昔のタイ・フィリピン移住の勧め外こもりもさまざま 2013/09 日本を降りる若者たち (講談社現代新書) – 2007/11/16 下川 裕治 (著) https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E9%99%8D%E3%82%8A%E3%82%8B%E8%8B%A5%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%B8%8B%E5%B7%9D-%E8%A3%95%E6%B2%BB/dp/4062879174 を図書館で借りてきました。
外こもり
外こもりとは「アルバイトなど日本で短期間集中的に稼いだ金を持って物価の安い国に行き、そこで長期滞在して生活すること」 バンコクのカオサン通り近辺に 1泊 100〜300バーツ(約300〜900円)のゲストハウスがあり、バックパッカー(低予算で国外を個人旅行する旅行者)が利用していたそうで、この辺りが外こもり発祥の地らしい。 最近は土地代の値上がりに伴い、冷房やお湯のシャワー付き個室(1泊1,200〜1,500円)などに置き換わっているようです。 タイはビザなしで30日間の滞在が許されるので、一度国外へ出て再入国を繰り返せば長期滞在が可能でした。 しかし、タイに金を落とさない外国人は徐々に締め出される方向で、ノン・イミグラントビザや労働許可の取得が求められるようになるのかもしれません。 1日の出費は300円
「30代男性、東京で10年ほどサラリーマン、バンコクで旅行代理店を手伝う外こもり、 午前中にネットカフェでブログ発信、 宿代以外の1日の出費は100バーツ(約300円)未満。 名古屋で手取り14〜15万円の住み込み派遣で70万円ほど貯めてバンコクへ戻る」 日本でメンタルクリニックに行けば、アスペルガー症候群と診断されるのかもしれません。
ちなみに、バンコク市内には1ヶ月3,200バーツ(1日換算で約100バーツ)の安アパートもあり、そちらへシフトする外こもりもいるそうです。 オンとオフが両極端
「40代半ばの男性、 バブル期に大卒で就職後、大学図書館の臨時職員に転職、派遣社員に仕事を奪われて退職。 日本にアパートを確保し年に2回帰国、1〜2ヶ月集中的に働いて滞在費を稼ぐ。 バンコクでは冷房付きテラスゲストハウス(1泊450円)でダラダラ過ごす」 オンとオフがくっきりと色分けされた吹っ切れた生き方。 30才近くのフリーターに向けられる世間の視線に生きづらさを感じたそうです。 こちらも、日本の精神科医を訪れれば、発達障害と診断名が付くのかもしれません。 ワーキングホリデー組 タイの長期滞在者には、確信犯的な外こもりの他にワーキングホリデー(30才までなら1年間ニュージーランドやオーストラリアで働きながら英語を習得できる)組もいます。 高卒フリーターが20代前半になると将来の不安を感じる → 英語力をつけてステップアップを目指す → 物価は安くないし不景気だと仕事もない → 資金はたまらずたいした英語力もつかない → 9ヶ月で切り上げ3ヶ月はアジア旅行に当てる (1年間追加料金なしで途中の乗り換え都市に降りられる航空券だから) →英語ができる人が少ないタイで大きな顔ができ居心地がよい。 「30代男性、高卒フリーターの後ワーキングホリデー、帰国後再びフリーターで実家にいづらくなる。
バンコクでバイヤーの手伝いをするようになり月収 20万円だったが、3年後には月収 5万円。 ネットで株取引をしながらひきこもる」 物価の安いタイで月収 5万円のワーキングプア生活、日本にいたときよりもストレスが少ないのならそれもありかもしれません。 サラリーマンに向かない人もいる
ワーキングホリデー組には、20代前半の大学を休学した学生、20代後半の大卒で就職後に退職し再就職前に海外を体験したい社会人などもいます。 「29才男性、大卒時に就職活動をせずにワーキングホリデー、 バンコクで就職するが会社勤めが合わずに退社、 タイ人女性と結婚してタイ料理店を開く」 サラリーマンに向かない人は、どこで勤めてもうまくいかないようです。 自営業で食っていくのはどの国でも大変でしょうが、若い二人には将来の生活設計があります。 70代の日本人男性が金の力で 20代のタイ人女性を束縛するのは不自然で、寝たきりになったら若い妻が下の世話もずっとしてくれる、そんなのは甘すぎる妄想。 けれども、20代同士が一緒になって商売を盛り上げていくなら、いずれタイに根を張れるんじゃないかな。 留学リベンジ組
英・米に1年間海外留学した経験のある留学リベンジ組もいます。 「本当に優秀な学生は現地で就職し、日本の入社試験では留学体験はあまり評価されない。 留学斡旋業者が送り込む留学生の多くは、初級レベルの語学学校に半年、受け入れ先の学校に半年が現実」 留学体験を生かせない会社・仕事に不満を感じ、欧米と日本の仕事のスタイルの違い(自己主張型社会と根回し社会)を批判しますが…。 1年程度の留学で欧米の発想が身につくはずもなく、相手にされない。 そんな時に、バンコクの外資系会社や現地企業が日本人を 5万バーツ(約15万円)で雇ったというニュースを耳にすると、クラッとくるようです。 タイでは月給3万バーツが分岐点とされているそうなので、5万バーツは勝ち組です。 留学経験は重視されない
しかし、日本で仕事がうまく行かなかった人は海外でも躓く傾向にあり、ここでも留学経験は重視されなくなってきています。 「32才男性、大卒後米国留学を経て中堅証券会社に就職、 パニック症候群になり退職、 地元の塾講師となり月給12万円、 知人の紹介で米系広告代理店の営業マンになるが仕事をこなしきれず退職。 労働ビザが切れ観光ビザになる、 仕事がなく株で食いつなぐ、 2年近くアパートから出ない外こもり」 生きづらい → 環境を変えて海外で心機 一 転がんばろう → いつの間にか同じ躓きを繰り返す。
仕事に対する適性はなかなか変えられないようです。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2013/09/blog-post_17.html
チェンマイホームレス日記 2013/08
外こもりはどうなった?
派遣工として日本で短期間働き、金が貯まるとバンコクに渡って何もせずに暮らすライフスタイル(外こもり)が流行った時期もありました。 今では派遣で稼ぐことは難しいと思いますが、生活レベルを落として細々と外こもりを続ける若者もいるそうです。 「人生を描くことを忘れてしまった若者でも、そこそこ暮らすことができる。 「で、これからどうするんだ」と難しい顔で説教する人もいない」 そんなアジアでの外こもりは、ひきこもりにとってひとつの選択肢になり得るのでしょうか。 「生きづらい日本人」を捨てる (光文社新書) 2012/12/14 下川裕治著 https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%81%A5%E3%82%89%E3%81%84%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%80%8D%E3%82%92%E6%8D%A8%E3%81%A6%E3%82%8B-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%B8%8B%E5%B7%9D-%E8%A3%95%E6%B2%BB/dp/4334037224 を図書館で借りてきました。 ギアを切り替える
「豊かな日本人が給与と物価が安いアジアに求めるものは、仕事の場であり退職後にのんびり暮らす場所だった」 「日本の衰退とアジア諸国の経済成長が同時に進み、両者の格差は埋まりつつある」 外こもりが注目された頃とは、前提条件が変化しています。 「豊かだった日本の残影にすがり、日本の中で生きづらい日本人を演じている人もいる」 「最近のアジアに暮らす日本人には、ほどほどの暮らしにギアを切り替えた人が増えつつある」 日本では格差の拡大で相対的貧困が問題となり、ワーキングプアは結婚して子育てができないと言われます。生活保護受給者も人並みの暮らしを求めます。 アジアに脱出すれば、経済的不満から開放されるのでしょうか。 沖縄病から覚めても…
「54才、独身男性、 大阪のミナミでスナックとラウンジを経営、1日の売上げは60〜100万円、 バブル崩壊後は経営が悪化し資金繰りに苦しむ、 胃潰瘍や十二指腸潰瘍になる、マンションを売却してローン完済、 住み込み派遣工となり 1年で100万円貯めて那覇に移住、 炭火焼き店オープン時の残金は2万円、 客単価1人1500円、1日6人で売上げが1万円、25日間店を開けて25万円、 利益が6割とすれば月収15万円」 売上げは大阪でのピークに比べて100分の1と想定しています。 「那覇に移住したときは天国だと思った土地は、ありきたりの地方都市。 価値観の違いは、本土から移り住んだ人には醜くも映る」 沖縄病から覚めてみると、パラダイスは幻想です。 が、体調は回復し薬の服用もなくなっています。 ストレスから解放されて寿命が延びたようです。 ※沖縄はまだ中国沖縄省ではありませんが、筆者の感覚ではアジアに括られます。 現実離れしている…
本書の登場人物たちは、独身が多く収入よりも生きがいやポリシーを優先しています。 家族持ちや高齢者には難しいであろう冒険的な選択です。 その典型例が「40才、独身男性、 35才で統合失調症と診断され薬物療法を受けながらひきこもる、 ベトナムでロングステイ中の 70代の親元へ気分転換のために転居、 親は体力の衰えで帰国、 本人はお手伝いさんに来ていた30代女性と結婚してベトナム暮らしを選択、 結婚資金として女性に3千ドルを渡したことから親族と金銭トラブル発生」 豊かな日本人への羨望、日本人と結婚した女性へのやっかみから、地元住民による嫌がらせがあります。 精神障害に対する理解は低く、仕事もせずにぶらぶらしている成人男性が理解されないということもあります。 金も仕事もなく、タイ語も話せない。 自分の面倒も見切れない精神障害を抱えたひきこもりが、言葉も通じない異国で結婚する…。ハッピーエンドの可能性があるのでしょうか。 バンコクの労働市場の変化
「10年ほど前のタイ人の大卒初任給は約1万バーツ(1バーツ=2,5〜3円)、30才で3万バーツなら勝ち組。 日本人駐在員は月給20万バーツ以上、現地採用職員でも5万バーツ以上。 タイでBOIの認可を受けたコールセンターは安い給料で日本人を雇うことができ、コールセンター職員なら2万5千バーツと最低ランク」 「コールセンターの職務には苦情処理のストレスがあり、昇進もないので、1〜2年での退職が多い。だが、かつては日系企業の現地採用という道もあった」 月給からアパート代の6千バーツを引くと、食費が安くても厳しい生活になります。 日本経済の凋落で、20代半ば〜30代半ばの若者がさらに安い賃金で働くようになっているそうです。 「月額1万バーツ、観光ビザで働く者も増えてきた」 タイ人の大卒初任給は2万バーツに上がっていますから、その半額です。 月額約3万円では、物価が安くてもギリギリの生活ではないでしょうか。 バンコクでもワーキングプア
「日本人なら誰でもいいという時代もあった。 月給5万バーツで募集しても応募はほとんどなかった。 今、バンコクで現地雇いの募集を出すと日本人がどっと応募する。 月額3万バーツ未満でも現地雇いは狭き門。 コールセンター組も簡単に現地雇いに転職できない」 グローバル化でタイの労働市場も激変したようです。 スキルがなければ海外でも低賃金ですから、物価が安くてもワーキングプアのまま。 海外でワーキングプアを続けられるのは若い内です。 中高年になって帰国しても正社員での再就職はほぼ不可能。 年金未納者が大半でしょうから、アルバイトで食いつないでいずれは無年金者になります。そして、生活保護のパターンかな…。 海外でのホームレスは悲惨
帰国のタイミングを逃してズルズルとタイで暮らすと、異国で飢えに苦しむホームレスとなりかねません。 本書の番外編「チェンマイホームレス日記」を読むと、言葉も通じない海外でのホームレスは悲惨です。 「56才、転職を繰り返し自営業にも失敗、東京に妻と子供を残して蒸発、 タイのチェンマイで万引きなどの不法行為をしながらホームレスを続ける」
体重が20kg以上減って高血圧が改善されたのは不幸中の幸いですが…。 栄養状態や衛生環境がよくないので、このままでは長生きできないでしょう。 ホームレスで野垂れ死にするという確信犯なのですが、しんどい生き方です。 日本に戻って、生活保護を受けるしかないんじゃないかな。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2013/08/blog-post_27.html ______
海外脱出!「外こもり」フィリピン編
【水島総・ドラマ選】フィリッピーナを愛した男たち(1992年)[桜H27/5/12] https://www.youtube.com/watch?v=AMBQgLotsso
ふとん屋の営業マン敏夫(玉置浩二)は、借金が嵩んで妻に逃げられてしまう。 その寂しさを紛らわすために立ち寄ったフィリピンパブで、マニラ出身のルビー(ルビー・モレノ)と出会う。福島に母(中村玉緒)を残して上京した敏夫と、フィリピンに家族を残して出稼ぎに出てきたルビーは、寂しさを共有しながら 互いに惹かれ合っていくが... 妻はフィリピーナ 動画 フィリピン人との結婚生活! https://www.youtube.com/watch?v=1KLkN9keNWU
フィリピーナ関係 動画 https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%8A 妻はスラム街出身!フィリピン人との結婚生活 http://blog.livedoor.jp/popopina/
フィリピンチャットでフィリピーナの彼女を見つけよう http://jouhousyouzaikiri.seesaa.net/ 【超絶美女】フィリピンで最もセクシーな女性ランキングトップ100(高画質画像集) http://matome.naver.jp/odai/2140796456729888301 こんな美女と結婚したい!フィリピーナ美人をまとめてみた http://thaisbaby.com/?p=6337 美しい…セブ島周辺で発見した惚れてまうフィリピン美人10選 http://plus-life.jp/ladies-in-cebu/ 男性必見!フィリピン美女ランキング!実は日本で活躍のあの子も! http://joy-trip.jp/22032 フィリピン美人女性画像をチェック!壮絶な歴史が美人を産んだ? http://jsaiji.com/731.html フィリピン 超美人女性画像@ピノを口説く方法は?ピノの代表的美人画像付き http://jsaiji.com/2289.html フィリピン 超美人女性画像Aフィリピンの有名な女優や歌手など http://jsaiji.com/2312.html フィリピン 超美人女性画像B画像と動画のギャップは少ない女性たち http://jsaiji.com/2339.html フィリピーナの追っかけ 2013/09
フィリピンに海外移住するひとつのパターンは、フィリピーナの追っかけ。
フィリピンパブにはまり、帰国したホステスを追ってフィリピンへ → 仕事もせず、所持金がなくなると女性の家を追い出される → 帰国する旅費もない困窮邦人となる。
店内の仮想恋愛と現実の区別がつかない中高年男性がいるようです。
「70代半ばの離婚歴ある男性、 家賃が月に1万3,000ペソ(約3万2,000円)の 1LDK マンションは電気・水道・ガスが止められ、家賃滞納で立ち退きを迫られている。 生活費は5,000ペソ(約1万2,000円)は知り合いに無心。 一時帰国して生活保護を申請するが認められず、フィリピンに舞い戻る」 在比邦人ホームレス寸前なのに、フィリピン女性にたかられて300ペソ(740円)を渡しています。 海外で孤独死するかもしれませんが、自分で選んだ境遇です。もって瞑すべし、なのかな。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2013/09/blog-post_13.html Wikipediaのフィリピンパブ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%96
フィリピンパブ 新宿 歌舞伎町 Club Sail http://filipinaspub.web.fc2.com/Member.html タイ娘&フィリピーナ専門デリヘル http://www.hipness.jp/index.html http://fz-5.com/wp/category/asia/ 私が愛した世界の女たち _ フィリピン http://www.ne.jp/asahi/nagumo/kaito/sex_top/sextop.htm フィリピン病患者 2014/06 フィリピン病に罹るのは中高年男性が多いのですが、フィリピン移住の際の心得は 「家は買わない、女にはまらない、商売に手を出さない」 若くてピチピチのフィリピーナに誘われて渡比するパターンが多いので、フィリピン病患者はすでに女にはまっているわけですが…。 海外生活の適性はあるか
フィリピンに渡るきっかけはフィリピンクラブが多いのでしょうが、雑誌やネットで海外年金暮らしに興味を持つ場合もあります。 物価の安さが強調されますが、豊かな日本の生活に慣れた中高年が現地の人と同じ生活を送れるかは疑問です。 マニラ行きのジジババたち – 2002/6 浜 なつ子 (著) https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A9%E8%A1%8C%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%82%B8%E3%83%90%E3%83%90%E3%81%9F%E3%81%A1-%E6%B5%9C-%E3%81%AA%E3%81%A4%E5%AD%90/dp/4872336763
によりますと、
「PRAビザ取得を業者に依頼すると15〜25万円かかる。 これを自力でできるかがフィリピン移住の試金石」 このハードルを乗り越えられないのなら、短期や長期の滞在にとどめたほうが無難らしい。 リスクはいろいろある
「フィリピンでは外国人は不動産を取得できず、土地や建物を買うにはフィリピン人の名義を借りる」
これも危険。 コンドミニアムは外国人でも購入できるそうです。 「メイドやドライバーは安く雇えるが、使用者と雇い人間でのトラブルも多い」 フィリピン人の気質を理解できていないと、人を雇ってストレスを増やす結果になるかもしれません。 日本人詐欺師も多い
「退職金や預金を事業に投資しても、99%失敗する。 フィリピンでは人が余って仕事がなく稼ぐのは難しいので、年金がある退職者を狙った詐欺が多い」 フィリピン人と日本人の金銭感覚はズレており、金にまつわるトラブルは不可避かもしれません。 本書には「40代の日本人女性が 60代の日本人男性に PRAビザ取得に必要な銀行預金 7万5千ドルを立て替えさせて騙し取ろうとした事例」も載っています。 年の差婚?
フィリピーナと結婚してうまくいくケースもあり得るのかもしれませんが、女性が絡むトラブルは多い。 「老いてから若い女性と性交する喜びを知り、自分の中に別人格を見出す」中高年男性の例はたくさんあります。 「近年、日本人とフィリピーナとの結婚件数は、毎年6千組を下回ったことがないのだが、80才の日本人と30数才のフィリピーナが結婚した例もあった。70代の男性はザラである(P240)」 妻と離別、子供との接触もない単身者が多いようです。 ひんしゅくを買うけれど…
「63才の男性。 50代後半にフィリピンクラブで16才のチェリーに出会い、妻を捨てフィリピンに渡る。 16才の処女マルゥを40万円で買う。 その後 6年間に5人の女性と付き合って8人の子供を認知、養育費を送金している」 堕胎費用を請求されたり、重婚罪で訴えられたり、家を取られたりとカモにされています。 倫理的には周囲のひんしゅくを買いますが、それまで抑えてきた欲望を満たして充実した老後なのかもしれない。 18才の女の腹の上で死ねたら、ひとつのハッピーエンドなのかもしれませんが…。 経済的動機
日本での当たり前の生活を捨てて、海外で老後を送る動機は経済的な不安があります。 年金・退職金・持ち家などの資産はあるけれど、長い老後を考えると十分ではないかもしれない。 物価の安い東南アジアに住めば、同じ金で生活レベルが高い老後を送れるのではないか。 こうした中間層が海外年金生活ブームを作ったのだと思う。 何に突き動かされるのかな?
本書に登場するフィリピン病患者は、ある程度の財産はある。 しかし、海外生活の経験や適性はたぶんない。 家族関係や仕事でつまづいて、若い女に溺れて前後の見境なくフィリピンにやって来ます。 あまりに刹那的なので、初期の認知症かと疑ってしまう。 運よく気立てのいいフィリピーナと結婚して永住するのでしょうか。 ピンピンコロリの腹上死を迎えられるのでしょうか。 要介護になり家を追い出されて異国の地でホームレスになるのかもしれない。 最後にひと花咲かせられたら、どうなっても後悔しないのかな…。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2014/06/1640.html 脱出老人は年の差婚をめざす 2015/10
花嫁は40歳年下 年齢の離れた結婚は歓迎されない傾向にありました。 男が金で若い女を自由にする。金目当ての女が色ボケ男を手玉に取る。 そんなイメージがあったのでしょう。でも、今では年の差婚は流行りです。 ただ、花嫁が40歳年下のフィリピン女性だと微妙かも。 フィリピンでゆったりセカンドライフ?
脱出老人: フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち 2015/9/15 水谷竹秀 (著) https://www.amazon.co.jp/%E8%84%B1%E5%87%BA%E8%80%81%E4%BA%BA-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%B3%E7%A7%BB%E4%BD%8F%E3%81%AB%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%82%92%E8%B3%AD%E3%81%91%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1-%E6%B0%B4%E8%B0%B7-%E7%AB%B9%E7%A7%80/dp/4093884366
は、日刊マニラ新聞の記者によるノンフィクションです。
物価が安く、気候が温暖なフィリピンでゆったりセカンドライフを楽しみたいという高齢者は少なくない。 けれども、言葉・文化・自然災害・インフラ整備の遅れで不便な日常生活などに関する認識は低いようです。 500万円をどぶに捨てるorz
「日本人男性65歳(元タクシー運転手、年金は月額12万円)、フィリピン人女性25歳、1歳の息子あり。 フィリピンクラブで知り合った18歳の娘と結婚、約500万円送金するが浮気されて別れる。その後、23歳だった今の妻と結婚」 打算的だけど…
「フィリピンのアンケートで年の差婚を肯定するのは貧困層で38%、中間層以上で19%」 女性の側には、社会階層の底辺から浮かび上がりたいという経済的理由があります。 一方で、50歳以上の日本人男性が結婚したい理由は「寂しさからの解放、老後の安心」など。若い女性を求める本能に加えて、介護の心配もあるらしい。打算的との見方もできますが…。 行政主導の花嫁招致活動
「1980年代には、斡旋業者に手数料を払って過疎の村が行政主導で花嫁招致活動を行った。 1990年代に「アジア女性を商品化する人身売買」という批判を受け、民間業者の仲介による国際結婚へと移行した」 動機は金
「相手のことを好きじゃなくても結婚します。 東北は相手の男性がほとんど年寄りなので、とにかく50代でも70代でもビザが欲しいから結婚する。それが本当の理由(P37)」 自分と親戚の生活向上が目的という結婚は以前からあるようです。 「若いフィリピン人女性が日本人のおっさんなんかに愛情がないのは承知の上です。 けちだったら女性は寄りつかないし、気前がよかったら有り金全部使われる(P17)」
結婚の条件は経済力
「年収 400万円以下の日本人男性は女性に相手にされないとすら言われる時代である。 つまり、フィリピン人女性も日本人女性も男性に求める結婚の条件が「経済力」という点では一致している(P43)」 それならば、日本で家族難民になるより、フィリピン人と年の差婚をしたほうがよさそうに思えますが…。 離婚率が高いorz
「夫が日本人で妻がフィリピン人の婚姻件数は年間3118件、離婚件数は3547件(2013年)」 どうも金が目的の結婚は長続きしないみたい。 要介護状態になっても年金収入がある限り面倒を見てくれるのかな? ホスピタリティが高いといわれるフィリピン人の国民性に期待するのは…楽観的すぎるのではないでしょうか。 粗食で糖尿病が治ったw
「日本人男性50歳、フィリピン人女性19歳。 マニラに隣接するルソンのスラムで、電気も水道もないサバイバル生活。 男は縫製工場の作業員で日当は200ペソ(約540円)」 極貧生活の粗食で糖尿病が治ったそうです(笑)。 困窮邦人もいる
これは「中高年の日本人男性と若いフィリピン人女性≒金が絡む」に当てはまらないケースのようです。 フィリピンの在留邦人は1万8870人(2014年)だそうですから、いろいろな人が混じっています。 金のない不法滞在者だけど
「フィリピンクラブの女性と結婚、 サラ金や闇金から500万円超の借金して彼女の親戚に送金、 浮気されて別れる」 ここまではよくあるパターンですが、金のない不法滞在者(当時の仕事は日当100ペソ)なのに30歳以上年下の女性と結婚しています。
彼はまだ若く、タガログ語ができてフィリピン社会に溶け込んでいるらしい。 貧困ラインは月額2万3700円!
「フィリピンの貧困ラインは一世帯の収入が月額8778ペソ(約2万3700円)、 国民の25,8%がこの貧困ラインを下回る(2014年)」 日当200ペソだと貧困ラインをさらに大きく下回るのですが、「人間関係を築きやすいフィリピンでの暮らしは幸せ」と言います。 綱渡りの不安定な生活
農場に転職し、月給が8000ペソになりアパートへ引っ越しますが…。 妻が病気になって看病のために退職、入院先は貧困層を含む庶民向けの公立病院だが医療費が払えないorz 「綱渡りの不安定な生活は不幸」と本音を吐きつつ、「金を貸してくれ」と筆者に迫ります。 物価が安いといっても、日本人が現地で稼ぐのは容易ではないでしょう。 とすると、年金収入や金融資産がないと、安定した海外生活は無理なようです。 無責任男orz
ただ、子供を安易に作るのはどうなのだろう。 最初の日本人妻との間にできた2人の子供は、妻の母に預けっぱなし。 1人は覚せい剤の過剰摂取で自殺している。 次のフィリピン人妻との間にできた2人の子供とは音信不通。 今の妻との間の息子は、病気になると医療費が払えない状態。 貧困の連鎖の再生産
スラムに住む貧民が養育費を払えるはずもない。 「親はなくとも子は育つ」といいますが、無責任な貧困の連鎖の再生産に思えます。 大人の男女が sexしようと、別れようとそれぞれの選択ですが…。 子育てできそうもない状況なのに出産するのはどうしてなのだろう。 流れに任せて何も考えていないのかな。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2015/10/blog-post_29.html 2015/11 水谷竹秀著「脱出老人 フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち(小学館)」の続きです。
1人目は脱出老人のひとつの典型例。 「62歳男性、フィリピンクラブで知り合った 20歳年下の女性を追って退職後に移住。 自宅を売却した2000万円を貢ぎ、年金2万5000円で女性の家に居候。 日本の預金を妹に送金してもらう」 本人の幸福度は?
若い女に手玉に取られた愚か者なのかもしれない。 預金が底をつくか、健康を損なえば困窮老人になるのかな。 日本に帰る場所はなく後悔しているのか、老後を好きにして諦めがついているのか…。本人にもよくわからないのかも。 マンゴー園を購入
2人目はもう少し地に足がついています。 「56歳男性、フィリピンクラブで出会った 13歳年下の女性と結婚。 原発事故後に退職しフィリピン移住、同行した父は1か月後に没。 退職金と自宅売却代金で1,5ヘクタールのマンゴー園を購入(土地が200万ペソ(約40万円)、建物が500万ペソ(1350万円))」 男性は50代半ば、妻との年齢差も常識的な範囲内。
元気な内は広大な農園で第二の人生を楽しめそうです。 出会いで「女は男の金、男は若い女の体と老後の世話」という打算があったとしても、それは日本人同士でも大差ないはず。体が不自由になってからフィリピン人妻との関係がどうなるかはわかりませんが、先のことを考え過ぎると何もできないし…。 病気でも日本に帰る場所なし
3人目は、「自宅を売却してフィリピンに移住した59歳男性、 脳梗塞で手術を受け左半身の一部が不随。 国民健康保険にも旅行者傷害保険にも加入しておらず、約100万円の自己負担。 20代の彼女とは別れるが、数百ペソで介護してくれる若い女性あり」 困窮邦人予備軍
「金の切れ目が命の切れ目。医療保険は要らない」そんな生き方もあるのでしょう。 しかし、杖をついて歩ける内は、少額のお礼で用を足してもらえば暮らせますが…。日常生活にも不自由するようになれば、医療費も嵩んで困窮老人になるんじゃないのかな。 逃げ道もあるけれど
小心者の私なら、「要介護度が進んだら、帰国して人権団体に泣きつき、生活保護を受給して介護施設に入る」などの逃げ道を準備すると思う。 けれども、若いフィリピン人を追いかけて日本を飛び出す人に、そんな発想はないのだろうな。良し悪しではなく、人生観の違いなのかも。 雪のない生活に憧れる
4組目は、「秋田県在住の日本人夫婦、年金生活。 雪のない生活に憧れて自宅を処分、冬はセブ島のアパート、夏は日本(自営業で使っていた事務所あり)」 温暖な気候なら沖縄でもよさそうですが、物価が安くしがらみのない海外で解放感を味わいたいのでしょう。 現実的な選択
当初は退職者ビザを取得しコンドミニアムを購入する予定でしたが、現地の台風被害に接して方針転換。冬季のみ短期滞在の海外生活を楽しむことにしました。 富裕層ではない中間層も、こうした老後を選択肢にできるようです。 「元気な内に海外生活をエンジョイ、健康が不安になったら日本に戻る」 日本に生活拠点が残っているのでリスクは小さい。 いいとこ取りでウィンウィンの関係
途上国に住むには、その国の医療環境も含めた現実を受け入れなければなりません。 が、そこまでの重い決断はなかなかできない。また、受け入れ側も「ある程度の年金があって保険に加入している日本人なら移住者として望ましい」と言います。 「自分で自分の面倒を見ることができ、金を落としてくれるなら歓迎」ということです。互いにいいとこ取りでウィンウィンの関係かな。 独り者の海外移住者が孤独死
最期は、あまり金もなく、人的ネットワークも切れている独り者の海外移住者の例です。 「結婚歴なしの 63歳日本人女性、高校の英語教師だったが遺産相続をめぐるトラブルでフィリピンに移住。 ネグロス島に 6年住んだ後、セブ島のコンドミニアムに 4か月暮らす。 大腸がん闘病中で心筋梗塞による孤立死、本人の希望でセブ島の日本人墓地の埋葬される」 性差なのか?
フィリピンバンドを追いかけて移住する日本人女性もいたそうです。 が、夢が覚めた後も現地に残る人は少ないらしい。 女性は正気に戻れば現実的に判断してやり直せるのでしょう。 地縁・血縁のネットワークを持っている場合が多く、年金生活の日本人女性が海外で一人暮らしをするのは稀だと言われます。 幸福になる者も、不幸になる者もいる
ただ、女性にもいろいろなタイプがあるはずです。女性の経済力がアップするにつれ状況は変化するかもしれません。 「干渉されずに一人でひっそり暮らしたい」という上記の女性は、フィリピン社会に溶け込めず浮いていた。 「死亡する直前の数日間は、部屋で苦しみ悶えたのか、ボールペンで幾十にも丸い円が描かれていた。そして日付欄が空白になる。 遺体が発見されたのは、その二日後だった(P275)」 フィリピンでどんながん治療を受けていたかは不明。 日本の病院やホスピスでの死が、フィリピンでの孤独死よりマシかどうかは判断できません。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html アジアにハマった男たち 2014/10
ひと頃、アジアにハマった男たちが話題になっていましたが、最近は下火なのでしょうか。フィリピンパブも2004年をピークに、ビザの発給条件が厳しくなって衰退している様子。
堅苦しい日本社会では生きにくいであろう、欲望に忠実でいい加減なおじさんたちはどうなったのかな? 右往左往しながらアジアの混沌に飲み込まれて、それでもそれなりに幸せだったのでしょうか。 きっかけはフィリピンパブw
「アジア行きの男たち – 2001/5 浜なつ子著 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2014/10/131001200sex.html
には、例によって怪しげな男たちが登場します。
まず一人目。 「大学は2年で除籍 → 健康食品のセールス(催眠商法) → 21〜30才は消防署に勤務 → パチンコで月に45万円ほど稼げるようになってパチプロに転向 → フィリピンパブのフィリピーナに誘われてマニラに通うようになり、800万円で現地にマンション購入 → 機械のコンピュータ化でパチプロ引退 → パチンコと株式投資で稼いだ資金を持ってフィリピンに移住 → 17才のアミュリットと結婚して商売開始」 40才で早期リタイヤ
パチプロというところが変わっていますが、フィリピンパブでフィリピーナと知り合ってのマニラ行きはよくあるパターン。 40才で早期リタイヤできる資金があったようですが、アミュリットと結婚してから商売を始めます。 「タクシー会社を起こすが1年で廃業、800万円投資して半分の損失 → カラオケ店を開くがこちらも閉店 → 中古携帯電話の販売で直営店6店舗展開、フランチャイズ化を目指す」 例外的に商売で成功
東南アジアで商売に手を出すと、現地の商慣習とのギャップにギブアップ。 投資した分だけ損をして、増やすつもりが資産を失ってしまう。 そういう話を聞きますが、Nさん(43才)は例外的に現在はうまくいっています。 資金に余裕があって、事業に失敗しても仕切り直しができる。 催眠商法の会社での営業経験があるから、ダーティーな交渉もできる。 その辺りが強みかもしれません。
小規模な自営業ですから、明日のことはわからない。でも、異国の地で商売を軌道に乗せ、10代の妻を娶る。正規のルートを外れたアジア行きの男の中では、数少ない成功者なんじゃないかな。50代になった今の状況はどんななのだろう? 異色の経歴
次に二人目。 「労働組合の専従活動家 → NGOから声がかかり、フィリピンへ渡って仲間のカンパで活動 → 交流の場となるペンションをオープン → 経営不振で結婚手続きアシスト業に手を出す」 マニラの日本大使館前で客引き、月に15人前後の結婚手続きを請け負うのだそうです。
「日本のフィリピンクラブで知り合った日本人男性とフィリピン人女性の組み合わせが多い。偽装結婚も少なくない」 男が女を騙している。女は男の金目当て。そんな組み合わせが目につくそうです。 女衒の如きビザ屋
Sさん(49才)はかつて 「日本の農村へのフィリピン花嫁問題は、人身売買的集団見合」 と批判しており、仲間からの風当たりは強い。 「日本人男性とフィリピン人女性が年間 6千組以上結婚するが、離婚も年間2千組以上」 という現実もあって、仕事に誇りが持てない。「女衒の如きビザ屋の仕事」と卑下しています。加えて、利益があまり出ていないのだとか。 煩わしい人間関係をパスしたい
心情的に抵抗がある仕事内容、しかもたいして儲からない。 「暑くて料理がまずいフィリピンは嫌い。フィリピーナに興味はない」 フィリピンに関わって18年になるのに、フィリピーナとの性的関係がゼロという珍しい人です。 「一人が好き。煩わしい人間関係に縛られたくない」 成人男性が仕事をしないでブラブラしていても干渉されない緩さがあるにしても、フィリピーナと深い仲になれば彼女の親族との関係に煩わされるかもしれない。 フィリピーナとの結婚は半減
マニラに行く日本人男性がみんな若いフィリピーナ目当てではないのでしょう。が、Sさんがフィリピンに住み続ける理由はよくわからない。 なりゆきでマニラに流れ着いて、帰国のきっかけがないだけなのかもしれません。好きではなくても、食っていける仕事があるのだからうまくいっている事例です。 ただ、
「夫が日本人で妻がフィリピン人の国際結婚は 2005年が 10,242件 → 2010年が 5,212件」 ブームが過ぎて半減しています。今でも商売として成り立っているのかな? 弱り目に祟り目…
3人目は典型的なハマり組。 「35才で中古機械販売の貿易会社設立 → 商売は順調、カンボジアで22才のタムを身請け → 詐欺で2千万円の損失 → さらに詐欺で7百万円の借金 → また騙され銀行借入1500万円が返済不能、抵当に入れた静岡の自宅が競売にかけられる。この間にタムは脳血栓で死亡 → 知り合いに経理で使ってもらう。19才のベトナム娘ティを愛人にする」 再起の可能性は低そう
Fさん(51才)には日本に妻子がいますが、帰国するとED(勃起障害)になるのだとか。 日本では同世代の男性に引け目を感じるのか、ひきこもり気味になるらしい。 気力と財力が回復したら、カンボジア以外の東南アジアで商売をしたいそうです。 カンボジアで3年間に4千万円の金と自宅を失っています。 落ち目の人間は食い物にされる。 死に体になって霊媒にすがるようでは、再起は難しいんじゃないかな…。 本人は満足なのかも 「一生の内に男性が性交する回数は2500回」だそうです。 Fさんはティとラブラブで「1日3回、月に100回、年に1200回のペースでセックスする」で、日本の妻が相手だと勃起不全。都合のよい ED患者ですw 女にだらしなく、商売が下手。明るい老後は想定しにくい。 本人も、若い女に溺れて現実逃避しているだけだということは、百も承知でしょう。 アジアにハマった男たちは、こうした刹那的なタイプが多かったように思います。 冴えない中高年男性がバラ色のひとときを過ごせるのだから、本人は腎虚で早死しても本望なのかな。 マレーシアロングステイ用ビザ
中高年の東南アジア暮らしには、「夫婦で定年後にロングステイ」という堅実なパターンもありました。が、「2014 TV番組 行ってみたらこんな所だった「マレーシア」編の反響とロングステイの真相」を見ますと、 「マレーシアロングステイ用ビザの50才以上の取得条件は 「1100万円の資産証明(不動産を含めず)、 手取りで月額約32万円の収入証明、 約500万円をマレーシア国内の銀行に定期預金する」」 かなりハードルが高いです。
資産家層がターゲット
「セミナーのターゲットはこれまでの「安い・暖かいアジアで暮らしたいと思う私のような年金弱者の人々」から「資金力のある資産家層」へ確実に推移 しています。 セミナーにブースを出しているのは、シニアの資産が目当ての、天下り官僚組織・不動産会社・旅行会社・語学学校斡旋業者・手続き代行会社・証券会社ばかりです」 海外生活は若者向き
一般的な年金生活者が「家賃や物価の安い東南アジアでワンランク上の暮らしを楽しみたい」という時代ではなくなっているようです。 かつては本格的な移住を目指した中高年もいましたが、医療や介護がネックになることがわかって下火になりました。 言葉も不自由、食事も違う、治安は悪い、医療・介護制度は未整備。 そんな環境は高齢者向きではありません。 そして、数ヶ月単位の滞在では家賃の安さを享受できない。 とすると、中高年の海外ロングステイは「南の国でリフレッシュしたい金持ち」が対象なのかもしれません。 一般の年金生活者が節約しながら海外滞在を続けたとして、しばらくはしがらみからの開放や物珍しさで楽しいかもしれない。でも、金に余裕がなければできることは限られている。 暮らしている内に外国ならではのストレスも増えてくる。 体力・気力がある内に帰国して、老後の生活環境を再構築するのがベターなのでしょう。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2014/10/131001200sex.html ロリコン男の桃源郷 2014/10
何人もの少女を妻にしてハーレムを作る。ロリコン男の桃源郷かもしれません。 夢想はしても、実現しようと行動するのはごく少数。 東南アジアでなら妄想を実現できるのでしょうか…。 じゃぱゆきさんにハマる
浜なつ子著「アジア行きの男たち」(太田出版)の続きです。 4人目は優柔不断。 「大学は数ヶ月で退学、アパートにひきこもる → 広告代理店勤務 → 編集プラダクション経営、秘密クラブのタイ人じゃぱゆきさんにハマる → 経営に行き詰まって300万円の盗難手形に手を出し、タイへ逃亡 → バンコクのフリーペーパーの会社に雇われる → フリーの広告代理店下請けとなる、クラブで知り合ったタイ人女性の面倒を見る→ サブカルチャーの新聞が3号で廃刊、未払い金が500万円でシラチャに逃亡 → ほとぼりが冷めてからバンコクに戻りなんでも屋で食いつなぐ」 金と引き換えに優しさを売っている
ひきこもりでも大学中退でも正社員になれる時代だったようです。 商売が下手なのにいろいろ手を出しては、借金を踏み倒している。 「頼りがいのある存在でありたいという下心」で若いタイ人女性の面倒を見ますが、金が続かずにあっさり関係は切れてしまう。 「感謝してもらっていないことに一抹の寂しさを感じる」そうですが…。 金と引き換えに優しさを売っているプロの女にそれを求めるのはムチャです。 優柔不断
「タイにいる限り、堅苦しい生活や家庭のしがらみは一切ない。 だらしなくても許される。どんな状況でいても誰も批判しない。 一度失敗した男、家族に迷惑をかけた男として、ケリを着けて帰りたい、という気持もやはり捨てられない(P169)」 Iさん(53才)には、妻も娘も高齢の父親もいます。 帰国してやり直せればベターです。 崖っぷちの自覚がない
しかし、金にも女にもだらしなくて、あちこちに不義理を重ねている。 バイアグラなどを扱っている現状に先の展望などなさそうですが、日本で働くことも難しい。 タイ社会にも日本とは異なるしがらみがあるはず。 体力がある内は「通りすがりの外国人」として気楽に暮らせますが、何かあった時に現地のネットワークには頼れないんじゃないのかな。 年齢的に切迫した状況なのに、本人には自覚なし。 海外困窮邦人になるパターンかもorz 打たれ弱いひきこもり予備軍
5人目はゲイにハマっている。 「医学部受験に失敗、2浪で早稲田の文学部 → 出版社勤務 → ホテル勤務、退職後は看護婦の妻から離婚を迫られる → 別居してスナックのママと同棲するが捨てられる → アル中と梅毒で入院 → 離婚後は実家に戻りガードマン → ベトナムを6回訪れ9ヶ月滞在 → 45才でバンコクのフリーペーパーの編集者(月給3万バーツ≒8万4千円)、オカマに惚れるが金をせびられるようになる → フリーペーパーの会社設立を目指す」 よくある勘違い
「みんなの視線が優しかった。誰も僕を非難しない。 日本では働かないと「失格」の烙印を押された。 しかも「ちゃんとした」仕事をしていなければならなかった。 そのことが僕には苦しかった。いつもいつも疎外感と一緒だった」 Sさん(47才)には、「日本は偽善、東南アジアはオープン」と感じられるそうです。 そういう面もあるのかもしれませんが、浮いた存在の外国人だから、現地での暗黙の掟がよくわからないだけの可能性もある。 ゲイに貢ぐのは勝手だけど…
日本社会からはみだす → 疎外感・劣等感 → 東南アジアで現実逃避。 そんなパターンのようです。 外こもりほど働くことに抵抗はなく、親の経済力に頼ってはいますが、食べる分は稼いでいます。 ゲイに恋して貢ぐのも個人の自由。ただ、独立して会社経営というのは無謀なのでは。 現地のむき出しの感情や暴力の中を泳ぎ切るような打たれ強さはないみたい。 本書の出版は2001年ですから、Sさんも今では60才。どうなったのかなあ? 少女妻gs13人!
最期は「玉本ハーレム事件」で有名な玉本さんになるはずでしたが…。 「大卒で和歌山相互銀行入社、株で儲ける → 砂利採取会社の社長就任、頻繁に海外旅行 → 30代なかばにタイのチェンマイで結婚、事業に投資し永住ビザ申請 → 1973年に婦女暴行・幼年者の人身売買容疑でタイ警察に逮捕される」 この時の少女妻は13人、年齢は8〜17才とか13〜15才とかいろいろ伝えられています。玉本さんは39才。
前代未聞の破廉恥漢なのか
それまでの海外定住日本人の多くは、儲かる仕事を探す駐在員やその家族。 この頃から、日常の中のワクワクドキドキを求めるうさんくさそうな男たちも増えてきます。 彼らの目当ては「男であることの優位性を感じさせてくれる女性」 玉本さんはロリコンの欲望を露骨に実現して、「前代未聞の破廉恥漢」とマスコミに叩かれたそうです。 一夫多妻制を認める風潮
「タイやカンボジアでは、金持ちが貧しい人の面倒を見るのは当たり前。 結納金を納めれば何人かの女性を妻にすることは問題視されない。 60年代まではカンボジアの戸籍の妻の欄が4人分あり、一夫多妻制を認める社会だった」 今から40年前の日本と東南アジア諸国の経済格差は大きく、現地での玉本さんの評判は悪くなかったらしい。噂を聞きつけた日本のマスコミが現地のフリージャーナリストに取材させ、騒ぎが大きくなったのだとか。 覚せい剤の密輸が資金源?
「逮捕容疑は無罪だが、公序良俗を害する外国人として国外追放処分 → 帰国後、覚せい剤取締法違反で逮捕 → 保釈中に偽名パスポートでチェンマイを訪問し再逮捕 → 懲役5年の刑が確定 → 出所後、和歌山で木材ブローカー → 50代初めにタイ人現地妻を入籍」 その後の消息が不明だったのですが、「俺は玉本じゃないギョクモトだ」を見ると、2001年に入国が禁止されているタイで身柄を拘束されています。
ロリコン一筋、勝ち逃げの人生
出所後にマニラにもハーレムを作り、最終的にはカンボジアのシェムリアップのハーレムに落ち着いたのかな。 カンボジアの銀行預金が4億円とか大阪のマンションの家賃収入とか、いろんな噂がありますが資産の全貌は不明。1933年生まれだから今年で71才、ロリコン一筋、勝ち逃げの人生なのかもしれません。 意外と金は使っていない
変わったことをする人は自己顕示欲が強く、マスコミに露出したがる傾向があります。 が、玉本さんはマスコミ嫌い。やりたいことを実現できているので、ひっそりと自分の王国に君臨したいのかもしれません。 シェムリアップで少女妻15人と暮らしていましたが、あまり金は使っていない。 結納が20万円、月々の手当が1万円。 20万円×15人=300万円、1万円×12ヶ月×15人=180万円。 初年度が480万円、2年目以降が180万円。 目の付け所は悪くない
刑務所を出たのが1980年ですから、2001年まで21年間と仮定すると(現実には日本やマニラなどにいた時期もある)、480万円+180万円×20年=4,080万円。 東京の上流階級の奥様方は「年収 2千万円程度じゃあ暮らせない」とおしゃっておられます。 タイやカンボジアでは安上がりにハーレムを築けるようです。 しかも、周囲から道徳的な批判もでない。 金の使い方は上手かも
玉本さんは自分の服装にも無頓着だったそうですから、好きなことに金をつぎ込んだのでしょう。金の使い方を知っているようです。 ただ、治安が良くない途上国で大金をキープし続けるのは素人には難しいと思う。重度のロリコンであることは確かだとして、ダークな世界にもつながりがあるのかもしれない。ちょっと、一般人の参考にはならない感じです。 ハレンチな日本女性orz
ちなみに、筆者は取材に失敗して玉本さんに会えずじまい。その時に通訳兼コーディネーターの女性に軽蔑の視線を向けられます。 「アンコールワットもバリ島状態。非日常のときめきを求める日本人女性が、バイクタクシー運転手と簡単に寝てしまう」 アンコールワットの遺跡の中でセックスするハレンチな日本女性の一人、そう思われたのでした。 男も女も暇と金を持て余すと、することは似たり寄ったりなのかなorz 職業は結婚詐欺
「バリ島のジゴロたち」から引用しますと、 「日本人の女の子と結婚するのが、俺たちの唯一のサクセス手段さ。 手っ取り早いし、遊びながら楽しめるし一石二鳥。 結婚して家を買ってもらうのが一番の目的。 買ってもらった後はもちろんバイバイ。 ここでは日本人の名前で土地を買えないから、離婚して家を売れば大金が入るんだ。 裁判するって騒ぐ女性もいるけど無駄なだけ。 法律はインドネシア人のためにあるし、結婚するなら同じ肌の色をした女性がいいに決まっている。 良いも悪いもないさ、俺たちにとってこれは仕事なんだから…」 現実逃避の夢から醒めたら
「異文化の中に飛び込んだ女性がそこに根を下ろし、アジアと日本の新しい一面を開く可能性もある」という筆者の期待は楽観的すぎるのでは。 現地のライフスタイルが性に合って永住できるのはごく少数の例外でしょう。 女性は、バカな男より現実的で計算ができるはず。 疑似恋愛が終了すれば、現実逃避の夢から醒める。 帰国して日本での生活レベルを享受したくなるんじゃないかな。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2014/10/81713.html 桃色の海外移住? 2013/09 年金夫婦の海外移住 – 2008/6/13 出井 康博 (著) https://www.amazon.co.jp/%E5%B9%B4%E9%87%91%E5%A4%AB%E5%A9%A6%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E7%A7%BB%E4%BD%8F-%E5%87%BA%E4%BA%95-%E5%BA%B7%E5%8D%9A/dp/4093797862
を図書館で借りてきました。 チェンマイ美人
「離婚歴のある日本人男性68才とタイ人女性35才の夫婦、 借家は月に1万5,000バーツ(約4万9,000円)」 タイのチェンマイを訪れる60才以上の年金生活者は少なくないらしい。 熟年単身男性がチェンマイ美人に惹きつけられるのだそうです。 タイの大卒初任給が 3万円くらいなので、日本人年金生活者はタイでは富裕層なのかもしれません。 庭付きの一軒家が300万円で買えますが、若い妻をつなぎとめるために賃貸にしているようです。 「死別と離婚歴のある72才日本人男性と43才タイ人女性の夫婦、 年金が月に16万円で10万円を生活費として渡す、一軒家を450万円で購入」
20代のタイ人女性に入れあげて騙された経験があります。 家の購入は頭金50万円の20年ローンと工夫していますが、入籍し遺言書も書いているそうです。 「家を建て、入籍し、保険をかけて殺される」なんてことにならないとよいのですが…。 老後の面倒もみてほしい
「別居状態が長い72才の日本人男性、 日本から月に5万円の仕送りをしていた25才のタイ人女性と結婚、
150坪の一軒家と7,000坪の農園を800万円で購入、 妻が若いタイ人男性と浮気して子供ができて家を追い出される。 次に、自営の店舗で雇った 20代女性と同棲するが逃げられ、車を無断で処分される。 さらに、現地日本人の女性斡旋業者の紹介で20代のタイ人女性と結婚、 結納金30万バーツ(98万円)を収めるが、3ヶ月で逃げられる」 おそらく、彼は日本人カモの上位にリストアップされているでしょう。
人生の一発逆転を狙って、20代の女性にこだわっているのかな…。 若い女性の肉体を楽しみたい。老後の面倒もみてほしい。 そんな虫の好い願いを持った日本人男性は、ターゲットにされているという自覚が必要です。 ちなみに、女性を斡旋するのも、小遣い稼ぎ目的の日本人年金生活者だったりします。 みんなの生活がかかるおねだり攻勢
タイ人女性のおねだり攻勢という たかり体質が批判されます。 しかし、東南アジア諸国は家族意識が強く、タイ人女性は多くの親族の期待を背負って必死なのかもしれません。 体を張った真剣勝負だとすれば、平和ボケした日本人が太刀打ちできるか疑問です。 妻名義の不動産から追い出されて詐欺だと訴えても、現地人の人脈ネットワークの中では相手にされないでしょう。 60代70代で年若いタイ人妻をゲットできたら、元気で金の続く限りでその幸運を享受する。 金が不足したら、放り出されて困窮邦人になる。 寝たきりになったら、年金は好きに使われて、妻は若い男と暮らし始める。 その覚悟でED(勃起不全)治療薬を飲みながらがんばるのも、それなりの人生だと思います。人生いろいろ、人それぞれです。 イメージダウン
「家具や家電付きのサービスアパートメントは、月契約なら5,000バーツ(約1万6,000円)。 食費を3,000バーツ(約1万円)に切り詰めて、生活費を月に3万円以下に抑える者もいる」 無年金や低年金で日本では人並みの生活ができず、タイに流れてくる人もいます。 女性がメインの目的の人にも、物価の安いタイで余裕のある生活を楽しみたいという思いがあるはずです。 長期滞在の年金生活者は、タイの退職者ビザを取ります。 が、「80万バーツ(約264万円)の銀行預金と無犯罪証明書」といった要件を満たさない者もいます。 女性問題に加え、自殺やエイズ罹患などでの孤独死もあって、日本人がらみのトラブルは増えているそうです。 「裕福で金払いがよいという日本人のイメージ」は、タイでは過去ものかもしれません。 若すぎる妻はリスキー
中高年専門の結婚相談所に行っても、金持ち以外は相手にされません。 20代の女性が 70代の男性の相手をしてくれるのは、商売以外ではあり得ないでしょう。 チェンマイ美人が天使に見えるのは仕方のないことかも(笑)。 人生も残り少ないことですし、思い残すことがないように振舞うのもひとつの選択です。 死別・離婚・長期別居などで、家庭崩壊のリスクもありません。 自分で稼いだ金ですから、欲しいものに使えばいいのじゃないかな。 ただ、年金生活者は 10年もすれば介護が必要になるでしょう。 年金を受け取り続けられるように、介護はしてくれると思う。 しかし、若いタイ人の妻は、若いタイ人男性と付き合うようになるのが自然の流れ。 もしかしたら、家を追い出されて困窮邦人になるかもしれない。 おねだり攻勢に鼻の下を伸ばしている内はパラダイスですが、40才以上年下のタイ人妻との結婚生活がハッピーエンドになるのだろうか? http://nojob-thrift.blogspot.jp/2013/09/blog-post_14.html 日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 2011/11/25 水谷竹秀(著) https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E6%8D%A8%E3%81%A6%E3%81%9F%E7%94%B7%E3%81%9F%E3%81%A1-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%B3%E3%81%AB%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%80%8C%E5%9B%B0%E7%AA%AE%E9%82%A6%E4%BA%BA%E3%80%8D-%E6%B0%B4%E8%B0%B7-%E7%AB%B9%E7%A7%80/dp/4087814858
を図書館で借りてきました。
困窮邦人は自己責任
「航空運賃+不法滞在分の罰金が払えず日本に帰国できない困窮邦人は768人、フィリピンは332人と最多」 フィリピンクラブの女性を追いかけて渡航し、所持金を使い果たして見捨てられるのがよくあるパターン。 女は金を、男は年齢差40〜50才以上の若い女を求めます。 駆け込み先の日本大使館は「自己責任の結果に国民の税金を貸し付けるのは納税者の納得が得られない」として厳しく対応。 海外で無一文になった日本人の帰国支援に関する国援法(飛行機代、宿泊費、食費、交通費、雑費などの貸付)が適用されるのは、年に20〜30人に止まります。 人手も予算も限られており、親族・知人に電話して送金を依頼しますが…。 不義理を犯していたり疎遠になっていたりで、断られるケースが多いようです。フィリピン日本人会も困窮邦人支援には消極的。 共通のパターン
筆者は日刊まにら新聞(東南アジア初の日刊邦字紙)の記者で、裏付け取材も丁寧に行っていますが、登場する困窮邦人が語る内容の真偽ははっきりしません。 困窮邦人は37〜59才の中高年男性。 元の仕事は派遣、新聞配達、トラック運送、ソフトウェア、自動車部品製造など様々。 自営業者もあれば、大手企業勤務もある。 渡比のきっかけはフィリピンクラブのフィリピーナである点は共通。 学歴は高卒以下。所持金なしのホームレスで、フィリピン人に食事を恵んでもらうなどして生き延びている。
親の貯金を使い込み、高利の借金を踏み倒し、罰金も未納で帰国すれば収監される者。 連帯保証で借金を背負い、偽装結婚の道具に利用された者。 海外移住に至った経緯はそれぞれですが、離婚や別居で円満な家庭生活だったとは言えないようです。
スポイルされていく
「マニラの最低賃金は1日400ペソ(約800円)、庶民の月収は1万ペソ(約2万円)ほど、物価は安い」 「彼らは日本に住めないんですよ。フィリピンが住みやすい。 日本では、ああいった人は受け入れてもらえないんですよ。 日本じゃ苦しくて生きていけない。 一生懸命に働いてお金を稼ぐことができない人たちなんだなあと思って。 女、薬にはまっている人が多い。 ああいう味を覚えちゃうと駄目なんですよ。 人間は堕落していくもんなんだと思いますね。 だいたい、60,70のおじさんを本気で愛してくれる若い女の子なんていませんよ。 結局はお金ですよ、お金(P64)」 経歴詐称の常習犯
ソフトウェア会社勤務で年収1,000万円を超えていたという51才の男性は、アパートで寝たきりの垂れ流し状態。下半身不随で右目は失明しています。 家賃滞納で追い出された後、障害者施設に入れましたが、そこも半年で追い出される。 面倒を看てくれるフィリピン人の善意にすがっていますが、いずれ限界がきます。 フィリピンクラブ絡みの浮気で離婚、フィリピーナと結婚して渡比。 転職を繰り返す内に発病、フィリピーナとも離婚して現在の境遇になりました。 フィリピンクラブでの飲食代200万円、自宅売却時のローン残金500万円などを親に肩代わりさせており、70代後半の両親は受け入れを拒否しています。 見栄を張って経歴を詐称するこの男のプロフィールが、どこまで信用できるかは不明です。しかし、仮に帰国費用の目途がついても、日本に居場所はありません。 離婚するなら退職金は財産分与の対象
高卒後33年間大手企業に勤務した59才の男は、単身赴任先でフィリピンクラブにはまり 2年で 1,000万円つぎ込む。 25才年下のフィリピーナと結婚、早期退職金4,900万円を持って渡比。 土地購入に1,000万円、妻の兄弟に買ったジープ3台で300万円、養鶏場ビジネスに1,000万円(4年で失敗)、退職ビザ取得条件の定期預金に650万円などの支出があって、残金は6万円。 妻名義の家を追い出されてアパート暮らし、ひと月5,000ペソ(約1万円)の節約生活をしながら60才からの年金受給を待つ。 フィリピーナのおねだり攻勢は、土地、家、自動車、事業の順で行われるそうです。 ぴったり当てはまります…。 ただ、フィリピーナが騙したというのは一方的でしょう。 体を張って勝負している彼女のところへ、4,900万円のネギをしょったカモが飛び込んできたというべきなんじゃないかな。 被害者はこの男ではなく、一方的に離婚され退職金も持ち逃げされた元妻です。 女もはまる…
身勝手すぎる男の話が続きますが、フィリピンバンドのメンバーと恋に落ちて渡比、現地に妻子がいることを知って失意の帰国をした日本人女性もいたそうです。フィリピン人男性が日本人女性を利用して家族を養うパターンもあったわけで、日本人は平和ボケしているのかもしれません。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2013/09/4900_16.html 騙される二つのパターン 「日本人が日本人に騙される寸借詐欺」もありますが、話題になるのは 「フィリピンパブで知り合ったフィリピーナを追いかけて来て、女性名義で土地や建物を取得して結婚、金がなくなると離婚されて一文無し」 日本人男性が困窮邦人になるよくあるパターンです。 成功する確率は3%
「年金生活者が楽しく暮らすコツは何もしないこと。商売に手を出したら火傷する」 「言葉もしゃべれない、商売の経験もない、人脈もない、法律や商慣習も知らない、そんな日本人がフィリピンで商売して成功する確率は3%程度、妻がフィリピン人なら5%ぐらい」 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2015/11/1275w.html ピンクのちブラック、フィリピン病患者の明暗 2014/05 フィリピン病患者の末路
フィリピンパブが全盛だった頃、フィリピン病患者になる 30〜40代日本人男性が多かったそうです。 2000年代前半には年齢層は拡大し、フィリピン病は退職者にまで広がりました。 2004年に米国が日本のこうした状況を「外国人女性に対する人身売買による性的搾取」と非難し、2006年には興行ビザの発給が従来比1割程度に激減。フィリピンパブは大打撃を受けたそうです。 フィリピン病患者の末路はいろいろらしい。 フィリピーナへの偏見
「フィリピンパブファンの中で、若く素朴なフィリピン女性を騙し性的関係を持とうとする日本人客が年々増加した。 その一方、日本人の優越感、外国人コンプレックス等を裏手に取り、日本人客を騙し金銭的摂取をするフィリピン女性も増え、フィリピンを嫌う日本人も徐々に多くなる。 そういった悪循環が日本社会の中でフィリピンという国に対する偏見を多く生んでいった。 また、既婚者でありながら妻と家族を捨てて、フィリピン女性と恋に落ちる日本人男性もいたのが偏見を助長した〜 日本人=金持ち・スケベ・シャイ
日本に出稼ぎに来たフィリピーナにとっては、日本人=金持ち・スケベ・シャイ。 フィリピーナの家族にとっては、日本人=金を運んでくるカモ。 諸々の体験談からそうした情報は広く知られています。 フィリピンの消費者物価指数は 3〜5%の上昇、GDPの伸び率は 7,2%(2013年)、東南アジア諸国の中では経済成長が遅れています。 が、日本人が経済力を背景に現地で大きな顔をできるのはいつまでか…。 退職金や年金でまとまった金を自由にできる中高年も少なくなっていくでしょう。フィリピン病は時代の仇花に終わるのかもしれません。 3人目でやっと結婚
マニラ行きのジジババたち – 2002/6 浜 なつ子 (著) https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A9%E8%A1%8C%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%82%B8%E3%83%90%E3%83%90%E3%81%9F%E3%81%A1-%E6%B5%9C-%E3%81%AA%E3%81%A4%E5%AD%90/dp/4872336763
の第2章は一応ハッピーエンド。
「55才の時にフィリピンクラブで 16才のチェリーに誘われて渡比、1ヵ月で 120万円使う。 800万円の銀行預金を持って再び渡比、20才のジェシカに1ヶ月で 100万円使う。 銀行に 5万ドル預けて PRAビザを取得するか、結婚ビザを取得するか迷い、日本人が経営するコンサルティング会社の紹介で 36才のシェリーと結婚」 ネギを背負ったカモ
言葉ができない、お人よし、女好き、そして金を持っている退職者。 離婚し、子供たちとも絶縁状態で心が弱っている。 700万円の預金を抱えて周囲に頼りきりのこの男性は、典型的なネギを背負ったカモ。 若いピチピチのフィリピーナとの結婚を夢見て、金を毟り取られます。 仮に結婚できたとしても、金・男・家族とのゴタゴタで離婚され追い出される可能性が大きい。 見た目より気立て♪
ラッキーだったのは、3人目の女性と不承不承ながらも結婚したこと。 子供が2人いる不美人の中年女性ですが、気立てがいいらしい。 家の残金や屋台の権利金を支払ってくれる男性を、「日本人は金があって貧乏の苦しみを癒してくれる精神安定剤」と立ててくれます。 月に11万円の年金でも、女性にとっては貴重な収入源なのでしょう。 老後は不透明
50代半ばで労働意欲がわかなくなったという気持ちは、中高年のひきこもりにもわかります。 ここまではほんのりピンクのフィリピン病患者で、とりあえずハッピーエンドです。 が、20〜30年後に11万円の年金にどれくらいの価値があるのだろう。 体力・気力が落ちる老後の生活がどうなるかはわからない。 異国の地でシェリーとの生活に閉じこもり、言葉が通じない周囲とのコミュニケーションをめんどうくさがると…。 金を持っているだけの存在
「金を持っているだけの存在となり、彼から無理やり金を引き出そうとするでしょう。 家から放り出され、路上生活者となる可能性だってあります。 それでも、本人の意識次第では、結構、気楽に生きていけるものです。 また、そういう覚悟がなければ、フィリピンのような地獄と極楽が同居する国で老後を過ごそうなどと考えてはいけない。 「物価が安いから」 「メイドが月1万円以下で雇えるから」 そんな理由だけでフィリピンに住めば、後で痛いしっぺ返しを食うでしょう(P69)」 強盗殺人なのか?
本書の第5章は在比邦人が殺され、財産もどこかに消えたバッドエンド。 「養子、結婚後すぐに離婚、神経症で定職に付かずひきこもり。 土地とアパートの売却代金 5千万円を持って 51才で渡比。 PRAビザ取得、フィリピン人と結婚するが1年後に別居。 自宅を含め 5戸の住宅を購入、不動産はフィリピン人名義で取得しなければならないので、いずれも妻や知人名義」 57才で殺されてジ・エンド。 PRAビザ取得時に銀行に預けた 5万ドルもいつの間にか引き出され、5千万円の財産は雲散霧消。 詐欺師の標的
フィリピンで殺された場合、犯人は検挙されない可能性が高い。 5戸の住宅は賃貸に出して生活の足しにするためと説明されていますが…。 言葉が話せず事情に疎い在比邦人の中高年男性が食い物にされたようです。 PRAビザ取得者は 5万ドル(当時の為替レートで約600万円)の銀行預金があるとわかるので、詐欺師のターゲットになるそうです。 愛想はいいが醒めるのも早い
「焼き鳥屋で隣りに座った若い女の子にその場で結婚を持ちかける」 フィリピンへ行けばバラ色の老後が楽しめるとハイになっていたらしい。 見知らぬ土地で生まれ変わって、結婚して家族を養うという一人前の男性を演じたかったのかもしれません。 「愛想のいいフィリピン人は、客をもてなす大天才である。 大いに歓迎してくれるけれども、醒めるのも早い。 最初はちやほやしてくれるが、言葉もできない、冗談も言えない、フィリピン人と仲良くなろうともしない日本人は、やがて、金を持っているというだけの存在に変わっていく(P205)」 リスクは分かっているはずなのに
親の遺産で一瞬の夢を楽しめたのだから本望…ではたぶんないでしょう。 妻子に迷惑をかけるわけではなく、「税金で助けてくれ」とも言っていない。 相続した財産をどう使おうが自由です。 ただ、この頃は既に、「フィリピーナに誘われてノコノコ渡比するリスク」は語られていたはず。 結婚といっても、金で婚姻届を買うような例がほとんど。 フィリピーナを非難するのはお門違いな気がします。 50代ならば、認知症で判断力が衰えたわけでもないでしょう。 好きにすればいいのだけれど
他人に迷惑をかけず、自己責任で行うのなら、好きにすればいいとは思います。 ただ、「人生も先行きが見え、家族ともうまくいっていない。 そんな状況で若いキュートな娘に誘われたら、男ならクラッとくるのはわかる。 破滅しない程度の火遊びなら楽しみたい」 といった肯定論もありますが、理解しにくい。 海外生活の適性が低い中高年が、場当たり的に外国へ行ってうまくいく確率は低いでしょう。「金を毟られに行くようなもの」と考えないのはなぜだろう? フィリピンの土になる割合は?
脳細胞が桃色に変化して判断能力が低下するのか。 すべてを承知で「最後にひと花咲かせたい」と達観しているのか。 何も考えずに刹那的に生きているのか。 殺されるのは例外として、フィリピンの地でフィリピーナに看取られて亡くなる邦人はどのくらいの割合なのだろう? 生きていれば年金が受け取れるので、最後まで下の世話もしてくれるのかな。 放り出されて困窮邦人になるのかな。 夢破れて帰国するのかな。 どうも、最終的なハッピーエンドは想像しにくいです…。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2014/05/blog-post_28.html バカにされ騙され続けた日本人の物語(4例掲載しました。) (事例1.19年も会わずに送金し続けたコックさんのお話し) 数年前です。東京在住の年配の調理師さんが相談に来られました。数ヶ月前にフィリピン人女性と現地で結婚したので、妻を呼び寄せるために入国管理局に「在留資格認定証明書」を申請したが、認められず不許可(不交付)の通知が届いた。妻が入国できない。何とかして欲しい。これが相談の主旨でした。 私はいつも通り、お相手のフィリピン人女性との「出会いから結婚に至る経緯」をお聞きしたのですが、だんだんと我が耳を疑うようなストーリが展開したのです。 その調理師さんとフィリピン人妻の出会いは20年以上前で、出会いの場所は国内のフィリピンパブ。当然、彼女はビザの在留期限が到来したので帰国。その後、お決まりのコースの通り調理師さんがフィリピンに数回ほど渡航しました。その都度、マニラで数日間滞在してデートを重ねました。最後に会ったのが19年前とのことでした。 私が驚愕したのは、最後のデートから現在に至る19年間ずっと毎月10万円その女性に海外送金していたという事実でした。更に、直近の数年間で毎月の送金とは別に500万円以上も渡してしたのです。 話を聞けば、もう貯金も底をつき、自分自身は59歳となった。年齢的な問題と不景気の煽りをうけ、これまでのような給料では雇ってもらえない。今は6畳1間のアパートで暮らしている。それで、もうお金がなくなりフィリピンに仕送りできないので、結婚して呼び寄せて一緒に暮らしたいと思い、20年振りにフィリピンに渡航して、現地で結婚したとのお話でした。奥様の年齢を尋ねると「45歳位」という返事でした。 私が「何故、この数年間で500万円という大金を送金したのですか?」と尋ねると、「彼女は数年前に白血病に罹かり、アメリカで手術して入院するというので送金しました。フィリピンの病院はダメだと言ってました。」そして、「妻の母親が脳梗塞で倒れて、その手術と入院費用も必要でした。」「それから退院した妻の母親がジョギング中に交通事故に遭い(車に跳ねられ)、死亡したその葬式代も送りました。」 この調理師さんは、19年間この女性の暮らし振りを見ていないのに、いわれるが儘に送金し続けたのです。19年間毎月10万円。それプラス500万円です。そして、自分がオケラになったから、送金できないから「結婚し一緒に日本で暮らそう。」と20年振りにフィリピンに渡航したのです。 私はこの調理師さんに言いました。「どうも疑問が残ります。奥様の母親です。もうご高齢の筈ですよね。多分70歳前後ですよね。そのような高齢の方が脳梗塞に襲われて手術した後で、退院してジョギングなんかしますか?」そして、私は続けました。「私はフィリピンを訪れてもう35年近くなります。高齢者がジョギングする姿を見たことがありません。」「お相手の女性は、既にフィリピン人の男性と結婚して、子も数人設けているのではありませんか?」と、言うと。調理師さんは「そんな女じゃない!」と強い口調で言い返しました。 私はこれ迄、このような日本人男性を大勢見てきました。フィリピン人女性に何年も何年も仕送りし続けている男です。私はこれを「送金依存症」と呼んでいます。自分の生きがいが「送金」になっているのです。「送金」すること自体に喜びを感じて生きている人達です。思いますに、自分の仕事や自分も家族に生きがいを見出せず、周囲との人間関係が円滑でなく、或る意味で疎外されている人達なのかも知れません。フィリピン人女性に送金すること以外に自分の存在意義を見出せない人達なのです。 このような人達は貯金がなくなるまで「送金」を続けます。それどころか借金してまでも「送金」を続けます。止まらないのです。もう二進も三進も行かなくなり、金銭的に進退極って首が回らなくなって初めて気付くのです。「オレは騙されていた。バカだった。」と。それはフィリピン人女性に「もうお金がなくて送金できない。」と告げたときに初めて気付くのです。女は平然とこう言うでしょう。 「そう。お金がないの?可哀相ね。頑張ってね。」と。何年間も毎月のように送金しているのに、 (1) フィリピン人女性が結婚したがらない。 (2) 結婚したのに何だかんだと言訳して日本に来ない。 このような事例は数多くあります。何年間にもわたり送金を続けているのは、例外なく日本人の男です。男は単純ですから、フィリピン人女性の言葉を鵜呑みにします。一途に思い込むのです。一方、女性は、現実的ですから何年もずっと騙されて送金し続けるということはありません。 是非、身元調査と生活実態調査をお勧めします。フィリピン人が「アメリカで手術をする。」と言い出したら要注意です。日本人から大金をせしめる常套手段です。これまでに何度も聞きました。「アメリカで心臓手術をする。」と言われて数千万円騙しとられた上場企業の男性もいます。第一、アメリカ政府はそんなに簡単にフィリピン人女性にビザは発給しません。 私がこの調理師さんに「奥様の実態調査をしましょう! 婚姻歴、子の有無、同棲相手がいないかを調べましょう! どんな暮らしぶりなのか実態調査をしましょう! 絶対におかしいですよ!」と説得しました。すると、その調理師さんは私に「あんた。もし、彼女の言っていることが本当だったらどうするんだ!」と、大声で逆ギレされてしまいました。 誰が聞いてもバカバカしいと思う事例ですが、当の本人は大真面目なのです。私が「絶対におかしいですよ!」と言ったのには理由があります。その調理師さんが20年振りにフィリピンに渡航して現地で婚姻届出したのですが、その滞在中この女性は自宅に招かず調理師さんはホテルに宿泊させられて、挙句フィリピン人女性からこう言われたそうです。「私は白血病だからセックスはできないから。」と。 この59歳の調理師さんは私の事務所に、フィリピン人妻の「身元調査・生活実態調査」を依頼するお金もなく、相談料すら払うのがきつい様子でした。フィリピン人女性にさえ嵌(は)まらなければ、老後資金として3000万円ほどの貯金も残せて、贅沢しなければ不安のない老後生活を迎えられたことでしょう。 _______
(事例2.家族に内緒で入籍して死亡した或る高齢者のお話し)
東海地方に住む40代前半の女性からの電話でした。「父が癌で死亡しました。死亡届を出そうと役所に行って父の戸籍謄本を見たら、5年以上も前にフィリピン人と結婚していました。家族の誰も知りませんでした。驚いています。このままでは父の遺産(預貯金や土地建物)を処分できません。相続登記もできません。」 「私たち遺族は、父の妻であるフィリピン人女性に会ったこともなく、果たして日本に住んでいるのか、フィリピンに居るのか所在もわかりません。どうすればよいでしょうか?」そんな電話でした。父親名義の銀行口座には2700万円、父が経営する会社の口座には約1300万円。不動産物件として抵当権設定のない戸建が2軒あるとのことでした。 要するに「遺産分割協議」係る準備の相談でした。私は「身元調査をして相手にフィリピン人夫がいれば、重婚ということで裁判を申し立てて、遺産分割協議を非常に有利にすることはできます。それから所在地も突き止めます。」と回答しました。更に、お客様から「父親は、死の直前に意識朦朧(もうろう)とする中で、メトロバンク!メトロバンク!と、うわ言を申しておりました。どんな意味なのでしょう?」とも質問されました。 この事例の如く、フィリピン人と結婚した事実を家族に隠している日本人(特に高齢者の男)が多いのです。死亡後に、遺族が戸籍謄本を見て初めて父親が「フィリピン人と結婚していた事実」を知ったという例が実に多いのです。別の悲惨な例では、所有していた筈の土地がいつの間にか売却されていた。自宅には抵当権が設定されていた。銀行通帳も空で、生命保険も解約されていた。資産のすべてが消えていたケースがあります。 (調査結果)
お客様から提供された情報は、亡くなられた父親の戸籍謄本に記載されたフィリピン人の「カタカナ」の名前だけでした。それでも、いろいろなルートを駆使してフィリピン人女性の所在を突き止めて、当該フィリピン人女性の身分事項そして生活実態調査をしました。 その女性は、フィリピンの首都マニラ(ルソン島)から遠く離れた群島の町に住んでいました。マニラ空港から国内線の飛行機でも1時間以上かかる場所でした。確かに独身でしたが、数年前からフィリピン人男性と同棲していました。そのフィリピン人の男は元警察官(警察を解雇されていました)でした。二人の間に子も一人設けておりました。 女性は、過去にエンターティナー(タレント)として日本への入国歴がありました。多分、その滞在中にフィリピンパブでホステスとお客という関係で知り合ったのです。案の定、女性がビザの在留期限到来で帰国した後、亡くなられたお客様の父親が何度もフィリピンに渡航していたのです。そして、現地で婚姻届出して日本の役所の戸籍課にも婚姻届出をしていたのです。入籍していたのです。更に、このフィリピン人妻が結婚後5年以上も経過していたのに一度も日本に入国していない事実もわかりました。 調査の結果、その女性の家族は誰も仕事に就いておらず、家賃3000ペソ(約6000円)の中古住宅に住んでおり、家族全員が日本人夫の送金で暮らしていました。このフィリピン人妻は、入籍だけして、毎月のようにずっとお金だけもらい続けていたのです。 私は、依頼者(ご遺族)の意向で、フィリピン人妻に私の事務所が提携する現地スタッフを通じて日本人の夫が死亡した事実を伝えました。その頃、たまたま私もフィリピンを訪れる用事がありました。それで、現地のスタッフを通じて「マニラまで出て来れるなら、○○○ホテルのロビーで会って、亡くなられた遺族の方から託された言葉をお話します。」とも伝えました。○○○ホテルは、最近もAPECの会場になった有名ホテルで誰もが知っています。 (編集後記)
約束した当日の時間にその女性はロビーに現れませんでした。私の現地スタッフがその女性の携帯に電話すると「マニラには昨日(きのう)着いたけど、交通渋滞なので1時間ほど遅れる。」との返事でした。私は忙しく、「明後日の同じ時間にもう一度来るように。」と、そう指示して、別の約束の場所に向かいました。 二日後、そのフィリピン人女性は○○○ホテルのロビーに現れましたが、今度は親戚と称する女性が現れて、自分も同席させろと言い出しました。私は「個人情報に係わる大事な要件なので同席は認めない。」と、繰り返し申しましたが、その親戚と称する女性は執拗に同席することを求めました。私が語気を荒げて「私は帰る!」と言うと、その女は漸くロビーの隅の方に消えました。 驚いたことに、そのフィリピン人女性は、私に対して夫の死亡を知らせてくれた「お礼の言葉」も言いませんでした。ろくに挨拶(あいさつ)もせず、いきなりソファーにドカッと腰をおろしました。そして、筆記用具のメモ帳とかボールペンも持たずに現れたのです。一昨日に指定の時間に来れなかったお詫びの言葉もありませんでした。 要するに女の興味は、『財産がいくらあり、自分がいくら貰えて、いつ貰えるのか』それだけだったのです。 考えてもみて下さい。私はそのフィリピン人に日本人夫の死亡を教えてやり、フィリピンまで来て財産分与に関して遺族の意思を伝えに来てあげたのです。勿論(もちろん)、日本人の遺族からも渡航費用などもらっておらず、無論(むろん)フィリピン人女性に遺産分割協議に関する情報提供の謝礼を請求した訳でもありません。 このフィリピン人女性との会話から諸々のことが明らかになりました。この女性は過去6年以上も毎月7万円以上送金してもらっていたのです。そして、その送金が「メトロバンク(METRO BANK)東京支店」経由で、彼女のフィリピン国内のメトロバンク口座に振り込まれていたのです。加えて、女性は「産婆」の資格を取得するための専門学校の入学金や授業料も受け取っていたのです。 事前の調査で、この女性が「産婆」の資格を取得するために学校に通っていたことは掴んでいました。しかし、この女性は私に「看護婦」の資格を取得したと嘘をつきました。フィリピン人らしく見栄を張ったのです。メトロバンクに関する送金の事実は後日、遺族からも確認が取れました。押し入れの中から夥(おびただ)しい送金控えが出てきたのです。 フィリピン人女性は、日本人夫が死亡する前月あたりから送金がないので、毎日数十回も日本人夫の携帯に電話をしていたとも吐露しました。女性が質問する内容は夫が残した財産のことばかりでした。フィリピン人妻は、呆れたことに自分の夫が入院していた病院名や病名も知りませんでした。「癌」で亡くなられたのに、女は心臓病で入院していたとか出鱈目(でたらめ)なことを言い出しました。夫が小規模な会社を経営していたことも知らず、それがどんな職種の仕事であるかも知りませんでした。事実、夫がどんな仕事に就いているかなど興味などなく、どうでもよかったのです。お金を貰えればそれでよかったのです。 このフィリピン人妻は亡くなられた日本人夫の最後の様子などを尋ねることもなく、亡き夫の話をしている間も涙を浮かべることすらありませんでした。更に、私が遺族から頼まれて日本からとりあえず相当まとまったお金を持って来たと勘違いして、母親や家族を連れて、航空機でマニラまで来ていたのです。 私が、依頼人(遺族)の言葉を伝え終わり、ホテルのエントランスから出た直後、私の現地スタッフが私の耳元で囁きました。「あの女の愛人の元警察官がロビーにいました。携帯で宇波さんを盗撮していましたよ。」と、教えてくれました。 このフィリピン人女性の身元調査を実施したときに、私たちは同棲相手のフィリピン人男の顔写真を入手して調査の依頼主に渡していました。それで女の愛人であると確認できたのです。私の現地スタッフ二人がロビーにおり、私と離れた場所のソファーに座っていたのです。愛人の男はそれとは知らず、私を盗撮していたのです。この女の愛人も、恐らく、私が日本の遺族から頼まれて、当座の相当額の大金を持って来たのだと思い込んで女に付いて来たのだと思います。 余談ですが、フィリピンの「産婆」の資格で日本国内で「産婆」の仕事はできません。現地では「看護婦」の国家試験とは違い、「産婆」には国家試験がありません。誰でも学科を履修すれば資格が取得できます。なにより、フィリピンで数年かけて日本で使えない「産婆」資格を取得しようとしたことは、最初から、結婚しても日本入国して夫と一緒に暮らす意思がなかったことを物語るものだと思います。 私は既に(事例その1.19年間も会わずに送金し続けたコックさんのお話し)の中で「送金依存症」という言葉を使いましたが、「癌」で亡くなられたこの日本人の方も或る意味で、「送金依存症」に陥ったと思います。婚期を逃したり高齢で死別したり、家族とは疎遠。そんな時期に自分より若いフィリピン人女性に出会うと、そこに生きがいを求め、それに縋(すが)るようになるようです。 加えて、男は単純細胞ですからフィリピン人女性の言葉を鵜呑みにして言われるまま何の疑いもなく、将来は介護してもらおうなどと期待して送金を続ける日本人の男も大勢いるようです。将来、介護してもらおうと目論んで年の離れたフィリピン人女性との結婚を望む高齢者も多いのですが、その殆どが悲惨な結果をたどっているようです。日々の口論や喧嘩で「鬱」状態に追い込まれた中年男性・高齢者も大勢います。 既にお話ししましたが、遺族によれば、父親は意識朦朧として死ぬ直前まで「メトロバンク、メトロバンク」と、うわ言を繰り返していたそうです。自分の妻が現地でフィリピン人の男と何年も同棲していることも知らず、その病床で律義にも「メトロバンクから送金してやらなければ、送金してやらなければ」と、思い続けていたのです。悲しいというか、残念で哀れな物語です。 このフィリピン人女性ですが、ご遺族の話に拠れば、それから間もなく日本人の男を仲介人に仕立てて日本人弁護士を雇い、夫の預貯金と土地建物(戸建を2軒所有)の50パーセントを渡せと請求してきたそうです。この事例のように、結婚後一度も日本に来ることもなく日本人夫との同居実態がなくても、法律的に妻であれば遺産の50パーセントは渡さなければならないのです。 _____
(事例3.騙されてフィリピン人のダメ男と二度結婚した日本人女性のお話し)
北陸地方にお住まいのご夫婦でした。「娘がフィリピンに行き、向こうでフィリピン人の男と結婚しました。困り果てています。インターネットで出会ったのです。相手の男性ががどんな人物なのか調査して下さい。」そう依頼されました。ご両親は娘さんから、フィリピン人男性の「名前」と「誕生日」しか知らされていませんでした。 この娘さんは、既にフィリピンに数回渡航し、『現地で婚姻届出する前に相手の家族にも面会していました。娘さんの日本人のご両親はこの男とインターネットのスカイプの画面上で顔は見たと話しておられました。 依頼人であるご両親が不審に思ったのは、スカイプの画面で「結婚許可証」の申請用紙を見せて、「もう1回、申請をキャンセルしたり延期したら、自分はこちらの市役所のブラックリストに載せられる。」そう言い出して結婚を急がせたそうです。何よりパソコンのが画面上だけですが、その男は見るからにだらしない服装をしていたそうです。 (調査結果)
このフィリピン人男性は現地で35歳のとき出生届出をしていました。インターネットの出会い系サイトに登録する少し前に(別名)で出生届出していました。現地での聞き込み調査で、勿論、本名も分かりました。案の定、この男は本名でフィリピン人女性と結婚しており二人の子とともに一家4人で生活しておりました。
このフィリピン人の男は、日本人女性(依頼人の娘さん)に対して、自分の妻を「兄の嫁さん。」であると紹介して、「兄は数年前に失踪して、自分が一緒に住んで兄の嫁さんと二人の子供を世話している。」と、とんでもない嘘をついていたのです。私は、それらの証拠書類の公文書も添付して翻訳文も添付して依頼人にお渡ししました。 勿論(もちろん)、依頼者の娘さんはフィリピン人夫宅の近所に住んでいた親や兄弟姉妹にも紹介されて挨拶(あいさつ)していたのですが、相手の家族の誰一人「彼は結婚していて、奥さんがいて子供も二人いる。今も一緒に暮らしている」と、教えなかったのです。 家族ぐるみで騙したのです。 依頼者の娘さんはある程度英語が理解できたのですが、フィリピン人同士は都合が悪いことはタガログ語で話しますから、その家族が何を話しているのか分からなかったようです。調査の結果、このフィリピン人の男は定職に就いておらず、一日中近所を徘徊してブラブラしているような男でした。その男の住まいも写真に撮り、依頼者に提供しました。住まいはうらぶれて錆びたトタン屋根の家でした。その錆びたトタンが捲(めく)れて軒から垂れ下がり修繕もしないでほったらかしてありました。 依頼者の娘さんとフィリピン人の男は、現地で二人で婚姻届出した訳ですが、調査の結果、婚姻届出した役所は男が生まれ育った住まいがある市役所ではなく、遥か遠く離れた別の市役所で「結婚許可証」を取得し、その市役所で「婚姻届出」しておりました。 このフィリピン人の男は、「自分の住居登録地がここの市内。」と嘘をついて、自宅から遠く離れた市役所で婚姻手続きをしたのです。理由は簡単です。地元の市役所で婚姻手続きをすると市役所内には顔見知りも当然いるでしょうから。近所の人がたまたま用事で市役所に来ていることもあるでしょう。見られるとまずいのです。要するに重婚がバレる可能性があったのです。 依頼者の娘さん(以下、「Aさん」と言う。)は、フィリピンにも住民票があると思い込んでいたようです。フィリピンには「住民基本台帳法」のような法律はなく、住民票らしきものさえありません。 (編集後記)
私は、フィリピンから調査報告書が届き、依頼者であるご両親に送付しました。その後、ご両親の要望で、改めて場所を設けてAさんを交えて今後の善後策を話し合いました。しかし、私はAさんと話をして違和感を感じたのです。普通であれば、騙されたと知れば怒り心頭に達し、相手の男性は許せないとなるのですが、逆に私への質問が、どうも調査報告書の内容を相手のフィリピン人の男に漏らし、かつ、相手のフィリピン人と打合せを済ませたような質問をしてきたのです。 Aさんの立場としては、騙されていたのですから「直ぐに現地で裁判して結婚を解消したい。お願いします。」と、切り出すのに、Aさんは違いました。調査報告書を疑うような質問を続けました。 例えば、「彼の母親の前に彼を連れていって、この人は誰ですか。名前は何と言うのですかと確認したんですか?」そんな質問ばかり繰り返しました。身元調査は当然ながら相手に悟られないように密かに行動します。相手を母親の前に連れて行って、これば誰で何という名前ですか? などと質問できる訳がないのです。 話は変わります。後日、依頼者であるご両親からもう一度お会いしたいとの連絡がありました。お会いしたのですが、そこでAさんのご両親から打ち明けられた話を聞いて、私は仰天しました。 実はAさんは以前にもフィリピン人と結婚していたのです。聞けば、日本国内でオーバースティ(不法残留)していたフィリピン人と結婚して子どもまで設けていたのです。在留資格のない外国人が日本人と結婚して、結婚後に入国管理局に出頭して残留資格を願い出る制度を「残留特別許可」と言います。 その前夫のフィリピン人は「残留特別許可」されて残留資格を取得する前後から、Aさんにさんざんお金を無心し、Aさん名義で新車を購入してローンを申し込ませたりして、Aさんは自己破産寸前まで追い詰められ、遂に協議離婚したそうです。それだけでなく、後日判明したのですが、そのフィリピン人夫にはフィリピン現地に妻がいたことも発覚したそうです。 依頼者であるご両親にしてみれば、過去に一度、フィリピン人の男に痛い目にあわされているのに、またフィリピン人と結婚した。しかも今度の相手は身元調査の結果、妻子がいて、名前も変えて独身になりすまして娘と結婚している。以前と同じ結果になるのが目に見えている。是非とも何とかして欲しい。そう私に懇願したのです。 私はご両親に「現地での婚姻解消の裁判費用を用立てて下さるなら、現地の弁護士を紹介します。私もお手伝いします。でも、お嬢さまが裁判を申し立てる意思があるかどうかが問題です。」と、申しあげました。それから暫くして、Aさんは婚姻解消を申し立てることを決意し、私と一緒にマニラに渡航したしました。現地に渡航する前に、私はAさんとフィリピン人夫の「出会いから結婚に至る経緯」そして「身元調査結果」をすべて英文に翻訳して現地の弁護士に送付しておきました。 現地では、Aさんは通訳を交えて弁護士と打合せをして、「委任状」と「申立書」に署名して帰国しました。 裁判は順調に進行する筈でした。ところが、それから1ヶ月も経過しない頃にAさんから私に電話がありました。「裁判を取り下げます。」との連絡でした。申立人本人が裁判を取り下げると言えば、これは取り下げるしかありません。実はAさんは、ご両親や私に内緒でずっとフィリピン人夫と連絡をとり続けていたのです。電話に出たりすると相手のペースに巻き込まれるから絶対に電話が来ても無視するようにと厳重に注意していたのですが。「夫はそんな裁判のやり方は変だ。インチキだと申しています。ですから取り下げます。お支払いした裁判費用はどうなりますか?」そんな連絡でした。 私は直ちに依頼人であり裁判費用を拠出してくださったAさんのご両親に電話をしました。事態をご存じかとお尋ねしたところ「まったく、寝耳に水です。」と、震えるような声でお話になりました。その後、ご両親はAさんを説得したらしいのですが、Aさんは頑として親の言葉に耳を貸しませんでした。「彼を日本に呼んで一緒に暮らす。」と言い切ったそうです。 そう言えば、前兆と言うか思い当たる節(ふし)がありました。現地でフィリピン人の弁護士と打合せをしていたとき、弁護士はAさんにもう相手と連絡は取らないようにと釘をさしました。そのときAさんは「彼からメールが来たら見ることはいいですか?」と、質問したのです。 私はそのとき裁判を申し立てるというのに何故そんな質問をするのか?若しかして未練があるのではないか? そう感じたのです。そのAさんの言葉を聞いたとき、私は「絶対にメールなど開かず、無視して下さい!」と厳重に注意していたのです。 しかし、Aさんはフィリピン人の夫と連絡を続け、Aさんは婚姻解消の裁判を申し立てたことを自らバラしていたのです。重婚はフィリピンでは刑事罰の実刑(禁錮刑)ですから、相手は必死にAさんに裁判の取り下げを懇願したに違いありません。 前述の如く、Aさんは過去に不法残留していたフィリピン人男と結婚し、痛い目にあわされて自己破産寸前まで追い込まれて、子を引き取って離婚していました。しかし、それから数年後、またフィリピン人と交際を始めたのです。繰り返しますが、当事務所の「身元調査・生活実態調査」の結果、その男には妻子があり、別名を名乗っている事実を突き止めました。 そして、ご両親を交えて婚姻解消の裁判を申し立てることを決めました。本人もフィリピンに渡航して弁護士が作成した委任状や申立書に署名までしたのに、裁判を取り下げて、更にそのフィリピン人の男性(夫)を日本に呼んで一緒に住むことを決めたのです。 実は、このような日本人女性は多いのです。過去にフィリピン人の男に騙されて随分とお金を使わされ取られて酷い目にあわされたにも拘わらず、数年経過すると再度フィリピン人の男と付き合い始める女性が意外と多いのです。「今度の彼は大丈夫!」これを喉元過ぎれば熱さをなんとか・・・と、申します。 私の経験から申しあげます。フィリピン人との結婚を家族に猛反対されると、日本人の男性も家族や周囲の言葉に耳を貸そうとはしません。ですが、男性の場合は思い留まる事例が屡々(しばしば)あります。しかし、女性が思い留まることは滅多にないのです。 フィリピン人の男は不愛想な日本の男と違い(最初だけですが)優しいのです。日本人女性が舞い上がるような言葉を語ります。不謹慎な表現ですがお許し下さい。優しくされてベッドの中で英語で甘い言葉で囁(ささや)かれた日本人女性は一溜りもないようです。日本人女性は、そんな楽しい嬉しいことが頭から離れず、幸せを夢想し続けて、結婚に突き走るようです。これは私見ではありません。或る日本人女性から告白された実話です。 フィリピン人の男に騙される日本人女性の特徴として、少し英語(英会話)が理解できるという共通点があります。人前で、外国人と二人並んで街中を英語で話しながら歩いて、周囲から「かっこいい」と見られたいような見栄もあるようです。 それから「彼を現在の貧困生活から救ってあげたい」「私と結婚して日本で働けば高収入になる」「救ってあげられるのは私だけ」「彼はきっと感謝する」そんな自惚れた上から目線の勘違い使命感を抱いて結婚する日本人女性も多いと感じています。 フィリピン人の男が日本に入国しても、殆どの場合、単純労働(飲食店従業員、清掃員、日雇い工場作業員)のような仕事にしか就けません。日本語も満足に話せず、漢字も読めない、電話の対応もできない外国人を誰が雇用してくれるでしょう。この不景気風の吹く中、日本人ですら就職が難しい現実を認識していれば、フィリピン人との結婚を夢見るというのはいかがなものでしょう。 別の事案ですが、2012年晩秋。或るご両親から頼まれて、ご両親とフィリピン人男性と結婚したいと希望する「お娘さん」の四人で或る駅前のホテルの喫茶室でお会いして話を伺いました。私はフィリピン人男性の言動に疑問点や不審点を感じたので、結婚したいというフィリピン人男性の身元調査をすすめたのですが、そのお嬢さんから「彼の心の中までは調査できないでしょう!」と、反論されました。私もバカバカしいので、それ以上話しても時間の無駄だと思い、さっさと退散」した次第です。このような女性が実に多いのです。 _____
(事例4.結婚後、夫の知らない間に3人の子を産んでいたフィリピン人妻のお話し)
九州からの電話相談でした。お声から察して60歳くらいの女性でした。息子さんが現地でフィリピン人女性と結婚してもう7年経過するのに、フィリピンの嫁が、なんだかんだと理由を付けて、いっこうに日本に来る様子がない。以下は電話いただいたお母さまの話です。 息子はずっと結婚する以前から毎月送金し続けています。最近は、毎月6万円送金しています。息子の嫁は、以前は日本のフィリピンパブで働いておりました。フィリピンに帰ってから暫くして、息子に「妊娠していた。」と電話をかけてきました。息子は慌ててパスポートを取得してフィリピンに渡航して向こうで結婚しました。そして、帰国後に市役所の戸籍課にも婚姻届出をして戸籍謄本にも結婚が記載されました。 不可解なことに、生まれた子を実子として日本の戸籍に入籍するから、その子の「出生証明書」を送れと言っているのに、もう何年間も送ってこないんです。はじめは、その理由が「男」と「女」の性別を間違えて届出した。訂正しようとしたが、手続きが面倒で一端、届出を取り下げた。今度は簡単に二度目の出生届出が受理されない。最近では、裁判所の命令がないと出生届出できないと言い始めました。こんな言訳めいたことを何年も言い続けています。息子は嫁の言うことを信じて今も毎月送金しています。嫁や子どもに会うために、2年に1度くらいはフィリピンを訪れています。 ときどきフィリピンからは子どもの写真が送られてきます。子供の誕生日が近づくと必ず電話がかかって来て、息子は誕生日プレゼントを送っています。 「調査を依頼したいのですが、資料としては息子の戸籍謄本しかありません。戸籍謄本にフィリピン人妻の氏名が書かれています。息子の嫁があちらでどんな暮らしをしているのか、生まれた子はもう小学生のはずですが、どうなっているか調査していただけないでしょうか?」このような依頼でした。 私が依頼者である息子さんのお母さまに「フィリピン人のお嫁さんの住所とかわかりますか? お嫁さんの写真はお持ちですか?」そう尋ねると、息子さんは別に家を借りて暮らしており、息子の戸籍謄本の他に資料はありません。フィリピン人の嫁のことについて、いろいろ尋ねても何も教えてくれないとのことでした。 実は、結婚話が出たときに家族が大反対したために、それ以来、相手のフィリピン人の女性については何も語らなくなったとのことでした。実際、このような男性は多いのです。家族が結婚に反対した途端に、相手のフィリピン人女性について黙して語らなくなり口を噤(つぐ)む日本人男性が多いのです。 (調査結果)
1ヶ月間の調査の結果、唖然(あぜん)とするような事実が判明しました。まず、帰国後に産んだとされる子ですが、子の出生届出は生まれた直後に地元の市役所に提出されていたのです。そして、その出生証明書には子の出生から4年後にフィリピン人の男が認知したことが記載されていました。当該のフィリピン人女性が日本から出国してから出産日までを計算すると、女性はフィリピンに帰国してから265日目に子を産んでいました。女性は生まれた子がフィリピン人男の子であることを初めから知っていた筈なのです。 「興行(タレント)」の在留資格で就労していたフィリピン人女性は、このように帰国後に、関係した日本人男性に「あなたの子を妊娠していた。」と電話をかけて、通院費や出産費用そして毎月の養育費・生活費を要求し、それだけでなく結婚を迫ることがあります。身に覚えのある日本人男性は、慌ててフィリピンに渡航して結婚したり、毎月送金を始める例が数多くあります。酷いケースでは、子が生まれて数年経過してから「あなたの子を産んで育てている。」と、電話してくる女もいます。 調査の結果、このフィリピン人妻は、想像した通り子を認知したフィリピン人男と同棲していました。しかも、その女性がタレントとして日本で働く以前から、ずっと一緒に暮らしていたのです。近所の人達の証言から分かりました。更に、驚くべき事実が明るみに出ました。なんと、このフィリピン人妻は、日本人と結婚した後に、同棲しているフィリピン人男の子どもを3人も産んでいたのです。フィリピン人の男は無職でした。つまり、フィリピン人親子6人は日本からの送金で暮らしていたのです。 皆様は不思議に思われるでしょう。『依頼者の息子さん(日本人夫)は、ときどきフィリピンを訪れていたはずだ。3人も子を産んでいたのが分からなかったとは?』と。そこがフィリピン人の狡猾で上手なところです。恐らく、妊娠してお腹が大きく目立つときは、病気だとか怪我をしたとか、なんだかんだと言い訳してフィリピンに来させないようにしたのでしょう。 事実、後日この日本人夫に尋ねたところ、フィリピンを訪れたとき宿泊先のホテルにメッセージが届いており、そこには「親戚に不幸があり、葬儀でレイテ島に行かねばならないから会えない。」と書かれており、夜中になって「レイテにいる。」との電話をかけてきたそうです。 この日本人夫の依頼者の息子さんですが、初めは私の事務所の調査報告書を信用しませんでしたが、調査で撮影した数十枚の写真を提示するとガックリした様子で、調査報告書が正しい事実であると認めたとのことです。その写真の中には、自分の妻とフィリピン人男が並んで子供たちを抱いている写真なども数枚ありました。また、自分の子だと思っていた子の横に並んで双子かと思うような瓜(うり)二つの子がもう一人写っていたからです。 この親子6人の所在地ですが、日本人の夫に教えていたとは別の市内の実父の家に住んでいました。昔のように家の固定電話であれば、相手の所在も分かり転居したことも確認できるのですが、携帯電話では実際に調査しなければ本当の居住地は分かりません。調査報告書が届いてから1ヵ月後に、私はこの依頼者の息子さんと一緒にフィリピンに渡航しました。渡航目的は、現地の裁判所に婚姻無効・婚姻解消の申し立てるためです。現地で通訳を交えて、フィリピン人弁護士と打合せををして、「委任状」と裁判所に提出する「申立書」に署名して帰国しました。 _______
(番外編 1. 裁判費用を騙し取られてもなお送金し続ける男のお話し)
2005年頃からブームになりましたが、インターネットの婚活(出会い系)サイトで知り合い、日本人男性がフィリピンに渡航して結婚するケースが増えています。以前は、比較的若い20代30代の日本人男性が大勢でしたが、最近は、40代50代60代の男性が激増しているようです。 婚活サイトに登録しているフィリピン人女性も、以前は20代が多数でしたが、このところ30代40代の女性が急増しています。しかも、特徴的なのは過去に日本で「興行」在留資格(ダンサーなど)で就労していて日本語が話せるフィリピン人女性が増えているのです。その多くが自称「シングルマザー」であり、自称「離婚経験者」です。次の事例は、こんな婚活動サイトで知り合い、マニラで結婚届出し、更に日本の役所にも婚姻届出した男性のケースです。 近畿地方に居住する50歳前後の男性でした。それまでずっと独身を通していましたが、婚活サイトで自称「シングルマザー」のフィリピン人女性を見つけて、何度かメールを交換した後、写真を交換し、国際電話で話をするようになり、2度目のフィリピン国訪問で「結婚許可証」を申請して、3度目の訪問で現地で結婚したのです。 結婚後、広島入国管理局から「在留資格認定証明書」が交付されたのですが、在マニラ日本大使館がビザ(査証)発給を拒否したのです。拒否理由はフィリピン人妻の「重婚」でした。在マニラ日本大使館は、原則、ビザの申請人に拒否理由を説明しません。日本人夫の問い合わせには、漠然と「重婚」を仄めかすことがあります。 この日本人男性(以下、「Aさん」と言う。)は、フィリピン人女性と知り合い、最初の渡航で男女の関係になり、その後に女性から「実は、フィリピン人の夫がいる。」「別居しているが、裁判で離婚(婚姻解消「通称、アナルメント」)の手続きをしないとあなたと結婚できない。」と打ち明けられ、Aさんはどうしても結婚したいので、裁判費用と弁護士費用とで併せて40万円を送金したそうです。すると、女性からは4ヵ月ほどして裁判が結審したとの連絡があり、それでAさんはマニラに渡航して現地で結婚したのです。参考までに申しあげますと、通常、現地の裁判離婚(婚姻解消)は3ヶ月や4ヵ月では終わりません。 ところが、在マニラ日本大使館で査証発給拒否されると、女性は一転して「裁判は終わったけど、弁護士が判決を役所に提出するのを忘れていたので、フィリピン人夫との結婚が未だ解消されていない。」そうAさんに説明して、Aさんが「直ぐに役所に提出するように。」と指示すると、女性は今度は「弁護士が判決後に直ぐに死んだ。」と言い出したのです。 私に言わせれば、女の言うことは全部「嘘」です。最初からアナルメント裁判などやっていないのです。このフィリピン人女は40万円を騙し取ったのです。それから、毎月送金してもらうのが目的なのです。第一、裁判が結審して直ぐにフィリピン弁護士が死んで役所に届出できなかったなんて考えられません。フィリピン人は嘘とわかる嘘を平然と言います。 私が想像した通り、案の定、Aさんは弁護士にも会わずに、フィリピン人女性にお金を渡しただけでした。Aさんはアナルメント(婚姻解消)の「判決文」は勿論のこと裁判を提起したさいの「申立書」のコピーすら見ておりませんでした。それどころか弁護士の名刺も貰っておらず、40万円の領収書も見ておりませんでした。 在マニラ日本大使館で査証発給拒否されてから、Aさんは、広島入国管理局に2度目の「在留資格認定証明書交付申請」をしたそうですが、今度は入国管理局から不交付通知(不許可通知書)が届いたのです。Aさんの説明では、重婚状態にあるので、2度目の申請ではフィリピン人夫の「死亡証明書」を偽造して入国管理局にで提出したとのことです。が、それでも在留資格認定証明書不交付通知が届いたのです。当然です。入国管理局を甘く見てはいけません。入国管理局にしてみれば、重婚がバレたので、今度はフィリピン人夫を死んだことにしてきた。悪質だ。そう審査したに違いありません。 私は、Aさんにフィリピン人女性の嘘を幾つも指摘して、身元調査と生活実態調査をアドバイスしたのですが、Aさんは全く聞く耳を持ちませんでした。それどころか、女性が「もう一度、現地で、ちゃんとした弁護士に頼んでフィリピン人夫との婚姻解消裁判をしたい。」と言い出したと言うのです。つまり、もう一度、裁判費用を送金して欲しいと言っているのと同じです。Aさんも私に「是非、そうしたいのでまともな弁護士を紹介して欲しい。」と懇願しました。 私は、「変ですね。もう婚姻無効の裁判は判決を貰っているのですから、この判決を現地の役所に届け出るだけでよいのでは? どうしてまた裁判する必要があるのですか?」そう問い質すと、Aさんは次のように答えました。 「妻が判決文を持って役所の窓口(NSO、国勢調査統計局)に提出に行ったら、役所でこの判決文はにせ物だと言われたそうです。」 Aさんは、ここでも、またまた嘘をつかれてそれを鵜呑みにしたのです。実は、NSOに直に婚姻解消の判決文を持ち込んで結婚解消の登記をすることはできないのです。Aさんが何も知らないことをいいことに嘘をついて騙したのです。私は、そのこともAさんに説明したのですが・・・。 普通であれば、「そうかオレはまた騙された。お金も取られた。こんなに嘘ばかりつく女とは離婚しないと、将来えらいことになる。」と考えるのですが、Aさんは違うのです。騙される日本人男性の典型的な性格の人でした。 フィリピン人夫の「死亡証明書」を偽造して入国管理局に提出しようと女が言い始めたとき、「この女は危険だ。」と、察知すべきだったのです。ところが、Aさんはそのような不法行為(公文書偽造)に加担して、法務省入国管理局に偽造文書を提出したのです。 フィリピン人女性と接した、婚期を逸した男性や死別した高齢者に特に顕著に見られる傾向です。私は、何度も何度も見てきました。 もう過去の話です。空港での上陸時の指紋検査が実施される前です。退去強制処分(強制送還)されたフィリピン人女性が名前を変えて、不法滞在中に知り合った日本人と現地で結婚し、別人に成りすまして日本人の妻として日本に入国して来る事例は、数え切れないほどありました。 日本人夫も、結婚相手が偽名を使っていると知りながら、その事実を隠して「フィリピンを観光していたとき初めて出会いました。」「知人の紹介で現地で初めて会いました。」などと、入国管理局に虚偽申請して入国させて一緒に暮らすという事例は数え切れないほどありました。 一度、不法行為に加担すると、何度も不法行為に巻き込まれます。例えば、妻として入国した後、「フィリピンから妹や弟を親族訪問で呼びたいけど、身元保証人になって欲しい。」と言われ、いざ兄弟姉妹が入国すると、スナックや工場で不法就労を始めます。日本人夫はそれを止めることもしません。そしてビザの在留期限が到来しても帰国せず、不法残留(オーバーステイ)して捕まるまで不法就労します。あるいは、不法残留しながら、結婚相手となる日本人を物色して、結婚してビザを取得しようと目論見ます。このようなことを黙認している日本人夫が実に多いのです。 このAさんを含めて、日本人は現地の法律や婚姻手続きの法律に疎いのです。当然ですが、そのためフィリピン人の言い分を鵜呑みにするしかないのです。聞けば、Aさんは結婚を決意したときから、もう2年近く毎月のように送金していました。 Aさんは、私の忠告も聞かず、どこかの業者に現地のフィリピン弁護士を紹介してもらい、きっとまたフィリピン人妻とフィリピン人夫との婚姻解消(アナルメント)裁判を始めるでしょう。そして、裁判費用・弁護士費用を支払い、更に裁判中もずっと毎月のように送金し続けると思います。まったく相手の思う壺なのです。Aさんは、それを認識できないのです。 ______
(番外編 2. マリキナ市の現地邦人事件簿 だまされ怒り爆発 )
だまされ怒り爆発 日本人男性(56)=本籍・福岡県=が別れたフィリピン人妻(35)の親類らを銃撃し、1人が死亡、5人が重傷を負った事件で、容疑者の日本人男性は7月24日、犯行の動機について、過去5年間で約300万ペソを元妻やその親類、友人らに使い込まれ「だまされたという怒りが爆発した」と語った。 日本人男性によると、フィリピン・パブで比人妻と出会い、2007年に日本国内で結婚した。比で長男(7)と長女(6)が生まれ、自身の両親や別れた日本人妻らとの関係も良くなかったため、比への移住を決意した。日本の家や資産はすべて売り払い、全財産を比移住のために準備した。日本へ戻る意思はなかったという。 移住する1年前から、比での収入源として、タクシー用の乗用車を買うための資金や、故障したという乗用車のエンジンの新規購入資金などを妻に送金し、妻の弟に仕事を手伝わせていた。ルソン地方リサール州アンティポロ市にある家の購入資金も送金した。 しかし、2008年に移住してみると、弟が買ったという新しいエンジンはなく、乗用車は売られていた。アンティポロ市の家も妻が売り払っていた。車も家も妻名義。男性が送金した現金は「妻や親類が勝手に使い込んでいた」という。 現金の使い道などをめぐり、移住直後から妻との口論が絶えなくなり、08年に離婚。男性はマリキナ市内の賃貸アパートで比人の友人らと一緒に暮らすようになった。 比での定収がなかったため、日本から持参した現金を元手に比人の友人らとタクシー業、駐車場経営などを試みた。銃撃で負傷した5人のうち、マリキナ市で撃たれた比人男性(42)とリサール州サンマテオ町で撃たれた比人男性(43)とは、3人で魚の仲卸業を始める計画だった。魚の運搬用の乗用車の購入費、事業立ち上げ資金を比人男性2人に渡した。しかし、いつまでたっても事業は始まらない。その後、サンマテオ町の男性の妻(42)が渡した資金を使ってしまったことが分かった。 比人男性2人とその妻の計3人は、22日夜、日本人男性に銃撃され、重傷を負った。 マリキナ市で銃撃された比人女性(56)については、女性の娘婿と乗用車の売買をめぐりトラブルがあったという。 比人妻の親類や友人らには、これらのほかに日々の生活費として頻繁に現金を貸していたが、返済されなかった。家賃を支払う余裕もなくなったため、借金返済を迫ると「金はない」と言われた。 犯行に使った9ミリ拳銃は、1年半前、子供が病気で入院し、治療費を工面するため銃を買ってくれと友人に頼まれ、2万ペソで買った。 「だまされた。いつも、大丈夫だから、大丈夫だからと言われながら(それを信じて)ばかにされた。5年間ずっとたまっていた怒りが突然、爆発した」という。 22日夜、犯行現場のマリキナ市コンセプシオン・ウノのメリット通りで、義弟に「偶然会った」。比人妻との間にできた子供2人はどこかと聞くと、「生意気な態度で『知らない』と繰り返された。怒りがこみ上げてきた」(日本人男性)。 犯行中は頭が混乱し、自制できない状態だった、とも話した。 http://www5b.biglobe.ne.jp/~v-o-t/philippin1-jiturei4.htm ________ ________ 年金夫婦の海外移住 2013 定年退職後の年金生活で時間ができると、故郷へのUターン、田舎暮らし、海外移住などに関心が向くのだそうです。 年金夫婦のロングステイ(余暇目的の海外長期滞在)は増加しています。 金持ちの特権ではなく大衆化したと説明されますが、余暇目的ではない年金難民や介護難民も加わったということです。 貧しくて日本では人並みの生活ができないとか、限られた年金でより豊かに暮らしたいとか、介護が必要になった時の老後に不安があるとか、そうした人たちが物価の安い海外へと出かけているようです。 東南アジア諸国が人気
物価、風習、リタイアメントビザの取得しやすさなどから、東南アジア諸国(マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、台湾など)が人気です。 「月に10万円でプールとメイド付きの家に住める」とメディアが煽りますが、治安、医療、生活費の点で問題もあります。 東南アジア諸国の経済成長に伴う物価上昇と円安を考えると、「海外移住すれば年金生活でもゆとりがある」とは言えなくなっているのかもしれません。本書は2008年の出版で、その後の5年間でさらに状況は変化しています。 生活費11万6,000円
「60代前半の夫婦、マレーシアで 3DKのコンドミニアム(賃貸型のリゾートマンション)を月900リンギ(約3万円)で借り、家賃込みの生活費は月3,500リンギ(約11万6,000円)」 マレーシアに滞在する日本人の生活費は月に 6,000〜7,000リンギが平均的なので、半分程度に抑えています。 HPの「月に6万円で楽園の生活」を信じて入国した当初は、月に23万2,000円の生活費がかかり赤字だったそうです。 日系スーパーの利用や日本人との付き合いを減らし、家賃の安いコンドミニアムに引っ越して家計はスリムアップできました。しかし、汚職が蔓延して警察が当てにならない、保険カード(民間保険会社との契約)がないと治療に保証金が必要、などと惑うことも多いようです。 生活費16万5,000円
「70代後半の夫婦、マレーシアで家賃は月に1,500リンギ(約4万9,600円)で、家賃込みの生活費は月に5,000リンギ(約16万5,000円)」 英語もインターネットもできず、付き合いは近所の日本人のみ。 700リンギ家賃の安いところに引っ越したが、物価の上昇で生活費は変わらず。 妻が転倒して通院するようになり医療費が負担、手術は日本でないと不安などが理由で帰国する予定。 高齢では民間保険会社との契約は難しい、海外旅行傷害保険も年間掛け金が 1人年に15万円かかる。そうしたことを考えると、日本の医療に頼りたくなるのでしょう。 不動産購入はリスキー
「60代の夫婦、マレーシアに永住するつもりで35万リンギ(約1,160万円)でコンドミニアムを購入」 年をとれば「最期は日本で」という気持ちが強まるわけで、不動産購入はリスキーです…。 「金に困った長期滞在者が小遣い稼ぎに作ったHPのネット情報は信頼性なし」 「NPO やボランティアを騙る不動産関連の悪徳業者も多い」 なにより、退職ビザの取得基準が政府の思惑で変更されます。 「15万リンギ(約500万円)の現地銀行定期預金 →50万リンギ(約1,650万円以上の資産証明」 裕福な日本人のジャパンマネーに期待してロングステイを認めています。 「マレーシア滞在の日本人の生活費は月に7,000リンギ(約23万2,000円)が平均的」だとすると、それほど節約にはなっていません。
「標準的な老齢厚生年金受給額が月に23万円、高齢者夫婦2人世帯の支出が月に25万円」と言われています。 それなりに生活をエンジョイすると、国内でも海外でも支出は大差ないのかな。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2013/09/blog-post_12.html 介護付き長期滞在施設 日本は国民皆保険ですから、介護保険料の徴収を拒めません。 それで、一人暮らしの高齢者が要介護認定されると、介護保険を利用して在宅介護ができるのかと言うと…たぶん無理でしょう。 介護保険は同居の家族を前提とした制度だからです。 では、貧乏な一人暮らしの高齢者が特別養護老人ホームに入所できるかと言うと…かなり難しいでしょう。 比較的安いので待機者が多く、順番待ち状態だからです。 待機者数は 42万人とか、真に入所が必要なのは 4万人とか、真に入所が必要な人だけでも16万人とか、実態ははっきりしませんが、申し込んでもすぐには入れません。 そこで、海外の日本人向け介護付き長期滞在施設が登場しました。 ローズ・プリンセス・ホーム フィリピンへの海外移住には、日本人向け介護付き長期滞在施設を目指すパターンもあります。 十分な介護の人手を確保できる、有料老人ホームに入居する資産がある。そうした人達を除けば、日本での老後に不安を感じます。 介護士の人件費が安いフィリピンなら、日本では平均的な年金生活者も十分な介護を受けられるはずです。 「日本人向け介護付き長期滞在施設ローズ・プリンセス・ホーム、 35平米の部屋の生涯使用権が300万円、 健常者は1日3食の日本食込みで7万円、 24時間マンツーマン介護付きの寝たきりは13万円(医療費は別)、 月に1万円弱の管理費を払えば常時滞在の必要なし」 60 部屋の大半は埋まっているとあります。 ニッチ分野で成功したベンチャー企業なのでしょうか。
日本の介護付き有料老人ホームは、入居一時金も月々の費用も高額です。 取り崩せるかなりの資産がなければ、年金生活者(国民年金でも厚生年金でも)には高嶺の花。需要はあるでしょう。 トロピカル・パラダイス・ヴィレッジ
「治安のよいスービックにある介護付き長期滞在施設トロピカル・パラダイス・ヴィレッジ、 1泊 1万円、1週間 5万円、1ヶ月11〜16万円、1年132万円、10年900万円(いずれも介護費用を含む)」 離婚経験のある74才男性(年金15万円、生活費20万円)の例が挙げられています。 厚生年金+貯金の取り崩しで、日本より安くて手厚い介護が受けられるのですが…。 ニーズがあるはずなのに、永住者は少なく保養目的の利用が多いらしい。 金の問題をクリアできれば、最期は日本で迎えたいのは当然です。 言葉も通じない異国の施設を終の棲家とするには覚悟が要ります。 また、海外のうまい話は眉唾物という警戒心もあるのでしょう。 介護付き施設の契約金持ち逃げなどの詐欺事件が報道されているそうです。 医療費の全額負担
橘玲の「フィリピン・マニラ 日本人高齢者を受け入れる介護サービスの現場」 http://diamond.jp/articles/-/36470?page=4 によりますと、
「一時期は新聞やテレビでもたびたび紹介されたローズ・プリンセス・ホームは、経営の混乱で日本人職員が全員退職してしまい、いまは日本語を話せない介護士しかいない (昨年12月にはNHK「追跡!真相ファイル」でその実情が取材された)」 ネットで断片的な情報を拾ってみると、 「ローズ・プリンセス・ホームは 3000坪の敷地に 50の部屋がある大規模な施設。 16年前にフィリピン初の日本人向けの老人ホームとして開設、入所を希望する人が殺到した。 しかし、施設を出る人が増え、部屋の多くが空いたままになっている。 日本の住民登録を抹消してフィリピンに住所を移すと、日本の国民健康保険は適用されず医療費は全額自己負担となる。 1日12万円の治療費の工面に苦労した末にすい臓癌で亡くなった人もいる」 高齢者の介護は医療とセットになることが多いのですから、介護が安上がりでも医療が高額ならメリットは感じられません。 杜撰な事業計画
「フィリピンの問題点というのは コストが高くなった。人材の確保が難しくなってきている。 私自身、さじを投げちゃっている部分がある」 経営者の姿勢にも問題あり。倒産せずに譲渡先が見つかったようですが、「有料老人ホームの居住者の権利は利用権。 入居一時金を支払い、終身利用権を取得していても、事業者が変わればその権利は引き継がれない。 サービスのカット、入居一時金の追加徴収、月額費用等の改定が行われることになっても抗弁できない。 そのサービスでは生活が維持できない人や追加費用を支払えない場合は退居せざるを得ない」 日本人スタッフのいなくなったローズプリンセスホームは、もはや日本人向け介護付き長期滞在施設ではなさそうです。 日本に戻ると言っても、体力・気力・資力に加えて受け入れ先探しも必要です。ハードルは高いでしょう。 介護付き有料老人ホームが倒産したら
有料老人ホームは民間企業ですから、倒産や M&Aもあります。 終の棲家として介護付き有料老人ホームを選ぶのでしょうから、サービスが継続して提供されることが最重要です。 が、介護期間が長くなることもあるわけで、10年以上先のことは誰にもわかりません。わからない時は「みんなで渡れば怖くない」海外の介護付き長期滞在施設利用者はごく一部の少数者ですから、このサービスの利用は非常にリスキー。 倒産や M&Aという事態になっても、「うまい話に騙されたかわいそうな人」として一時話題になるだけ。自己責任が強調されます。 日本の介護付き有料老人ホームが倒産した事例では、特例として特別養護老人ホームが入居者を引き受けました。 老後は国内で暮らすのが無難です。施設に入る金がなければ、自宅でいけるところまでがんばるしかないでしょう。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2013/09/blog-post_13.html 介護の人件費は安いけれど 2015/11
「フィリピンの平均年齢は23歳、日本は46歳」 経済成長中ですが、日本に比べて物価も給料や人件費も低い。 ですから、若い介護の人手は安く手に入ります。しかし、医療費はそうではない。 日本人は自己負担 3割でフリーアクセスできる国民皆保険に慣れています。 さらに高額療養費や高額介護合算療養費などの制度もあって、医療費を軽視しがちですが…。 海外転出届と健康保険
負担が大きいけれど社会保障が完備した北欧諸国もあれば、医療を行う環境も整っていない発展途上国もあるでしょう。 「海外転出届け」 http://www.tkago.net/tmanual/notification.html を見ると、「海外転出届を出して住民票を抜くと、健康保険料の支払い義務はなくなるが健康保険に加入し続けることもできない」 提出に関する細かな規定がない?
海外移住をする場合に海外転出届は義務です。 また、海外転出届を出した後で社会保険事務所で年金に関する海外転居の手続きが必要なはず。 ただ、提出に関する細かな規定がないらしく、海外滞在が1年以内ならば提出を求められないようです。 日本での治療費に換算した 7割が給付
「海外転出届けを出さずに、渡航中も健康保険に加入した場合。つまり、国外の滞在が1年以内の状態で、海外で医療機関に治療費を支払い、帰国後自分で手続きした場合、日本での治療費に換算した7割が給付される」 海外旅行傷害保険が必要
「盲腸の手術が日本で40万円、アメリカで400万円なら、 健康保険からの給付は40万円×0,7=28万円、 自己負担額は日本で手術を受ければ40万円−28万円=12万円、 アメリカで手術を受ければ400万円−28万円=372万円」 こうした事態を避けるために、海外旅行傷害保険を利用します。
民間の医療保険が必要
そして、滞在が1年以上に渡る本格的な移住であれば、日本の健康保険に加入できません。 その場合は民間の医療保険を利用することになります。 「フィリピンの保険事情」を見ると、「フィリピンは物価が安くても医療費は日本並み。 最大保障額25万ドルのベーシックな民間医療保険の年間保険料が、51歳〜65歳は1000ドル、71〜75歳で5000ドル、81〜85歳で約1万ドル、96〜100歳では3万ドル」 高齢者の保険料は高額orz
25万ドル(約3000万円)は大金ですが、高額な医療費がかかる病気なら足りないかもしれない。 81歳になれば保険料は年に約120万円です。 96歳になれば年に約360万円、3年で1000万円を超えますorz フィリピンの庶民は金のかかる私立病院へは行かず、低料金の公立病院で最低限の治療だけを受けるのでしょう。 医療のビジネス化
民間の医療保険はピンキリです。 私立病院では医療のビジネス化が徹底していて、保険対応限度分の治療しか受けられません。 提携病院はどこか、どんな検査や治療がいくらで受けられるのか、そうした複雑な契約内容を素人が比較検討するのは難しそう。判断力の衰えた高齢者には不可能に近いのでは。 1000万円を現金で払えるか
「これまでに聞いた自己負担の最高額は1000万円。 フィリピンでボランティア活動中の日本人女性(60代)がくも膜下出血で倒れたが、何の保険にも入っていなかったため、日本からフィリピンに駆け付けた夫が現金で支払ったという。 国民健康保険に加入していない人が大病した場合、日本に帰国して再加入すればいいと考えるかもしれないが、各航空会社から搭乗を拒否される恐れがある(P280)」 医師や看護師の付き添いで帰国するにも、かなりの費用が必要でしょう。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html 為替も物価も変動する 2015/11
「1997年4月 1ペソ≒5円」とありますが、「2015年11月 1ペソ≒2,6円」ですから、為替レートの変動は大きい。 「物価は安いが日本食品は高い」 こちらも「インフレ率が 1998年9,36%、2008年8,18%、2014年4,17%」なので、物価はけっこう上昇しているはず。 今なら移住生活費はいくら?
P132に夫婦にメイド1人、運転手1人のフィリピン標準家庭の支出(月額約11万円)の内訳が載っています。 ちなみに筆者の支出は約15万円。 「1ヶ月の移住生活費シュミレーション(日本人感覚のA夫妻編)フィリピン」 http://www.naru-web.com/philippines/cost-of-living.html を見ると、
フィリピン都市部で日本人感覚の暮らしをすればメイドや運転手なしで 18万円超。 あまりお得感を感じられないのでは? ペソ建て定期預金の金利は12,75%!
「フィリピンの銀行のペソ建て定期預金の金利は 10〜12,75%、税金が20%かかる」 ええと、仮に 5000万円の定期預金を組めば、税引きで年に400万円の利息を受け取れるってことです。一瞬、フィリピン移住を考えました(笑)。 で、2013年の情報だと…
が、 「意外と知られていない フィリピンのインフレと預金利息」 http://vagabond0321.seesaa.net/article/308634921.html を見ると、預金が保証される銀行は5行で上限は各100万円ずつ。
そして、金利は2%ちょっと。 5行に 500万円預けても税引き後の利息は年に8万円…。 500万を超える預金には銀行の破綻リスクが発生する。 為替リスクも取ってこの金利だと…日本で投信をやった方がよいような気がするのだけれども。 国民健康保険に加入し続けられる?
「長期滞在者は国民健康保険+海外旅行傷害保険が多い。 フィリピンに本拠を移し、医療保険未加入の者もいる。 風邪なら診療代1000円+薬代1000円、虫歯2本の治療代6000円」 筆者は「厄介な病気になったら日本で治療するつもりなので、国民健康保険に加入し続けている」とあります。 海外転出届は任意らしいけれど…
海外転出届を出さず住民票を残して、住民税や国民年金保険料を払い続けていたのでしょう。 海外転出届は1年移住が目安で、強制ではないらしい。 本書執筆時点で、茨城の家を売ってマニラに移住してから5年は経っています。 日本に生活の本拠がないのに住民票が残っているのは、本来はおかしい。 法の不備はいずれ解消されるはず
法の不備のグレーゾーンはいずれ解消されるんじゃないのかな。 とすれば、高齢の年金生活者が医療保険に未加入なのはハイリスク。 民間の医療保険に加入する必要があり、高度な医療を私立病院で受けたいのなら保険料が嵩むはずです。 「フィリピンには日本のような健康保険制度はない。 貧乏人は安い公立病院で最低限度の治療を受ける。 金持ちは高額な私立病院で最高水準の治療を受ける」 「ボトックス 始末記」 http://blogs.yahoo.co.jp/aspentower14042001/11260843.html によりますと、ボトックス注射1本1万9000円! 上記の生活費シュミレーションの医療費は見積もりが甘すぎます。 http://nojob-thrift.blogspot.jp/2015/11/1275w.html
2016.4.11 急激な経済成長によってタイの物価は急ピッチで上昇。 もう「物価の安い国」とは言えない。 写真はタイのタクシー「トゥクトゥク」(出所:Wikipedia) タイなど東南アジアの国々は、かつては物価が安いというイメージがあった。
実際、年金生活者の中には、物価の安さに惹かれてタイなどへの移住を決断した人もいる。 だが東南アジア各国は、急激な経済成長によって物価も急ピッチで上昇した。 例えばタイの消費者物価指数はここ10年で1.5倍近くに上昇している。 タイの都市部において、ちょっとした昼食代が1000円を超えることは珍しくなく、もはや日本と変わらない水準だ。 物価が安いことを前提に移住した年金生活者の中には生活が破たんする人も出てきているという。 http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/397.html 物価高騰で貧困に陥るタイ移住高齢者 1月30日 横山了一 (ジャーナリスト)
屋台飯も数年前に比べ、10バーツは上がった印象
タイの物価高騰がじわりじわりと市民生活を脅かしている。昨年、タイの経済成長は2.9%と見込みよりも低迷し、消費も潤わなかった。政府は、今もあの手この手と景気刺激策を打ち出しているものの、いまだ明るい兆しは見えず、暗雲立ちこめるなかで2016年が幕開けした。
物価高騰で貧困に陥る移住高齢者
ブームのラーメンも日本円で1000円以上は普通
“タイはもはや物価が安い国ではない”
市民生活に直接打撃を与える物価の高騰は、この国の最も大きな課題。特にバンコクに住んでいれば、その傾向は強い。 「タイは物価が安いから生活しやすい」 数年前はその通りだったかもしれないが、現在では、正直そこまで感じることはない。 ことの始まりは、インラック政権が実施した2012年の最低賃金引き上げ。当時、“バラマキ政策”と揶揄された「1日最低300バーツ」(約1000円)という施策は、市民の生活向上に一役買ったものの、人件費の高騰は、徐々に物価高騰に影を落としていくことになる。 特に日本人においては、アベノミクスにともなう円安も逆風となった。こと日本円で給料をもらっている駐在員は実質の所得減少であり、ビジネスマンの間では「タイはもはや物価が安い国ではない」という認識が広まっている。 “駐在員目線”で物価の高騰を考察すると、まずは接待や家族連れで頻繁に訪れる日系レストランの価格高騰が顕著。昔はラーメン一杯を注文すれば、200バーツ以内(700円)が当たり前だったが、気がつけば300バーツ(1000円)も普通となった。タイはサービス料(平均10%)と消費税(7%)がかかる店舗も多く、実質約2割増しも物価高の印象を強めている。今なら日本でラーメンを食べた方が、お得ではないだろうか。 物価高騰で貧困に陥る移住高齢者 日系レストランの価格高騰も日々感じるところ
また、居酒屋の一品メニューの価格も日本とそう変わらない。長年、タイに住む日本人にしてみれば、「原価が安いのになぜ?」となるわけだが、これもまた素材の価格が上昇し、さらに前述した人件費の高騰もあれば、もはや価格高騰は避けられない。
店にもよるが、日系レストランでちょっと飲み食いすれば、1人あたり2000バーツ(7000円)は普通であり、もはや日本と変わらないだろう。一方、日本では飲食店の激安傾向もあり、頻繁に日本に出張するビジネスマンとすれば、「今や日本よりも高い」という感覚になってしまうわけだ。 駐在員の価値観が、日本との比較がベースになっているのは否めない。日本での激安傾向と相反するタイの現状を考えると、なおさら物価高騰を感じてしまうのは事実。また、駐在員はタイの近隣諸国の出張が多く、カンボジア、ラオス、ミャンマーといった国とも比較してしまうため、よりタイの物価高騰を目の当たりにするわけである。多くのビジネスマンから「人件費が上がっている。タイでワーカーを雇うにも、価格競争のメリットが少なくなってきている」という声は枚挙にいとまがない。 物価高騰の背景は日常生活のグローバル化
バンコクにおいては物価の高騰もありつつ、世界中のものや文化が集まり、グローバル化の流入という背景もある。例えば、スターバックスでラテを頼むと日本とほぼ同価格の120バーツ(約400円)はかかり、サードウェーブ系コーヒーも平気で100バーツ(330円)はする。税の問題もあり、ユニクロは日本に比べて2割ほど高く、ゴルフ道具、パソコン関連商品、Apple製品などいずれも日本より高い。 すでにおわかりだと思うが、スターバックスや日系レストランには行かず、タイローカルに根ざした生活をすれば、ここまでコストはかからない。ただ、それらに慣れている日本人はなかなか生活水準を変えようとはしない。物価高騰の背景には、日常生活のグローバル化という側面があるというのも、また事実である。 物価高騰で貧困に陥る移住高齢者 PC周辺機器などは日本の方がはるかに安い
“リタイアプア”化する日本人
とはいえ、物価の高騰がもたらした影響はそれだけにはとどまらない。駐在員のみならず、タイで余生を過ごし、悠々自適な生活を送っていたリタイア組にも大きな影響を与えている。 80歳で奥様と2人暮らし、大手企業の第一線で働いた後にバンコクに移住。現在は企業年金と国民年金を受給しながら、年に2回は日本に帰るという、リタイア組の“勝ち組”であるMさんから聞いた話だ。 円安の影響、物価の高騰は、年金暮らしの人々に大打撃を与え、海外における“リタイアプア”を生み出している。Mさんによれば、懐が厳しくなったリタイアプアは、もはやバンコクでの暮らしを諦め、チェンマイへの移住にシフトしているという。インフラ、住居環境、飲食も充実するチェンマイは、日本人のみならずタイ人にも人気の観光スポット。バンコクと比べると、比較的物価が安く、それでいて時間がゆったりと流れている非常に心地のよい場所であり、穏やかに暮らすには理想的。そんなチェンマイだが、Mさんから正直、耳を疑わずにはいられなかった話を聞いた。 物価高騰で貧困に陥る移住高齢者 のんびりとしたチェンマイに移住者が増えつつある
Mさんがチェンマイに行った際、ターペー門近くの大通りを歩いていると、突然、同年齢くらいの日本人男性から声をかけられ、「まもなく自分の口座に入金があるのだが、当座の金に困っている。すぐに返すから、少し貸してくれないか? 日本人ならわかってくれるだろう」とお願いされたという。当然、Mさんは断ったが、これまで聞いたこともない手口に驚き、同時に貧窮の惨状を感じずにはいられなかった。そんな路上生活者のような物言いで、日本人が日本人に金を無心されるなど、まったく想像していなかったからだ。
また、バンコクでもMさんがよく利用する、大手日系カード会社のサービスカウンターでも以下のようなことがあった。 同店では、カード会員対象にコーヒーを無料で提供しており、昼時には駐在員妻たちの憩いの場にもなる場所。そこにカードの有効期限が切れているにもかかわらず、さも会員のように入店し、平然とコーヒーを飲んでいる年配の方が増加しているという。会員になるには、年間約2000バーツ(約7000円)ほどの入会金が必要だが、それも支払えず、無銭飲食している人が増えているという、なんとも切ない現実。今の状況を振り返りMさんは「もはやタイはロングステイには向いていないかもしれない。今後もリタイア組は減っていくでしょう」と嘆いた。 タイ政府は現在も国民の所得増加を目指しており、再び最低賃金の引き上げを行う可能性は高い。言うまでもなく、その先に待ち受けるのは、さらなる物価の高騰。自動車を中心とする製造業が集積するタイは、労働力の安さが何よりも魅力であったが、実は日系企業が多く進出する決め手となったのは、安価な価格に支えられている“住みやすさ”という点が大きかった。あらゆる意味で生活のしやすかったタイでの暮らしに、大きな変化が訪れようとしている。 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160130-00010000-wedge-life 物価高騰のタイで急増する日本人“リタイヤ・プア” 2016年02月29日
タイで、日本人の年金生活者のいわゆるリタイア組、あるいはロングステイ組が、タイの物価高の影響を受け生活困難に直面。“微笑みの国どころではない”事態に陥るケースが急増している。
日本で定年退職し、生活費が日本に比べて安い海外で年金生活を送る日本人は年々増加。特に、日本に近く気候も温暖、なにより物価が安いという理由で、東南アジアの国々にはリタイア組のコミュニティーがあり、専門の仲介業者もあるほどだ。 「しかしフィリピンは治安が比較的悪く、マレーシアはイスラム教国というネックがある。その中で、観光地としても有名なタイは根強い人気。特に男性の単身者には現地の若い女性を“現地妻”や家政婦として身近に置けるという“極上”の楽しみもある。しかし、'12年にインラック政権が最低賃金の値上げに踏み切ったことで人件費が高騰して物価も上がり、生活難となる年配の日本人が増えているのです」(現地記者) たとえば首都バンコクで日本のラーメンを食べようとすると、1杯が200バーツ(約700円)だったのが300バーツ(約1000円)に跳ね上がっている。また、バンコク市内の大手クレジット会社の事務所にある「会員向け無料コーヒーコーナー」には年会費2000バーツが払えなくなった元会員の年配日本人男性が、毎日無料コーヒーを目当てに詰めかける事態に。 「物価の安いチェンマイやチェンライなど地方都市への日本人流出も急増。そんな地方都市でも『間もなく年金が振り込まれるが、至急お金が必要なので少し貸してほしい』と、同じ日本人に金を無心する人も増えています」(前出・記者) 現地タイ人と同じように、屋台で食事すれば1食50バーツ(約160円)で済むのだが、辛い食事に適応できるほど柔軟性もなく、いつの間にか生活困窮に陥り“リタイア・プア”に転落。 もはやタイは“苦笑の国”と化しているのだ。 http://wjn.jp/article/detail/3797170/
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