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アメリカ国家安全保障幹部、トルコ・クーデター関与を認める
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-bd61.html
2016年9月14日 マスコミに載らない海外記事
2016年8月31日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook
オバマ政権とCIAが、公式には、7月15日のトルコにおける、CIAが運営するフェトフッラー・ギュレン組織によるクーデター未遂に、アメリカ諜報機関は関与していないという事実を隠すためのウソにしがみつく中、アメリカ諜報機関内部の幹部自身が事実を語った。これは、どう見てもアメリカ史上もっとも奇怪な大統領選挙の年となりつつある中での、アメリカ支配層内部の大規模な派閥闘争を反映している。
エルドアンが、NATOから離れ、ロシア寄りになる本格的戦略的転換を発表した、わずか数日後にしかけられた反エルドアン・クーデターに、アメリカ諜報機関が関与していたことを最初に認めたのは、アメリカ諜報界大幹部の一人で、元オバマ大統領顧問で、1979年、ジミー・カーターの元国家安全保障会議における、対ソ連軍・ムジャヒディン・アフガニスタン・テロ作戦立案者、ズビグニュー・ブレジンスキーだ。
個人ブログにおけるツイッターのツイートで、ブレジンスキーは、アメリカ・インタレスト誌に書いた新たな記事の要約を書いている。“トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に対するクーデターの企みを、アメリカが支援したのは、アメリカの評判に大きな打撃を与えかねない重大な過ちだった。”これは明らかに、トルコで、7月15日以来進展していることについての控えめな表現に他ならない。
ブレジンスキーは更にこう書いている。“トルコは過去五年間のシリアにおける失敗の後、今にも、外交政策を再考しようしていたのに、クーデターを支援し、その指導者(フェトフッラー・ギュレン、現在、ペンシルヴェニア州で、CIAのアレンジによる亡命中-w.e.)を匿っているというアメリカの誤算余りに重大で、かつてはアメリカの同盟国であったトルコが、もしアメリカに背を向けて、政策を再考(原文通り) しても”もはや責めることはできない。彼は更にこう続けている。“あり得るロシア-トルコ-イラン連合が、シリア危機を解決する機会を生み出す可能性がある。もしエルドアンに、ごくわずかの智恵があれば、一部の‘堕落した’アラブ諸国の支援を得て、信頼性を得ることは出来ないことを、彼は理解すべきだったのだ”。2011年以来の、アサドに対するシリア・テロ戦争への主要資金提供者、サウジアラビアとカタールのことを言っているのは確実だ。
ヘンリー・キッシンジャーと並んで、戦後における主要なアメリカ外交政策戦略家の一人で、デイヴィッド・ロックフェラーの三極委員会の創設常任理事で、現在も、たぶん、まだアメリカ諜報機関報告の最高機密情報にアクセスする権限をもっているブレジンスキーが、アメリカ諜報機関が、トルコ関係を全くうまく管理できていないことに対する怒りを表明している。アメリカ国務省において、2014年2月、ウクライナにおける、アメリカによる悲惨なクーデターだけでなく、トルコのクーデターにも直接責任を負っている人物が、ネオコン・ロバート・ケーガンの妻で、不運なネオコン永久女性戦士、ヴィクトリア・“EUなどくそ食らえ”・ヌーランドであることが目をひく。
ブレジンスキーの遠慮ない批判に続いて、アメリカ諜報機関と、トルコ政府から反逆罪のかどで告訴され、7月15日のクーデターを支援していたフェトフッラー・ギュレンとのつながりのより詳細な暴露が現れた。EUオンライン誌EurActiv.com への2016年8月17日付けの寄稿記事で、アーサー・H・ヒューズが、“ギュレンが、外交官のモートン・アブラモヴィッツ、CIA職員のクラハム・フラーと、ジョージ・ファイダスと、アレクサンダー カルロウツォスの支援を得てアメリカに亡命したと書いて、ギュレンとCIAとの緊密なつながりを確認している。”
ギュレンのCIAの友、ヴァルソロメオス1世
ヒューズの記事は、多くの点で爆弾発言だが、CIAとギュレンと現在のヴァルソロメオス1世コンスタンチノープル総主教、つまりコンスタンチノープル総主教・全地総主教との間の親密なつながりの詳細説明で、特に、ヒューズは、アレクサンダー・カルロウツォス神父について説明している。
“…コンスタンチノープル管区のアメリカ-イスラエル・ロビー・メンバーの一人は、デメトリオス大主教(アメリカ大主教-筆者注)と親密な、広報担当のアレクサンダー・カルロウツォス神父だ。政府高官やギリシャ系アメリカ人億万長者とのコネのおかげで、彼は基本的に、アメリカから、フェネル(イスタンブールのギリシャ正教地区-w.e.)への金の流れを支配する唯一の人物で、それゆえ、全地総主教に圧力をかける大きな力をもっている。一方、カルロウツォスは、元CIA長官ジョージ・テネットや、アメリカ諜報機関と協力している説教師フェトフッラー・ギュレンとも良い関係にある。”
クリントン政治機構の緊密な協力者ジョージ・テネットは、ギリシャ系アメリカ人で、ビル・クリントン政権と、ジョージ・W・ブッシュ政権で元CIA長官をつとめ、クリントン夫妻は両者とも、フェトフッラー・ギュレンを賞賛していた記録がある。CIA-ギュレン-コンスタンチノープル管区-クリントンの繋がりは、全て“ギリシャ系-アメリカ人の億万長者たち”から資金提供を受けている居心地の良いネットワーク のように見える。
アーサー・H・ヒューズは、トルコや中東の出来事に関するありきたりの評論家ではない。彼は、1990年代のクリントン大統領時代、駐イエメン・アメリカ大使をつとめ、更に、中近東担当国務次官補代理をつとめた。彼は中近東・南アジア担当国防次官補代理や、テルアビブ首席公使もつとめた。彼がギュレンを、CIAや、コンスタンチノープル管区と結びつけて、反モスクワ正教のコンスタンチノープル管区ヴァルソロメオス1世の、全く公開されていない、世界で最も影響力のある秘密のCIAネットワークの一つを示唆している。ヒューズは、もしエルドアンと、トルコ政府か、将来のクーデターの脅威に本気で対処するつもりなら、彼らはコンスタンチノープル管区を子細に調査すべきだと示唆している。
私が著書、The Lost Hegemon: Whom gods would destroyで書いた通り、1999年に、ギュレンが、トルコ反逆罪を扇動したかどで、当局から告訴されようとしていた際、アメリカ国務省の激しい公式反対を乗り越えて、グラハム・E・フラーと、ジョージ・ファイダス、いずれも数十年もCIA幹部をつとめた連中が手配して獲得した特別な永久在住ビザで、ペンシルヴェニア州、セイラーズバーグに彼が住めるようにしたのだ。
最近フラーは、ギュレンがアメリカ永住ビザを取得するのは確かに手助けしたが、ギュレンは、7月15日のクーデター未遂の黒幕ではないと、矢も盾もたまらずに、自分のブログに書いた。ところが、トルコの報道では、フラーや他のCIA幹部仲間、ヘンリ・J・バーキーが、クーデター未遂の晩、イスタンブールから20分ほどの、マルマラ海プリンセス諸島の一つの島にある豪勢なホテルにいたという。バーキーは更に、理事長が元CIA長官、ネオコンのジェームズ・ウルジー IIIというネオコン組織、民主主義防衛財団が開催したワシントンのシンクタンク・フォーラムに現れ、バーキーとホストが、クーデターの晩、彼がイスタンブールにいたことと、彼とギュレンとのつながりに関する冴えないジョークを言った。
今回に限り、ブレジンスキーは正しい。
エルドアンがモスクワとの和解に転換した後、彼を打倒するための、CIAとギュレンによるクーデターの企みは“重大な過ち”だった。その結果、ギュレン・ネットワークと、トルコ国内のマスコミへの大規模弾圧はさておき、エルドアンとビナリ・ユルドゥルム首相のトルコ政府はロシアと、今では、イランとも、少なくとも、移行期の人物として、バッシャール・アル・アサドを含めるシリア戦争の“解決策”に関する対話を始めている。
失敗したCIAクーデター以降のエルドアンの東方旋回によって、ペンタゴンは、核弾頭を、トルコのインジルリク空軍基地から、シリア国境に近いルーマニアへと、静かに移動することを強いられた。同時に、8月20日、トルコ首相はマスコミに、ロシアはあるいは、もし必要であれば、トルコのインジルリク空軍基地を使えるかもしれないと述べたが、これはラングレー(CIA)や、フォギー・ボトム(「霧の底地」という所在地名は、アメリカ国務省本部には、実にぴったりの名前だ)や、オバマ・ホワイト・ハウスで、更に激しい胃痛を引き起こしているのは確実だ。
7月15日は、アメリカの世界的戦力投射、デイヴィッド・ロックフェラーとお仲間のいわゆる新世界秩序の最も決定的な敗北の一つとして、歴史に残るかも知れない。もしそうであれば、ようやく、より平和な世界の可能性があらわれたことになる。
F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。
記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/08/31/top-usa-national-security-officials-admit-turkey-coup/
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トルコのクーデター未遂なるもの、藪の中。素人には全く窺い知れない世界。 2016年5月25日にクーデターの可能性を書いたロシア人の分析を翻訳して以来、謎は深まるばかり。
・アメリカ-NATO-トルコによる北シリア侵略
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/-nato--74dc.html
・グラハム・E・フラーよ、7月15日の晩、あなたはどこにいた?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/e715-5af2.html
・フェトフッラー・ギュレンとは、一体何か?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-33e8.html
・トルコ、まだ祝賀はするまい!
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-26ce.html
・トルコ・クーデター未遂の背後に何があったのか?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-ad63.html
・トルコ: クーデター未遂か、中東 - 世界でのパラダイム・シフトか?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/--2820.html
・トルコ・クーデター未遂はCui Bono(誰の利益になるのか)? [仕組まれた]アラーの贈り物?
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・トルコ・クーデター未遂で、ビックリすべき10のポイント
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・トルコ: 軍事クーデターの瀬戸際か? Peter Korzun 2016年5月25日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/peter-korzun-01.html
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