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冷戦と新冷戦再考(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/16/warb18/msg/438.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 13 日 14:32:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

冷戦と新冷戦再考
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-1472.html
2016年8月13日 マスコミに載らない海外記事


Paul Craig Roberts
2016日8月11日

冷戦は、トルーマン政権時に始まり、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォードと、カーター政権中続き、レーガンの二期目に、レーガンとゴルバチョフが、対立は危険で、高価で、無意味であるという合意に至り、終わった。

冷戦終焉は長くは続かなかった。レーガン二期目の最後から、ジョージ・H. W・ブッシュ政権のわずか4年間にすぎない。1990年代、クリントン大統領が、NATOを東ヨーロッパには拡大しないというアメリカの約束を破って、冷戦を再開した。ジョージ・W・ブッシュが、アメリカを弾道弾迎撃ミサイル制限条約から脱退させて、復活した冷戦を加熱させ、オバマは、無責任な論理と、アメリカ・ミサイルをロシア国境に配備し、ウクライナ政府を打倒し、戦争を更に熱くした。

冷戦はアメリカ政府が作り出したものだ。ダレス兄弟の仕業だ。アレンはCIA長官で、ジョン・フォスターは国務長官で、両人はこの職を長期間つとめた。兄弟は、冷戦に既得権益があったのだ。兄弟は、二人の弁護士事務所顧客の利益を守るのに冷戦を利用し、政府での二人の高い地位に関連する権限や予算を強化するのに、冷戦を利用した。危険な時期には、外交政策や秘密活動を担当するのは、実にわくわくすることだ。

中南米に改革派の民主主義政権が出現すると ダレス兄弟は、二人の弁護士事務所の顧客が、その国に保有している財産に対する脅威と見なした。そうした財産は、時として、非民主的な政府への賄賂で手に入れたもので、その国の資源と富をアメリカ人の手へと向かわせるのだが、それがダレス兄弟が守ろうとしたものなのだ。改革派政権は、マルクス主義やら共産主義やらだということにされ、CIAと国務省が協力して、それを打倒し、アメリカ政府に協力する独裁者を権力の座に戻すのにつとめたのだ。

冷戦は、ダレス兄弟と軍安保複合体の権益以外にとって、無意味なものだった。ソ連政府には、現在のアメリカ政府とは違い、世界覇権の野望は中なかった。スターリンは“一国社会主義”を宣言し、世界革命を主張するトロツキストを粛清した。中国と東ヨーロッパの共産主義は、ソ連国際共産主義による産物ではなかった。毛沢東は自立しており、ソ連は、赤軍がナチスを追い出した東ヨーロッパを、敵対的な欧米に対する緩衝として、確保したのだ。

当時“赤の脅威”は、今日の“イスラム主義テロリストの脅威”同様、論議も理解も無しで、政府の狙いに同調するよう、国民に強いるために利用された。例えば、手痛いベトナム戦争を見てみよう。ホー・チ・ミンは民族主義運動を率いる反植民地主義者だった。彼は国際共産主義の手先ではなかったが、ジョン・フォスター・ダレスが彼を共産主義者だということにし、ホーを阻止しないと“ドミノ現象”で、全東南アジアが共産主義になると言った。ベトナムは戦争に勝ったが、ダレスか予言したような侵略戦争を東南アジアにしかけることはなかった。

インド-シナを支配していたフランス植民地主義勢力に反対するのを、アメリカ政府が支援してくれるよう、ホーは懇願したのだ。すげなく拒絶されて、ホーはロシアを頼ったのだ。もしアメリカ政府が、フランス政府に、植民地主義の時代は終わったのだから、フランスはインド-シナを明け渡す必要があるとさえ言っていたなら、ベトナム戦争の大惨事は避けられていただろう。ところが現在同様に昔も、既得権益集団の役に立つようでっち上げた脅威が妖怪と化し、アメリカ政府は、他の多くの政府同様、自分が想像した怪物の犠牲になった。

赤軍が西ヨーロッパに侵攻する危険など皆無だったのだから、NATOなど不要だった。ソ連政府は、反抗的な国民が暮らす東ヨーロッパを占領するだけで、問題で手一杯だった。ソ連は、1953年には、東ドイツで、1956年には、ポーランドとハンガリーで、しかも、1968年には、チェコスロバキアで、共産党そのものによる反乱に直面していた。ソ連は、第二次世界大戦で、膨大な人命の損失を被っており、残された国民は、戦後の再建に必要だった。東ヨーロッパに加えて、西ヨーロッパを占領することは、ソ連の能力を超えていた。戦後期、フランスとイタリアの共産党は強力で、スターリンが、フランスやイタリアの共産党政府が、ワシントンのヨーロッパ帝国崩壊をもたらすのを期待するのには根拠があったのだ。こうした希望はグラディオ作戦によって、くじかれた。

ダレス兄弟と軍安保複合体の権限と利益の役にたったがゆえに、冷戦があったのだ。冷戦に、他の理由はなかった。

新冷戦は旧冷戦より一層無意味だ。ロシアは欧米に協力しており、ロシア経済は原材料供給国として、欧米に組み込まれた。アメリカ政府が、ロシア政府に実施するよう説得したネオリベラル経済政策は、ロシア経済を、欧米に対する原材料供給国役のままにしておくように設計されていた。ロシアは領土的野心を表明しておらず、軍にはごくわずかしか使っていない。

新冷戦は、歴史が、アメリカを、全世界に覇権権力を振るうように選んだと信じている、ごく一握りのネオコン狂信者が作り出したものだ。ネオコンの中には、元トロツキストの息子がいて、同じような非現実的な考え方世界革命、ただし今回は、共産主義者によってではなく“民主的資本主義者”によるものを夢想しているのだ。

それぞれの核大国の戦争原則が変化してしまったので、新冷戦は旧冷戦よりはるかに危険だ。核兵器の機能は、もはや報復的なものではない。相互確証破壊は、兵器が使用されないという保障だった。新たな戦争原則で、核兵器は、先制核攻撃での開戦時使用に格上げされた。アメリカが最初にこの策を取って、ロシアと中国に続くよう強いた。

新冷戦は、二つ目の理由で、より危険なのだ。最初の冷戦の間、アメリカ大統領たちは、核大国間の緊張を緩和することに注力した。ところが、クリントン、ジョージ・W・ブッシュとオバマ政権は劇的に緊張を高めた。クリントン政権で、国防長官を勤めたウィリアム・ペリーが、最近、コンピューター・チップ故障のようなことに起因する誤警報で核戦争が開始される危険について語った。幸い、過去にはそのようなことが起きても、核大国関係で緊張がなかったので、双方の当局は誤警報を信じなかった。ところが現在は、絶えず差し迫ったロシア侵略があると主張し、プーチンは“新ヒトラー”と悪魔化されており、ロシア国境で、アメリカとNATOの軍隊増強されている為に、誤警報は、信じられるものとなっている。

NATOは、ソ連が崩壊した際に目標を失った。ところが余りに多くの出世、予算、軍備の利益が、NATOに依存していた。ネオコンは、自分たちの覇権の野望に対する、大義名分と補助的軍隊として、NATOを利用している。今のNATOの目的は、ヨーロッパ全てを、アメリカ政府の戦争犯罪に巻き込むことだ。全員が有罪なために、ヨーロッパ政府は、ワシントンに反抗して、アメリカを、戦争犯罪で非難することができない。他の声は余りに弱すぎ、影響を与えることができない。人類に対する大変な犯罪にもかかわらず、欧米は依然、真実、公正、人権、民主主義と、個人の自由の擁護者、“世の光”の立場を維持している。この評判は、権利章典の破壊と警察国家弾圧にもかかわらず、しぶとく残っている。

欧米は、欧米と結びついているものだと信用するよう、世界が洗脳されている価値観を代表などしていない。例えば、日本の民間都市を原子爆弾で攻撃する必要は皆無だった。日本は、降伏してようとしており、彼自身が全く支配していない戦争犯罪のかどで、天皇が処刑されないよう、アメリカによる無条件降伏の要求に対して抵抗していただけだった。現在のイギリスの君主同様、天皇には政治的権力はなく、国民統合の象徴なのだ。日本の戦争指導者たちは、もしも、統合の象徴である天皇が排除されれば、日本の統合が消えてしまうことをおそれていた。もちろん、アメリカ人は余りに無知で、状況を理解できず、そこで、取るに足らない人物として、いじめられていた小物のトルーマンが、大統領として賛美され、原爆を投下した。

日本に投下された原子爆弾は強力だった。ところが、それを置き換える水爆は、それより遙かに強力だ。その様な兵器の使用は、地球上の生命とは相反する。

大統領選挙戦で、ドナルド・トランプは、望みをもてることを言っている。NATOや、画策されたロシアとの対立に、彼は疑問を投げかけた。彼を信じられるのか、あるいは、彼の政権が彼の指示に従うかどうか、我々にはわからない。しかし、ヒトラリーが戦争屋で、ネオコンや、軍安保複合体や、イスラエル・ロビーや、大き過ぎて潰せない銀行や、ウオール街や、そして何百万ドルもクリントン財団に寄付したり、講演料で、25万ドルも支払ったりするあらゆる外国権益集団の代理人であることを我々は知っている。

ヒトラリーは、ロシア大統領は、究極的脅威で“新ヒトラー”だと宣言している。

これ以上、明らかになりようがあるだろうか? ヒトラリーへの投票は戦争賛成投票だ。全ての事実という実に明らかなことにもかかわらず、アメリカ・マスコミは、一致団結して、トランプを貶め、ヒトラリーを大統領にすべく、連中ができる限りのありとあらゆることをやっている。

“単一大国”“世界唯一の超大国”“必要欠くべからざる国民”“例外的な国”なるものの知性は、一体どういうものだろう? 排泄物並みの阿呆だ。アメリカの宣伝屋連中が作り出した『マトリックス』の産物であるアメリカ国民は、現実の脅威ではなく、想像上の脅威を見ているのだ。

ロシアと中国が目にしているのは、平和の維持に全く役立たない、余りに洗脳され、無知な国民だ。ロシアと中国は、戦争がやってくるのが分かっていて、それに備えている。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/08/11/rethinking-the-cold-war-paul-craig-roberts/
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コメント
 
1. 2016年8月13日 22:29:48 : Wnc6oSvgYA : @SAV2f9Nl3c[24]
分断を 仕掛けて得たり 漁夫の利は

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