http://www.asyura2.com/16/warb17/msg/581.html
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愛知県小牧市の航空自衛隊小牧基地を離陸する「X−2(心神)」=22日午前8時47分 :産経新聞
国産初“ステルス実証機” 「X−2」が初飛行(2016/04/22 09:10)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000073215.html
初の国産ステルス実証機「X−2」が22日朝、愛知県営名古屋空港を離陸しました。
国産初のステルス機は防衛省が将来の戦闘機の開発に向けて研究を行ってきました。敵のレーダーに探知されにくいステルス性と高い運動性が特徴です。防衛省の委託により、愛知県で三菱重工などが製造しました。機体の調整や部品の交換などで当初の予定より初飛行が遅れていましたが、22日朝、県営名古屋空港から航空自衛隊岐阜基地まで初飛行を行いました。
国産ステルス実証機X-2 初飛行成功
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160422/k10010493491000.html?utm_int=news_contents_news-movie_002&movie=true
防衛省が開発を進める国産のステルス実証機X2が、愛知県の県営名古屋空港を離陸し、初飛行を開始しました。
X2は、防衛省が、ステルス機の技術的な課題を検証するため7年前から、394億円をかけて開発を進めてきました。
これまで地上での走行試験を繰り返してきましたが、初飛行のため、22日午前9時前、愛知県の県営名古屋空港を離陸しました。
X2は、機体もエンジンも国内メーカーが手がける国産機で、翼や胴体の形を工夫して電波の反射を抑え、レーダーに探知されにくいよう設計されているほか、エンジンからの噴射の向きを変えることでより機動的な飛行を可能にする新たな技術が採用されています。
X2は、このあと、岐阜県などの山間部上空にある自衛隊の訓練空域を飛行し、およそ30分後、航空自衛隊岐阜基地に着陸することになっています。
自衛隊向けの国産機の初飛行は、平成22年のC2輸送機以来6年ぶりです。また、戦闘機の開発を目的とした小型ジェット機の初飛行は、平成7年のF2戦闘機以来21年ぶりです。
ステルス機を巡っては、アメリカが、F22戦闘機を実戦配備しているほか、ロシアや中国が、次世代の戦闘機として開発に力を入れています。
国産ステルス実証機 X2が初飛行 無事着陸
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160422/k10010493501000.html
4月22日 10時30分 NHK
防衛省が開発を進める国産のステルス実証機X2が、22日午前、愛知県の県営名古屋空港から航空自衛隊岐阜基地まで初飛行し、無事、着陸しました。
X2は、防衛省がステルス機の技術的な課題を検証するため7年前から394億円をかけて開発を進めてきました。これまで地上での走行試験を繰り返してきましたが、初飛行のため、22日午前9時前、愛知県の県営名古屋空港を離陸しました。
X2は、機体もエンジンも国内メーカーが手がける国産機で、翼や胴体の形を工夫して電波の反射を抑え、レーダーに探知されにくいよう設計されているほか、エンジンからの噴射の向きを変えることでより機動的な飛行を可能にする新たな技術が採用されています。
X2は、岐阜県などの山間部上空にある自衛隊の訓練空域を飛行したあと、およそ20分後、航空自衛隊岐阜基地に無事、着陸しました。
自衛隊向けの国産機の初飛行は、平成22年のC2輸送機以来6年ぶりです。また、戦闘機の開発を目的とした小型ジェット機の初飛行は、平成7年のF2戦闘機以来21年ぶりです。ステルス機を巡っては、アメリカが、F22戦闘機を実戦配備しているほか、ロシアや中国が、次世代の戦闘機として開発に力を入れています。
ステルス機 各国が開発に力
ステルス機は、次世代の技術としてアメリカや中国など各国が開発に力を入れていますが、機体の形状や最先端の素材の導入など、技術的に高いハードルがあると指摘されています。
ステルス機は、レーダーに探知されないよう翼や胴体、それにエンジンの空気取り入れ口などの形を工夫した機体で、アメリカ軍が1980年代、F117戦闘機として世界で初めて実戦配備しました。アメリカ軍は、その後、ステルス爆撃機B2に続き、2005年にステルス戦闘機F22を実戦配備しました。F22は高いステルス性に加え、エンジンからの噴射の向きを変えることでより機動的な飛行を可能にしているのが特徴です。
次世代の技術とされるステルス機の開発には、ロシアや中国など各国も力を入れていて、このうち中国は2014年、高いステルス性があるとされる新しい戦闘機「殲31」を初めて一般に公開しています。一方で、機体の形状や最先端の素材の導入など、ステルス機の開発には、技術的に高いハードルがあると指摘されています。
ステルス実証機とは
防衛省のステルス実証機は、アメリカなど各国がステルス戦闘機の開発に力を入れるなか、防衛省が7年前から開発を進めてきた国産機です。
ステルス戦闘機は、レーダーに探知されないよう機体の形を工夫するなどした次世代の戦闘機で、アメリカがF22を実戦配備しているほかロシアや中国も開発に力を入れています。
このため、防衛省は394億円をかけて、ステルス機の技術的な課題を検証する実証機の開発を進めてきました。機体は主に三菱重工業、エンジンは主に大手機械メーカーのIHIと、ともに国内メーカーが手がけています。
全長およそ14メートル、翼の端から端までがおよそ9メートルあり、ブルーインパルスで使用されているT4練習機とほぼ同じ大きさです。機体の形を工夫して電波の反射を抑え、レーダーに探知されにくいよう設計されているほか、エンジンからの噴射の向きを変えることでより機動的な飛行を可能にする新たな技術が採用されています。
初飛行は当初、去年3月までに行う計画でしたが、開発に時間がかかり、およそ1年遅れての初飛行となりました。
【日本版ステルス機初飛行】大空に舞った「平成の零戦」 米軍「F−35」を凌駕する「心神」 「軍事情勢」野口裕之記者レポート
http://www.sankei.com/politics/news/160422/plt1604220011-n1.html
2016.4.22 09:03 産経新聞
驚くほど細身で、しなやかささえ漂う「白地に赤く」彩られた機体は、前脚が滑走路から離れるや、グイと大空を見上げた。「空の青」に鮮やかに溶け込み始めた、操縦席直下に映える「日の丸の赤」に感動したのも瞬く間、頼もしい爆音とともに、かなたへと消えていった。国産初となるステルス戦闘機開発に向けた《心神》は22日、初陣を飾ったが、眼下に広がる濃尾平野が「若武者」の門出を祝った。心神は、防衛省の発注で三菱重工業などが製造する《先進技術実証機》の愛称であるが、誰が付けたか分からぬものの、富士山の別称とは心憎い。航空自衛隊・小牧基地(愛知県小牧市)を飛び立った心神は30分後、空自・岐阜基地(岐阜県各務原市)に着陸を果たしたが、国戦闘機開発の再生は緒に就いたばかり。わが国を取り巻くキナ臭い情勢を観察すれば、かつてわが国が掲げたスローガン《翼強ければ国強し》を、再び強力に実行する時代を迎えた。
■日本航空史の屈辱「大学の応用力学科」
心神が、零戦と縁(えにし)が深い三菱重工業の愛知県内の工場で生まれたためかもしれぬ。心神の晴れがましい姿が見えなくなると、水を差す言葉が頭をよぎった。
《応用力学科》
大東亜戦争後、大日本帝國陸海軍の傑作機復活を恐れる連合国軍総司令部(GHQ)は日本の航空機産業をズタズタにした。《航空禁止令》により、航空機の研究開発はメーカー各社も大学も全面的に禁じられた。大学では《航空工学科》の看板が下ろされ、《応用力学科》などと名称変更を強いられた。世界に冠たる名機製造に参画した技術を泣く泣く封印し、鍋・釜の製造で糊口をしのいだメーカーもあったやに聞く。昭和27年の《サンフランシスコ講和条約》発効で主権を回復し、航空禁止令は解かれたが、時既に遅し。世界はジェット戦闘機の開発競争時代に突入していた。
■ジェット戦闘機開発封印で海外メーカーの「下請け」
この遅れは痛く、技術大国でありながら長きにわたり海外メーカーの「下請け的」存在に甘んじてきた。
心神こそ、わが国の航空機産業を蘇生・復活させる先駆けと成るのである。心神が一身に背負う「重み」は戦略レベルと言い切って差し支えない。
心神の背負う「重み」
中谷元・防衛相は2月24日、愛知県小牧市の航空自衛隊小牧基地で実施された心神の地上滑走試験を視察したが、心神の背負う「重み」をよく理解している。中谷氏は強調した−
「(開発が)順調に進展していることを確認した」
「将来のわが国の戦闘機開発や航空機産業全体の技術革新、他分野への応用に大変期待が持てる」
中谷氏が「順調な進展」に言及した背景には、平成7年の研究開始以来、技術的にほぼ未開の、しかも高度な分野に踏み込み、克服しつつある安堵感が横たわる。何しろ、米軍のF−35といった《第5世代》戦闘機の上をうかがう、将来の《第6世代》戦闘機開発に備えた開発・製造なのだ。30万点もの部品を組み合わせ、国産化率9割超の軍用機を造り上げた技術陣や参加企業220社は褒められてよい。
■エンジン開発にも成功
特徴の第一は、炭素繊維を駆使し、形状を“彫刻し”た、敵レーダーに探知されず敵を捕捉するステルス性で、国産成功例は米露中3カ国のみ。繊維の他▽耐熱素材▽電子機器▽小型燃料装置…、わが国の得意技術を活かした点も特筆される。強い向かい風を受けても失速せず、旋回半径の著しい短縮を可能にしたエンジンの開発も、担当のIHIが成功した。結果、軽量化を図り高い運動性を実現する。
2つ目の「重み」は、中谷氏の言葉にもあるが、将来の戦闘機開発や航空機産業全体の技術革新に資する展望だ。
平成22年3月に国内企業群が試作を始めた心神は2月以降、9回の地上滑走実験を重ねた。そして迎えた今次初飛行は、防衛装備庁引渡し前の最終段階にして、最大の難関であった。
■「失敗は成功のもと」
あと1回有視界飛行を試し、引き渡されても、研究中だった最新技術を追加→試験飛行を反復→問題点をあぶり出し→分析→改善を施し→対応技術を付加→再び飛行する。回転を止めず進化を求め続ける、以上の過程の繰り返しを軍事の要諦《スパイラル・セオリー》と呼ぶ。
実動・実戦で使う兵器の不具合は「自衛官の死」を意味する。従って、セオリー途中での不具合や問題点は貴重な発展的改善材料で、次の次の戦闘機開発にも性能アップした上で導入される。実動・実戦で失敗をしなければそれでよく、兵器の分野ではまさに「失敗は成功のもと」なのだ。 加えて「学び取った技術・ノウハウは、許される範囲で最大限民間にも伝授できる」(三菱重工業の浜田充・技師長)。
■絶大な経済効果
経済効果も絶大だ。武器輸出3原則緩和や防衛装備庁設立と相まって、期待は否が応でも高まる。心神には220社が関わったが、戦闘機量産ともなれば、直接従事する企業(孫請け、ひ孫請け…を含む)ばかりか、工場建屋建設はじめ、工場の社員食堂に食品や白衣を納入する業者まで、さらに企業数が増える。小欄の認識で、広義の「防衛産業」とは関連業者も入り、兵器によっては総計数千社が恩恵を受ける。
開発資金の不足以外、良いことづくしだ。
■F−2戦闘機の後継機は国産か共同開発か?
ところで、平成30年度までに空自のF−2戦闘機の後継機の取得方式を決定する方針が決まっている。その際、後継機を《国産》にするか《共同開発》にするかが注目されているが、大事な視点が抜けている。心神が授けてくれる数々の技術の完成度が、将来型戦闘機の生産・開発形態を決めるからだ。
関係者は「未定でよい」と言い切る。国産戦闘機製造への総合力を持てば、外国が注目し擦り寄ってくる。逆説的に言えば、国産戦闘機製造への総合力を持たぬと軍需大国に相手にされず、共同開発には参画できない。この関係者は「国産戦闘機の製造段階に昇った時点で、防衛技術基盤の発展や費用対効果、企業収益など国益を冷静に勘案し、国産か共同開発かを判断すればよい」と、まずは「国産力」蓄積を目指す方向が基本と考えている。
仮に国産にすれば開発費は5000億〜1兆円超。一方で防衛省は、最低でも4兆円の新規事業誕生+8.3億円の経済波及効果+24万人の雇用創出を試算する。
他方、共同開発であれば費用・技術上のリスクを、同盟・友好国とシェアできる。
国産・共同開発いずれにしても、海外に売り込むスキームは早期に構築しなければならない。
■ヒト・モノ・カネ流失防止の法的スキーム
スキームといえばもう一つ必要だ。前述した武器輸出3原則緩和や防衛装備庁設立による「副作用」対策。3原則に縛られ兵器貿易と貿易管理面で「鎖国」状態だったぬるま湯時代とは違い、「開国」し、日本政府が外国との輸出入に乗り出した現在では不可欠となった、人材(ヒト)・技術(モノ)・利益(カネ)の流失を防ぐ法的管理スキームがないのだ。別の関係者は日本メーカーの具体名を挙げ(仮にA社)、「A社と提携関係を切って、ウチに来ないか?と、外国企業に手を突っ込まれる日本企業は次第に増えている」と証言。「開国」がもたらした現状を「舌なめずりするオオカミがうろつく荒野で、ヒツジが閉じ籠もっていたオリの扉が開いた」と表現した。
■国家守護の礎
空自出身の宇都隆史・参院議員は「戦闘機開発は国家の体制を守る礎の一つになる。礎の構築は、わが国が独自の技術力をしっかりと確保して、初めて達成する」と、小欄に期待を語った。心神は上空で、国花・桜が散った《小牧山》を愛でたであろう。織田信長が450年ほど前、天下統一の夢を描き、自ら築いた最初の城が《小牧山城》とも伝えられる。
「国家の体制を守る礎」と成る心神の、門出にふさわしい風景ではないか。 (野口裕之)
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