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民進党代表選で新代表に決まり、気勢を上げる蓮舫氏(左から2人目)。党をまとめる手腕が問われる=東京都港区のホテルで2016年9月15日、藤井太郎撮影
永田町の目 安倍政権の行く末(2)野党共闘のキーマンは「好々爺になった」小沢一郎氏
http://mainichi.jp/senkyo/articles/20161128/mog/00m/010/002000d
2016年11月29日 毎日新聞 後段文字お越し
政治ジャーナリスト・鈴木哲夫さんインタビュー
政界取材を長年続ける評論家らに日本の展望を聞くロングインタビュー連載「永田町の目」。本シリーズ2回目は、野党共闘の行方を取り上げます。10月投開票の新潟県知事選では「迷走」した民進党ですが、政治ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「解散風が奏功して、民進党が共産党との共闘に動き始めた」と見ています。共闘は成功するのか−−。キーマンはかつての剛腕(ごうわん)ぶりが鳴りを潜めて「好々爺(こうこうや)になった」小沢一郎氏だという。その真意を聞きました。【聞き手・岡礼子/デジタル報道センター】
腰定まるか、蓮舫民進体制
――東京電力柏崎刈羽原発が最大の争点となった新潟県知事選で、民進党は「自主投票」と決めたにもかかわらず、蓮舫代表が最終盤で、再稼働反対を鮮明にしていた米山隆一氏の応援に急きょ入るなど、迷走しました。
インタビューに答える政治ジャーナリストの鈴木哲夫さん=内林克行撮影
今年4月、僕は民進党に期待して、蓮舫、山尾志桜里、辻元清美の3氏の鼎談(ていだん)を「サンデー毎日」で企画しました。その席で、蓮舫氏は「(前党代表だった)岡田(克也)さんの時代は終わった」と言って、党代表への出馬宣言をした。僕は、参院選では民進党が勝つと予想していた。それで、その席で「勝って終わりではない。女性の視点で政治をするのが最大の政治改革になるから、女性の党にすべし」と主張したんです。蓮舫氏がその体制を作って、衆議院に鞍替(くらが)えする。民進党はそこで初めて蓮舫体制になると考えていた。
しかし、蓮舫氏の周辺は自身を衆議院の東京ブロックの比例1位にできないかと都連に打診した。代表が保険をかけてどうするのか。堂々と小選挙区一本で戦うべきでしょう。しかも幹事長は民主党を下野させた時の首相だった野田佳彦さんにした。そして最大の失敗が、新潟県知事選です。民進党は自主投票にして勝った。党の本部決定は選挙に不要だということでしょう。あってもなくても関係がない。民進党が自主投票にしたら、「じゃあ応援します」と言った無党派層がたくさんいたそうですよ。
連合が原発再稼働を進めたいと(前新潟県長岡市長の)森民夫氏(自公推薦)を支持したため、蓮舫執行部は連合に気を使って、それまでのせっかくの野党4党の共闘から降りたんです。「大局的には4党(共闘)で」と言っていれば、蓮舫氏は野党4党の総理候補だった。それなのに内輪のけんかばかりでしょう。その上、勝てるとみれば蓮舫氏だけ応援に行っちゃうし……。
現実味を帯びる共産とのタッグ
――民進党は、共産党と組みますか。
さすがに民進党執行部内でこれはまずいと思い始めたらしい。安住淳・代表代行は「野党4党でやるべきだ」という意見。安住氏には成功体験があって、参議院選挙の宮城選挙区で、野党統一で民進党が勝った。厳しい選挙を野党4党でやったという手応えがあって、共産党も一緒にやるべきだと思っている。選対委員長の馬淵澄夫氏も、共産党と組んで、野党共闘しようという考え。
執行部ではないが、前原誠司氏も「野党共闘でいい。共産党ときちんと政策協議をして組めるところは組んでもいいじゃないか」と言いだした。そりゃあ民進党と共産党が一緒に政権を作るのは無理でしょう。でも、共産党だってそう思っているから、問題はない。そこにやっと気づいた。その流れの中で、野田氏もさすがに「(共闘)仕方ないか」と動き始めた。そこは「解散風」が奏功している。共闘しないと、民進はダメだと見えてきたんでしょう。今、解散されたら困るということがプレッシャーになって、野田氏は気づいたと同時に動かざるを得なくなった。それで小沢一郎氏と会ったんです。
――野田氏が小沢氏と会ったのは10月末。4年ぶりに「雪解け」と報じられました。
党首会談に臨む(左から2人目)生活の小沢一郎共同代表、民進の蓮舫代表、共産の志位和夫委員長、社民の又市征治幹事長ら=国会内で2016年9月23日、喜屋武真之介撮影
なぜ野田さんは、共産党の志位さん(和夫・委員長)ではなく、小沢さんと会ったのか。野党4党でも、最初に民進党、自由党、社民党を結集した上で、共産党とどう組むか考えようという方向だからです。4党でやらなければ、という意識はあるが、共産党を排除する気持ちはどこかにあって、描いている道筋は他の人と少しずれているかもしれませんね。小沢さんは自由、社民、共産の3党が組んで、民進党を引っ張ってこようと思っていたが、野田さんは逆なんだ。ここにきて、小沢さんがまたキーマンになってきた。
剛腕から一転、接着剤に徹する小沢氏
――小沢氏がキーマンですか。
小沢さんは昔のように脂ぎった「小沢一郎」ではありません。いまや好々爺ですよ。野党再編がなったら、自分は引退してもいいと言っている。自分がいることで再編できないなら、1人無所属でもいいと腹が決まっているんです。小沢さん自身が作り上げたイメージだから本人にも責任があるけれど、3年前とは姿勢が違うんですよ。
とはいえ、小沢さんが前面に出たらうまくいきません。小沢さんと野田さんが会い、小沢さんと志位さんが会う。最終的に4党で正式にやりましょうという根回しです。以前のような、表で俺が、というのではなく、小沢さんは接着剤になる、と水面下の動きに徹していますね。
そうじゃないと、本当に日本の政治に緊張感がなくてどんどん悪い方向へ向かってしまう。山本大臣(有二・農林水産相)もさすがにひどすぎる。それでも、「首」を取れない政治状況なんです。数もそうだし、野党もあきらめている。こういう緩んだ政治状況が続いたら、大変なことになりますよ。緊張した政治状況でないと、権力は国民を見ない。
野党共闘で与党3分の2を打ち破る可能性
――安倍晋三政権の1強状態は続きますか。
参院選は、自民党内で選挙が分かっている人ほど「辛勝」と言います。選対のベテランも、菅さんも安倍さんも。石破(茂・前地方創生担当相)さんも「こんなのは勝ちではない」と分析している。32ある1人区のうち、11取られたのが大ショックですよ。当初は、4くらいしか落とさないという計算だったんだから。もし比例で統一名簿ができていたら、自民党はとても単独過半数なんていかなかった。
1人区を落とした原因は何かというと、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)とアベノミクスです。アベノミクスの果実は地方に全然落ちていないですから、我慢の限界がきている。そして福島(県)の問題がある……原発だけでなく、東日本大震災の被災地への対応はどうでしょう。さらに沖縄の基地問題がある。自民党は相当な危機感を持って、参院選の結果を受け止めなければいけない。野党は、4党で徒党を組めばチャンスが出てくる。一気に政権交代ができなくても、3分の2を打ち破るくらいの可能性はある。
民進党は、「対案主義」とか「原点に返って」なんて言っている場合ではないですよ。自民党が野党に転落した時は、(与党復帰のために、新党さきがけと共に)社会党と組んだじゃないですか。巨人と阪神が一緒になるようなものでしょう。自民党は、そんなことを平気でやる。そして政権に戻ったんです。その自民党に、「共産党と組むのはおかしい」と言われて腰が引けてるんですよ、民進党は。
「理念がない」と批判を受けても、僕は与野党が拮抗(きっこう)していなければならないと思います。与党は、いつでも政権から落ちるという危機感があるからこそ、ピリピリして国民の声に耳を傾ける。やりたいようにやれたら、国民を見なくなります。与野党が拮抗する政治、国会は民主主義のために必要です。そのために何をすべきかと考えれば、(安倍1強政権と対抗するために)4党が一緒にやるしかないじゃないですか。野田氏がガラッと変わればインパクトがありますから、流れも変わるんじゃないですか。
「参院選は、自民党内で選挙が分かっている人ほど「辛勝」と言います。安倍1強政権と対抗するために4党が一緒にやるしかない」永田町の目:安倍政権の行く末(2)野党共闘のキーマンは「好々爺になった」小沢一郎氏 - 毎日新聞 https://t.co/22XkrzTTLk
— 明石行夫 (@andreakasi) 2016年11月29日
永田町の目:安倍政権の行く末(2)野党共闘のキーマンは「好々爺になった」小沢一郎氏 -
— 過客 (@MasajiEbiike) 2016年11月29日
「理念がない」と批判を受けても、与野党が拮抗(きっこう)していなければならない。
パワーバランスは大切だと思うから、野党にはもうちょいしっかりやって欲しいね。
— 蓮 (@Shingo25) 2016年11月29日
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