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ボロディン弦楽四重奏団名演集
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/214.html
投稿者 中川隆 日時 2017 年 8 月 05 日 11:12:09: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: クリングラー弦楽四重奏団名演集 投稿者 中川隆 日時 2017 年 8 月 01 日 08:32:51)

ボロディン弦楽四重奏団( Borodin Quartet)


ショスタコーヴィッチ

Shostakovich - String Quartet No 8 - Borodin Quartet - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ftMxvv9MzGc

Dmitri Shostakovich String Quartet No 8 in C minor, Op 110

Rostislav Dubinsky, violin
Yaroslav Aleksandrov, violin
Dmitri Shebalin, viola
Valentin Berlinsky, cello

Borodin Quartet
Edinburgh, August 1962

___

Shostakovich - String quartet n°8 - Borodin SQ Edinburgh 1962 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=gwostsHeRdw


Dmitri Shostakovich String quartet n°8 op.110

I. Largo 0:00
II. Allegro molto 4:09
III. Allegretto 6:50
IV. Largo 10:40
V. Largo 15:35

Borodin Quartet (Rostislav Dubinsky - Yaroslav Alexandrov - Dmitri Shebalin - Valentin Berlinsky)
Live recording, Edinburgh, 31.VIII.1962


第一期ボロディン四重奏団によるショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1〜13番


1962〜72年ステレオ録音。結成時のオリジナル・メンバーによるボロディン・クヮルテット、いわゆる「ドゥビンスキー時代」の彼らのかけがえのない録音がChandos Historicalから着々と世に出ていますが、中でもこれは特に注目に値するセットといえます。

 演奏はどれも最高の評価を獲得してきたもので、数あるショスタコーヴィチの弦楽四重奏録音の中にあって、その厳しいスタイルはまさに空前絶後。

 レコーディング当時、まだ作曲されていなかった第14番と第15番を含んでいないのは残念とはいえ、この時期の彼らの演奏をまとめて聴けるこのセットの価値にはまさに圧倒的なものがあります。

 この後、ボロディン・クヮルテットはメンバー・チェンジしてから全曲録音を実施しましたが、評価はこちらの方が高い。


CD-1
弦楽四重奏曲第1番ハ長調op.49(1967)
弦楽四重奏曲第12番変ニ長調op.133(1972)
弦楽四重奏曲第3番ヘ長調op.73(1967)

CD-2
弦楽四重奏曲第4番ニ長調op.83(1962)
弦楽四重奏曲第5番変ロ長調op.92(1967)
弦楽四重奏曲第6番ト長調op.101(1967)

CD-3
弦楽四重奏曲第7番嬰ヘ短調op.108(1963)
弦楽四重奏曲第8番ハ短調op.110(1967)
弦楽四重奏曲第9番変ホ長調op.117(1967)
弦楽四重奏曲第11番ヘ短調op.122(1967)

CD-4
弦楽四重奏曲第10番変イ長調op.118(1967)
弦楽四重奏曲第2番イ長調op.68(1967)
弦楽四重奏曲第13番変ロ短調op.138(1972)


ボロディン・クヮルテット(オリジナル・メンバー)
ロスティスラフ・ドゥビンスキー(ヴァイオリン)
ヤロスラフ・アレクサンドロフ(ヴァイオリン)
ドミトリー・シェバーリン(ヴィオラ)
ヴァレンティン・ベルリンスキー(チェロ)
http://www.hmv.co.jp/en/artist_%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81-1906-1975_000000000021314/item_%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E3%81%8B%E3%82%8913%E7%95%AA%E3%80%80%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E5%9B%A3%EF%BC%884CD%EF%BC%89%E3%80%80_1989027  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 2023年9月03日 03:23:15 : 3dRK9xyHIU : M3BDcm1OOWI1c0E=[4] 報告
<■51行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲全集 ボロディン四重奏団(6CD)
https://www.hmv.co.jp/artist_%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81%EF%BC%881906-1975%EF%BC%89_000000000021314/item_%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E5%85%A8%E9%9B%86-%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E5%9B%A3%EF%BC%88%EF%BC%96%EF%BC%A3%EF%BC%A4%EF%BC%89_1446065

1945年に結成、チェロのベルリンスキーを精神的支柱に、今なお数多い現代の弦楽四重奏団をリードする、ロシアの名クァルテットによるショスタコーヴィチ全集が嬉しい復活。 結成当初から作曲者に演奏法を直接指導されたという同団の演奏には、「ボロディンSQなくしてショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は語れない」との絶賛が数多く寄せられています。
 ボロディン弦楽四重奏団は、この他にも1962-72年にかけてショスタコの弦楽四重奏曲集をレコーディングしていますが、まだ作曲されていなかった第14、15番は当然ですが未収録。作曲者の没後に全曲レコーディングされたこの全集は、いわばショスタコ四重奏の規範として知られる名盤です。

Disc-1
・『エレジー』〜弦楽四重奏のために(録音:1991年)
・弦楽四重奏曲第1番(1980年)
・弦楽四重奏曲第2番(1983年)

Disc-2
・弦楽四重奏曲第3番(1983年)
・弦楽四重奏曲第4番(1982年)

Disc-3
・弦楽四重奏曲第5番(1984年)
・弦楽四重奏曲第6番(1981年)
・弦楽四重奏曲第7番(1981年)

Disc-4
・弦楽四重奏曲第8番(1978年)
・弦楽四重奏曲第9番(1981年)
・弦楽四重奏曲第10番(1982年)

Disc-5
・弦楽四重奏曲第11番(1981年)
・弦楽四重奏曲第12番(1981年)
・弦楽四重奏曲第13番(1981年)

Disc-6
・弦楽四重奏曲第14番(1981年)
・弦楽四重奏曲第15番(1978年)

 ボロディン弦楽四重奏団
 ミハイル・コペリマン(1st vn)
 アンドレイ・アブラメンコフ(2nd vn)
 ドミトリー・シェバーリン(va)
 ワレンチン・ベルリンスキー(vc)

 録音:1978-91年[ステレオ]

https://www.hmv.co.jp/artist_%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81%EF%BC%881906-1975%EF%BC%89_000000000021314/item_%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E5%85%A8%E9%9B%86-%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E5%9B%A3%EF%BC%88%EF%BC%96%EF%BC%A3%EF%BC%A4%EF%BC%89_1446065

2. 中川隆[-8234] koaQ7Jey 2024年12月13日 16:56:49 : 2eVrOKZLJo : TjNYeG40V3hYQUU=[10] 報告
<▽35行くらい>
Borodin Quartet - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=Borodin+Quartet

ボロディン弦楽四重奏団(露:Квартет имени Бородина, 英語:Borodin Quartet)は、旧ソ連邦において1945年に結成されたロシアの弦楽四重奏団。歴代メンバーの亡命や国外流出を経てなお現在、精力的に活動を続けている。

ボロディン弦楽四重奏団は、1912年にブリュッセルで結成後ウィスコンシン州マディソンに拠点を移して活動を続けている「プロ・アルテ弦楽四重奏団」に次いで活動歴の長い弦楽四重奏団であり、2015年には結成70周年を迎えた。

元来は「モスクワ・フィルハーモニー四重奏団」と名乗っていたが、1955年に、近代ロシアの室内楽の開拓者というべき作曲家アレクサンドル・ボロディンにちなんで改名された。ソ連の誇るピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテルと長年にわたって共演を重ねてきた。

作曲家ドミートリイ・ショスタコーヴィチとゆかりが深く、しばしば作曲の相談を受けた。このためショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の録音が数多いが、メロディア・レーベルへは、とりわけフランクやドビュッシーらフランス近代音楽の録音によって名声を馳せた。


歴代メンバー

第1ヴァイオリン
初代 = ロスティスラフ・ドゥビンスキー (〜1976年)
第2代 = ミハイル・コペルマン (〜1997年)
(現在) = ルーベン・アハロニアン

第2ヴァイオリン
初代 = ヴラディーミル・ラベイ (〜1947年)
第2代 = ニーナ・バルシャイ(〜1953年)
第3代 = ヤロスラフ・アレクサンドロフ (〜1974年)
第4代 = アンドレイ・アブラメンコフ (〜2011年)
(現在) = セルゲイ・ロモフスキー

ヴィオラ
初代 = ルドルフ・バルシャイ (〜1953年)
第2代 = ディミトリー・シェバリーン (〜1995年)
(現在) = イーゴリ・ナイディン

チェロ
初代 = ヴァレンティン・ベルリンスキー (〜2007年)
(現在) = ウラディーミル・バルシン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E5%9B%A3

3. 中川隆[-8233] koaQ7Jey 2024年12月13日 17:00:57 : 2eVrOKZLJo : TjNYeG40V3hYQUU=[11] 報告
<■103行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
Shostakovich - String Quartet No. 8 with score - Borodin String Quartet - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=uGoxfQ2H3ns

This performance by the Borodin Quartet is from a studio recording made in Moscow, with the players Rostislav Dubinsky, Yaroslav Alexandrov, Dmitri Shebalin and Valentin Berlinsky.


【ロスティスラフ・ドゥビンスキー, 1923-1997🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ24】
2024年8月10日
https://note.com/cellish/n/n5b888d038f72

室内楽が好きな人ならみんな知ってるボロディン四重奏団の創始者,ヴァイオリニストのロスティスラフ・ドゥビンスキー(Rostislav Dubinsky, 1923-1997)は旧ソビエト連邦ハリコフ(現ウクライナ)[1]のユダヤ系の家庭の生まれだ。ただし,書籍やサイトによってはキーフ生まれ[2]と説明されていることもあって,どちらが正しいかわからない。

[1] https://ja.findagrave.com/memorial/124812834/rostislav-dubinsky
[2] https://www.wikidata.org/wiki/Q48953366

モスクワ音楽院でアラム・ヤンポロスキー(Abram Ilich Yampolsky)に師事。
ヤンポロスキーは,ドゥビンスキーの1歳年下のレオニード・コーガン(現ウクライナのドニプロ出身, 過去記事はこちら)や1歳年上のボリス・ゴールドシュタイン(オデッサ出身)の師匠でもある。

ドゥビンスキーについてはあまり知らなかったのだが,Amazon Primeに加入していたらもれなく無料で読める自伝をたまたま見つけて読んだらとても面白かった。


ボロディン弦楽四重奏団創立者は語る
ロスティスラフ ドゥビンスキー (著), 竹本 雅昭 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E5%9B%A3%E5%89%B5%E7%AB%8B%E8%80%85%E3%81%AF%E8%AA%9E%E3%82%8B-%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%95-%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC-ebook/dp/B00RBK76PO?&linkCode=sl1&tag=asyuracom-22&linkId=60dd5e270b416847a8b754778be3d7e0&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl


この本には,設立当初,ドゥビンスキーを含む3人がユダヤ人だった弦楽四重奏団が,反ナチスを標榜するソ連の体制下で差別を受けて活動を制限を受けていた10年近い期間の話(メンバー交代によりユダヤ系がドゥビンスキーのみになってから状況が変わる),ショスタコーヴィチやオイストラフらが反体制下で受けた苦難や,ボロディン四重奏団が彼らから受けた支援,無実の罪で20年間強制労働をさせられた女性とドゥビンスキーの儚いロマンス,演奏会での選曲にも厳しい制限がかかる体制下での苦難などなど,ソ連で活動していた芸術家達の過酷な状況を垣間見れる。抑圧された体制下で反旗を翻すようなショスタコーヴィチの室内楽曲の解釈もいくつか書かれている。

ドゥビンスキーは,選曲も行動も厳しく制限されるソ連から亡命することになる。ただ,ボロディン四重奏団の演奏(特にショスタコーヴィチの演奏)はソ連時代が鬼気迫るものがあって良かったよねというヒトも少なくないみたいだ。今現在だって,反ロシアを声高に叫ぶのに,ロシア内で叫ぶ場合と国外で叫ぶ場合を想像すると,そりゃそうかもねとも思う。

ボロディン四重奏団はドゥビンスキーがソ連から亡命した後もメンバーを変えて,設立から70年以上たった今も活動している。特にチェロパートは創立以来2007年までの60年以上ベルリンスキーが担当。

僕が以前チェロを習っていたチェリストの一人は国内の某有名オケで首席チェリストを長い間していた方だったけど,70才を超えても海外のセミナーに参加して,大学生に混じって勉強をしていた。もう10年以上前に他界してしまったが,ボロディン四重奏団のチェリストにレッスンを受けたんだととても嬉しそうに話していた笑顔をよく覚えていて,思い出すだけで泣けてくる。

さて,紹介する演奏はショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番。動画のコメント欄に,「運転中に聴くと,追いかけられている気がしてアクセルを強く踏み込んじゃったりするから,運転中は聴かないでね」とか書いてあったので,よく注意しましょう。以下は,ドゥビンスキーの自伝にあったこの曲の紹介。ボロディン四重奏団はショスタコーヴィチとの親交も深く,ショスタコーヴィチに請われて彼の新作の四重奏曲を彼自身の自宅でも演奏したりしていた。

その音楽には作曲家の人生があった。苦く痛めつけられた人生が。弦楽四重奏8番は戦争とファシズムの犠牲者に捧げられている。曲の冒頭に出てくる音符レミドシは、ショスタコーヴィチのイニシャル(D. SCHostakovich, D-Es-C-H)をドイツ語の音名にしたものだ。弦楽四重奏第8番ハ短調作品110は5つの楽章からなり、切れ目なしに演奏される。第1楽章は「レミドシ」の主題によるゆっくりしたフガートだ。第2楽章の怒り狂ったスケルツォには、ピアノトリオ第2番作品67のユダヤ風メロディーも使われている。第3楽章は激しいワルツ、第4楽章は犠牲者のためのレクイエムだ。そして最後に再び作曲者のイニシャルを持つ苦いフガートが弱音器付きで演奏される。
(中略)
第4楽章に来た。この楽章は、まるで爆弾が上から落ちてきて地上で爆発するように、あるいはまさに心が張り裂けるように響く。次に古いロシアの歌「重い縛りに痛めつけられ」が現れ、やがて全曲の頂点として歌劇「カテリーナ・イズマイロヴァ」のメロディーが引用される。この歌劇の最後のシーンで囚人たちがシベリア川を移送される際、カテリーナはセルゲイのためにすべてを犠牲にしたのに、セルゲイは彼女を裏切りソネートカと関係を持つ。このシーンのインパクトは絶大で、全聴衆もオーケストラも出演者もステージから目が離せない。劇場の警備員ですらセルゲイとソネートカに向かってつばを吐く。カテリーナだけが何も知らず、セルゲイと会えることに幸せを感じている。傲慢なソネートカが現れ、取り返しのつかない破局にカテリーナは勘付いていく。カテリーナは氷のように冷たい川へ身を投げ、ソネートカを道連れにする。
(中略)
ここではそのメロディーは作曲者自身の孤独感であり、避けようの無い最期が予感されている。

ドゥビンスキー著「ボロディン弦楽四重奏団創立者は語る」より

https://note.com/cellish/n/n5b888d038f72

4. 中川隆[-8232] koaQ7Jey 2024年12月13日 17:30:16 : 2eVrOKZLJo : TjNYeG40V3hYQUU=[12] 報告
<■80行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ボロディン弦楽四重奏団創立者は語る
2015年08月17日
https://string-quartet-labyrinth.blog.jp/archives/40212137.html

ドゥビンスキーのインタビュー記事

 ボロディン弦楽四重奏団のリーダーとして30年活躍したドゥビンスキーは、1981年から1997年に亡くなるまで米国のインディアナ大学で室内楽の教育と普及に尽力しました。雑誌「The Strad」1995年6月号に掲載されたインタビュー記事では、室内楽での5つのポイントを語っており、下記に公開されています。
http://www.thestrad.com/cpt-latests/5-views-on-ensemble-playing-by-borodin-quartet-violinist-rostislav-dubinsky/

わかりやすく参考になる記事なので、以下に翻訳します。

【アンサンブルする上での5つの視点】

1.個性について
 私がこれまで経験してきたのは、若い人たちが音楽への考え方や感じ方をとても画一的に教育されているということです。速いテンポを好みメトロノーム的に弾くよう教えられています。私の意見では、ソ連の社会主義リアリズムにとても似ていると思います。あるいは、近代的なスーパーマーケットのようだと言うこともできるでしょう。そこでは毎日同じ食べ物を買う。とても清潔で、とても健康的で、信じられないほど退屈だ。

2.テンポについて
 学生が初めて私のところにやってきてベートーヴェンの四重奏を弾くと、ほとんどの場合、楽章の最初から最後まで単調な1種類のテンポで弾き通します。私が学生に説明しようとするのは、室内楽は演劇のようなものだということです。そこには色んな登場人物がいて、それぞれ声も違えば、服装も違います。ソナタ形式のアレグロ楽章であれば、第1主題と第2主題はテンポが異なり、楽章に2種類の基本テンポがあると考えるべきなのです。それによって2種類のイメージが聴き手に示され、男性的なイメージと女性的なイメージと言ってもいいでしょう。音楽の中にはたくさんの葛藤があり、演劇や人生と似ています。1種類の単調なテンポで音色の変化も無いようでは、音楽が死んでしまいます。

3.音楽での民主主義について
弦楽四重奏では民主主義のことを忘れましょう。私の信念では、ファーストバイオリンが自然とリーダーになるべきです。ファーストバイオリンは最初の合奏練習までに曲を学ばなければなりません。スコアに細かく書き込みすべきで、ボーイングだけではなく、時にはフィンガリングまでも。もちろんメンバー間で議論したり論争したりすることになるでしょうが、出発の時点から起こるわけではありません。考えるべきは、全ての楽器を1つのものとして鳴らすことです。それこそが弦楽四重奏で、16本の弦を張った1本の楽器であり、より大切なのは心を1つにすることです。
 最近の弦楽四重奏団で問題なのは、メンバーが独立した個人として対等な関係になっていることです。一人が何か言うと、他の一人が何か別の意見を言う。その結果、「わかった、わかった。メトロノームでチェックして、作曲家が書いている指示と比べよう。そのテンポに従って弾こう。」となります。多かれ少なかれそれで議論は収束しますが、深く掘り下げた個性的な演奏には決してならない。誤解しないで欲しいのですが、楽譜に書かれていることはとても重要です。しかし金科玉条ではない。弦楽四重奏団で民主主義が行き過ぎると、演奏が即物的になりすぎます。もちろん多くの音楽家が私の意見に反対することは確かでしょう。しかし私は別の音楽環境で育てられました。かつてのロシアには音楽の伝統があって、ソビエト体制ですら滅ぼすことができませんでした。

4.ダイナミクスについて
 私は学生に、ダイナミクスを強調しながらとてもゆっくり練習するよう指導します。ピアノはもっと小さくフォルテはもっと大きく強調し、本番で弾いているつもりで練習するのです。それから徐々に通常のテンポへ戻しつつ、ダイナミクスは強調したままにします。この練習法は素晴らしい結果をもたらします。私はこのやり方をスヴャストラフ・リヒテルから教えてもらいました。リヒテルとはピアノ五重奏でよく共演していました。リヒテルは「ピアノで弾こう、ただしフォルテで弾いているようにふるまおう。」と言っていたものです。これは、音にすべてを込めつつ音量はピアノに抑えるということです。私たちは演奏会の直前にこの練習法を実践しました。その後にステージに出ると、突然自分たちの響きがとても深くなったように感じられたものです。

5.コンクールについて
 最近、コンクールの準備をしている学生が私のところにやってきて、パガニーニのカプリース作品17を弾きました。難しいことで有名なオクターブユニゾンのある曲です。学生があまりに速く弾くため、私は音符を聞き取れないほどでした。速すぎるテンポは当然学生の技術にも少々影響を及ぼしていて、あまり清潔な演奏ではありませんでした。そこで私は学生に言いました。「どうしてそんなに速く弾くのか?この曲はもっと悪魔的であるべきだ。パガニーニの肖像画のように。この曲でパガニーニを描写すべきだ。」学生はにっこり笑うと言いました。「おわかりでしょうが、ドゥビンスキー先生、もしゆっくり弾いたら私はコンクールの一次予選で放り出されるでしょう。」
https://string-quartet-labyrinth.blog.jp/archives/40212137.html

5. 中川隆[-8231] koaQ7Jey 2024年12月13日 17:32:05 : 2eVrOKZLJo : TjNYeG40V3hYQUU=[13] 報告
<△25行くらい>
2015年06月12日
名室内楽奏者ドゥビンスキー
https://string-quartet-labyrinth.blog.jp/archives/33493745.html

 このCDにはボロディンSQのボロディン2番とショスタコ8番、ヴェーラーSQのショスタコ10番が収められています。ボロディンSQは旧メンバーで、初代ファーストバイオリンのロスティスラフ・ドゥビンスキーが率いていた時代の西側録音(1962年9月)です。
BorodinSQ-CDjakcetSmall

 いずれも最高峰の演奏ですが、中でもボロディンの2番は未だに凌駕する演奏が現れない名演で、しなやかな叙情性が絶品となっています。これを聞いて以来、旧ボロディンSQの録音や情報を探しまわり、見つけたのがドゥビンスキーの回想録「Stormy Applause」でした。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00RBK76PO


 この本には弦楽四重奏団結成から西側亡命までの泣き笑いエピソードが満載で、旧ソ連の音楽界やユダヤ人差別、ショスタコーヴィチの素顔など歴史的にも貴重な証言になっています。そのうち日本語訳が出版されないかと待っていたのですが、いつしか著者ドゥビンスキーも当時の四重奏団メンバーも亡くなり、主な登場人物で存命なのは著者夫人のルーバ・ドゥビンスキー教授のみとなってしまいました。今後も出版される気配が無いため、教授に連絡をとり、私が翻訳・電子出版することにしました。
是非読んで頂ければと思っています。
https://string-quartet-labyrinth.blog.jp/archives/33493745.html

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