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露軍の攻撃を止めて侵略軍を西側が助けているアレッポで侵略軍が化学兵器を使ったとの報道
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201610300000/
2016.10.31 04:17:15 櫻井ジャーナル
シリアの要衝、アレッポの北西部で侵略軍が化学兵器を使ったと伝えられている。この戦闘集団は2015年に登場、ジェイシュ・アル・ファテ(征服軍)というタグが付けられている。アル・カイダ系のアル・ヌスラを含む統合司令部のような存在で、サウジアラビアやトルコから支援を受けているとされている。アメリカ政府が言うところの「穏健派」で、司令部があるのはイドリブだ。児童22名と教師6名が攻撃で死亡したとUNICEFのアンソニー・レイク事務局長が10月26日に主張した学校のある場所だ。
西側ではロシア軍やシリア軍の空爆で学校が破壊されたとされているが、ロシアのビタリー・チュルキン国連大使は西側の主張を否定、10月18日からロシアやシリアの航空機はイドリブから10キロメートル以内の空域を飛行していないとしている。
アレッポでも侵略軍によって住民が殺されているとしてロシア軍はウラジミル・プーチン大統領に対して空爆の再開を求めているが、その時ではないとして認めていないと伝えられている。これまでの流れを考えると、ロシア軍が空爆を再開していたなら、西側ではアレッポで多くの住民が犠牲になっていると大々的に「報道」されたことだろう。
アメリカをはじめとする侵略勢力は2013年8月、リビアのような軍事介入をシリアでも行うため、化学兵器の使用を口実に使おうとした。ダマスカスの近くで実際に使われたのだが、攻撃の直後にロシアのビタリー・チュルキン国連大使は反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾したと国連で説明、その際に関連する文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。
それだけでなく、メディアも化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事を掲載、すぐに現地を調査したキリスト教の聖職者マザー・アグネス・マリアムはいくつかの疑問を明らかにしている。
例えば、攻撃のあった午前1時15分から3時頃(現地時間)には寝ている人が多かったはずだが、犠牲者がパジャマを着ていないのはなぜか、家で寝ていたなら誰かを特定することは容易なはずであるにもかかわらず明確になっていないのはなぜか、家族で寝ていたなら子どもだけが並べられているのは不自然ではないのか、親、特に母親はどこにいるのか、子どもたちの並べ方が不自然ではないか、同じ「遺体」が使い回されているのはなぜか、遺体をどこに埋葬したのかといった疑問を発している。(PDF)
12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。また、国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。
また、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。
この間、ロシア政府が主導する形でシリア軍は保有する化学兵器を全て処分しているので、化学兵器の使用をシリアに対する軍事介入の口実にすることは難しい。手先のアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に高性能兵器を提供するなど、テコ入れすることが基本になるだろう。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近として知られるマイケル・オーレン駐米イスラエル大使は2013年9月にシリアのアサド体制よりアル・カイダの方がましだと語っているが、アメリカの副大統領が軍の元幹部はダーイッシュとアメリカの同盟国との関係を隠していない。
例えば2014年9月、空軍のトーマス・マッキナニー中将はアメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで語り、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語った。2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べている。
そして2015年8月、マイケル・フリン元DIA局長はアル・ジャジーラの番組へ出演した際、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、情報に基づく政策の決定はバラク・オバマ大統領が行うと指摘している。つまり、オバマ政権の決定がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだ。
2001年9月11日以降、アメリカ政府は「アル・カイダ」という傭兵リストを「テロリスト」にでっち上げて軍事侵略を正当化してきたが、その話は破綻した。嘘の上に嘘を塗り重ねてきたが、その嘘は支離滅裂になっている。それでも嘘を信じている風を装っている人は少なくないが。
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