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中国・北京で撮影された地図。中国が南シナ海で領有権を主張する海域が赤い点線で描かれている(2016年6月15日撮影)〔AFPBB News〕
傍若無人の中国、尖閣奪取作戦をついに始動 ガス田には新設備建設、力による支配を徹底へ
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47567
2016.8.9 森 清勇 JBpress
東シナ海も風雲急を告げてきたと思うのは筆者だけではないだろう。
日中中間線付近のガス田開発ばかりでなく、尖閣諸島周辺における中国の公船や軍艦、戦闘機などの動きをみると、明らかに「力の支配」に移行しつつあることが分かる。
日本の対話姿勢を相手は話し合いのための「抑制」とは受けとらず、「意気地なし」と見るようだ。従って、「引く」以外に対処しない日本の行動を見て、中国はどんどん出てきている。毛沢東の「敵退我進」(日本が下がれば中国が出る)のセオリー通りである。
日本の過剰な、いや異常な遠慮というか抑制が、相手に傍若無人の行動をとらせている。今や日本は中国に対して、毛沢東のもう1つのセオリーである「敵進我退」を思い出させる必要がある。
仲裁裁判所は南シナ海における中国の九段線や人工島の主張には法的根拠がないとして認めなかったが、中国は国際社会を敵に回してでも、爆撃機を飛行させるなどして「力の誇示」による支配を強めている。東シナ海でも同様の力の支配を鮮明にしてきた。
話の席に着かせ、合意を守らせるためにも、日本の主張を行動で示す必要があるようだ。そのためには、中国の挑発に乗るわけではないが、相手に文句を言わせないためにも中国的手法で押すことではないだろうか。
中国が南シナ海で強引に灯台を次々と設置していった言い分、そして東シナ海の日中中間線でのガス田施設の一方的建設を援用して、日本は自国領である尖閣諸島に灯台などの施設を設置することである。
同時に、比国の南シナ海における申し出を裁いた仲裁裁判所に、尖閣諸島の帰属を提訴するようにしたらいかがであろうか。
■中国の勝手すぎる行動
中国は南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島のいくつかの人工島に灯台を設置するにあたって、「航行の安全と自由」及び「利便性」(「産経新聞」28年4月7日付)を挙げて進めてきた。
石原慎太郎氏などは早くから尖閣諸島に灯台や船溜まりを設置するように注意喚起し、実際に行動もしてきた。その後、都知事時代には国が動かないので都が買い上げる動きをして賛同者から寄付を募った。
実現する直前の段階で、政府(野田佳彦首相)が中国の反発を和らげ、「平穏かつ安定的な維持管理」をするためとして国有化した。その後も、日本は中国の顔色を伺うばかりで、実際は何もしないで、風前の灯とさえ言われる状況になってきた。
日中は2008年6月に東シナ海の日中中間線付近にあるガス田の共同開発で合意しているが、2010年9月の中国漁船の巡視船への追突事案をきっかけに交渉は中断したままである。
それをいいことに、中国は合意を無視して中国側ガス田に一方的にプラットフォームを建設してきた。2015年7月判明したプラットフォームは16基である。
今年6月にはこのうちの3基にヘリパッドなどの上部構造物が設置されていることが分かり、また2基が連結されるなど、施設は拡大の一途である。天然ガスの生産活動を示す炎も見られている。
萩生田光一官房副長官は「日中間の海洋境界が未だ確定できていない状況で、一方的な開発を進めていることは極めて遺憾だ」として、外交ルートで中国に抗議したことを明らかにし、「合意実施のため協議を早期に再開するよう求めていきたい」と述べている。
ある時点から突然、尖閣諸島を「核心的利益」として自国領と主張し、尖閣諸島を監視する「温州指揮総合保障基地」を尖閣諸島に近い温州市に計画していることも判明している。
中国は戦力の増強とともに、本格的に尖閣諸島の奪取を意図しつつあるようだ。そのための勝手な言い分も目立つ。
日中中間線交渉では大陸棚を持ち出し、海洋法に基づいて日本が主張する中間線を採用しようとしないが、ベトナムとの交渉では、ベトナムが大陸棚を主張するのに対し、中国は日本が主張する中間線を主張しているのである。
■中国の言行は矛盾だらけ
ハーグの仲裁裁判所の判決以降の中国の動きを見ていると、国際社会で取り決めた法の支配を受け入れない中国であることがはっきりする。もはや顔色伺いだけで中国の動きを止めることはできない。
中国は仲裁裁判所の裁定が出る前から岩や低潮高地での領有権主張ができないことを認識していたゆえに、埋め立てて人工島に仕立て「航行の安全性」と「利便性」を理由に灯台を設置していったとみられる。
そこで、実効支配で示威していく以外にないと腹を決めていたようだ。人工島の構築、飛行場の設置、対空ミサイルの配備、航空機の発着などは、そうした証であろう。
ただ、軍事一辺倒では従前の主席発言などとの兼ね合いから国際社会を納得させることができないため、航行の安全や利便性などを主張してカムフラージュいたに過ぎないとみていいだろう。
仲裁裁判所の判決で、いよいよ法的に領有権の主張ができなくなった中国は、もはやカムフラージュしている段階ではないと思い始め、防空識別圏も念頭に入れつつ最新鋭の爆撃機を飛行させ始めたとみるのが至当ではないだろうか。
また、中国には交渉の原則がない。いや、自国の勝利に向けた交渉スタイルしか採用しないと言える。先の日中・中越中間線問題もそうであるが、下記の合意無視もそうである。
「中国と比国は1995年以来、南シナ海紛争を双方の話し合いで解決すると合意しており、海洋法も当事者間の交渉を優先する決まりなのに、その枠組みを無視した比国の提起は無効だ」
「海洋法の調停は当事者全員が同意しないと始まらない規則で、中国が反対したまま調停が始まるのも無効だ。海洋法の調停は、領土紛争に踏み込めないと規定されているが、本件は領土紛争であり、海洋法機関は自らの規定に違反している」
こう中国は主張する。
中国は比国に対しては「話し合いで解決する」という合意にもかかわらず、裁判所に提起したのは無効であると責めるが、日本とのガス田開発の合意は無視して一方的に開発している。中国の言行には矛盾ばかりが目立つのである。
■力しか信じない中国への対処
国際軍事情報IHSジェーンズは2013年7月、中国はフリゲート艦のミサイル発射台や艦載砲(口径100ミリ)の旋回砲塔を取り外し、前部の37ミリの機関砲だけを残して公船に改造していることを伝えていた。
この改造フリゲート艦が2015年12月、尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域を航行していることが確認されている。
香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターは同時期、「3隻のフリゲート艦が既に改造を終え、ほかに2隻の駆逐艦が改造中で、計5隻が尖閣海域に投入される可能性があると明らかにした。中国が領有権をさらに強硬に主張しようとする姿勢の表れ」と述べている。
2016年4月初旬、海上自衛隊の潜水艦1隻と護衛艦2隻がフィリピンのスービック湾に寄港した。15年ぶりの海自艦の寄港である。護衛艦はその後ベトナムのカムラン湾にも寄港した。
スービック湾もカムラン湾も南シナ海に面しており、冷戦崩壊前は米海軍が常駐ないし利用していた港湾である。
その当時はもちろん中国が今日のような人工島を構築し、ミサイルなどを持ち込むことはなかった。しかし、米軍が去った空白期間に中国が軍事力を投射するようになった。
力しか信じない中国に対しては、法の支配とともにその裏づけとなる力を見せつけることが何より大切であることを教えている。
日本は手遅れにならないためにも、米国はじめ、台湾、インド、東南アジア諸国および豪州などとも連携して、航行の自由作戦を行うことである。
同時に、領海・領空侵犯に対しては国際慣習法などに基づき対処できる法体制を、早急に確立することである。
■おわりに
東シナ海では日本が穏便に話し合いで物事を進めようと努力している間にも、中国は臆することなく示威行動で既成事実を積み重ねている。しかし、ことは東シナ海ばかりではない。
北海道などで中国資本が買い占めているリゾート地や山林など、東京ドームの何十倍、何百倍もの敷地、山林では、誰が何をやっているかなど、一切、分かっていない。
2008年4月26日、中国(オリンピック開催)のチベット支配に抗議して行われた長野トーチリレーでは、「街頭に林立する巨大な五星紅旗(紅旗)。ウンカの如く蝟集(注:報道では数千人)し、『中国、加油!』(チャングオ チャーヨウ)と大音声の北京語で怒声を浴びせてくる中国人留学生の大群・・・。(中略)日本の領土にいながら数の上では完全に中国人に圧倒されていた。沿道には長野市民の姿はほとんどなく、紅旗と北京語のシュプレヒコールを忌避して逼塞しているようだった」(関野英之『目覚める日本』)。
旅行客増大や留学生受け入れで、どんどん中国人が日本にやって来ている。しかし、途中で行方をくらましたり、学業を放棄して所在不明になる者もいると聞く。
もしかして、こうした人物が、先ほどの広大な敷地などにかくまわれ、日本の治安が悪化した場合などに蜂起するような特訓でも受けているのではないかと想像すると、身の毛が弥立つ。
東シナ海や尖閣諸島で問題が発覚し、日本人の目がそちらに釘づけにされているところに、北海道などで特訓を受けた一団(それも100人も1000人もの軍事組織的な集団として)が狼煙を上げ、騒擾事案を起さないとも限らない。
考えれば考えるほど不気味である。尖閣諸島に確固とした施設を建造し、日本人を常駐させて安定させなければ、いずれ、力の支配に飲み込まれてしまうのではないだろうか。
中国の夢は日本の悪夢とは言いすぎであろうか。
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