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ニースで花火見物をしていた多数が死傷、仏首相は自国をイスラエルのような国にする必要性を主張
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201607150001/
2016.07.16 櫻井ジャーナル
フランスのニースで7月14日に大型トラックが花火を見ていた見物客の列に突入、その後に運転手と警官隊との間で銃撃戦になり、その間、84名以上が死亡したという。詳細は不明だが、その翌日、親イスラエル派で知られているマニュエル・カルロス・ヴァルス首相はテロリズムの中で生きることを学ばなければならないと語った。フランスをパレスチナ人を弾圧しているイスラエルのような警察国家にするべきだというわけだ。アメリカの警察もイスラエルに学び、軍隊化を推進している。
昨年、フランシュの首都パリでは2度の「テロ」があった。まず1月7日に「風刺画」の雑誌を出しているシャルリー・エブドの編集部が襲われ、11名がビルの中、また1名が外で殺されている。襲撃したのはふたりで、AK-47、ショットガン、RPG(対戦車ロケット弾発射器)で武装し、マスクをしていたという。歩道上に倒れていた警官が頭部をAK-47で撃たれて殺されたことになっているが、映像を見る限り、その痕跡はない。骨や脳が飛び散ったり、血が吹き出たりしていないのだ。地面に当たって破片が致命傷を負わせたとしても大量の出血があるだろう。事件の捜査を担当したエルリク・フレドゥが執務室で拳銃自殺したことも疑惑を深める一因になっている。
2度目は11月13日で、パリの施設が襲撃された。約130名が殺され、数百人が負傷したとされているのだが、その痕跡が見あたらない。映像をチェックしても「血の海」と言える光景はなく、遺体がどこにあるのかといぶかる人もいる。
こうした事件の場合、「治療の甲斐なく死亡」という人がいるはずで、死者数は増えていきそうなもの。ニースの事件ではそうした展開をたどっている。ところが11月の場合はそうではなかった。犠牲者の氏名も明確でない。今年3月22日にはベルギーのブリュッセルで爆破事件があり、37名以上が死亡したとされている。
こうした事件が引き起こされる一方、EUは難民問題で揺れている。その原因を作り出したのはアメリカ支配層。中東/北アフリカを攻撃、難民を生み出しきたのだ。イラクは明らかにアメリカ軍による侵略であり、リビアやシリアはアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)を使って破壊と殺戮を繰り広げている。決して「内戦」が行われているわけではない。
ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、1991年にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)は、イラク、シリア、イランを5年以内に殲滅すると語り、また2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されて間もなく、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺ではイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランを攻撃する計画を立てていたという。
しかし、1992年の大統領選挙でジョージ・H・W・ブッシュはビル・クリントンに再選を阻止されて予定が狂う。クリントン政権はネオコン/シオニスト色が薄く、政府の外から提言することになる。そうした中、ヒラリー・クリントンと親しかったビクトリア・ヌランドは目立った。好戦派というように枠を広げると、ズビグネフ・ブレジンスキーの弟子で嫌露派のマデリン・オルブライトも入ってくる。
アメリカ軍がイラクを侵略したのは2003年3月。2011年春にはワッハーブ派/サラフ主義者やムスリム同胞団を中心としたアル・カイダ系の武装集団がリビアやシリアを侵略し、リビアの場合は途中からNATOが空爆で支援、体制転覆に成功した。シリアではロシア軍が乗り出してから侵略軍は劣勢になり、侵略勢力は停戦の期間を利用して戦闘員を増派、高性能な武器/兵器を大量に供給して戦闘態勢の立て直しを図っている。最近ではトルコやイスラエルから侵略軍の「空軍」が民間施設などを攻撃しているという話が流れている。
イスラエルを飛び立った戦闘機による攻撃は早い段階から現在まで続いているようで、イランの革命防衛隊で司令官を務めているコスロ・オロウジ准将はロシア政府に対し、防空システムのS-400を使うように要求している。核戦争を避けたいロシアはアメリカ政府との交渉を優先しているようだが、シリアやイランでは不満が高まっているようだ。
こうした戦乱で生み出された難民をトルコ政府は集め、タイミングを見てEUへ向かわせた。その中にはリビアやシリアで戦ってきた戦闘員も含まれている。その難民のEU流入をメディアは支援、トルコの海岸に横たわる3歳の子どもの遺体が「悲劇」の象徴として使われていた。難民問題を演出したトルコ政府の目的は恐喝。さらなる難民の流入を恐れるEUから66億ドルを援助として提供させることに成功したという。
一連の事件を見て、1960年代から80年代にかけてイタリアでNATOの秘密部隊、グラディオが「極左」を装って実行した爆弾攻撃を連想した人も少なくないようだ。社会不安を高め、治安体制の強化を受け入れさせ、それと同時にアメリカの巨大資本にとって邪魔な人物や団体を潰していったのである。こうした組織の存在をイタリアのジュリオ・アンドレオッチ政権が1990年10月に認めたことは本ブログで何度も指摘してきた。
現在、EUの内部ではアメリカの好戦派がロシアに対する挑発を強め、核戦争を始めかねないことを懸念する人が支配層の内部にも現れている。アメリカがヨーロッパを支配する仕組みとしての側面があるEUやNATOも揺らぎはじめ、「民意」を力で押さえ込まなければならない状況になっているようだ。そうした中、フランスなどで続発している「テロ」を最も歓迎しているのはアメリカの支配層だと考える人もいる。
日本で緊急事態を宣言する仕組みが導入されたなら、何らかの「テロ」が引き起こされ、そのまま「戒厳令の国」へ移行する可能性がある。すでにアメリカで行ったことだ。
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