http://www.asyura2.com/16/warb18/msg/628.html
Tweet |
東アジアは核の火薬庫へ ならず者に包囲網は効かない
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/189778/1
2016年9月13日 日刊ゲンダイ 文字お越し
暴走が止まらない(C)AP
まさか短期間に2回も強行するとは予想しなかったのだろう。北朝鮮による5回目の核実験に国際社会が大慌てしている。国連安保理は緊急会合を開き、全会一致で非難声明を決定。北朝鮮に対して「追加制裁」を加える予定だ。
国際社会が真っ青になるのも当然である。いよいよ、北朝鮮の核ミサイルの実戦配備が現実味を帯びてきたからだ。北東アジアの安全保障環境が新局面に突入したことは間違いない。
なにしろ、9日に実施した5回目の核実験は過去最大規模だったうえ実験後、北朝鮮は「核弾頭の小型化、軽量化に成功した。弾道ミサイルに装着できる」という驚くべき声明を発表している。すでに北朝鮮は「13〜21個」分の核弾頭の原料を保有し、アメリカ国防総省も「小型化は困難ではない」と認めている。もはや、実戦配備は時間の問題だろう。
カンカンになっている国際社会は、北朝鮮に対する制裁を強める方針だが、果たして“ならず者国家”に制裁包囲網が効くのかどうか。核開発をストップできるのか疑問だらけだ。
今年1月、北朝鮮が4回目の核実験をした時、国連安保理は「最も厳しく、例を見ない制裁」(米パワー国連大使)を科したが、北朝鮮はあざ笑うように5回目の核実験を強行している。さらに、6回目の準備まで進めている。コリア・レポート編集長の辺真一氏は言う。
「どんなに強い制裁を加えようが、金正恩が核開発をやめることはないでしょう。自分たちが生き残る唯一の道は、核保有国になることだと信じているからです。イラクのフセイン大統領がアメリカに滅ぼされたのは、核を持たなかったからだ、核兵器さえ持てばアメリカに攻撃されないと確信している。だから絶対に核開発を放棄しない。なにがあろうと核開発に突き進むはずです」
■武力で潰すこともできない
そもそも、経済制裁を強めたところで北朝鮮がおとなしくなるはずがない。建国以来、貧しい生活がつづいている北朝鮮は、食糧不足も、エネルギー不足も、国際的な孤立も慣れっこである。いまから20年前、飢饉が襲い、100万人が餓死した時も、体制はビクともしなかった。
なにより、“中朝貿易”で北朝鮮を支えている中国は、本気で北朝鮮を追いつめるつもりがない。体制が崩壊したら、難民が押し寄せるだけでなく、北朝鮮に米軍が駐留し、国境で米軍と対峙する恐れが出てくるからだ。それに、中国が供給する黒竜江省産の原油は蝋を多く含んでいるため、供給をストップすると蝋が固まり、パイプラインが目詰まりを起こしてしまうため、供給をつづけざるを得ないのだという。
かといって、イラクのように武力で叩き潰せばいいかといえば、北朝鮮の場合、それも難しいという。
1994年、クリントン政権は、北朝鮮が核爆弾の原料を抽出しようとした時、空爆を検討したが、リスクが大きすぎると土壇場で踏みとどまっている。拓殖大客員研究員で元韓国国防省北韓分析官の高永侮≠ヘこう言う。
「当時、米軍が平壌を空爆した場合、北朝鮮の反撃と、韓国の被害はどの程度になるか、韓国政府はシミュレーションしています。その結果は衝撃でした。なんと1時間でソウルに50万発のミサイルが撃ち込まれ、100万人が死亡するという結果だったのです。文字通りソウルは火の海になる。さすがに、金泳三大統領は空爆に強く反対しています。米軍が攻め込めば、金正恩政権を倒すことは簡単でしょう。でも、犠牲が大きすぎて躊躇せざるを得ないのが実態です」
ならず者国家には経済制裁も効果がなく、武力で倒すことも難しい。北朝鮮の核開発は、そう簡単に止められないのが現実なのだ。
無策無能(C)代表撮影
韓国、日本、台湾…北東アジアで始まる核ドミノ
しかし、このまま指をくわえていたら、北朝鮮は数年のうちに紛れもない「核保有国」となってしまう。核弾頭が量産態勢に入れば、数年で50から100に届くという試算もある。
その時、北東アジアは「核の火薬庫」となりかねない。北朝鮮が正式な核保有国となったら、対抗上、韓国も核開発に乗り出す可能性が高いからだ。はやくも韓国与党内では、北朝鮮の核実験をきっかけに「核武装論」が強まっている。
もともと、韓国国内は核保有論が根強く、世論調査では60%以上が賛成しているだけに、一気に核武装論が高まる可能性が高い。
「核拡散防止条約(NPT)は、脱退条項として『異常な事態が自国の利益を危うくしている場合』に限り、3カ月前に通告すれば脱退が可能と規定しています。もし、北朝鮮が核保有国となったら、休戦ラインの“38度線”で対峙している韓国は、この規定に当てはまることになるでしょう。『北朝鮮が核開発を放棄したら、韓国も核開発をやめる』という条件をつければ、国際社会も核開発を認める可能性があると思います」(高永侮=¢O出)
北朝鮮と韓国が核武装したら、“核ドミノ”は日本、台湾へと広がっていくだろう。それでなくても、アメリカの共和党大統領候補トランプは、「北朝鮮の核に対抗するために日本の核武装もありうる」と核武装を容認している。
しかし、日本、韓国、台湾が核武装したら、中国とロシアは黙っていない。
北東アジアは冷戦時代に逆戻りし、核軍拡競争が勃発する最悪の事態となってしまう。オバマ大統領は就任直後、「核なき世界をめざす」と宣言してノーベル平和賞を受賞したが、政権末期のいま、核拡散の脅威が高まるアベコベの状況となっている。
■北朝鮮の暴走を止める解決策
この先、北東アジアは、どうなってしまうのか。このまま北朝鮮の核開発を黙って見ているしかないのか。犠牲を出さない唯一の解決策は、アメリカが北朝鮮の体制維持を保障することだとみられている。
実際、北朝鮮はアメリカに対して「平和協定」を結ぶことを何度となく求めている。金王朝体制の安全を保障するのも、脅かすのもアメリカだからだ。金正恩は、@核実験の凍結A核施設の凍結BNPT復帰という3つのカードを切る代わりに、アメリカに@平和協定の締結A国交正常化B経済協力の3つを要求する戦略だとみられている。
しかし、オバマ大統領は、北朝鮮が非核化に動くまで交渉に応じない「戦略的忍耐」を掲げて要求を無視。結果的に核開発する時間を与える最悪の事態を招いている。元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「国際社会は制裁強化によって北朝鮮の核開発を止めようとしていますが、発想が逆だと思います。かつてアメリカのキッシンジャー大統領補佐官は、核兵器と外交の関係についてこう語っています。〈核保有国間の戦争は中小国家であっても核兵器の使用につながる〉〈無条件降伏を求めないことを明らかにし、どんな紛争も国家の生存問題を含まない枠をつくることがアメリカ外交の仕事である〉。北朝鮮の核問題を解決するには、キッシンジャーの原則にのっとるしかないと思う。なのに、オバマ政権は、大規模な米韓軍事演習を行って北朝鮮に脅威を与えるなど、真逆のことをやっているのだから、どうかしています」
レームダックのオバマ政権も、北朝鮮問題を政治利用してきた安倍政権も、右往左往するだけで、北朝鮮の核開発にまったく対応できていない。日本を射程に収めるノドンは200基も配備されている。時間がたつほど北朝鮮の核開発が進み、日本の危機は強まっていく。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。