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主任務は「撃墜されること」 F-16原型の「ドローン」、米空軍で実用化
http://trafficnews.jp/post/59970/
2016.11.16 関 賢太郎(航空軍事評論家) 乗りものニュース
米空軍は有人戦闘機をドローン化し使用しており、2016年9月には、そのラインナップにF-16が加わりました。現役配備中の戦闘機をドローン化し使い捨てるという、もったいないような話ですが、もちろんそれが最適だという理由があります。
■米空軍、F-16をドローン化
自律飛行が可能な高性能「ドローン(無人機)」。近年は、ものによっては数千円から手に入るようになりました。その結果、産業用からホビーまで、気軽に使える航空システムとしてその活躍の場を急速に広げつつあります。
ほんの少し前までは、ほとんど知られていなかった「ドローン」なる名は、いまや各種メディアにおいても頻繁に目にするようになり、完全に市民権を得るに至っています。
もともと「ドローン」とは、もっぱら軍事の分野において使われる語でした。最近では高性能なセンサーを搭載した長時間の監視・諜報活動、さらには爆弾・ミサイルなどによる攻撃さえ可能なものも珍しくなくなっていますが、20世紀中は、特に有人航空機ではパイロットの生命に危険がおよぶような任務において、「使い捨てる」ために使用されていました。
F-16をドローン化したQF-16。見た目は通常のF-16とほとんど違わない。有人による操縦も可能(写真出典:ボーイング)。
こうした「従来から存在するタイプのドローン」のなかには、本来、有人機であった超音速戦闘機を無人化した機種さえ存在します。2016年9月には、アメリカ空軍でQF-16が初期作戦能力を獲得、実用化に至っています。
■現役戦闘機がドローン化された、もっともな理由
QF-16の原型はロッキード・マーティンF-16「ファイティングファルコン」であり、ボーイング社がドローン化のための改修を行ったものです。「F-16戦闘機を無人化」とはいっても、実は無人戦闘機として使われるわけではありません。QF-16はおもに、対空ミサイルなどウェポンシステムの性能評価に使用する「標的機(フルスケール対空ターゲット)」として開発されました。
アメリカ空軍はこれまで、F-4「ファントムII」をドローン化したQF-4を使っていました。しかしF-4は原型機が1950年代に開発された老朽機であり、ドローン化するための機体在庫が払底してしまいました。そこで、新鋭機F-35A配備によって退役するF-16が、その後継機としてドローン化されることになったのです。
QF-16のコックピットはもちろん無人だが、シートは有人機だったころのまま(写真出典:ボーイング)。
戦闘機をベースとした標的機は、当然ながら非常に高価となりますが、その対価としてほかの標的機にはない高い機動性を持っています。この機動性を生かして回避機動を行うことで、ミサイルが持つ最大限の性能を試験・評価することができます。
また、QF-16はQF-4の7.3Gを上回る9Gの最大荷重(旋回時のG制限)に達し、電子妨害装置をも搭載。現代的な戦闘環境をリアルに再現することが可能です。まさに標的機としてはこれ以上ない、最適な機種だといえます。
かつて、アメリカ陸軍にはRP-63「ピンボール」という、既存のP-63「キングコブラ」の機体を装甲で覆った「有人標的機」なるものがありましたが、やはり非常に危険であるため、現代では有人機を直接攻撃するようなことはありえません。
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