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(回答先: IS首都ラッカ解放作戦の開始を宣言、米のシナリオ前途は多難 〜突然の発表はオバマ米政権の意向を強く反映したもの/ 佐々木 投稿者 仁王像 日時 2016 年 11 月 07 日 22:48:45)
(11月7日、Nクロ現)
〔最前線でいま何が IS壊滅への攻防〕
イラク軍はモスル市内に突入、激しい攻防が続いている。モスルを奪還すればISの弱体化は決定的なものになる。
作戦には、イラク軍やクルド人部隊など10万人が参加、モスルを包囲している。
先週、一部の部隊がモスルの東側に侵入、その一帯を制圧した。
渡辺常昌(カイロ支局長/アルビルから)「激しさを増すモスル攻防戦、しかしイラク軍は予想以上の苦戦を強いられている。ISとの戦争で負傷した兵士ナジーブさんの部隊は、モスルまで20キロの村でISの激しいい抵抗に遭った。ようやく制圧できたと思ったその時、姿を消したと思われたISが、突如攻撃してきた」
ナジーブ「建物の警備をしているとき、突然ISが前と後ろに現れ挟み撃ちにされた」
この時、ISが使ったのが地下トンネルであった。ISの戦闘員は、戦況が不利になるとトンネルに潜伏、撤退したと見せかけて前後から攻撃を仕掛けてきた。部隊は不意を突かれナジーブさんは足に重傷を負った。
ナジーブ「家や地下から突然湧き出てくるようだった」
渡辺「地下トンネルはモスル周辺の町や村に網の目のように張り巡らされていることが分かってきた。イラク軍との決戦に備え、周到に準備していたのだ」
ヒシャム・ハシミ(IS対策専門家)「ISの狙いはイラク軍の進撃を少しでも阻むことだ。トンネルを使った攻撃によってイラク軍を消耗させることができる」
5千人のIS戦闘員は、少年を失った戦闘員の穴埋めに使っている。(爆弾を積んだ車に乗り込む少年の映像)
ハシミ「ISは自爆攻撃を続けるために未成年の戦闘員を使っている。11〜16歳までの部隊もある」
市街戦が本格化する今、最大の懸念はモスルに残る100万人以上の住民の命である。(モスル近郊で反ISの放送続けているラジオ局には、密かにさまざまな情報が寄せられ来ている)
鎌倉キャス「現地の最新状況はどうなっているか?」
渡辺「”かつてない苛酷な市街戦だ”イラク軍の特殊部隊の報道官は、今の状況をこう表現している。イラク軍は今月1日に初めてモスル市内に入り、東側から部隊を進めていたが、さらに別の部隊が南側からモスルの空港にも迫っている。しかしこれからの市街地での作戦が一段と厳しいものになるのは間違いない。
その大きな要因がISの地下トンネルだ。トンネルに潜むISの戦闘員が相次いで奇襲攻撃を仕掛けて来てるという。さらにイラク軍の侵入を阻(はば)もうと主要な道路にバリケードを築き、防御を固めているとみられる。今後の本格的な市街戦で住民の犠牲を避けながら市内を奪還するのは容易ではない。そして自爆攻撃、スナイパーによる狙撃、建物や道路に仕掛けた爆発物など、戦力で衰えたISはイラク軍に対しあらゆる戦術を使ってきている
作戦開始から3週間、序盤は比較的順調だったが、これから本格化する人口密集地での作戦でISを打ち負かすことができるのか。軍事作戦は正念場を迎えている」
鎌倉「戦況の見通しはどうか」
高岡豊「残念ながらあまり楽観的な要素はないと思う。現時点では、東側から攻めている局面だが、伝統的にISや過激派の地盤はモスルの西側にある。戦線がモスルの西側に及ぶにつれて戦いも激しくなり犠牲も増えてくると思う。
ISの側から見るとなるべくたくさん民間人を巻き込む、あるいは自爆攻撃をして期間を長期化させる、また民間の犠牲を出すというのも、彼らにとっては政治的得点になる。さらに戦いを長期化させ犠牲を出すことによって攻める側の足並みの乱れを誘うこともできる」(混成部隊は、イラク軍、クルド部隊、民兵組織であり当面のモスル奪還では一致しても、奪還後の目的や利害関係の違いが出てくる可能性の指摘)
〔対IS作戦 ”内部崩壊”の懸念〕
イラク軍の現場の部隊は、イラク国旗とともにシーア派の旗を掲げている。ISから奪還した町や村にこのシーア派の旗を立てている。さらにシーア派のイラク兵たちはシーア派の最高権威「シスターニ師」の肖像も掲げていた。最前線にいる兵士たちは強い「宗派意識」の下団結して戦っている。
一方、モスルで多数派を占めるスンニ派の住民は、シーア派への警戒感を強めている。
モスルから単身逃れた男性は、両親のことが心配で頭がいっぱいだが、ISに代わりシーア派主導の政府が自分たちの町モスルを支配するのは受け入れられないという。ISが現れる前の以前のモスルでは、軍や警察がスンニ派住民を抑圧、不満を訴える住民を力で押えることもしばしばあった。
逃れた男性「スンニ派住民は手当たり次第に逮捕され厳しい尋問をうけました。そうした人たちには政府に対する復讐心だけが残ったのです」
こうした不満を背景に2年まえ(2014年6月)、ISのモスル制圧にスンニ派の一部が協力したのだった。この男性は、政府がシーア派色を露わにする限り、政府軍を信用することはできないという。
男性「ISを追い出したいのであれば、政府がまず自分たちのしたことを悔い改める必要があります」
鎌倉「一方、ラッカに向けた作戦も昨日開始されたが、現地の渡辺さん。いかがか」
渡辺「ラッカ奪還作戦を始めたのは、シリア北部を拠点にするクルド人主体の部隊だ(兵力3万人)。現在、ラッカの北50キロの地点でISと戦闘を続けていて少しづつラッカに向け部隊を進める方針である。モスルと並行して拠点都市の奪還作戦をしてISを追い詰める狙いがある。
しかしシリアでは泥沼の内戦が続いている。対ISで各勢力が協力できる体制は全く取れていない。現状ではラッカの奪還はモスルよりもはるかに難しく時間もかかるのではないかと見られる」、
高岡「シリアでは政府側と反政府側が決戦状態にある。そうすると政府側も反政府側もISと戦う優先順位は下がってくる。だから現状においてシリアでへモスルと同様にISに力を注ぐというのは難しくなっている」
今回、反政府勢力の幹部がNHKの取材に応じた。
ジョージ・サブラ(シリア国民連合)「アサド政権が攻勢を強めているためIS壊滅に乗り出す余裕はない。…今は攻撃から身を守るので精一杯だ」
(以下、略)
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