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クリミアへウクライナが部隊を侵入させたことを否定するのはキエフ政権とネオコンと西側メディア(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/16/warb18/msg/463.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 17 日 01:50:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

クリミアへウクライナが部隊を侵入させたことを否定するのはキエフ政権とネオコンと西側メディア
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608170000/
2016.08.17 00:18:56 櫻井ジャーナル


クリミアへウクライナの特殊部隊が侵入、銃撃戦になってロシア兵が2名死亡、侵入部隊の5名がロシア側に拘束されたとFSB(連邦安全保障庁)が発表したのに対し、ウクライナ政府や西側の有力メディアは侵入の事実を否定している。ロシア側が証拠、証人を明らかにしているのに対し、いつものことながらウクライナ/西側メディアは主張の根拠を示さない「お話」。拘束されたユグニ・パノフの兄弟はザポリージャで誘拐されてクリミアへ連れて行かれたと思うと語っているが、この発言も根拠は示されていない。

 説得力が全くないウクライナ政府や西側メディアの主張に沿う話をジェオフリー・パイアット米大使はツイッターに書き込んだが、NATOと関係の深いシンクタンクの大西洋会議は、パノフの逮捕によって侵入事件をFSBのでっち上げだと言えないことが明瞭になったとしている。しかも、ジョー・バイデン米副大統領はロシア側だけでなく、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領に対して緊張を高めないようにと強く求めたとする声明が発表された。ロシア側の主張が事実だとアメリカ政府も認めたと言えるだろう。

 アメリカ支配層の内部で一貫して軍事的緊張を高めようとしている勢力がネオコン。彼らは1991年12月にソ連が消滅したことでアメリカが唯一の超大国になったと認識、1992年の始めに国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランをまとめた。自立した国、体制は勿論のこと、潜在的なライバルを破壊し、力の源泉である資源を支配、世界制覇を実現しようというわけだ。このプランの作成がポール・ウォルフォウィッツ国防次官を中心に行われたことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。

 ウォルフォウィッツはドクトリンを書き上げる前年、シリア、イラン、イラクを5年で殲滅すると口にしたという。これは欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の元最高司令官、ウェズリー・クラークの話だ。予定通りに進まなかったのは、ジョージ・H・W・ブッシュが再選されず、ビル・クリントンが大統領に就任したからだと見られている。この政権はブッシュ政権に比べてネオコン/シオニストの影響力が弱く、前政権より好戦度は低かった。

 しかし、アメリカが偽情報を広めながら侵略戦争を始めたのは、このビル・クリントン政権。選挙戦のときからスキャンダル攻勢にさらされ、大統領になっても動きにくい状況だったが、有力メディアが必死に好戦的な雰囲気を強めようとしてもユーゴスラビアへの攻撃には消極的だった。状況が一変したのは1997年。国務長官がウォーレン・クリストファーからマデリン・オルブライトに替わったことが大きい。

 クリストファーは戦争に消極的な人物だったが、オルブライトはコロンビア大学でズビグネフ・ブレジンスキーに学んだこともあり、好戦派。1998年秋に彼女はユーゴスラビア空爆を支持すると表明、99年3月にNATO軍は先制攻撃を実行している。

 クリントン政権には、オルブライトと同じように好戦的な人物が国務副長官の首席補佐官として入っている。現在の国務次官補、ビクトリア・ヌランドだ。政権の中で異質だったふたりを引っ張ってきたのがビルの妻、ヒラリー・クリントンだと言われている。この3人は親しい間柄だという。

 ビル・クリントン政権では、もうひとりの重要な女性が登場してくる。現在、ヒラリーの側近としてぴったり寄り添っているたヒューマ・アベディンだ。1996年、ジョージ・ワシントン大学の学生だったアベディンはインターンとしてヒラリーの下で働き始め、それから20年にわたってヒラリーの国際認識に大きな影響を及ぼしている。

 興味深いことに、アベディンの母親、サレハはムスリム同胞団の女性部門を指導してきた人物。父親のシードはアル・カイダと関係していると主張する人もいる。しかも、彼女はヒラリーと親しいアンソニー・ウィーナーと結婚しているが、この人物は筋金入りの親イスラエル派、つまりシオニストだ。ムスリム同胞団とシオニストが結びついている。

 ウクライナのキエフでネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)が前面に出て混乱の度合いが高まっていた2014年2月4日、インターネット上にヌランドとパイアットとの電話会談の音声がアップロードされた。その中でふたりは「次期政権」の閣僚人事について議論している。また、混乱を話し合いで解決しようとしていたEUに対し、ヌランドは「EUなんかくそくらえ」と口にした。暴力的に大統領を排除し、次の政権はアメリカ側の意向に沿うものにしようという相談だった。

 この会話の当事者であるパイアットがウクライナの特殊部隊によるクリミア侵攻を擁護している。ヌランドたちも同じ立場だろう。ネオコンが描いた世界制覇プランに対する反発は西側の支配層にも広まっているようで、そうした障害を取り除くため、ロシアとの戦争へ突入しようとしている可能性はある。

 ジョージ・W・ブッシュ大統領はネオコンに担がれていたが、大統領に就任した当初は反対勢力の影響力も小さくはなかった。そうした反対勢力を駆逐し、ネオコンに圧倒的な力を与えたのが2001年9月11日の出来事だ。似たような出来事が実行されないとは言いきれない。

 ネオコンのプランを崩壊させた最大の要因はロシア軍がシリアでアル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を本当に空爆、大きな打撃を与えたことにある。そうしたシリアにおけるロシア軍に怒っているひとりがCIAの元副長官、マイク・モレルだ。ロシア人とイラン人を殺すべきだとインタビュアーのチャーリー・ローズに対し、8月8日に語っている。この人物、ヒラリー・クリントンの支持者だと公言している。


 

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