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米副大統領が到着する直前にトルコ軍がシリアへ軍事侵攻、ダーイッシュやクルド人勢力を攻撃した
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608250000/
2016.08.25 02:19:58 櫻井ジャーナル
アメリカのジョー・バイデン副大統領が8月24日にトルコを訪問したが、到着する何時間か前にトルコ軍の特殊部隊がシリア領内へ侵入した。クルド人勢力とダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を全滅させることが目的だとトルコ政府は主張しているが、シリア政府は主権の侵害だと抗議、たとえダーイッシュを追い出したとしてもトルコとの関係が続いている武装勢力が入り込んでくるだけだともしている。
トルコ軍がシリアへ侵攻したタイミングから考えて、アメリカ政府に対するメッセージだと見る人もいる。トルコではレジェップ・タイイップ・エルドアン政権の打倒を目指すクーデターがあったが、その背後ではアメリカやサウジアラビアが蠢いていたと言われている。
軍事蜂起の前、エルドアン政権はロシアへ接近していた。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とするシリア侵略作戦に乗ったトルコだが、バシャール・アル・アサド政権を倒すことに手間取り、経済が破綻状態になっていた。経済的にシリアやロシアはトルコと関係が深く、当然の結果だ。ネオコン/シオニストの戦略から離脱するしかなかったのだろう。
トルコ軍は昨年11月24日にロシア軍のSu-24戦闘爆撃機を待ち伏せ攻撃で撃墜しているが、トルコ政府だけの判断でこうしたことを行えるとは思えない。内部告発支援グループのWikiLeaksによると、この撃墜は10月10日にエルドアンが計画しているが、撃墜の当日から翌日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問してトルコ軍の幹部と会談していたことも勘案すると、アメリカ側の承認、あるいは命令があったのだろう。
例年、夏のバカンス・シーズンにはロシアから多くの観光客がトルコを訪問していたのだが、こうした状況ではロシアからの客は望めず、すでに経済が疲弊しているトルコに止めを刺すことになりかねない。
6月下旬にエルドアン大統領がロシアのウラジミル・プーチン大統領に対し、ロシア軍機撃墜を謝罪しているが、その大きな理由はここにあるだろう。また、7月13日にトルコの首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆していた。クーデターが企てられたのはその2日後だ。
エルドアン政権はクーデター部隊を鎮圧した後、国内で反対勢力の弾圧を強化する一方で、ロシアへの接近を進めている。そこで、ロシアと関係を強化しないように釘を刺すことがバイデンがトルコへ乗り込んだのだろう。
武装蜂起の数時間前、クーデター情報をエルドアン大統領へロシア政府が伝えたとする情報がある。シリアの北部に駐留しているロシア軍の部隊が通信を傍受、クーデター側はエルドアン大統領が滞在しているホテルへ数機のヘリコプターを派遣、大統領を拉致、あるいは殺害しようとしていることもロシアはトルコ側へ伝えたという。
また、サウジアラビアから流れてきた情報によると、同国の副皇太子で国防相でもあるモハンマド・ビン・サルマンがクーデターに関与、この副皇太子と連携しているひとりがアラブ首長国連邦のモハンマド・アル-ナヒャン皇太子で、この人物はアメリカへ亡命しているフェトフッラー・ギュレンと関係があるという。エルドアン政権がクーデターの首謀者だとしている人物は、このギュレンだ。
今はアメリカとの関係が悪くなっているエルドアンだが、2011年3月には友好的な関係を築いてきたシリアへの侵略に荷担、ロシアとの関係も悪化させた。アメリカの好戦派に従ったわけだが、その関係が自らの地位と富を危うくすると判断すればロシアやシリアへ接近、そしてシリアへの軍事侵攻。その動向は中東だけでなくEUへも大きな影響を及ぼすトルコを支配している人物が信頼できないわけで、今後の世界情勢を不安定化させる一因だ。
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