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人類は民主的な社会へ向かって進むという「予定説」を信じることの危険性(4)/トルコの暴走
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201602280003/
2016.02.28 20:38:19 櫻井ジャーナル
昨年11月24日にトルコ軍のF-16はロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜した。トルコ政府はロシア軍機が領空侵犯したと主張している。5分間に緊急チャンネルで10回にわたって警告したが、ロシア軍機は1.88キロメートルの距離を17秒にわたって飛行したので撃ち落としたとしている。
トルコ政府の主張が正しいなら、Su-24は時速398キロメートルで飛行していたことになるのだが、これは非現実的。この爆撃機の高空における最高速度は時速1654キロメートルだ。もし最高速度に近いスピードで飛んでいたなら、4秒ほどで通り過ぎてしまう。Su-24がシリア領内で撃墜されたことは間違いなく、トルコ側の主張に説得力はない。撃墜計画が杜撰だとも言えるだろう。
ロシア側の説明(アメリカやトルコから否定されていない)によると、トルコ軍のF-16は午前8時40分に離陸、9時08分から10時29分まで高度4200メートルで飛行して午前11時に基地へ戻っているのに対し、ロシア軍のSu-24が離陸したのは1時間後の午前9時40分。午前9時51分から10時11分まで高度5650メートルで飛行、16分に目標を空爆、24分に撃墜されている。領空侵犯に対するスクランブルではなかった。
しかも、事前にロシア軍はアメリカ/NATO軍へ攻撃に関する詳しい情報を提供、ロシア軍機がどのようなルートを飛行するかを伝えていた。それだけでなく、その当時、中東地域を2機のAWACS(空中早期警戒システム)機が飛行中だった。ギリシャの基地を拠点とするNATOのものと、サウジアラビアのものだ。トルコ側はロシア軍機だということを承知で攻撃、その様子をアメリカ軍は見ていたはずで、トルコ政府はアメリカ政府の命令、あるいは承認のもとで攻撃したと考える人が少なくない。
撃墜の理由として可能性が高いのは、ロシアを脅してシリア北部からロシア軍機を追い払おうとしたということ。トルコはNATO加盟国であり、トルコと軍事衝突してNATOとの戦闘になることをロシア軍は恐れると考えたのではないかと推測する人もいる。
しかし、そうした展開にはならなかった。トルコ軍機に反撃しなかったが、即座にミサイル巡洋艦のモスクワをシリアの海岸線近くへ移動させて防空体制を強化、さらに最新の防空システムであるS-400を配備し、戦闘機を増派してシリア北部の制空権を握ったのである。それ以降、シリアの領空を侵犯したら撃墜するという意思表示だ。さらに、対戦車ミサイルTOWに対抗できるロシア製のT-90戦車も増やした。
その後、トルコはサウジアラビアと連合してシリアへ軍事侵攻する姿勢を見せているものの、NATOはロシアとの戦争に消極的。NATOの威を借りてシリアを乗っ取ろうとしたトルコとサウジアラビアの思惑は外れた。この2カ国だけでなく、アメリカ、イギリス、フランス、イスラエルといった国々も自分たちの力を過信、ロシアの意思や能力に対する判断を間違ったということだ。そうした間違いを修正しようとしている勢力もあるようだが、あくまでも「予定」を実現しようとしている勢力も存在している。歴史を振り返ると日本の支配層は軌道修正が苦手だが、間違った道を突き進めば、その先には破滅がまっている。
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