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空母が建造されている長興島の秘密軍事工場
中国海軍 空母建造中の「秘密軍事工場」に潜入
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160917-00000013-pseven-cn
SAPIO2016年10月号
気温40度。上海市は7月下旬、観測史上3番目の猛暑に見舞われた。中国最大の大河、長江(揚子江)の最下流域にある上海市近郊の長興島では、中国海軍の秘密工場が陽炎とともに空中で揺れていた。実はここで中国の航空母艦の建造が密かに進められているのだ。ジャーナリスト・相馬勝氏が長興島に潜入した。
* * *
上海市中心部から車で東南方向に1時間。ようやく長興島の対岸に到着する。さらに、長江の水底を貫通する隧道を20分ほど走ると、島に上陸だ。片側3車線の真新しい高速トンネル内にはほとんど車は走っていない。
島内にも東西に縦断する高速道ができているが、真新しいアスファルトは車がほとんど通った跡がないほどきれいな黒色だ。時折、右側を汚れた白い半袖シャツを着た島民の自転車が走っている。このほか、老婆が運転する農作物を運ぶ電動3輪車を見かけたくらいで、車の姿はほとんどない。走っている車は筆者が乗ったタクシーだけだった。
なぜ、このような立派な片側3車線、計6車線の高速道路が建設されたのか分からないほど、道路はがらんとして寂しい。道をまっすぐ進むと、左手に鮮やかな赤色の大型のクレーンが数十基も林立している。
「あれは何だ」。運転手に聞くと、「海軍の造船所だ。航空母艦を造っているんだ。地元では知らない者はいない」との答えが返ってきた。
高速道路を外れて脇道に入って、車でできるだけ造船所に近づいてみたが、長江の河岸付近で、道は行き止まりになっていた。
水面から立ち上がる水蒸気と陽炎で、深紅のクレーン群や工場の建物がもやって、ぼやけて見える。ドックヤードらしい構造物もおぼろげに見えるのだが、裸眼では確認できない。
帰国後、撮影した写真をできるだけ拡大すると、工場やクレーン群、それにぼんやりとだが、右側に船らしいものが写っていた。これが空母の一部なのか、別の軍艦なのかは判別できない。
造船所の周辺を廻ってみると、作業員数十人が島の河岸の埋め立てをしていた工事現場にぶつかった。埋め立て用の緩衝材を河岸に敷いて、護岸と緩衝材の間にいくつかの穴を掘って水抜きをし、砂などをかぶせ、さらにコンクリートで固める作業だ。地元の農民に話を聞くと、「空母が完成するのを待って、数年後には大きな海軍基地が建設されるといううわさだ。もう、すでに軍需物資運搬用の高速道路もできているし、兵士らのマンションなども建設中だ」との情報を得た。
さらに、高速道路沿いには、右側に大きなクレーンが10基以上も見える場所があった。
あとから調べてみると、ここは中国船舶工業集団江南造船所であることが分かった。中国船舶工業集団の前身は中国政府の重工業省船舶局で、1999年7月に設立された中国国務院直属の国有企業。同時に誕生した中国船舶重工業集団とともに、中国最大規模の船舶建造・修理グループを形成している。中国内では北京、上海など主要都市に製造・営業拠点をもち、海外では米、ロシア、タイなど8か国・地域に支店を置くなど中国の10大軍事企業の一つ。軍艦を含む船舶建造では最大規模だ。
中国メディアによると、同集団の傘下にある江南造船所はもともと市内中心部を流れる黄浦江沿いにあったが、この敷地が2010年開催の上海万博会場の建設予定地となったため、造船所は2005年に現在の長興島に移り、新しい造船所が2008年半ばに完成。造船所は島の河岸3.8qに及び、4つのドックヤードと9つの桟橋などをもつ大規模なものだ。
ところが、上海最大の書店である上海書城で、長興島が属する行政区画である崇明県の最新の地図を購入したが、島の地図には造船所の建物がまったく描かれていない。島全体は東西に約24km、南北は最長部分でも約3kmしかないものの、横に約4kmもある造船所の敷地には何も描かれておらず、単なる空白になっていた。「地図自体が古いのかな」と思い、地図の「編集説明」をみると、地図の情報は2015年11月時点のもので、発行は今年1月となっている。つまり、これほど大きな造船所が載っていないのは、意図的であるのは間違いない。
発行は日本の国土地理院に当たる「中国国家測絵院」の上海市における直属機関「上海市測絵院」である。この機関は正確な情報を持っているはずだが、それが載っていないということは、造船所自体が市販の地図には載せることができない「軍事機密」扱いになっていることを意味する。
地元の農民らが言うように、ここで空母が製造され、軍事基地が建設されているとすれば、納得がいく。
【PROFILE】相馬勝(そうま・まさる)/1956年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。産経新聞外信部記者、香港支局長、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員等を経て、2010年に退社し、フリーに。『中国共産党に消された人々』、「茅沢勤」のペンネームで『習近平の正体』(いずれも小学館刊)など著書多数。近著に『習近平の「反日」作戦』(小学館刊)。
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