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2016.12.5 TPP特別委「TPPはゲームセット!完全に詰んだ!11本の関連法案はただちに廃案を」
http://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/6420
2016年12月13日 国会活動 参議院議員 山本太郎
2016.12.5 TPP特別委員会
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党の共同代表、山本太郎です。
安倍総理がTPPは米国抜きでは意味がないと御発言されたその直後、アメリカに災難をもたらし得るTPPから撤退するというトランプ氏のビデオが公開されました。まさに衝撃的なコール・アンド・レスポンス、笑えないコントを見ている気分になったTPPについて、会派を代表し、お聞きいたします。質問時間、十二分です。もう切りましたね。短めに答えていただけると助かります。
TPPはゲームセット、完全に詰んだということがはっきりしました。それでも総理はアメリカと粘り強く交渉を続けるとおっしゃる。総理は、たとえTPPが発効されなくても、TPP協定に結実した新たなルールは二十一世紀の世界のスタンダードになっていく、RCEPなどにもモデルとなる旨のそういう御発言をずっとなさっているんですよね。
じゃ、具体的にTPP協定のどの部分が新しいルール作りの基礎になるのか、その部分を具体的に教えていただけると助かります。総理、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このTPP協定については、我々が交渉に参加して四年間交渉を続けてきたわけでございますが、こうした交渉を進めていく中において、非常に言わば自由貿易協定としては進化をしたんだろうと、こう思っております。
基本的には、多くの関税が撤廃をされていく中で自由貿易を進めていくと同時に、先ほども申し上げましたが、ルールについて、しっかりとルールを定めていくということであります。
そのルールとは、例えば公正で自由な競争を担保するものであります。また、知的財産がしっかりと保護されていくということでありますし、また労働条件や環境保護に対する規制、そしてまた国有企業の競争条件等についてルールが書かれているわけでございます。それは例えば、今後、RCEP等々に発展していく上において、国有企業についてどう考えるかということについては間違いなく一定の方向を指し示すことにつながっていくんだろうと、こう思います。
我が国だけが、我が国だけが十二か国の中でこの国内手続を進めているのではなくて、むしろ進めることをやめた国は一か国もないということも申し上げておきたいと思うわけでございまして、この点が重要なことでありまして、まさに日本の動きというものを見ているということもあるわけでありますが、今ここでこの国内手続をやめてしまえば自由貿易の流れがこれは滞ってしまう、保護主義が台頭する世界に対して我々は一石を投じることができないということではないかと、こう思う次第でございます。
○山本太郎君 もう何も答えていないのに等しいんですよね。要は、関税とか保護期間がどうしたというのは、それスタンダードなルール作りとは関係ないんですよ。何なのか。そのルールを作るための交渉材料でしかないんですよ。今言われていることは、ほとんど抽象的で意味のないことをずっとおっしゃっていた。時間返してほしいぐらいです。
さあ、先に行きたいと思います。
やはり交渉に直接関わった方にお聞きするしかないと思うんですよ、どういうことなのかって。
委員長、毎度済みません。甘利前大臣をお呼びください。委員会で諮っていただけませんか。理事会で、済みません。
○委員長(林芳正君) ただいまの件につきましては、後刻理事会においてその取扱いを協議いたします。
○山本太郎君 ありがとうございます。
物すごく交渉が難航したのがTPPですよね。交渉国間のぎりぎりの交渉、調整を経て、本当に微妙なバランスで解決したと。これ、甘利さんも胸を張って説明されていました。
実際、二〇一五年の大筋合意に至る最後まで調整は難航しまくった。乳製品は、カナダ、アメリカ、ニュージーランドの間で利害が絡み、進まなかった。自動車の原産地規則については、日米の合意内容にNAFTA加盟国が反発した。バイオ製薬データ保護期間については、アメリカが求めるものが余りにも長過ぎるということで、皆さん、いろんな国々がそれじゃ調整できないという話になった。
とにかくTPPで合意されたルールというのは、いずれも交渉国間の個別の利害をある分野では押し出したり引いたりとかという、本当に微妙な奇跡的な状況で無理やり妥結したに近い形かもしれない、どの国の政府も自分の国の国益のために交渉しますから。以前、ほかの国々の間で交渉されたTPPの成果をそのまま今後ほかの国々とのルールとして合意の対象とするなんてあり得ない話なんですよ。もう精神論でしか、総理、物を語っていないですよ、それ。
今の国会が、このTPP協定について承認しますという話になったとしても、ほかの国からしたら何の意味もないことです、何の意味も持たない。世界の空気読まずに自分たちだけ、ここまで来たんだからやっちまおうぜというすごく安いメンツ、それを守ろうとしているのかなというふうにしか思えない。
アメリカの新大統領が自身の選挙公約を覆してまでTPPに御参加いただくためには、ちょっとしたゴルフクラブでは無理ですよ。日本の国益が大きく損なわれるほどのお土産をアメリカ様に差し上げない限り、TPP脱退はひっくり返りませんよ。なぜか。選挙で約束したことだから。選挙公約を日常的に破る方々には理解できないかもしれない。じゃ、TPPではなくて、新大統領がお望みになっている二国間協定だ、日米FTAだという話になれば、TPPどころじゃないですよ。えぐい食われ方をアメリカにするということが目に浮かぶ。
粘り強く交渉します、アメリカととか、新しいルールの基礎づくりになるんです、これがというのは全く現実を見ていない。いつまでお花畑でお花摘みをしているんですかと、政府に憤りを感じながらも、お聞きします。
先々の交渉で国益にかなわないものが出てきた際には、これ以上の規制緩和撤廃は行わないぞと、国益を守り切るという、そういうふうにはっきり言えますかって。言えるか言えないかでお答えください。言えるか言えないか、二択です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、二択とかそういうのには、そういうふうに答えないことにしていますが、今回は答えてもいいかなと、こう思っておりますが、しっかりと国益は守り抜いてまいります。
○山本太郎君 その言葉を信じたい、総理を信じたい、そう思うんですけど、果たしてそれができるかどうか。やっぱりいろいろ検証していかなきゃいけないなと思うんですよね。
TPP、生きた協定とよく言われます。これはどういう意味なんだろう。それを説明するためには、まず、TPP参加国が規制をどれぐらい撤廃したのか。
資料の一、関税に関する参加国の関税撤廃率。よくある表ですよね、皆さん御存じの。一番撤廃率低いのが日本ですよと分かります。これ以外の各分野にわたっても、一番緩和する余地が残された国に対して、この先、規制緩和、撤廃に向かうのが自然な流れですよね。
協定が発効された数年後、再協議することは条文上設定されている。例えば、運用、制度に関する規定は三年以内、政府調達、公共事業は三年以内、国有企業、独占企業は五年以内、自動車の貿易は五年後、関税、セーフガードは七年後、生物製剤は十年後など、要は現在規制が撤廃なされていない分野、事柄でも先々の協議によってその扉が開かれていくシステムだと。そればかりでなく、各分野に置かれた二十二の小委員会でも足りない撤廃の協議はなされることでしょう。TPPの先々の交渉事、若しくは新大統領がお望みの日米FTA、どちらにしても国益を守り抜くような交渉できるのかな、検証が必要です。
過去に遡ります。一九八〇年代から、日本の商品の競争力、世界市場を席巻。日本の輸出超過とアメリカ輸入超過が歴然とし始めた。アメリカ様はお怒りに。アメリカ製品、日本で売れない、アメリカ企業、日本に進出できない。原因は何だ。ああ、日本固有の制度だ、法律だ、規制だ、それらが障壁だということになった。八九年、日米貿易の不均衡是正を目的に日米構造協議スタート。その五年後、九四年より、アメリカ様の要望という名の命令が書かれた年次改革要望書が毎年出される。要望書とは名ばかり、事実上の命令書。
ざっくりと命令を受け入れたものを時間がないので言わせていただくと、国内の金融企業の破綻、淘汰を加速させた金融自由化。郊外型の巨大ショッピングセンターができまくった、地元商店街はシャッター通りになりました。その原因をつくったのは大店法の改定。派遣法の規制緩和で製造業への派遣を解禁、雇用は流動化。二〇〇八年には派遣労働者が二百万人突破、非正規社員は増加、格差は拡大、労働基準法の改定。公社は細分化されました、民営化されて。日本郵政公社が保有していた国債百六十六兆円、全国債発行額の三分の一が外資に流れる危険性を生み出した。これ止めたの誰でしたっけ。政権交代してよかった。郵政公社の民営化などなどなど、言い出したら切りがない。はっきりノーと言えていないじゃないかって。日本経済の弱体化に手を貸している政治ってどういうことなんだよって。
これ、外圧という名の過度な内政干渉だけじゃないですよね。国内にも、長いものに巻かれて、自分の地位を守り、私腹を肥やそうとする者たちがいる。スパイみたいな存在、永田町にも霞が関にもいるんでしょうね。痛みを伴う構造改革と称し、自民党をぶっ壊すどころか日本の労働環境もぶっ壊し、アメリカ様のリクエストにお応えした小泉純一郎さん。お知り合いでしたか、済みません。国会の承認が必要のない委員会のトップに君臨、規制緩和、撤廃やりまくったオリックスの宮内さん。政府の中枢、大臣の立場でむちゃな規制緩和を持ち込んだ竹中平蔵さん。名前挙げたら切りがないですよ。企業側の人間が企業の論理を政治の場に直接持ち込んで色濃く反映させ利益誘導する。随分ともうけたんでしょうね、本当に。ちなみに、竹中さんは現在、人材派遣会社パソナの会長でありながら、成長戦略と構造改革の加速化を図る未来投資会議の民間議員を今やられている。また労働環境でもぶっ壊すおつもりなんですかね、これ。本当に許せないというか、ろくでもない。
外圧による規制撤廃の要求を受け入れ、国内で規制緩和しながら利権構造を構築し、甘い汁を吸う。こういう構造が行き過ぎた自由貿易だったんじゃないですかって。圧倒的な格差を生み出したのはここにあるじゃないですかって。自由貿易の皮をかぶった新自由主義の旗を振り続ける存在により、国益は切り売りされ続けていますよ。そんなこと、今もプレゼント攻勢、宗主国様と巨大企業へのプレゼント攻勢が続いている。
USTR、アメリカ通商代表部、皆さん御存じですよね、もちろん、アメリカの通商交渉において代表する機関だと。TPPもアメリカを代表して交渉に立った。そのUSTRは、アメリカの議会に対して報告書を出しているよ、外国貿易障壁報告書。これを見たら、二〇一四年の部分、全部TPPなんですよ。TPPに書かれていることそのものなんですよ。求められていることを全部実現していっているじゃないかという話なんですよね。
牛肉、米、小麦、豚肉、かんきつ類、乳製品及び加工食品の輸入に関するアメリカ様の要求は、日本はTPPで本体と、そして関税の原則撤廃など、七年後の見直し約束により実現させている。それだけじゃない。ほかにも、保険市場の開放については二国間並行協議の結果に反映させた。透明性では、俺たちにも意見を言わせろ、外国企業にも物を言わせろということを、結局この二国間並行協議でもTPP本体でも約束しちゃっている。結局、USTRに出された議会への報告、そのまま日本の政治の変更につながっていること明らかじゃないかって。これ大丈夫ですかって、交渉なんてできるのかって話なんですよ。もう二国間協定なんて要らないよって、だって元々差し上げているんだからという話だと思うんですね。
これ、十一本の関連法案は直ちに廃案が必要だと思います。(発言する者あり)時間なのは分かっています。十一本の関連法案は廃案にしていただきたい、だって発効されないんだから。そうお願い申し上げて、今日の質問終わります。ありがとうございました。
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