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この政権は強行採決なんて朝飯前だ 国家乗っ取りが着々
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2016年11月29日 日刊ゲンダイ 文字お越し
国内ではやりたい放題でこの笑顔(C)日刊ゲンダイ
どうやら、国民の声を聞くつもりはサラサラないようだ。国民の「反対」の声を無視し、安倍政権が重要法案を片っ端から強行採決している。「TPP承認案採決」の強行劇につづき、29日にも、「年金カット法案」を強引に衆院通過させるつもりだ。
しかし、NHKの世論調査では「TPP承認」も「年金カット法」も、反対が圧倒的である。TPPをこの国会で承認することへの賛否は、「賛成」18%、「反対」24%、「どちらともいえない」が48%。年金カット法も、「賛成」10%、「反対」49%、「どちらともいえない」が33%である。
国民が反対するのも当然である。なにしろ、TPPはアメリカの次期大統領、トランプが「就任初日に離脱する」と宣言しているのだから、日本が焦って承認する必要はまったくない。「年金カット法」は、年金の受給額を年間14万円もカットするシロモノである。しかも、ほとんど国会で審議されていない。審議時間は、たったの19時間である。国民が反対しない方がおかしい。
さすがに「年金カット法」が衆院厚労委で強行採決された時、野党議員は一斉に反発している。
「安倍首相が異様なのは、当たり前のように強行採決を繰り返していることです。歴代政権も強行採決をしたことはありますが、民意を気にしながら、丁寧に答弁していました。ところが、安倍首相は審議を尽くそうとしない。野党に対して『こんな議論を何時間やっても同じですよ』と言い放っている。同じ強権派でも、過去の首相とはまったくタイプが違います」(政治評論家・本澤二郎氏)
TPP承認案と年金カット法案を強行採決した安倍政権は、国民世論が割れている「カジノ法案」も強行成立させるつもりらしい。
■安倍首相を脅かす勢力は皆無
しかし、「TPP承認案」や「年金カット法案」の強行採決くらいで驚いている場合ではない。強行採決の連発でハッキリ分かったことは、どんなに野党が抵抗しようが、国民が反対しようが、無駄だということだ。
国民はピンときていないかも知れないが、すでに安倍首相は、やろうと思えばなんでもやれる独裁体制を完成させている。立正大教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「いま安倍首相は、国民が想像する以上の権力を手に入れています。ポイントは、27年ぶりに衆参とも自民党単独で過半数を制していることです。予算も法案も、野党の協力なしで成立させられる。そのうえ、与党の公明党だけでなく、野党の維新まで補完勢力として法案に賛成している。この体制は強いですよ。恐らく、夏の参院選で勝利した瞬間、安倍首相は『やりたいことがやれる』と確信したはず。なにしろ、3年間、盤石の体制がつづく。この臨時国会で強行採決を連発しているのは、偶然ではない。自民党内から“強行採決”という単語が飛び出しているのも、おごりや緩みというより『最後は数の力で押し切ればいい』という共通認識があるからでしょう。今後、安倍政権は強行採決を連発してくると思います」
安倍自民党は国会だけでなく、経済界も味方に引き入れている。2015年、自民党が集めた献金は、22億9000万円にまで膨れ上がっている。いつの間にか、政官財のトライアングルが完全に復活している。
そのうえ、野党は弱体化し、大手メディアは安倍官邸に屈服。強行採決を本気で批判したメディアは、ほとんどなかった。もはや、安倍自民党を脅かす勢力は皆無という状況なのだ。
安倍首相にとって大きかったのは、昨年9月、「安保法案」を強行成立させたことだったという。国民の7割が「反対」しているのを押し切って成立させたが、その後、すぐに内閣支持率は回復し、「なにをやっても国民の支持は離れない」と自信を深めたという。
年金制度改革法案の採決を強行(C)共同通信社
早くも「改憲」に動き始めた
しかし、この体制があと3年間もつづいたら、国民生活はどうなってしまうのか。
最近、あまり使われなくなったが、安倍首相のスローガンは「戦後レジームからの脱却」である。「戦後レジーム」の象徴は、もちろん「日本国憲法」である。安倍首相は、日本国憲法を押しつけ憲法だと敵視し、「みっともない憲法ですよ」と公言している。いずれ、宿願である「改憲」に手をつけようとするのは間違いない。
すでに国会の「憲法審査会」をスタートさせ、着々と「改憲」に動き出している。恐ろしいことに、自民党議員は「言論の自由を制限することは当然」と堂々と憲法調査会で訴え、さらに、立憲主義は権力の暴走を抑えることなのに、「憲法で権力を縛ることだけが立憲主義ではない」とムチャクチャな説を展開している。
このままでは、国民主権、基本的人権、平和主義を3大原則とする「日本国憲法」は、3年以内にまったく違う内容に変えられかねない。「そんなバカな」と考える国民もいるだろうが、戦後、時間をかけて積み重ねられてきた「集団的自衛権は行使できない」という憲法解釈は、安倍政権によって一夜にして変えられてしまった。
「安倍首相のホンネは、憲法などに縛られたくない、でしょう。改憲というより、憲法などいらない、国民に選挙で選ばれた政権が自由に国を運営すればいいという発想だと思う。いざとなれば、緊急事態条項で政府が全部決めてしまえばいい、と考えているのではないか。だから『憲法は国家権力を縛るものという考え方は、王権時代の考え方だ』などと、立憲主義の本質を理解しない発言をしているのでしょう。選挙が独裁者を生むという歴史的事実をまったく分かっていません」(金子勝氏=前出)
もともと安倍首相は、熟議を嫌い、「私が最高責任者だ」と豪語する政治家だ。国民はとんでもない男に圧倒的な議席を渡してしまった。
■貧困層ほど安倍支持の最悪
いい加減、国民は目を覚まさないとダメだ。
世論調査では、「TPP承認案」「年金カット法案」「自衛隊の駆けつけ警護」「総裁任期延長」――と、安倍政権が進める政策にことごとく反対しているのに、なぜか内閣支持率は55%と高いのだから、支離滅裂もいいところだ。もし、支持率が20%程度まで下がれば、さすがに自民党内から安倍批判の声が上がり、安倍首相も強引なことはやれなくなるのに、半数以上が支持しているのだから、どうしようもない。ただでさえ、国会で圧倒的多数を握られ、国民は抵抗する手段がないのに、これではなめられるのも仕方がない。
「良い悪いは別にして、トランプを大統領に押し上げたのは、アメリカ国民の現状に対する怒りでした。ヨーロッパでも、国民の怒りは高まっている。生活が苦しく、格差が広がっているのは、日本も同じはずです。政治に対する不信感も強い。なのに、日本人は政治的な意思表示の仕方が分かっていない。政治に対する不信が怒りの一票とならず、棄権するという最悪の行動となっている。一昨年の衆院選も、今年の参院選も、有権者の半分しか投票所に足を運んでいない。その結果、自民党は全有権者の20%の得票だけで、圧倒的多数を得ている状態です」(政治学者・五十嵐仁氏)
最悪なのは、この先、貧困層ほど強い権力を頼り、安倍首相を支持する傾向が強まっていくと予想されていることだ。となると、安倍首相の権力基盤はさらに強まっていく。
絶大な権力を手に入れた安倍首相の国家乗っ取りクーデターは、着々と進んでいる。「年金カット法案」の強行採決など、安倍首相にとっては屁の河童、ほんの序の口に過ぎないということだ。
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