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左・橋下徹の「問題解決の授業」公式メールマガジンより/右・松井一郎オフィシャルホームページより
維新の会が政党交付金の返還逃れでダミー団体に1億円プール! 橋下は「交付金を国に返す」と言ってたのに
http://lite-ra.com/2016/12/post-2739.html
2016.12.02. 維新が政党交付金の返還逃れ1億円! リテラ
11月25日に公開された2015年分の政治資金報告書から、日本維新の会(前・おおさか維新の会)による、姑息な“政党交付金返還逃れ”の全貌が明らかになった。
本サイトは、今年7月、「身を切る改革」(松井一郎代表)などと謳う維新が、昨年の党分裂に際して、「政党交付金を国に返す」と名言していたにもかかわらず、急造の“ダミー政治団体”にプールするかたちで返還していなかった疑惑を報じた。総務省によれば、政党交付金の交付を受けた政党は、解散などによって政治団体でなくなった場合、総務大臣によってその残額の国庫返還が命じられる(事実上の返還義務)。言わずもがな、政党交付金の原資は国民の血税である。
まずは経緯を振り返っておこう。昨年、「維新の党」(当時)は、最高顧問の橋下徹前大阪市長と松井氏の離党を皮切りに、党内の“大阪派”と執行部の対立が激化、政党交付金をめぐって泥仕合に。そこで橋下徹氏は、昨年10月、ツイッターでこう呼びかけることで、カネを争う汚いイメージを払拭しにかかった。
〈維新の党はここまでの事態に陥った以上、いったん解党して政党交付金を国に返すべきだ。他党に回ろうとも今の維新の党が受け取る資格はない。有権者にお詫びして、皆リセットして一から出直し。そして次の選挙で審判を受ける。これしかない。維新の党の永田町組な何を考えているか分からない〉(原文ママ)
ご存知のとおり、結局のところ、離脱した大阪組は松井氏の新党「おおさか維新の会」に合流。残った執行部は民進党に加入したわけだが、橋下氏が宣言していた「政党交付金の返還」はどうなったのか。
実は、維新の党が受け取った政党交付金は、昨年12月中旬に所属議員に分配されたが、離党する大阪組の各支部は年末の解散を控えながら、その多くを使いきれず“手元”に残したままでいた。もちろん、このまま支部を解散すれば政治団体ではなくなるので、国庫への返還は免れない。
そこで彼らが利用したのが、昨年12月11日に申請された「なんば維新」なる聞きなれない政治団体だった。所在地は、当時のおおさか維新の会とまったく同じで、その代表は松井一郎氏の府議時代からの私設秘書である。
本サイトは、おおさか維新の会に“移籍”した3人の議員が代表をつとめていた維新の党の各選挙区支部の収支報告書から、年末に約420万〜1100万円の大金を「なんば維新」に「寄付」として支出していたことを確認。この3つの支部(参議院比例区第1支部、参議院比例区第53支部、参議院比例区第63支部)の収支報告書は今年5月31 日に総務省が公開したものだが、見ると、総収入から総支出を引いてちょうどゼロにした上で、2015年12月31日付で解散していた。
これは、誰がどう見ても、使いきれなかった政党交付金を寄付のかたちで急造団体に移すことによって、国庫への“返還義務”を逃れたとしか思えない。本サイトは今年6月末、おおさか維新の会本部やこれら3支部の代表だった議員たちに対して質問状を送付。「なんば維新」設立の目的は何か、「寄付」を指示したのは党本部であったか、そして橋下氏の“返還宣言”と矛盾することなどについて見解を問うた。しかし、回答期限を過ぎ、現在に至るまで、維新側からの回答は一切なかった。
これだけでも国民の血税を受け取っている政党の態度とは思えないが、つまり、維新側はバツが悪くて無視を決め込んだ、ということだろう。
ところが、今年11月25日に公開された「なんば維新」の15年分政治収支報告書には、本サイトが追及した“交付金返還逃れ”の実態が如実に表れていた。その収入欄には、昨年12月24日から31日にかけて、維新の党の計17の選挙区支部、そして9の各総支部から、あわせて実に9906万6983円という巨額の「寄付」を受けていたことが、はっきりと記載されていたのである。
この約1億円の「寄付」の原資が“使いきれなかった政党交付金”であることはほぼ間違いない。というのも、たとえば、前述の先に収支報告書が公開された維新の党参議院第63支部は、15年12月18日に維新の党本部から政党交付金500万円を供与されているが、この12月18日以降の支出は「なんば維新」への寄付約420万円分をのぞけば、約16万円にすぎない。つまり、本部が分配した政党交付金のほとんどをダミー団体に移していたことになる。こうして大阪派の各維新の党支部は支出をすべて“使い切る”ことに成功し、12月31日付で解散、国庫への交付金返還を逃れた。そういうことだろう。
そして、「なんば維新」に一旦プールされた政党交付金は、年を越して、おおさか維新の会の各支部に戻されたものと考えられる。そのカラクリを、他ならぬ維新離党組の足立康史衆議院議員がツイッターで口を滑らしていた。
〈維新の党の残金は、当面の必要経費を除いて国庫に返納しました。必要経費については、残留組は維新の党として年越しできましたが、おおさか組はできません。そこで、なにわ維新という暫定の箱を作って年越しした次第です。ザッツオール。〉(16年5月26日付け、原文ママ)
足立議員は〈必要経費〉などといってごまかしているが、〈暫定の箱を作って年越し〉を狙ったことをはっきり認めているのだ。なお、足立議員はツイートで「なんば維新」ではなく「なにわ維新」と書いていたが、調べてみたところ、これは単純な取り違えのようだ。
何度でも繰り返すが、政党交付金は国民の血税である。交付金の法的根拠である政党助成法にはこうある。〈その使途の報告その他必要な措置を講ずることにより、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主主義の健全な発展に寄与することを目的とする〉。維新は、その返還逃れの実態が明確になっても、まだシカトし続けるのか。
「身を切る改革」などと言って金権政治を批判しておきながら、自らはダミー団体をつくって国民を裏切る。しかも、追及されても知らんぷり。つくづくありえない政党と言わざるをえないが、少なくとも日本維新の会と松井代表、そして橋下法律政策顧問は、一刻も早く、この“1億円プール金”の詐術について、国民にしっかりと説明するべきだ。
(編集部)
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