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韓国政府は釜山の日本総領事館前への「徴用工像」設置を実力で阻止した。日本との一層の関係悪化を避ける配慮とみられるが、ソウルの日本大使館前などの「少女像」はそのまま。火種は依然として残っている。写真は釜山の日本総領事館前。
韓国政府、釜山・日本総領事館前への「徴用工像」設置阻止、対日関係に配慮も火種そのまま
http://www.recordchina.co.jp/b597400-s0-c10.html
2018年5月5日(土) 19時30分
韓国政府は市民団体などが計画していた釜山の日本総領事館前への「徴用工像」設置を実力で阻止した。朝鮮半島情勢が大きく動く中、日本との一層の関係悪化を避ける配慮が働いたとみられる。しかし、ソウルの日本大使館前などの「少女像」はそのまま。火種は依然として残っている。
聯合ニュースなどによると、メーデーの1日に合わせ、市民団体や労働団体は日本の植民地時代に徴用された朝鮮人労働者を象徴する像を釜山市東区にある総領事館前に設置しようと試みた。韓国当局は警官隊を動員して、これを阻止。市民団体側は「物理的に不可能だ」として、設置をいったん断念し解散した。
総領事館前の警備を管轄する東部警察署の関係者は「政府がウィーン条約により、外交公館を保護しなければならないと要請しているため、像の設置を防いだ」と言明。「今後も(総領事館前への設置を)防ぐしかない」としている。
総領事館前の道路を管轄する釜山市東区の朴三碩区庁長は「政府や釜山市が(事実上反対の)立場を発表したため、そこから逸脱することができなかった」と説明。現在、像が置かれている場所は歩道の中央で、今後移動を求める要請が増えることが予想されるため、総領事館から近い場所にある鄭撥将軍像の近くに移す方向で市民団体などと協議するとの方針を明らかにした。
一方で、ソウルの日本大使館前や釜山の総領事館前に置かれた旧日本軍の従軍慰安婦を象徴する「少女像」は手付かず。そこには同じ歴史問題でも徴用工と慰安婦に関する韓国政府の“温度差”ものぞく。
徴用工の個人請求権は1965年の日韓請求権協定で消滅し、日韓政府間では解決済み。韓国の歴代政権も、この政府見解を踏襲してきた。文在寅大統領は当初、徴用工の請求権について「個人の権利は残っている」との考えを表明したが、公式の立場ではそれまでの政府見解に従う姿勢を示している。
これに対し、2015年12月の日韓合意で「最終的かつ不可逆的に解決」とされた慰安婦問題について、文政権は見直しに着手。文大統領は「合意に重大な欠陥があった」との声明を出し、再交渉に含みを残している。
16年12月に釜山の総領事館前に「少女像」が設置された後、日本政府は韓国大使や釜山総領事の召還などの対抗措置を取った。今回、「徴用工像」が新たに置かれれば、再び拳を振り上げざるをえず、日韓関係の泥沼化は必至だった。
9日には日中韓首脳会談や日韓首脳会談が開かれる。重要な外交日程を目前に控え、韓国政府は無用の摩擦を回避するため、設置阻止に動いた形だが、歴史問題をめぐる日韓の懸案は解決が取りあえず先送りされただけだ。(編集/日向)
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