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アングル:異なる国で異なる標的、分散するIS攻撃防げるか
[ワシントン 5日 ロイター] - 過激派組織「イスラム国(IS)」が関与した4カ国における破壊的な攻撃は、シリアとイラクで米国が主導するIS掃討作戦の限界と同時に、世界各地に分散し、標的も大きく異なるこうした攻撃防止の難しさを露呈した、と米国の現旧当局者らは指摘する。
「(IS首都)ラッカに爆弾をやたらと落としても、こうした攻撃を防ぐことはできない」と元中央情報局(CIA)情報分析官で、現在はジョージタウン大学に勤務するポール・ピラー氏は語る。
ISによる世界各地での攻撃は、米国が主導する有志国連合のイラクやシリアにおけるIS掃討作戦が成功していることに対する直接的反応だ、とオバマ政権の当局者は過去数カ月、繰り返し説明してきた。
それは部分的に正しいかもしれないが、過度に単純化されており、ISの影響力がその支配領域を超えて広がっている事態を軽視するものだと米国の現旧当局者は語る。
このイスラム教スンニ派の超過激組織は、ファルージャといったイラクの主要都市を失うずっと以前から、採用活動と宣伝活動を自称「カリフ国家」(預言者ムハンマドの後継者が指導する国家)の域外で行ってきた。
「ISがオンラインや徴募員を使って勧誘や宣伝活動を拡大し、勢力を伸ばしていることを示す痕跡がこのところ増えている。当初のカリフ国家を維持する軍事や経済コストが明らかになったからだろう」とイスラム武装組織を監視する米当局者は語った。
このISの新しい外観は、領土保有より大規模攻撃に主に重点を置いていた国際テロ組織アルカイダに酷似してきていると、一部のアナリストは指摘する。
カリフ国家を建設して維持することは、ISが当初考えていたよりも金がかかり面倒なことだったのだろう、と米当局者は推測する。
米当局者は、最近発生した4つの攻撃とISとの関連性を現在も分析している。それは6月28日に45人が殺害されたイスタンブール空港での爆破攻撃、20人が犠牲となった1日のバングラデシュ首都ダッカのカフェ銃撃、2日に少なくとも175人が死亡したバグダッド中心部での自爆攻撃、そして米外交官やシーア派信徒らを標的にしたサウジアラビアの聖地メディアでの爆破攻撃だ。
これらの事件はイスラム教のラマダン(断食月)期間中に起こった。ラマダンは「イード・アル・フィトル」の祭りとともに終了する。
米当局者は、トルコとイラク、サウジアラビアにおける攻撃がISと直接的な関連があるようだと話す。ただ、バングラデシュの事件については、ISに刺激された可能性があるものの、地元に根ざしている可能性があると述べた。
米当局が傍受したISの交信記録には、攻撃の標的として、スンニ派イスラム教徒が多い地区での非イスラム教徒やシーア派教徒の集会場、さらに政府施設が含まれていることが多い、と別の米当局者は指摘する。「単に刺激を受けて起こったものと、明白な指示によって発生したものとのあいだに、かなりの量の攻撃が分類される」と述べ、「それらは暗示と呼べよう」と話した。
テロ対策の専門家は、民間人を襲う攻撃を防ぐような万全の解決策はないと指摘する。こうした攻撃は世界中に広がり、手法も単独の自爆攻撃から、大規模なトラック爆弾攻撃、人質事件に至るまで多岐にわたっている。
「われわれの課題は、実行や構想がさまざまな場所で起こっていることだ」とジョージタウン大学のピラー氏は言う。密接な外交協力や情報共有、資金面での追跡が極めて重要だとピラー氏は説く。
「ISの打倒やその脅威を取り除くためには、軍事作戦が十分ではないことを、われわれは常に明確にしてきた」と米国務省のジョン・カービー報道官は5日、語った。「過激主義の根本原因に対処する総合的な取り組みこそが、持続的な敗北に追い込む方法だ」
(Warren Strobel記者, John Walcott記者、翻訳:高橋浩祐、編集:下郡美紀)
http://jp.reuters.com/article/mideast-crisis-usa-islamic-state-idJPKCN0ZO1BW?sp=true
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