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紛争大歓迎 “戦争屋”安倍政権「死の商人」利権の腐臭
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/197316
2017年1月11日 日刊ゲンダイ 文字お越し
悪魔の成長戦略に乗り出した(C)AP
「戦争の惨禍は、二度と繰り返してはならない」。昨年12月27日。米ハワイ・真珠湾の追悼施設「アリゾナ記念館」をオバマ大統領と一緒に訪れ、世界に向かって「不戦」と「平和国家」を誓った安倍首相。このメッセージが本当であれば、日本の軍事費は大幅に縮小されてしかるべきだが、2017年度の政府予算案をみると、そんな気配はカケラも感じられない。
社会保障費を1400億円も減額する代わりに、オスプレイ4機(391億円)、無人偵察機グローバルホーク1機(168億円)、F35戦闘機6機(880億円)――など米国製の高額兵器をバンバン購入。軍事予算は削減どころか、5年連続の増加で、過去最大の5.1兆円を計上した。
稲田防衛相は12〜13日にグアムのアンダーセン空軍基地を訪問し、米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD」(高高度防衛ミサイル)を視察する予定で、16年度第3次補正予算案には「ミサイル防衛体制の強化」として1706億円が盛り込まれた。恐らく視察の目的は将来、THAADを導入するためで、仮に配備されれば1兆円規模のカネが必要になるだろう。要するに「不戦の誓い」なんて口先だけで、ひたすら軍拡推進に突き進んでいるのが安倍政権なのだ。
■政財界挙げて「死の商人」に
とりわけ今、血道を上げているのが「武器輸出」だ。安倍政権は2014年、外国への防衛装備品の提供を禁じた「武器輸出三原則」を大転換し、「日本の安全保障や国際協力に資する場合」について輸出を認める「防衛装備移転三原則」(新三原則)へと舵を切った。
「日本の安全保障に資する場合」と言うと聞こえはいいが、政府が国内軍需産業の武器輸出を全面的に後押しする――ということ。この動きに大喜びしたのが財界で、経団連は15年、防衛装備品の輸出について「国家戦略として推進すべき」と提言。昨年11月に経産省で開かれた米国防総省による日本企業向けの「軍装備採用に関する説明会」には約60社の参加があったという。
そうしたら、日経新聞は今月3日付で、川崎重工業が製造の中心を担っている自衛隊の「P1哨戒機」と「C2輸送機」について、日本、ニュージーランド両政府が輸出交渉に入った、と報じた。7日付の紙面でも、日本、フランス両政府が機雷探知機能を備えた水中無人機などの防衛装備品の共同開発に着手した、と報じていて、今や政財界が二人三脚で、大ハシャギで取り組んでいるのが「死の商人」ビジネスなのだ。
武器輸出を拡大(C)AP
民間技術を「人殺し」の兵器開発に
17年度予算案で、もうひとつ見逃せないのが、大学や公的研究機関に軍事技術の研究を委託する「安全保障技術研究推進制度」に110億円も計上されたことだ。安倍政権は13年12月に「防衛計画の大綱」を閣議決定。その中で〈大学や研究機関との連携の充実により、防衛にも応用可能な民生技術(デュアルユース技術)の積極的な活用に努める〉との一文を盛り込んだ。
これを受け、自民党は昨年5月に「防衛装備・技術政策に関する提言」をまとめ、「軍学共同」のための予算増額を要求していたワケだが、いくら何でも前年度予算(6億円)の18倍は異常だろう。「デュアルユース技術」なんて横文字でゴマカしているが、「民間技術を人殺しの兵器開発にも利用する」という“本質”は変わらない。日本学術会議が1950年、67年の2度にわたって公表した「軍事目的のための科学研究を行わない」という声明に反するのは明らかだ。一体、なぜ安倍政権はこんなに「武器輸出」にシャカリキなのか。
市民団体「武器輸出反対ネットワーク」の杉原浩司代表はこう言う。
「安倍政権は新三原則へと大転換したものの、これまでは目立った“成果”を挙げられていません。武器輸出は政権のメンツをかけて取り組んでいるのでしょう。そのために軍事費を拡充し、軍学共同研究を行い、さらに軍産複合体づくりを進めるつもりだと思います。防衛省が昨年8月に公表した今後の技術開発の重点分野では、米軍と同じようにAI(人工知能)やロボットの活用まで踏み込んでいる。これは日本が米国と武器開発でも協力し、戦う方針を示しているのではないか。『死の商人国家』の入り口に立っていることを危惧しています」
■武器輸出の狙いは「アベノミクスの失敗隠し」と「利権」だ
安倍政権がなりふり構わず「武器商人」と化す理由は2つある。ひとつは経済政策「アベノミクス」の大失敗だ。安倍は年頭会見で「アベノミクスをふかす」とか言っていたが、昨年11月の消費支出(2人以上世帯)は前年同月比1.5%マイナスで、15カ月連続の減少。消費者物価(生鮮食品を除く)も9カ月連続の減少で、実質賃金も前年同月比0・2%のダウンだ。
「ふかす」も何も、とっくにタマ切れで、頼みの「成長戦略」に掲げていた「TPP」だって、トランプ政権の誕生で絶望的だ。で、武器輸出を国家戦略に――と訴える財界とタッグを組んだわけだが、行き着く先は「戦争」であり、“悪魔の成長戦略”と言っていい。
■防衛相の親族が軍需産業株を大量保有
もうひとつの理由は「利権」だ。毎日新聞は8日付で、防衛装備品メーカーなどが加盟する「日本防衛装備工業会」(JADI)の会員31社が15年、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に計約3.9億円を献金していたと報じた。JADI会員が委員に名を連ねる経団連防衛生産委員会(現防衛産業委員会)は14年2月、「武器輸出三原則」の見直しを自民党に提言している。軍事費の大盤振る舞いと、武器輸出「解禁」の“お礼”に大口献金――。こんなドス黒い関係がプンプン伝わってくるではないか。
さらに言えば、防衛省トップの稲田自身も“怪しい”。昨年9月の閣僚の資産公開で、稲田は防衛装備品を受注する軍需企業5社の株を夫名義で保有していたことが発覚。三菱重工業(3000株)、川崎重工業(6000株)、三菱電機(2000株)、IHI(8000株)、日立製作所(3000株)の計2万2000株で、いずれも防衛装備庁の企業別契約金額で上位に入る会社だ。
稲田はメディアなどでしょっちゅう、中国や北朝鮮の脅威をあおっているが、騒げば騒ぐほど軍事費は拡充され、結果的に「大株主」である身内のフトコロが儲かるわけで、“事実上のインサイダー”と批判されても仕方がないだろう。
「先の大戦の反省から、政財界は武器輸出につながる技術開発に対して慎重姿勢を貫いてきました。しかし、今の状況は全く違う。憲法を改正して戦争したい安倍政権と露骨な利益誘導を図る財界が手を組んでメチャクチャをやろうとしているのです。真珠湾から戻ってすぐに靖国神社に直行した稲田大臣も『不戦の誓い』など本気で考えていない。安倍首相と一緒に東アジアの緊張をつくり出し、戦争国家にまっしぐら。一部の軍需産業と自分たちが儲かれば、世界中に武器をばらまいても構わないと思っているのでしょう。恐ろしい時代です」(政治評論家の本澤二郎氏)
日本が「人殺し」の武器輸出に本格参入したら、二度と「平和国家」を名乗れない。さらに「利益」と「利権」を求めて戦争を「歓迎」し、「欲する国」へと様変わりすることになるだろう。これが安倍が目指す「積極的平和主義」の正体なのである。
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