり借りたりできる。今はエルサレムの旧市街ではなくて、その外側のビルがたくさん建っているきれいなところにビザを発給するアメリカ領事官があり、そのそばに大使館も持ってくるとトランプが言っただけのことのだ。それでも大騒ぎ。それは、ここに至る、長い歴史がある。それは、今から3200年前(紀元前1200年)に遡(さかのぼ)る。
アメリカがエルサレムを首都と認めると言っただけで、中東が、また戦争になるのではないか、と日本人は、訳も分からず、不安になる。知識がものすごく不足しているからだ。何やら、むずかしい解説(文)だけは、日本のテレビ、新聞はする。
パレスチナ人を初めとするイスラム教徒たちが世界中で騒ぎ出していると言っています。それは日本の知識階級を含めて知識がないからです。
私、副島隆彦の結論は、「 トランプがアメリカの大使館をテルアビブから西エルサレムに移したからといってたいした事にはならない。ただし日本人は、大きな理解で歴史を勉強しなければ」である。アラビア人、イスラム教徒たちが騒ぎ出して大変なことになると勝手に思い込むのは知能、知恵(=知識)が足りないからだ。私が、これから本気で説明しますから、よく理解してください。
日本の知識階級も、新聞記者たちも政治家も、大学教授たちでさえ、以下に私が話すことを、大きく理解できていない。それはイスラエルの建国以来のことがよくわからないし、報道があまりされないからだ。この建国には、1948年(今からたったの70年前)と、もうひとつ、今から何と3200年前の、紀元前1200年(ごろ)の、ふたつの建国があるからだ(笑い)。としか、私は言いようがない。このことをまず、言っておきます。「それは何のことですか」と疑問に思っていいから、私の話に耳を傾けなさい。
(中略)
さて今回のエルサレムの首都認定問題で、一番強硬なのは、ニューヨークに住んでいるユダヤ人の金持ちたちだ。
イスラエルの人口は850万人ぐらいだ。このうちユダヤ人は600万人ぐらい。残りはアラブ人でほぼパレスチナ人。ユダヤ人と結婚したり、合いの子になっていたりして複雑だ。ユダヤ人も、アラブ人も 人種的には同じセム族 Semite セマイトという。 だから、反ユダヤ主義の人種差別を、 anti -Semitism アンチ(アンタイ)セミティズム という。
ところが、アメリカ合衆国には800万人ぐらいのユダヤ人がいる。本当は2000万人いる。これをクローゼット・ジュー Closet Jews 、 隠れユダヤ人という。表面上はアメリカ白人でキリスト教徒のふりをしている。だが、ユダヤ人の血が混じっている。
例えばヒラリー・ロッダム・クリントンなどは、ロッダム家は、オランダからやってきた商人の家系だ。だからユダヤ系だ。だから、ヒラリーはニューヨーク州選出の上院議員にもなれた。ニューヨーク州は、ジューヨーク “ Jew York “ と言われるぐらいユダヤ人が非常に強いところで、大金持ち、経営者がたくさんいる。
彼らがトランプを突き上げた。トランプが、ユダヤ人の団体に、大統領選挙中に公言して約束とおりに、どうしてもエルサレムを首都と認めよ、ということだ。そして、この決定は、実は、アメリカ民主党の 決議でもある。1995年に「イスラエル首都法」という法律が出来て、クリントンもオバマも、「エルサレムを首都と認める」の立場だったのだ。だから、今回、よごれきったアメリカのリベラル派勢力である民主党は、トランプを一切、全く、何も批判しない。面白い現象だ。
ここに今は二つのイスラム教徒のモスクがあるが、それらをぶち壊して、もともとのユダヤ教の神殿、すなわちKing Solomon's Temple に戻したい。Temple テンプルを、日本語では、お寺と訳して、神社のことをShrine シュラインと言うと決めている、が、それは日本人が勝手に言っただけで、このコトバの区別がつく日本人の知識人はいないだろう。だから、ユダヤ人たちは、今の岩のドームをぶち壊してKing Solomon's Templeを復活させたい。元々の、3200年前に、戻したい(笑い)。
しかし、それをやったらどうなるか。本当に第3次世界大戦だ。世界中に18億人のイスラム教徒がいる、東アジアのマレーシアやインドネシアもイスラム教国だから、黙っていません。おそらく、怒ったイスラム教徒が、自爆攻撃(スーサイダル・ボミング suicidal bombing )の突撃隊となって、これが何千人か何万人では済まなくなる。だから、そんな「モスクをぶっ壊すこと」は絶対にできない。 しかし首都と認定する、ぐらいは出来るし、やりたかったのだ。
エルサレムの旧市街を、地図で示すと(前掲の写真をもう一度、しっかり見なさい)4つに分かれている。南のほうにアルメニア正教の人たち。アルメニア人が何百人が住んでいる。これはキリスト教の古い宗教だ。アルメニア国はトルコの東側にありますが、苦難を背負った商業民族で、ユダヤ人とよく似ていると言われています。私は、最近、1918年に、トルコによってアルメニア人が、150万人、虐殺された、という最新の映画を見た。アルメニア問題は今日は話さない。
エルサレムの旧市街の西側はキリスト教徒、そして北側にイスラム教徒であるパレスチナ人に地区。パレスチナ人たちは貧乏です。物売りを懸命にしながらエルサレムに住んでいる。観光客相手の汚い土産物屋は、全部パレスチナ人だ。ヴィア・ドロローサ(悲しみの道)沿いはずっとパレスチナ人の物売りたちだ、と、現地に行った編集長が言った。
そして当然のように、現在の支配者であるイスラエル人が、威張って住んでいる。彼らが差別されて身を縮めていた時代が何百年もあったのだろうが。このように旧市街は四つに分かれている。
旧市街のキリスト教徒地区に、キリストが捕まって、連れていかれて、このあとすぐに磔刑(たっけい。はりつけ、磔=はりつけ=の刑)にされた場所と言われる「聖墳墓教会」(せいふんぼきょうかい)があります。ここがゴルゴダの丘、そのものだ。
キリストが処刑されたのは、副島隆彦は決めつけるが、前述したとおり、紀元後30年だ(36歳)。聖書にはゴルゴダの丘とかゲッセマネの園(ここで捕まったとも聖書に書いてある)とかが出てくる。このゴルゴダの丘、すなわち今の聖墳墓教会とは、イエス・キリストを応援していた金持ちの屋敷の庭らしい。この考え(学説)が最近は一番、強い。
ここで、ついでに言っておくが、エルサレムの南、10キロぐらいのところにある ベツレヘムで、そこの馬小屋で、イエスが生まれた、となっている。これは、今では、真っ赤なウソだ。世界中でバレている。イエスは、「ナザレ Nazareth のイエス」なのであって、北の方の ナザレで、生まれて育った。
そして、30歳から、自分の信念に基づいて、「私は、人類(人間全部)を大事にしたい。救いたい」という、それまでの人類史に存在しない、全く新しい、救済(サルベーション)のための宗教を始めた。だからエイスは、偉大なのだ。だから、キリスト教が、彼の死後、爆発的に、世界中に広がった。 インドのお釈迦さま(ゴータマ・ブッダ)も、それからイスラム教のムハンマドも、この救済(サルベイション)の思想を説いたので、それで、世界中にドカーンと広がったのだ。
「人間を大事に扱え。女たちを虐(いじ)めるな。人間を動物みたいに扱うな」と主張したから、それで世界宗教になった。残念ながらユダヤ教は、そういう宗教ではない。だから広がらなかった。
イエスは、36歳で死んでいるから、布教活動は、たったの6年間だ。ナザレから東のガリラヤ湖の周辺をうろうろして、それから、ヨルダン川を南に下(くだ)って、洗礼者(バプテスマの)ヨハネ John の洗礼(バプタイズ)を受けた。それから、エルサレムに入った。旧市街の中を自由に動き回ったとは思わない。すでに、イエスの布教活動は、ローマ帝国からの現地派遣の軍事総督(ぐんじそうとく。pro consul プロコンサルの ピラト(Pilate ピラトゥス、 パイラト)にとって、危険な扇動者(ゲマゴーグ)と見なされていたようだ。
ナザレは、イスラエルの北の方の、ガリラヤ湖 Sea of Galilee の西の方だ。そして、エイスの真実の奥様であり弟子(使徒、アプストル)でもあった マグダラのマリア Magdalene Maria の生まれ育ったマグラダ Magdala の町が、ガラリア湖のほとりにある。イエスが布教を始めて、1年後ぐらいの 31歳(紀元後25年)にマリアと出会って結婚した。そして、一緒に布教の流浪を続けた。まわりに信者として弟子(使徒)たちが出来た。
イエスは、普通の男で有り、人間で有り、奥さんと、子供もいた。父 ヨセフ Joseph は、 言われているような、ただの貧しい大工ではないだろう。それなりの家の出の人だったようだ。そうでなければ、イエスがそれなりの教養を身につける事は出来ないし、まわりから尊敬されない。
イエスは、ただの人間であり、普通の男である。このことを言うと、ローマ・カトリック教会が非常に困るのだ。ローマ教会ことは、大嘘つきで、人類の諸悪の根源である。私、副島隆彦が、このことをずっと書き続けるので、だから、私は、いよいよ、日本の土人の支配階級(エスタブリッシュメント)から嫌われる。でも、私は黙らない。
イエスは普通の人間だった。この思想を説くのが、欧米の、独特のプロテスタントの一種である、ユニテリアン =フリーメイソンの思想だ。
イエスが、殺されるまで、どのように6年間、布教したかは、ここではもう書かない。
イエスは「最後の晩餐(ばんさん)」をした、エルサレムの市街の外の、イエスの支持者の家で、12人の弟子たちと一緒に土間に、寝ていた。そこを突然、ローマ兵に襲撃されて、イエスだけが捕まった。ほかの弟子たちは逃げた。そして、捕まった次の日の朝には、もう、そこから1キロぐらい離れた今の聖墳墓教会(せいふんぼきょうかい)の場所にローマ兵たちが、十字架を組み、さっさと殺してしまった。ピラトの命令だけで、裁判もなければ何もなかったはずだ。後で、またこの話をします。
話をもとに戻す。「神殿の丘」(ソロモン神殿)を。ユダヤ人が取り戻す運動を一番激しく強硬に主張しているのがユダヤ系アメリカ人の富豪たちだ。その代表が「ラスベガス・サンズ、という大手のカジノ業者で、サンズ・グループというギャンブル興行主の大親分のシェルダン・アデルソンだ。
本当に、こういうむくつけき顔をした、恐ろしい男でないと、博奕(ばくち)業の大物になんかなれない。 このアデルソンが、トランプに「約束を守れ。少なくともアメリカ大使館はエルサレムへ移せ、エルサレムがイスラエル国の首都だと認めろ」と、うるさくせっついた。そのように報道もされた。
トランプという人は、大金持ちの大きな勢力に対しては頭を下げる。
「わかった、わかった」と、嫌々(いやいや)ながら、エルサレムを首都と認め、アメリカ大使館をエルサレムに移すと宣言した。それが12月6日だ。しかし大使館を移すと言いながら4〜5年先ですから、何の意味もない。
何が問題となるかというと、先ほど言ったように、本当に神殿の丘をぶち壊すのか、だ。今から3200年前、ユダヤ教の至聖所(オラクル)のFoundation Stone「基礎石」という平たい岩の上で、ささげ物(ホロコースト)のヤギや牛を殺して儀式をやっていた。
そこが大昔は、ユダヤ教の本当の聖なる場所だった。そこが今は、岩のドームとしてきらきらぴかぴか光っている。世界中のユダヤ人は不愉快で仕方ない。
前述したとおり、アメリカには800万人のユダヤ人以外に、クローゼット・ジューが2000万人もいる。ヨーロッパから迫害を逃れてやってきた人たちが多い。表向きはユダヤ人となっていない人たちもたくさんいる。だから3000万人いるかもしれない。だから最大のユダヤ人の勢力はアメリカ合衆国にある。
今、ドイツにはユダヤ人は20万人、フランスには50〜60万人、イギリスにも100万人ぐらいしかいないと思う。ヨーロッパのユダヤ人のほとんどはアメリカ合衆国に移っている。この人たちの政治力が強いので、今回の事態になっている。
おもしろいことには、トランプが最初に事前に電話をしたのは、パレスチナ解放機構( PLO パレスチナ人の国会でもある)の議長であり、だから、パレスチナ国の大統領であるアッバースだ。アッバースにいち早く、電話をかけている。アッバースは、エルサレムから10キロぐらい北の、ラマラ(ラマッラー)に居る。ここはヨルダン川西岸(せいがん)というイスラエルの占領地だ。東エルサレムの外側だ。イスラエル軍が占領していて、コンプリートの壁に包囲されたラマラの町の、パレスチナ人だけが住んでいる地区ではないが、ぐじゃぐじゃにコンプリートの壁で、ユダヤ人たちの住居地(清潔な地区)と分けられている。アッバースは、2004年に死んだアラファト議長の後継者だ。
トランプは彼に、「アッバースよ。オレは、今から、エルサレムをイスラエルの首都と認める声明を出すが、何とか、我慢してほしい。その分、そのうちお返しをするから、わかってくれ」と話した。
この真実を世界中の指導者たちは皆知っている。だが、日本の知識人層と日本政府と官僚たちが知っているかわからない。知らない人間は、知能が低い、ということになる。外務省の一番上の人間たちでも、欧米の白人世界と脳でつながっていない。英語で話して読んで考えている人たちは、アジア人でも今回の事態を知っていて、「トランプにも立場があるんだろうなあ」と理解している。
昨日やおとといも、パレスチナで石を投げたり抗議行動をして何人か死んだと報道されているが、抗議行動が出ているだけで激しい運動にはなっていない。このことを日本人も理解すべきだ。その次に、トランプはイスラエルのネタニヤフ首相に電話して、「お前の望み通り、エルサレムを首都として認めるよ」と伝えた。ネタニヤフというのは、アメリカの言いなりの男で、我らが安倍晋三と同じような、卑屈な腰巾着(こしぎんちゃく)だ。
ここから、もっと難しいことを説明する。私が佐藤優氏と出した 『世界政治 裏側の真実』という本ですが、本当のタイトルは、『忍者・佐藤優と狂犬・副島隆彦の手裏剣対談』といいます。ただ、それではあんまりだ、ということでタイトル(書名)は変わった。この本の、24から26ページをここに載せるので、読んでください。
それでもまだ、「私は読む力がない、考える力がない。むずかしい言葉が出てくると、区別がつかない。よくわからん」と言う日本人たちが、たくさんいるので、どんなに知能が低いかを、私は1人でずっと怒って、苦しんでいる。副島隆彦がこの国では、大きな真実を、一番、分かりやすく説明できるのだ。だから何とか分かってくれー、と お願いしている。こういう事をどうしても言わざるを得ない。
私、副島隆彦は知っている。 「ようやく、イランとイラクの区別がつくようになったよ」とか、「パレスチナと パキスタンは、違うんだー。知らんかった 」という程度のアホの人たち( 特に女)が、今もたくさん居る。日本人は、正直であるだけ、まだ、いい。 驚くべき事に、私の周りにも居る。この日本国民の恐るべき、低脳(ていのう)状態は、アメリカが仕組んで、このようなひどい被(ひ)洗脳国民にされたのだ。文部科学省の愚劣な低脳官僚どもの責任など言ってもどうにもならない。
私が佐藤優に対談で語ったのが以下の通りだ。
対談本で、私が話しているとおりだ。何がイスラエルとアメリカで問題になっているか。上の画像(写真)の文を真剣に読めば、なんとか分かるだろう。
「ワンステイト・ポリシー」と「ツーステイト・ポリシー」というのがあって対立しているのだ。「ワン・ステイト(ひとつの国家)」の意味は、 この26ページに書いた。
イスラエル国が、パレスチナ国家を否定して併合し、パレスチナ人はそこに住んだまま自治を認められない。イスラエル軍隊と警察が、言うことを聞けと制圧して、パレスチナ国家を否定してイスラエルに服従せよとなる。
この他に、Gaza Strip ガザ・ストリップと言うが、地中海に面したところにパレスチナ人の飛び地(ストリップ)があって、ここに40〜50万人いる。その南側はエジプトのシナイ半島で、つながっている。秘密のトンネルがたくさんあって、エジプト側から物資がいろいろ補給されている。ガザは、ハマスという団体がいて、パレスチナ人の国民議会(国会、PLO)の言うことを聞かなかった。が、ようやく最近は軟化して団結するようになった。
このハマスという自治組織は、暴力団のような団体だとも言われているが、ガザ地区の民衆のための福祉事業などは。ハマスが懸命にやっていて人気がある。このハマスと、ラマッラー(ヨルダン川西岸)にいるアッバス議長がパレスチナ国家である。これは国際連合(the U.N. ザ・ユーネヌ 連合諸国)からパレスチナ国家として今では、認められている。日本を含めて大使館(事務所)がラマッラーに有る。
ワンステイト One State に対して、ツーステイト・ポリシー Two Sate というものがある。イスラエルとパレスチナが今のままの状態で、2国家として共存するという政策だ。これしかない、ということです。このツーステイト・ポリシーしか、実際には、現実味ははないと副島隆彦も、上記の対談本で、はっきり言っている。
1948年にイスラエル国が、突如、できて以来、United Nations(連合諸国)で恐らく80回ぐらい、ツーステイト・ポリシー(2国家共存政策)でやりなさい、と毎回、毎回、決議が出ている。 これに反対しているイスラエル政府は世界中から非難されている。このことを日本人は理解しなさい。 日本国内で、こういうことを説明する人がいないのだ。
池上彰(いけがみあきら)氏が、出世の始まりの「NHKの子供ニューズ」の乗りで、
このことを説明すればいいのに、池上彰にも、いろいろ 裏があって、言えない。
だから、副島隆彦が言うしかないではないか。
他のムヅカシそうなことばっかり、書いている、言論人、新聞記者たちも反省すべきだ。自分たちだけで、「自分はアタマがいいのよ」というような記事、評論文ばっかり書いているな。
イスラエルという国を、第2次大戦の終結後の、たった3年後に、国連からパレスチナの信託統治(しんたくとうち。トラステッド trusted )を任されていたイギリスに、刃向かうフリと、反逆のふりをして、イルグーン団( Irghun 、ユダヤ民族自衛軍事組織)という 危険な、テロ活動もする、軍事組織を指導した、 ダビド・ベン=グリオン という男が、今のイスラエルの、 創業者だ。建国の父だ。 今のイスラエルの指導者たちも、強硬な右翼は、皆、このベン=グリオンの忠実な弟子たちだ。 イスラエルでは、思想運動のために、自分自身で人を殺した前歴があるぐらいでないと政治指導者にはなれない。
あの隻眼(せきがん、片眼)のダヤン将軍も、女首相になったゴルダ・メイアも皆、ベングリオンに手塩にかけて育てられた人たちだ。それなのに、日本では、このイスラエルの建国の父、ベングリオンの名前さえ、誰も知らない。知っていても話そう(書こう)とはしない。
何という国だ。 イスラエルは、密かに300発の核弾頭を持っている。だから、北朝鮮も。「私たちも持つ。何が悪い」と言っているのだ。イスラエルの核保有の秘密は、BBC(英国国営放送局)が、こそこそと10年ぐらい前から、5秒間ぐらいだけ、申し訳なさそうに、ニューズの中で、チラと放送するようになった。アメリカでは報道しない。
日本は、もって知るべき。 馬鹿野郎の、日本の 言論統制(とうせい)機関どもめ!。
イスラエル本国 ではなくへ、ニューヨークのアデルソンのような強硬派のユダヤ人たちが、私たちは、ユダヤ教徒の聖なる場所の神殿の丘(オラクル)である、King Solomon's Templeを再建築するのだ。3200年前に戻すのだと言っている。
だが、対談本の26ページに、私が書いたとおり、もしパレスチナ国家を否定してイスラエル国にしてしまうと、西岸地区(ウエストバンク)、すなわち、ヨルダン川西岸(せいがん)地区(地図で確認しなさい)まで、全部併合してイスラエル国の領土としてしまうと、今度はそこに住んでいるパレスチナ人たちに選挙権を与えなければいけなくなる。選挙権を与えないと独裁国家となって、デモクラシーではなくなる。
ことろが、もしパレスチナ人たちに選挙権を1人1票で与えると、何と、今度はパレスチナ人のほうが800〜900万人ぐらいになってしまう。先ほど言ったようにユダヤ人は600万人ですから、選挙で負けてしまう。負けたらイスラエル国会(クネセト )がひっくり返ってしまってパレスチナ人が首相ということになってしまう。だからワンステイト・ポリシーにはできません。それを一番よくわかっているのがネタニヤフたちイスラエルのユダヤ人たちです。
できもしないことを、なぜ実行しようとするのか。ニューヨークの富豪のユダヤ人たちが強硬に言っているから。だからトランプがへらへらと間に立って、できもしないことを形だけやると言っているだけだ。今回の問題はゼスチャーだと世界中はわかっている。
それでも 長い歴史の背景を持つ政治問題としては、大きな流れの中でのことだから、アラブ人、イスラム教徒たちにとっては不愉快なことだ。彼らは、イスラエル軍がそのうち、神殿の丘の自分たちの聖なる、岩のドームとアル・アクサー・モスクをたたき壊しに来るのではないかと思っている。だから抗議行動をしている。
実は、強硬なユダヤ人たちによる、密かなる、「第3神殿 建設 運動」というのがある。 このことはあまり表面に出ない。
第1神殿時代は、イスラエル国の歴史教科書では、 「第1神殿時代 は、 ダビデ王の我建てたBC1006年から バビロン捕囚の時に起きた神殿崩壊 のBC586年まで」だとされる。 そして、「第2神殿時代 は、このバビロン捕囚のBC586年のあと神殿は再建築されてから、700年後の、ユダヤ戦争でローマ軍と戦って、神殿が完全に破壊された AD131年まで 」だ。 だから、今、ユダヤ人たちは、密かに、「第3神殿 建設 運動」を 始めている。この動きが怖いのだ。
もっと歴史の話をしよう。過去の大きな歴史の理解がない。歴史年表の話になると、ほとんどの日本人は知能が低いから、極端に嫌(いや)がって、対応できなくなる。とくに理科系は、数学と物理学は、出来たのに、この歴史年表となると、上段ではなくて、頭が真っ白になって、思考力を失って、頭が壊れそうになる。ホントだぞ。
今からほんの50年前、1968年の「第3次中東戦争(6日間戦争)で、イスラエル軍が激戦の末に、今のエルサレムの周りを含めたヨルダン国の領土まで侵略して奪い取った。そして今も占領している。イエスの物語にも出てくるヨルダン川の西岸地区(ウエストバンク)というのは、エルサレムから見たら東側だから、地図で見るとおり東側だ。
エルサレムは、神殿の丘(シオンの丘)を挟(はさん)んで旧市街(西エルサレム)と東エルサレムに分かれている。ここにはパレスチナ人が多く住むが、ユダヤ人の新たな入植地にもなっている。ここも全部イスラエル軍が制圧している。ウエストバンク(西岸地区)一帯に入ってくる、新しいユダヤ教徒たちが入り込んできて、イスラエル政府(ネタニヤフ政権)の言うこともか行かないで、ずうずうしく家を建てている。その周りを、コンクリートの壁で防御する。
最近の違法入植者の、大半はロシアから移住してきたユダヤ人たちのようだ。だから白人である。ロシア語を話すロシア人たちだ。これがものすごい勢いで100万人ぐらいまでにふえているようだ。だから貧しくて熱狂的なユダヤ教徒たちがこのウエストバンク、および東エルサレムのあたりにたくさん入り込んできて近代的な立派な家を建てている。その周りにパレスチナ人に襲撃されないように、至る所にコンクリートでできた6メートルぐらいの壁をつくっている。そうやってふたつの民族が隣り合わせで、憎しみ合って住んでいる。
パレスチナ人にしてみればたまったものではない。もともと私たちの土地なのに、おまえたちが「勝手に建国して」、私たちの土地を取り上げて勝手に家をつくって住み込んできて、迷惑だと怒っている。それを世界中のイスラム教徒たち18億人が、パレスチナ人と同じ宗教ですから彼らに同情して応援している。
ところが、この同情、応援が、実情としては、情けない感じになっている。サウジもエジプト政府も、他のアラブ諸国、イスラム諸国も、そんなに熱心にはパレスチナ人を助けない。“支援疲れ”で厄介者(やっかいものの)扱いになっている。ここに本当の問題が有る。
ですから1967年の第3次中東戦争でイスラエルがエルサレムを占領しても、そこにはパレスチナ人が物売りや労働者で貧乏な生活をしながらたくさん生きている。
複雑なのは、イスラエル軍が制圧しているのに、神殿の丘(アラビア語でアルハラム・アルシャリーフ)の中の、岩のドームとアル=アクサー・モスクは、イスラム教の宗教会議の指導者たちが管理している。イスラエルもここには手が出せない。
実際はイスラエル軍がチェック(検問体制)しているから、アラブ人も自由に出入りができるわけではない。出入りするための門があって、イスラエル軍が朝から晩まで監視している。礼拝の日と認められた日にぞろぞろ入っていって、神殿の丘でずらっと並んで、例のお尻を並べて、イスラム教の礼拝をしている。それを嫌(いや)そうに、訝(いぶか)しそうな目つきで、イスラエルの軍隊が見ている。イスラエルの軍隊は若い女性たちもいて銃を構えて、アラブ人たちを睨(にら)みつけながら共存している。
だからこの神殿への出入り口で、急に怒り出したアラブ人、パレスチナ人が、ナイフを振り回して、イスラエルの兵隊を刺し殺そうとして逆に殺されるという事件がしょっちゅう起きる。双方の憎しみが激しいというのはそういうことだ。
そして、この出入り口の南側の低い土地に長四角の大きな平たい場所がある。それが「嘆(なげ)きの壁」だ。Wailing Wall ウェイリング・ウォール という、嘆きの壁ではユダヤ教徒たちが、「私たちは3200年間にわたって苦しい思いをした。苦難に満ちた民族だ。上の至聖所を取り戻したい」と言って、壁に頭をすりつけながら旧約聖書の祈りの言葉を唱えている。だから、この嘆きの壁自身が、神殿の丘の西側の壁そのものなのだ。そして見上げると、壁の上にある光り輝くイスラム教のモスクがある。あいつをぶち壊したい、取り戻したいと思っている。
日本人は、この明白な事実を知っているようでいて、知らない。誰も簡潔に、簡単に説明しない。何に遠慮しているのか、私、副島隆彦には分からない。ユダヤ人たちの気持ちも分かってあげよう、という考えも大切なのだ。ところが、「私は、むずがしい宗教問題には、関わりたくない」と言って、顔を背けて、知らん顔をする。それで日本人は、ますます集団として、低脳(ていのう)になる。
こういうことが分かると、ユダヤ人たちが神殿の丘(至聖所、ソロモン王の神殿)を取り戻したいと思う理屈もわかる。両方の考えを聞いて、中立の立場できちんと公平に見るといいのだ。 ユダヤ教徒にも正当な主張があるのだ、と理解しなければいけない。
それがわからないから、頭が朦朧(もうろう)として、戦争が始まるのではないかと女子供たちが言いだす。大きな簡潔な知識を、誰も教えないからだ。いつの間にか タブー(禁忌、きんき))にしているのだ。自分は頭がいいと、思い込んで、自惚(うぬぼ)れている人間ほど、変な知ったかぶりをして、まわりに歪(ゆが)んだウソを教える。
(前編 終わり。つづく)
・素人として出発したトラ大の大使館エルサレム化計画は、宙に浮いたまま放置されざるを得ないのではないか
http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/558.html
投稿者 仁王像 日時 2017 年 12 月 10 日 08:58:35: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
- (下)Nyの金持ちのユダヤ人たちが、トランプを突き上げるものだから、「しようがねえな」とダラダラとやる。やるふりをするだ 仁王像 2017/12/26 20:07:06
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