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日米韓がミサイル発射非難 対北朝鮮で安保理が緊急会合
2016/8/4
【ニューヨーク共同=高木良平】国連安全保障理事会は3日午後(日本時間4日午前)、北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられるミサイルを発射したことを受け、非公開の緊急会合を開催した。日米韓3カ国の国連大使は会合後、共同記者会見し、発射は過去の安保理決議の違反に当たり「国際社会の平和と安全にとって重大な脅威だ」(パワー米国連大使)として強く非難した。
安保理は発射を非難し、北朝鮮に自制を呼び掛ける報道声明などの発表に向け調整を進めているが、北朝鮮との対話を重視する中国は反対しており、交渉が長期化しそうだ。
菅義偉官房長官は4日の記者会見で中国の対応を批判。「今回の発射を各国も非難し、わが国に賛同する声が圧倒的に多かったが、そうした国が現実的に存在しているのは極めて遺憾だ」と述べた。
別所浩郎国連大使はミサイルの弾頭部分が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことについて「北朝鮮の核・ミサイル開発は新たな段階に入った」と懸念を表明。韓国の呉俊国連大使は「(アジア)地域の全ての国に危険をもたらしている」と語った。
パワー氏はまた「威嚇する能力を高める試みだ。安保理として強力かつ迅速な対応をする必要がある」と強調した。
日米韓3カ国が8月の安保理議長国マレーシアに緊急会合の開催を要請した。
連座制で強制収容所送り、北朝鮮「収容所人名辞典」が暴く地獄
2016年8月4日(木)16時22分
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト) ※デイリーNKジャパンより転載
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Lukasz Szczepański-iStock
<韓国のNGOが「北朝鮮政治犯収容所の勤務者、収容者、失踪者人名辞典」を出版。ホロコーストにも匹敵する「この世の地獄」での人権侵害を暴き出す資料だ。収容所の勤務者や収容者の内訳などを記しているが、収容者の罪名で最も多いのは、本人に罪のない「連座制」だという>
韓国のNGO、北朝鮮人権情報センターは 1日、「北朝鮮政治犯収容所の勤務者、収容者、失踪者人名辞典」を出版した。
同センターは、2003年の設立以来、北朝鮮当局による人権侵害の被害者の証言を記録、保管し、データベース化してきた。北朝鮮の人権蹂躙の実態に関する記録を集め、広く外国に知らしめる。そのうえで、北朝鮮国内の機関や担当者に直接、間接の圧力を与えることを目的としている。
今回の人名辞典は、最近韓国に入国した脱北者を対象にした調査と、既存の調査内容を保存されている「北朝鮮人権統合データベース」の政治犯収容所拘禁事例3825件と、行方不明事例1181件の中から、具体的な人物を確認できるものを選んだものだ。
せい惨な拷問も
北朝鮮の政治犯収容所で、常態化している人権侵害は、ナチス・ドイツがアウシュビッツ強制収容所で行ったユダヤ人の大虐殺(ホロコースト)に匹敵すると言っても過言ではない。そうした意味で、このような資料が発表される意義は大きい。
(参考記事:赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた...北朝鮮「人権侵害」の実態)
辞典によると、収容所の勤務者は51人。内訳は警備隊員が51%、保安員(警察官)が29.4%の順だ。さらに、収容者と収容推定者759人、死亡者と収容経験者137人、行方不明者499人の情報を要約、整理している。
罪を犯していなくても
収容者、収容推定者、行方不明者1258人の罪名で最も多かったのが、連座制の365人(29%)だった。北朝鮮で悪名高き「連座制」が、最も多いことが数字のうえで明らかになった。罪を犯していなくても、「この世の地獄」と称される収容所送りにされることがある。最近では、金正恩党委員長が継母の家族さえも連座制で収容所送りにしたという話もある。
連座制に続くのが、韓国への亡命の試み132人(10.5%)。以下、不平不満を口にした102人(8.1%)、不法越境72人(5.7%)、宗教活動62人(4.9%)、敵との接触52人(4.3%)、密輸密売49人(3.9%)の順だった。性別では、男性が60.5%、女性が29.4%。年齢別では30代が14.1%、40代が11.6%で、45.6%は年齢不詳だ。女性は男性の約半数だが、男性以上に人権を蹂躙されている証言は数多く出ている。
(参考記事:北朝鮮、拘禁施設の過酷な実態...「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も)
もちろん、これらの数字はわかっている範囲での調査であり、氷山の一角に過ぎない。センターは「政治犯収容所内の人権状況は劣悪であり、現在起きている、また今後も起きる人権侵害の予防と最小化、国際社会との連帯を通じて被害者のための最低限の措置を図るための努力の一環」と出版の理由を明らかにしている。また「深刻な人権侵害を処罰するための調査を行うにあたって、非常に有用な情報」だとし、英語、日本語、スペイン語への翻訳が行われていると述べた。
北朝鮮の人権侵害の実態が明らかになることはとめられない。
[筆者]
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト)
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ――中朝国境滞在記』(新潮社)、『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)、『北朝鮮ポップスの世界』(共著、花伝社)がある。
※当記事は「デイリーNKジャパン」からの転載記事です。
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カンボジアの北朝鮮レストラン、営業停止 制裁で客減少
ソウル=牧野愛博2016年8月4日21時11分
世界遺産アンコールワットがあるカンボジア・シエムレアプの北朝鮮レストラン「平壌親善館」が7月末までに営業を停止したと、現地在住の韓国人らが明らかにした。平壌親善館は150席ほどだが、記者が訪れた7月下旬にはほとんど客足が途絶えていた。
北朝鮮、外貨稼ぎは苦戦気味? 海外の食堂、閑古鳥鳴く
現地在住者らによれば、平壌親善館は、シエムレアプにある北朝鮮経営のレストラン2軒の一つ。7月末に看板を下ろし、室内から絵画や発電機が運び出された。建物には「貸し物件」の表示が掲げられ、従業員らがどうなったかはわからないという。
北朝鮮と親交があるカンボジアでは、首都プノンペンにも最盛期で計6軒の北朝鮮レストランがあったとされるが、現在は3軒が営業しているという。
韓国政府によれば、制裁圧力の強化で、北朝鮮レストランの主な顧客だった韓国の旅行客や現地在住者による利用自粛が続き、世界で約130店の2割ほどが閉店している。(ソウル=牧野愛博)
http://www.asahi.com/articles/ASJ835DZ0J83UHBI01H.html
北朝鮮、外貨稼ぎは苦戦気味? 海外の食堂、閑古鳥鳴く
シエムレアプ=牧野愛博2016年8月4日17時45分
カンボジア・シエムレアプにある北朝鮮レストラン「平壌親善館」の外観=李聖鎮撮影
今年1月に4度目の核実験を強行した北朝鮮に対し、国際社会はかつてない経済制裁を科している。効果は上がっているのか。北朝鮮の友好国カンボジアで、外貨稼ぎの現場を訪れた。
世界遺産アンコールワットがあり、観光客でにぎわうカンボジア・シエムレアプ。7月下旬のある日、2人の女性従業員がガラスドアを開けると、こもった湿気を感じた。テーブルが並ぶ広間は薄暗い。昼時でも冷房は切られ、客の姿がなく静かだ。ステージは使われていない様子だった。
「平壌親善館」。北朝鮮が中国、ロシアなどを中心に経営するレストランの一つ。韓国政府によれば、制裁圧力の強化で閑古鳥が鳴き、世界で約130店の2割ほどが閉店した。現地で観光業を営む韓国人男性は「政府の利用自粛要請が何度も来た。韓国人頼みだから壊滅状態だ」と言う。
円卓の個室に通され、メニューを開く。冷麺8ドル(約800円)、北朝鮮から持ち込んだというスケトウダラのスープ17ドル。現地の韓国食堂なら冷麺は5ドルぐらいだ。いくつかの料理は「できない」と断られた。
注文後、個室内でメニューを撮影すると、従業員が飛んできた。「写真を撮ったでしょう」「メニューは撮影しないのがマナーです」。笑顔だが、有無を言わせず決めつける口調だ。
「客が少ないですね」と水を向けると、「雨期だからですよ」といなされた。
同じ日の夜、すぐ近くにある別の北朝鮮レストラン「平壌冷麺館」を訪れた。
7時半すぎ、20人ほどの中国人客の到着を待って、ショーが始まった。北朝鮮の歌謡曲、バイオリンの生演奏、踊りなどがきっかり30分。中国語のあいさつや歌もあった。ショーは客が多い日だけ行い、3日ぶりの開催だという。ここでは、100ドルの北朝鮮伝統酒を熱心に薦められた。
20代の女性奉仕員(従業員)と話した。平壌出身の大学生で、英語、中国語で会話でき、ギターも弾くという。将来は通訳志望だ。履修の一環として3年の予定で海外に来て、同僚とレストラン上階で共同生活を送り、テレビは北朝鮮、中国、ロシアの番組しか見ないと言った。「韓国の細いズボン(ジーンズ)や露出の多い服は信じられない。学生は携帯ばかり見て親が嘆いているんでしょう」
北朝鮮関係筋は「昔は在学生を海外に出さなかった。外貨稼ぎが過熱している証拠だ」と語った。制裁が厳しくなるほど、外貨稼ぎは必死さを増す。東南アジアの北朝鮮レストランには、高額の酒を薦める以外にも、土産に「クマの肝」や性機能改善薬まで売る所もある。
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http://www.asahi.com/articles/ASJ707557J70UHBI01J.html
北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...
2016年7月11日(月)12時04分
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト) ※デイリーNKジャパンより転載
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Ivan Bliznetsov-iStock.
<アメリカが先週、最高指導者の金正恩党委員長を初めて直接制裁の対象に加えたばかりだが、その北朝鮮からまた人権侵害による悲劇のニュースが飛び込んできた。韓流ドラマを取り締まる組織の取り調べに耐えきれず、23歳の女子大生が自ら命を絶ったという>
北朝鮮の人権侵害によって、23歳の女子大生が自らの命を絶つという悲劇が起きた。なぜ、彼女は自らの人生に終止符を打たねばならなかったのか。
今月6日、米国は最高指導者の金正恩党委員長を、人権侵害の首謀者としてはじめて名指しで明記した。北朝鮮は米国の措置に対し、「外交ルートを遮断する」と猛反発。しかし、いくら反発しようとも、せい惨きわまりない北朝鮮の拷問や処罰の実態の多くは暴かれており、米国の措置はむしろ遅すぎると言っても過言ではない。
(参考記事:赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた...北朝鮮「人権侵害」の実態)
今回、女子大生が自殺を選んだきっかけは「韓流」と北朝鮮当局の「拷問」。この二つは、現在進行形の北朝鮮の人権侵害を象徴している。
女子高生が見せしめ
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮の秘密警察・国家安全保衛部(秘密警察)と韓流ドラマを取り締まる組織「109常務」は大々的な取り締まり作戦を行い、現地には殺伐とした空気が流れているという。1月には、女子高生も海外映画を見た罪に問われていた。
そして今年5月、109常務は、清津(チョンジン)市浦港(ポハン)区域南江洞(ナムガンドン)で一人暮らしをしていた23歳の女子大生の家を急襲、家宅捜索を行った。
運悪く、彼女の家からは韓国映画が保存されたメモリーカードが発見されたことにより悲劇が起こる。女子大生は、保衛部に連行され、激しい拷問を加えられた。そして、10年の懲役刑が避けられないことを悟った彼女は、いとこの美容室から持ちだしたパーマ液を飲んで、服毒自殺を図った。現地情報筋は、彼女の安否を伝えていないが、おそらく死亡したものと思われる。
女性収監者は裸で
取り調べでは、木の棒で殴打される、鉄線や革のベルトで締めあげるなど無慈悲な拷問が23歳の女子大生に加えられた。彼女にとって、とても耐え切れるものではなく、メモリーカードをくれた友人の名前を白状してしまう。そして、自ら命を絶つ。
せい惨な拷問によって、友人の名前を白状してしまったこと。待っているのは地獄のような10年間の拘禁生活。彼女が自殺に走った動機が、人生に絶望を感じたであろうことは想像に難くない。
(参考記事:北朝鮮、拘禁施設の過酷な実態...「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も)
これだけではない。清津市では3月にも、取り調べを受けていた40代の女性が取調室のある5階から投身自殺していた。
北朝鮮の外国文出版社が2015年6月に発行した「朝鮮についての理解」人権編には次のように書かれている。
「共和国(北朝鮮)では、人間の生命と健康を最も大切に考え、人間の生命を侵害する行為を絶対に許さない」
「人に対して、肉体的、精神的にひどい苦痛を故意に与える拷問、または非人間的で不名誉な取り扱いや処罰を厳しく禁じている」
出典:「朝鮮についての理解」人権編(外国文出版社)
欺瞞に満ちた内容であり、明らかに国際社会の人権攻勢に対して表向きだけ取り繕ったものに過ぎない。確かに韓流ドラマや海外映画を視聴することは、北朝鮮の法律に違反することだろう。その一方、極端な情報統制も人権侵害である。
ましてや韓流ドラマ、映画を見たという理由だけで、連行して激しい拷問を加えることが正当化されるわけがない。
[筆者]
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト)
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ――中朝国境滞在記』(新潮社)、『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)、『北朝鮮ポップスの世界』(共著、花伝社)がある。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/07/post-5462.php
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