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安倍政権の罪状こそ「軽い話でない」−(植草一秀氏)
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21st Dec 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
「そんなに軽い話でない」
凄みを利かせた言葉だ。
翁長雄志沖縄県知事は、北部訓練場の返還記念式典に出ずに、
「オスプレイ墜落抗議緊急県民集会」に出席する。
北部訓練場の返還について
「歓迎する」
と発言した翁長氏。
しかし、支持者から疑問の声が上がって、この発言を「不適切だった」として撤回した。
その上で、北部訓練場返還式典に欠席することを通告した。
これに対して、菅義偉官房長官が、
「『歓迎する』と言っていたではないか。そんな軽い話ではない」
と述べた。
しかし、
オスプレイが墜落したのに、原因も究明せずに、
オスプレイの飛行再開を認めている日本政府の行動こそ、「軽い話でない」
日本領土で米軍機が墜落したのである。
日本政府が現場検証し、大破した機体の残骸を収集し、事故原因を究明するべきことは当然である。
ところが、日本政府は米国と
「地位協定」
を締結していて、墜落現場に立ち入ることすらできない。
日本であるのに、米軍が現場を占拠し、墜落した機体を収集し、現場検証も、事故原因の究明もできないのだ。
日本政府は現場に入り、墜落機体を収集し、事故原因を究明するべきである。
米国が命令したら、現場への立ち入りを自粛し、大破した機体を収集せず、事故原因を究明せず、
事故発生の当事者の責任も問わず、
オスプレイの飛行再開を認めるのか。
まったく独立国と言えない対応を示している。
翁長知事は
2014年知事選公約を守るために
「あらゆる手法を駆使」
しなければならない。
北部訓練場の返還を「歓迎する」などと安易に発言してはいけないのだ。
私も声高に訴えているが、こうした声が翁長知事の耳に入らぬわけがない。
翁長知事は記念式典に出席せず、オスプレイ墜落抗議集会に出席することになった。
米国やオーストラリアなど海外の識者や市民運動家22人は12月17日、北部訓練場返還式典について、
「祝うことなどない」
共同声明を出したのはオーストラリア国立大のガバン・マコーマック名誉教授、
国際平和ビューロー副会長のジョセフ・ガーソン氏、元米陸軍大佐で外交官も務めたアン・ライト氏ら。
声明は日米両政府によるヘリパッド建設強行を批判し、市民らによる反対運動を支持することを表明。
オスプレイ墜落事故で「沖縄の人々は危険性への恐怖感を新たにしている」とも指摘している。
声明は翁長雄志知事が東村の高江ヘリパッド新設を阻止するために効果的な行動を起こさなかったことも
批判している。
私が訴えてきたことと海外の識者声明は軌を一にしている。
北部訓練場の約半分が返還されるが、返還される部分は、
もともと米軍が使用していなかった部分であり、
この返還の見返りに、従来の訓練場の外にある地域にヘリパッドを6箇所も新設させ、
ここにオスプレイを運用することが予定されている。
ヘリパッドでのオスプレイ運用は、辺野古米軍進基地と一体で運用されることになり、負担の強化でしかない。
欠陥軍用機オスプレイが沖縄で縦横無尽に運用されれば、
沖縄県民に重大な被害がもたらされることは間違いないだろう。
「未必の故意による殺人」
に安倍政権は全面加担しているのである。
「オール沖縄」は兜の緒を締め直し、
「高江ヘリパッド阻止」
「辺野古米軍基地建設阻止」
「オスプレイ飛行阻止」
に向けて、
「あらゆる手法を駆使して行動」
しなければならない。
翁長知事は、直ちに「埋立承認の撤回」に進むべきである。
「埋立承認の取消」
では、
「埋立承認」に法的瑕疵があったのかどうかが争点になる。
しかし、
「埋立承認の撤回」
は、2014年11月の知事選で、辺野古基地問題が選挙争点とされ、その選挙で
「辺野古に基地を造らせない」
ことを最大の公約として明示した翁長雄志氏が当選したことから、
前知事が出した「埋立承認」を、新知事が、新たな状況を背景に、
「撤回」
するものであり、地方自治の本旨に照らして、これを違法とすることは容易でない。
裁判所は
「法の番人」
ではなく
「行政権力の番人」
あるいは、
「行政権力の僕(しもべ)」
であるから、
「埋立承認の撤回を違法とする国の訴えによる裁判」
においても、歪んだ審理、歪んだ判断を示す可能性はある。
しかし、よほどの無理を押し通さない限り、
選挙で示された民意に基いて知事が行う「埋立承認の撤回」を違法とすることは難しい。
したがって、翁長知事は、直ちに「埋立承認の撤回」に進むべきである。
この主張が耳に届いたのかどうか。
翁長氏は
「埋立承認撤回も視野に入れる」
と言い始めた。
「視野に入れる」
のではなく、
「実行する」
ことが必要だから、まだ煮え切ってはいないが、
沖縄県民との約束=契約を、そう簡単には反故にできないはずだ。
そちらに転べば、三反園鹿児島県知事になってしまう。
そして、高江ヘリパッド運用を阻止することに全精力を注ぐべきである。
翁長氏は高江ヘリパッドでのオスプレイ運用に反対することを公約で明示している。
北部訓練場が返還されても、高江ヘリパッドにオスプレイが運用されるなら、
沖縄県民の恐怖は拡大し、精神的、肉体的負担は格段に増大してしまう。
このことの方が、はるかに
「軽い話ではない」
はずだ。
最高裁が埋立承認の取消を違法と判断し、
高江ヘリパッド建設を既成事実化し、
辺野古米軍基地建設を加速する。
安倍政権は米国の命令に服従して行動している。
オスプレイが墜落したのに抗議もしない。
現場検証もしない。
墜落、大破した機体を調べることもしない。
何もしないで、オスプレイ飛行再開を容認している。
こちらの行動の方が、はるかに
「軽い話でない」
高江、辺野古で基地建設反対運動のリーダーである沖縄平和運動センター議長の山城博治氏が
3度も逮捕され、3度目の逮捕の10月17日から、不当な長期勾留が続いている。
接見も禁止されている。
墜落事故を引き起こした米軍機は調べようともせずに、直ちに再飛行を容認して、
基本的人権を守るために戦う市民を弾圧する。
これが安倍政権の実相である。
だから、私たちは、日本の警察・検察行政、裁判所を
相対化して見る
必要がある。
暗黒国家の警察、検察から弾圧を受けても、
弾圧を受けた者は「悪者」ではない。
暗黒国家の裁判所から有罪判決を受けても、
有罪判決を受けた者は「悪者」ではない。
こうした判断が重要なのだ。
権力の行為を
絶対視しない。
相対化して見るのだ。
より正確に言えば、弾圧国家から弾圧される者は、
基本的に正義の味方である。
正義の味方であるから、
弾圧されるのである。
ここまで、進化した見方をできるようにならないといけない。
正義の行動を貫くから
弾圧
されるのである。
これが本質である。
その弾圧される者を市民が守り、支援しなければならない。
そして、最後に
「本当の悪」を倒す。
これが「市民革命」の歴史である。
沖縄の現実を見れば、
誰が悪で
誰が正義の味方かは
鮮明である。
12月20日の最高裁不当判断を境に、沖縄での戦いは新しいステージに移行する。
安倍政権の売国政治を一瞬でも早期に除去しなければならない。
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