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何が北方領土解放だ 隠しきれない安倍“亡国外交”大誤算
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195178
2016年12月5日 日刊ゲンダイ 文字お越し
ノンキにゴルフしてる場合か(3日、神奈川のスリーハンドレッドクラブにて)/(C)日刊ゲンダイ
10日後に迫った日ロ首脳会談。ロシアのプーチン大統領が11年ぶりに来日し、安倍首相の地元・山口県長門市で会談する予定だ。これに先立ち、岸田外相が、“最終的な調整”のため2日からモスクワを訪れていたが、歓待とは程遠い、手痛い洗礼を受けて帰ってきた。
「安倍首相の親書を渡すためにセットされたプーチン大統領との会談は、2時間も遅刻された上に、わずか30分間で終わってしまった。それも、直前に会談の出席者を3人に絞るよう要請があって、ロシアを担当する欧州局長が協議に入れなかったという。赤っ恥ものの冷遇で、ロシア側が領土問題で譲歩する気などまったくないことが分かります。続いて行われた外相会談でも、岸田外相が平和条約交渉の再開に言及しても、ラブロフ外相は『協議の対象ではない』とはねつけた。会談後の共同記者会見で2人は目も合わせようとせず、終始ピリピリムードでした。最終調整がこれでは、首脳会談の成果は何ひとつ期待できません」(元外交官の天木直人氏)
9月にプーチン訪日が決まった当初は、メディアも「北方領土問題で手応え」「歴史的進展か」などと大騒ぎし、「日ロ会談の成果を掲げて衆院解散・総選挙」なんて話まで浮上した。安倍政権が用意した8項目の経済協力の見返りとして、まずは歯舞・色丹の2島が返還されることは確実というムードだった。
ところが、11月にトランプ次期米国大統領の就任が決まった途端、ロシアは態度を硬化させ、直後のペルーAPECで行われた日ロ首脳会談では、日本に対して徹底的に厳しい態度で臨んできた。領土問題も急速にトーンダウン。米ロ関係の好転が見込まれるから、日本は用済みというわけで、プーチン訪日のドタキャンまで懸念される事態になってしまった。
11月22日にはロシア軍が択捉、国後両島に地対艦ミサイル「バル」と「バスチオン」の配備を完了。同じ日にロシア海軍が尖閣諸島の領空周辺にも対潜哨戒ヘリを飛ばしてきた。どう考えても、首脳会談を控えて、長年の懸案である領土問題を友好的に解決しようという国の態度ではない。
■15回も会談してコケにされる無残
今月に入ってロシアの警備担当者が長門入りし、警備体制を整え始めているから、プーチンが日本に来ることは来るのだろうが、この調子じゃあ領土問題での進展なんて望むべくもないし、解散戦略も大幅に練り直しだ。今国会の延長を14日までにしたのも、15日の会談が不発に終わって国会で責められるのを避けるためだといわれている。
日ロ関係を担当するロシアのモルグロフ外務次官は2日、北方領土について「ロシアの主権に疑問の余地はない。日本が第2次大戦の結果を認めなければ、交渉の始めようがない」と断言。このままでは、経済協力だけ食い逃げされることになりかねない。国際ジャーナリストの春名幹男氏(早大客員教授)が言う。
「日本政府は最近になって、『一度の会談で領土問題が解決するわけではない』と期待値を下げるのに躍起ですが、長門会談が1回目ではなく、両首脳はすでに15回も会談している。2人の信頼関係があるから、領土問題も進展するといわれていたのに、これまで何を話し合って、どういう感触を得ていたのか。今年の春以降、ロシアが北方領土における軍事力強化を明言して進めてきたことを冷静に考えれば、領土交渉での楽観論が主流になっていたのが不思議です。歴史的な偉業を成し遂げたいと功を焦った安倍政権が苦しい立場なのを見越して、したたかなプーチン大統領は、どんどんハードルを上げてきている。日本側はどういう出方をするのかと、手のひらで転がされているようなものです」
カメラ目線でゆめ(手前)と戯れるプーチン/(C)AP
自分の功名心のため「共同経済活動」の売国的提案
対等な関係の首脳外交は互いの国を行き来するのが原則だが、安倍はこれまで5回連続でロシアに出向いている。米国に対してもそうだが、邪な思惑を抱えて媚びへつらっているのがミエミエだから、足元を見られる。
3日の日ロ外相会談後の記者会見では、これまで、11月のペルーでの日ロ首脳会談でプーチン側が持ち出したとされてきた北方領土での「共同経済活動」が、実は5月にソチで首脳会談した際に安倍の方から提案していたこともバラされてしまった。ラブロフ外相が言うには、「今年行われた会談で、日本の首相が共同経済活動に関して何ができるか考えると提案し、プーチン大統領が同意した」というのだ。
現状のままでは、共同経済活動は、ロシアの法律の下で日本企業が活動することになり、ロシアの主権を認めることになる。
「そんな売国的な提案を日本の首相側からしたとは信じられませんが、対ロ交渉に前のめりになるあまり、形だけの成果のために裏で大幅な譲歩をしていたとなれば、世論が許さないでしょう。9月ごろに自民党の小野寺元防衛相が、フジテレビの番組で『(北方領土が返還されれば)ロシアの軍隊を置いたままで、沖縄と同様に地位協定を結ぶ』と言っていたのにも驚きましたが、2島返還でいいなら、何代も前の内閣でとっくに実現していました。安倍政権は、これまでの日ロ交渉がどうだったのか、その歴史も現状も認識していないのではないか。日米関係との整合性も取れていない。目先の功名心に浮足立ち、国際情勢や日本外交全体が見えていないのです」(春名幹男氏=前出)
安倍は15日が歴史的な会談になることを夢見て、地元の名門温泉旅館という舞台装置を用意したのだが、プーチンは翌16日に東京で経済フォーラムに出席すると通告してきた。どうやら、そちらの方がメーン行事になりそうだ。ラブロフは15日中に都内に移動してしまう予定だというし、プーチンも長門滞在はさっさと切り上げて、領土問題は棚上げし、経済協力の話を進めてしまう。残された安倍はいいツラの皮ということになる。
■会談の目玉が犬のプレゼント?
こんな状況で、秋田犬を贈呈する話が出てきたのもお笑いだ。2012年の民主党政権時代、当時の野田首相が日ロ首脳会談の場で、雌の秋田犬をプーチンに贈った。
「ゆめ」と命名されたその犬と、つがいになる雄の秋田犬を15日の山口会談の場でプレゼントするプランが浮上している。
「秋田犬保存会の会長も務めている日本維新の会の遠藤敬衆院議員が『ゆめのお婿さんを贈りたい』と働きかけた。遠藤氏は菅官房長官とも親しく、官邸と太いパイプがあります。官邸側は乗り気で、さっそく外務省を通じて大統領府に打診したのですが、なかなか話が進まない。今年8月に遠藤氏ら4人の衆院議員がモスクワを訪れた際も、ゆめとの面会を申し入れたのですが、会わせてもらえなかったそうです」(外務省関係者)
菅も3日の秋田犬関係の会合で、贈呈について「色よい返事をもらうことができていない」と認めていた。てんで相手にされていないのだ。前出の天木直人氏が言う。
「何も成果が得られないから、犬を贈ったことを会談の目玉にするしかないのでしょう。これだけ大騒ぎした結果が、『首相の地元で温泉旅館に泊まりました』『犬を贈りました』だけでは笑いものです。もはや、どう弁解しようと、亡国外交の誤算は隠し切れない。これだけの外交失態が続けば、普通なら内閣総辞職ですよ。官邸主導でやっているから、こうなる。安倍首相の思い込みで支離滅裂な外交をしているから、ことごとく失敗するのです」
安倍外交の根本は、対米追従と中国への敵対心だ。対ロ交渉に前のめりになったのも、中ロ関係を分断しようという思惑からで、そういう単純浅薄な考えで小手先の外交をやっているから混乱を招くだけ。
時代錯誤の妄想外交は、たいがいにして欲しいのである。
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