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国情や価値観などの違いから生じる中国人にとってリアルに感じられない馴染みの無さをいかに解決してローカライズするかが、ドラマのリメーク版を製作する際の重要なポイントとなる。
日本ドラマの中国版製作、「変えなければいけない」のはどこ?―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/b171741-s10-c30.html
2017年3月12日(日) 11時30分
国情や価値観などの違いから生じる中国人にとってリアルに感じられない馴染みの無さをいかに解決してローカライズするかが、ドラマのリメーク版を製作する際の重要なポイントとなる。新京報が報じた。
長年日本ドラマを研究している脚本家・張天萌さんは取材に対して、「日本ドラマのリメーク版を製作する時はまず、ターゲットを絞らなければならない。もし、ほとんどの中国人視聴者をターゲットにするというなら、大きく変えなければならず、中核を変えないことをベースに、中国社会の現状にいくらか合わせなければならない」と説明した。しかし、ターゲットが広く、内容を大きく変えると、今度は日本ドラマ好きの人々からは「作品が別物になってしまった」というリメーク版に対する批判が起きる可能性が大きい。
製作会社・SMG尚世影業の王慶豊・副総経理は、「日本ドラマは日本社会の人間関係や文化を土壌にして生まれた作品で、人を感動させる内容が本当にたくさんあり、中国人の多くもそれを感じることができる。例えば、愛や思い出などは両国に共通するものだ。私たちの仕事は、そうした共通する素材を切り取って、それを中国の文化や人間関係に置き換えること」と率直に語る。では、日本ドラマのリメーク版を製作する際、具体的にどういった点を変える必要があるのだろうか?
◆中国に合わせて放送回数を増やすことで内容拡充も必要に
日本のドラマは基本的に全部で10話前後と短く、1話当たりの時間も60分以内となっている。一方、中国ドラマは少なくとも20話はあり、40〜50話というのもざらだ。そのため、日本のドラマを20話以上に「増量」させるには、新たな人物関係も追加しなければならない。必要に応じて随時物語を拡充しながらも、物語の核心に影響を与えないためには、原作の脚本家によるサポートが不可欠だ。
日本ドラマ「デート〜恋とはどんなものかしら」と「プロポーズ大作戦」のリメーク版の製作の過程では、原作の脚本家もその制作スタッフに加わっている。王副総経理によると、「原作の脚本家の考えと、中国版の脚本家の考えが全然違う可能性もある。原作の脚本家が、どのように変えるべきか提案をした場合、我々はすぐに反論するのではなく、まず『なぜそのように考えているのか』を聞くようにしている」という。
◆中国の国情に合わない人物設定などは変える
原作のままでは中国人には受け入れられないため、中国の国情や社会の現実に合わせてリメークしなければならない内容もある。
例えば、「デート〜恋とはどんなものかしら」の主役の男性は、健康な35歳の男性でありながら、働くことを拒否し、母親に扶養されつつ、読書や映画鑑賞等をして日々を過ごす高等遊民を称する若年無職者。この役柄は日本の社会環境では許されるものの、中国では受け入れられる存在とは言い難い。張さんは、「日本は福利厚生が整っているため、家族の一人が仕事をしていなくても生活をすることができ、日本版の主役の男性のような状況もありえる。しかし、中国ではこのような男性はほとんどおらず、中国国内の現状や社会環境では、いつも家にいて小説や漫画を読み、口を開けばそうした作品の台詞を引用するというような人物が生まれることは無く、見ていてとても不自然に感じてしまう」と指摘する。
2015年に放送された「問題のあるレストラン」は、男女不平等な日本社会の現実をテーマにしている。コメディやグルメなどの要素でオブラートに包まれているものの、その中核はとてもダークだ。同ドラマの放送権を手に入れた拉近影業の尚娜・最高経営責任者(CEO)はリメークする時に直面した問題はオブラートの中に隠された社会問題を、いかにうまく外に引き出すかだったとし、「同ドラマはフェミニズム。表現されているものの中心にあるのは差別のない状態。中国の女性は、日本の女性より自立しているように見えるものの、思想の上では依然として男権思考が残っている。例えば、多くの女性にとって『落ち付き先』とは、良い男性と結婚することで、社会でも女性は良い家庭を持つことができて初めて幸せになれると考えられている。しかし、結局は『落ち付き先』が見付かるかは女性自身の成長次第。表面的には開放的で平等かもしれないが、実際には、隠れた『不平等』がある」と指摘する。
◆漫画を原作にしたオーバーな演技はカット
日本ドラマの多くは漫画を原作とし、その演技などがオーバーであることが多いのは、漫画に対する美的感覚と無関係ではない。張さんは、「日本の表現方法は現実の形態から離脱し、独自の体系を形成している。そして、国民全体が明らかにアニメ化している。多くの人は現実の生活の中でもそうであるため、日本人はそのような表現の仕方を受け入れることができる。一方、中国人は比較的真面目で、現実の中で滑稽な行動をする人は受け入れられない。もし、日本人の思考パターンのままだと、中国の視聴者からすると、自分の周りであまり目にしないことなのでピンと来ない」と説明する。
王副総経理は、「一つはリメークする際にフィルターにかけ、あまりにうさんくさかったり、理想化されていたりするシーンは、中国ではリアルさに欠けるため、カットする。そして、中国でも受け入れられるストーリーの素材を選び、リメークする。また、リメークの過程で、どのようにすれば中国人に受け入れてもらえるかを考える」としている。(提供/人民網日本語版・編集KN)
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