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2016/12/14 07:53
かつての大企業の「接待交際費天国」を髣髴とさせるような安倍氏の外交感覚だ。郷土の長門市にプーチン氏を招いて湯本温泉に入って一献交わせば交渉がスムーズにいく、と考えるのは一昔も二昔も前の話だ。
安倍氏がそうした手法でマスメディア幹部を「鮨友」にして政府広報機関として使っているのはマスメディアの連中が卑しいから出来ることであって、彼らも報道倫理に照らせば「鮨友」になるのはマスメディアを引退してからのことだと気付くはずだ。
プーチン氏もロシア大統領としての規範は心得ているはずだ。トランプ氏が次期大統領として安倍氏が携えてきた50万円のゴルフクラブを直接受け取らなかったのも、米国政治家の規範に照らせば当然のことだ。そうした感覚を安倍氏が持つのは世界の政治家として安倍氏だけが特異なプレゼント攻撃に日々悦に入っている証拠だろう。
プーチン氏は間違っても長門の湯本温泉に浸かって「領土問題」を話題に上げることはない。それは大統領としての彼の命取りになる。散々湯本温泉の景観や料理を褒めそやして「経済協力の実施してネ」と釘を刺して帰るのが関の山だろう。
実際に湯本温泉は良いところだ。音信川(おとずれがわ)が街の中心を流れ、四方を小高い山々に囲まれた風光明媚な温泉地だ。しかし昨今は寂れ気味で、温泉地きっての老舗旅館が倒産して「星野リゾート」に買収されたりしている。
かつて民主党政権下で実施された「高速千円乗り放題」の時代は他県ナンバーの乗用車の家族客で賑わったそうだ。中国縦貫道を美祢インターで降りると近場に秋芳洞などもあって、湯本温泉まで小一時間で着く。
長門市は金子みすゞの生誕の地で、彼女が店番していた「金子書店」が復元されて、金子みすゞ資料館になっている。そうした少し地味だが本当に落ち着く日本国内の観光地は全国各地にある。そこを日本国民が気軽に訪れることが出来るように「高速道路観光割引」などを考える方がIR法などを強行するよりも余程マシではないかと思う。
外国人観光客も誘致すべきとは思うが、まずは日本国民が気軽に家族連れで全国の観光地を訪れて心豊かな時間を過ごす方がよほどマシではないだろうか。そうした政策にこそ政治家は心を向けるべきだ。全国の観光地の多くは青息吐息の状態であることを忘れてはならない。
読売新聞は「首脳会談で新しい一歩」をとの大見出しを掲げているが、日本の経済支援のほかには安倍・プーチン会談で何も進展しないことは既に解っていることだ。愚かな首相を戴いて、日本は西側諸国から顰蹙を買うだけだ。
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