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人類は民主的な社会へ向かって進むという「予定説」を信じることの危険性(3)/ダーイッシュ
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2016.02.28 20:40:31 櫻井ジャーナル
リビアのアメリカ領事館が襲撃された2012年にアメリカなど侵略勢力はシリアへ送り込んで政府軍と戦わせるメンバーをヨルダンの北部に設置された秘密基地でもアメリカの情報機関や特殊部隊が戦闘員を軍事訓練しはじめたと伝えられている。その中にはダーイッシュの主要メンバーになる数十人を含まれていたという。トルコのインシルリク空軍基地では2011年春から訓練が実施されていたが、それでは不十分になったのだろう。
2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧しているが、そうした動きをアメリカ軍は偵察衛星、偵察機、通信傍受、地上の情報網などでつかんでいたはず。その際にダーイッシュはトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレードしているが、アメリカ軍は何もしていない。モスル制圧の際、イラク軍は戦うことなく武器弾薬を置いたまま撤退、ダーイッシュの武装を充実させることになったともいう。
この年の8月にダーイッシュは拘束していたジェームズ・フォーリーの首を切り落としたと宣伝、映像を公開するのだが、首の前で6回ほどナイフは動いているものの、実際に切っていないうえ、血が噴き出していない。少なくともカメラの前で彼は殺されていない可能性が高い。
こうした場面を公表したのは、アメリカによるシリアに対する空爆を正当化することにあるのではないかという声もあった。実際、9月23日に空爆を始めたが、当日、現地で取材していたCNNのアーワ・デイモンは翌日朝の放送で、ダーイッシュの戦闘員は空爆の前に極秘情報を入手し、攻撃の15から20日前に戦闘員は避難して住民の中に紛れ込んでいたと伝えていた。その後もアメリカが主導する連合軍はダーイッシュに対する攻撃を続けたことになっているが、実際には攻撃せず、「誤投下」で武器/兵器を含む物資を供給している。
アメリカが主導する連合軍はダーイッシュなどが資金源にしている盗掘石油の関連施設や燃料輸送車も攻撃しなかった。石油密輸で中心的な役割を演じてきたひとりがビラル・エルドアン、つまりレジェップ・タイイップ・エルドアン・トルコ大統領の息子だ。ビラルが所有するBMZ社が盗掘石油を輸送している。ビラルは現在、イタリア当局からマネー・ロンダリングで捜査の対象になっている。
盗掘された石油はレバノンのベイルートやトルコ南部のジェイハンへ運ばれ、そこにある秘密の埠頭からタンカーでイスラエルへ輸送し、そこで偽造書類を受け取ってEUで売りさばくという。
盗掘石油の販売などビジネス全体の黒幕と言われているジェネル・エネルギー社はロンドンを中心とするタックス・ヘイブン網の一角を占めるジャージー島に登記されている。投資会社のジェネル・エネルジ・インターナショナルがバラレスに買収されたのだが、この投資会社を創設したのはアンソニー・ヘイワード(元BP重役)、金融資本の世界に君臨しているナサニエル・ロスチャイルド、その従兄弟にあたるトーマス・ダニエル、そして投資銀行家のジュリアン・メセレル。
ちなみに、ナサニエル・ロスチャイルドの父親、ジェイコブ・ロスチャイルドが戦略顧問として名を連ねているジェニー社は、イスラエルが不法占拠しているゴラン高原で石油開発を目論んでいる。ジェイコブと同じように顧問を務めている人物にはリチャード・チェイニー、ジェームズ・ウールジー、ウィリアム・リチャードソン、ルパート・マードック、ラリー・サマーズ、マイケル・ステインハートなどがいる。
こうした盗掘石油の生産設備や燃料輸送車をロシア軍は空爆、エルドアン親子は窮地に陥った。これまでアメリカが石油の密輸を放置してきたことに関し、CIAのマイケル・モレル元副長官は副次的被害のほか、環境破壊を防ぐためだと主張して失笑を買った。
ロシア軍の攻撃が効果的だと言われ始めると、アメリカ軍も燃料輸送車を攻撃するが、盗掘した石油の輸送に携わっている「善良なドライバー」を殺さないため、攻撃を開始する約45分前に空爆の実施を知らせ、トラックから速やかに離れるように警告するパンフレットをまいたという。アメリカの有力メディアはロシア軍が公表した石油関連施設の破壊や燃料輸送車への攻撃を撮影した映像をアメリカ軍によるものとして公表していた。
シリア北部におけるロシア軍の空爆は侵略勢力にとって大きなダメージになった。内部告発支援グループのWikiLeaksは、エルドアン大統領が10月10日にロシア軍機の撃墜を計画したと主張している。その後、11月17日にはロシアの旅客機がシナイ半島で撃墜され、11月24日にロシア軍のSu-24をトルコ軍のF-16が待ち伏せ攻撃で撃ち落とした。11月24日から25日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問、トルコ軍の幹部と討議したとも言われている。(つづく)
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