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http://jp.sputniknews.com/opinion/20160830/2704429.html
ロシアと日本はシリアで合同人道ミッションを行うのか?
© Sputnik/ Mikhail Voskresenskiy
オピニオン
2016年08月30日 07:14
タチヤナ フロニ
ロシア軍は日本の同僚たちにシリアのアレッポでの人道作戦に参加するよう呼びかけた。ロシア国防次官アナトーリイ・アントーノフ氏が上月豊久駐ロ大使との会談で述べた。実現した場合、合同作戦はどのようなものとなるか、それとも、何者かの邪魔が入るのか。
日本はいま積極的に世界各地の平和維持活動に参加している。日本の一番の狙いは国連安保理常任理事国になるに値する貢献ぶりを示すことだ。しかし政府はロシアからの今回の提案にまだコメントをしていない。
その慎重姿勢を日本の軍事政策との兼ね合いで説明するのはモスクワ国立国際関係大学東洋学部長で日本専門家のドミートリイ・ストレリツォフ氏だ。
「日本の平和主義国家としてのステータスを考えると、これは日本特有の問題だ。しかし、米国との安保協定と関連する日本の一定の不自由さのあらわれでもある。そこには日本と他国の軍事協力を制限する条項がある。同盟を締結したり領土を提供したりできない。たとえ人道ミッションでも、個別に米国と合意しなければならないのだ。それが証拠に日本はこれまで米国の参加するミッションにしか参加していない。あらゆるミッションにつき、参加には米国の同意が要るのだ」
9.11テロ以降日本は対テロ連合に加わり、日本の部隊の海外活動も非常に活発になった。日本はアフガンおよびイラクの連合勢力も積極的に支援。シリアに関しても他の西側諸国と調和した立場をとっている、とストレリツォフ氏。
「こうした状況ゆえ、日本はロシアの立場と一定程度隔たっている。たとえば誰をテロリストと見なすか、アサド政権を支持するかといった点で。これが露日の現在の立場を分けている重要ポイントだ。日本はやはり西側社会の一員であるから、この問題でロシアの味方をすることはできない。しかし、ロシアが日本に軍事協力を持ち掛けた時期に注目しよう。間もなくウラジオストクの経済フォーラムで首脳会談があるというタイミングだった。プーチン大統領の日本訪問も準備されている時だ」
このことは両国関係に一定の期待を抱かせる、という。また、現在両国間に相当友好的な関係があることも。
「日本が自衛隊の海外派遣や憲法と整合する形にそれを合法化することを期して集団的自衛権の新解釈を打ち出したことについてロシアが批判を控えていることも示唆的だ。こんななかロシアが日本に合同ミッションを呼び掛けたのは、ロシアが日本を外交だけでなく軍事面でも、少なくとも人道ミッションにおける潜在的パートナーと見なしていることのあらわれだ。中国が日本の政策を一義的に批判していることを見ると、この点でロシアと中国は大きく異なる。むろん日本を米国から引き離せると思うほどロシアはナイーヴではない。ロシアは日本の国益と特性を考慮しているのだ。そして落としどころを見つけようとしている。今後の両国軍部の関係について中東で歩み寄ろうとしているのだ」
戦乱で荒廃したイラクやアフガンのインフラ再建や民生施設建設などを通じて日本はすでに相当多くの人道作戦の経験を積んでいる。ロシアはそうした日本の経験が必要とされることを見込んでいるのだと思うべきだ。
タグ 露日関係, シリア, 日本, ロシア
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