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『この世界の片隅に』に「反戦じゃないからいい」の評価はおかしい! “戦争”をめぐる価値観の転倒が(リテラ)
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/488.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 24 日 11:55:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                  『この世界の片隅に』公式サイトより
      

『この世界の片隅に』に「反戦じゃないからいい」の評価はおかしい! “戦争”をめぐる価値観の転倒が
http://lite-ra.com/2016/11/post-2722.html
2016.11.24. 『この世界の片隅に』は反戦じゃない?  リテラ


 現在公開中のアニメーション映画『この世界の片隅に』が大ヒットを記録している。上映館は68館と小規模であるのにもかかわらず、前週末も観客動員数では10位にランクイン。本サイトでも取り上げたが、主演の能年玲奈あらためのんの独立騒動問題が影響しテレビでの宣伝が極端に少ないなか、逆に口コミで評判を呼んでいるようだ。

 それを象徴するかのように、ネット上では同作を絶賛するコメントが多々まとめられているが、そんななかでとくに目につくのは、「反戦・平和のようなメッセージ性がないところがいい」という評価だ。

〈この世界の片隅に 面白かったわ。はだしのゲンや火垂るの墓のような偏狭な左傾反戦平和映画じゃない。〉
〈『この世界の片隅に』は、教科書のお説教みたいな反戦イデオロギー臭さから距離を取ることにかんっぺきに成功している。〉
〈日本が悪い!という思想やメッセージのおしつけがない〉
〈過去の反戦に囚われた作品では伝わらなかったことも、この作品からは伝わってくる〉
〈朝日新聞的な左巻き教科書のお説教みたいな反戦イデオロギー臭さが無いとの評価が多数〉

 たしかに『この世界の片隅に』は、戦中であっても生活を少しでも豊かにしようと奮闘する主人公すずの姿が活き活きと描かれ、家族との団欒は笑いに溢れている。そして、戦渦に巻き込まれ、戦争によって大切なものを奪われても、すずは反戦や平和を声高に叫んだりはしない。そういう意味では、中沢啓治の『はだしのゲン』とは大きく異なるだろう。

 だが、この作品を「反戦・平和のようなメッセージ性がないところがいい」と評価するのは、とんだ勘違いだ。風景画を描いているだけで憲兵からスパイ扱いを受けたり、道端の雑草をおかずにするほどの貧しい暮らしを強いられる様子は、笑いのオチがあるから救いがあるだけで、戦争の肯定になどにはけっしてならない。さらには身近な命が危険に晒され、昼夜を問わない空襲によって心身共に疲れ果てていくさま、そして原爆投下後の広島の風景からもたらされるものは、その時代を生き延びた人びとの苦労を偲ぶ気持ちと、「戦争はまっぴらだ」というシンプルな感想のはずだ。

 しかも閉口してしまうのは、「反戦・平和じゃないところがいい」という意見どころではない、もっととんでもない解釈まで飛び出していることだ。

 それは、玉音放送を聴いて家の外に飛び出したすずが見下ろす町の風景のなかに、一瞬、大韓民国の国旗、すなわち太極旗が掲げられるワンシーンについてだ。

〈太極旗が出てきてる一コマで朝鮮進駐軍の暴挙を表してるし、単純な反戦平和主義漫画ではない〉
〈玉音直後に太極旗が上がってたのはそういう愚連隊の乱暴行為が始まる合図かなと思った〉

「朝鮮進駐軍って何?」という人もいるかと思うが、これは在特会や『マンガ 嫌韓流』の山野車輪などのネット右翼が広めた完全なデマであり、彼らは当時の在日コリアンたちが終戦後に朝鮮進駐軍なる組織をつくり強姦や殺人などの犯罪を次々に犯したと主張しているが、根拠などまったくないシロモノだ。そうした情報を鵜呑みにしている人たちが、今回、作中で掲げられる太極旗を暴力のはじまりだと勝手に解釈し、それを「たんなる反戦平和じゃない理由」に挙げているのである。

 もちろん、原作者のこうの史代氏にしても映画の片渕須直監督にしても、徹底的に時代考証を行って作品化しており、「朝鮮進駐軍」なるトンデモ陰謀論を採用しているわけがない。

 むしろ、物語の舞台が軍港だった呉であり、そこでは大勢の朝鮮人たちが働かされていた史実を踏まえれば、作中の太極旗に込められているのは、この町で日本人と同じく在日コリアンたちが戦火に巻き込まれながら暮らしていたという事実であり、戦争によって大切なものを奪われた存在=戦争被害者としての主人公が、そのじつ大切なものを奪う側の存在でもあったことを知る場面だったのではないか。

 現に原作では、この場面で主人公すずは「暴力で従えとったいう事か」「じゃけえ暴力に屈するいう事かね」「それがこの国の正体かね」と述べている。この台詞が映画ではカットされているため太極旗の意味が伝わりにくくなっているが、ここで描かれているのは“戦争という行為に一方的な正義など成立しない”ということだろう。

 じつは、原作のこうの氏は、『夕凪の街 桜の国』が高い評価を受けた際に、一部で“日本人の不幸しか描かれていない”という批判を受けていた。作品では原爆スラムに暮らす女性が原爆症を発症し死に至るが、たとえば広島大学の川口隆行准教授は、その地域にたしかに存在した在日コリアンが作中では消されていることの意味をこう指摘した。

〈現実の広島市の都市空間から消滅した「原爆スラム」をマンガという媒体によって紙上に甦らせようとしながら、そうした忘却に抗うそぶりのうちに、コード化されたともいえる「原爆スラム」=朝鮮人というイメージの連結を密やかに切断している〉
〈『夕凪の街 桜の国』が、被爆六十年を目前に「日常の視点」を備えた「穏やかな」原爆の記憶を表象化しえたとすれば、その代償に支払ったものとは──いささか表現はきついかもしれないが──被爆都市の記憶の横領といった事態であった。イメージにおける排除空間の排他的占有といってもよい〉(『原爆文学という問題領域』創言社)

 経緯を考えれば、こうの氏が『この世界の片隅に』で太極旗を描いたのは、こうした批判に対する「回答」だったと考えるほうが自然だろう。

 それを、自分たちと同じヘイト思想に引きずり下ろそうとするのだから、度し難い。だいたい、ネトウヨたちは一方であの『永遠の0』を「反戦映画」だと言い張っていたのに、『この世界の片隅に』を「反戦映画ではない」として朝鮮を批判しているというのはどういう理屈なのだろう。

 だが、今回、『この世界の片隅に』をめぐっていちばん愕然とさせられたのは、この映画に「反戦じゃない」という評価が与えられたことではない。「反戦イデオロギーがないから良い作品」という意見がまるで当たり前のように語られていることだ。

 戦争に反対することがなぜ「イデオロギー」になってしまうのか、戦争に反対していないことがなぜプライオリティをもってしまうのか。まったく理解に苦しむが、しかし、戦争のほんとうの残酷さや自分たちの加害性から目をそらしたがっている人たちにとって、この倒錯状況こそが常識になっているらしい。

 そして、『この世界の片隅に』はそういう人たちにとって、格好の逃げ場所になってしまったということだろう。彼らは、戦時下の人たちの日常の暮らしを丹念に描いたこの映画の、その暮らしの描写だけをクローズアップし、「戦時下でもふつうに暮らす人たち」という物語に読み替えて、消費しようとしている。

 だが、それでも、『この世界の片隅に』のような映画が登場したことは、大きな意味があると思う。この映画はたしかに、戦時下の日常の暮らしを描くことで、戦争の本質から目をそらしたがっている人たちを惹きつけているが、しかし、同時に戦争が日常をどのように変えてしまうのか、そのことに気付かせる力をもっているからだ。

「反戦じゃないからいい」とうそぶいている人たちにも、この映画は、確実に戦争への恐怖を刻み込んでいるだろう。

(酒井まど)

 

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コメント
 
1. 2016年11月24日 12:28:53 : olMiHQZmek : IUwvQQpdkkE[1]
どんな感想を持とうが個人の自由だろう
何も強制も矯正もすることにない

べき論って本当に気持ち悪い


2. 2016年11月24日 12:52:45 : DZKTUACtF2 : 1i6XYOiW82o[4]
別にいいんじゃない?
南スーダンに自衛隊の代わりに行かせてあげればよろしい
戦争を理解するにはちょうどいいだろ

3. 2016年11月24日 13:13:38 : w3M1BHSquE : 5KToaZSVnLw[1014]
確かに、反戦や平和へのメッセージが 押し付けがましい作品は多々あるが
だからと言ってこの作品が反戦を訴えていないとは言えないだろう あくまで表現方法の違いだけである
あの時代に何が有ったか どういうものの考え方と時代背景があったか ありのままに赤裸々に
自然に描き出して、それをどう捉えるかは あくまで視聴者の判断に委ねるという手法なのでしょう

確か、同じような表現方法で あの時代を押し付ける事なく素直に描き出して、軍国主義への批判がないと
当初は話題になったNHK朝ドラがあった 「おひさま」 という作品である

だが、この 「おひさま」 という作品も、軍国主義を 直接批判する手法を避けただけの事で
戦争の持つ悲惨さを これでもかというほど見せつけたシーンが登場して、それまでの軍国批判をしないという
表現方法が、かえって逆に 戦争の悲惨さを トラウマ的にまで効果的に 視聴者に叩きこんだ
第60話あたりだったか、空襲を避けて疎開していた幼い姉妹が 両親の死亡を知らされて戦災孤児となり
当初は気丈に振舞っていた姉妹の姉のほうが ある日突然 竹やり訓練中に怒りを爆発させるシーンは
日本中のお茶の間の涙を誘った事は 記憶に新しい むしろそれまで軍国主義を直接批判してこなかった事が
かえって不意打ちを食らったように 忘れる事の出来ないシーンとなった

つまり 表現方法 手法の違いである。


4. 2016年11月24日 13:39:01 : 9QewkUGcqk : 4QXc8C8kgnU[310]
べき論は、ネトウヨのようなバカを教え導く上では必要だ。自由な感想というものは正確で膨大な知識を持っている知識人にあってはじめて意味のあるもので、バカの考え休むに似たり、だ。きちんと常識を教導してやらんとな。

太極旗が上がったというのは、フィクションだ。その当時普通の内地渡航の朝鮮人に短期間存在しただけの大韓帝国の旗の知識があったとは考えられない。まして当時は皇民化教育だからな。それに敗戦直後とはいえ日本人の海の中、朝鮮人をさらけ出すほど馬鹿ではあるまい。フーリガンに中指を突き出すようなもので危険な行為だ。

にもかかわらずこの映画は、リアルだ。というのは反戦思想を持つだけの知識があった者はこの当時共産党員くらいしかおらず、ほとんどは好戦的な愛国馬鹿で国が埋め尽くされていた、という史実を踏襲している。だから反戦メッセージが画面中に無い。が、最期に好戦と愛国の結果を突き付けている。敗戦と廃墟と死。それを見てなお反戦でないとするならば、それは売国奴というより明らかな日本の敵に他ならない。実際、「原発を欲しがる憂国の徒」とか冗談みたいなのがいるだろ。

しかし反戦、平和メッセージはキライ!というネトウヨがこの作品を見に行くはずがない。だから逆にネトウヨを映画感へ誘導する宣伝かもしれないが。全国紙に一面広告を打つくらいだ。目立たないが、宣伝費は明らかにかけている。

 それにしても、マンガ映画なんか見に行くところを見ると子供なんだよな。君の名は、とかもそうだが、大人になりきれない幼児の群れが日本を埋め尽くしている。戦時中に日本を埋め尽くしていたバカの群れのことを考えると、これは危険な徴候だ。


5. 2016年11月24日 14:10:32 : 63Z02CtjyA : K9s0xJ6NUSA[5]
人間が抱く感情や感想にけちをつけるのは、反戦も戦争賛美も関係なく
上から目線で何様だと言いたくなる

議論するならともかくだ


6. 2016年11月24日 15:59:01 : YjLq0Xsg52 : Cp3xB_zA4Nw[118]
おかげで凄く高度な手法で描かれた映画だということがわかった投稿。


7. 2016年11月24日 17:09:49 : 8cvpew85g6 : vabm_ttSrwM[1]
ネトウヨは反戦、反核映画の看板を捨てたシン・ゴジラを絶賛し、ギャレスの海外版を一方的に叩いた。

それと同じ事。日本マンセーキショイ。


8. 2016年11月24日 18:00:25 : Td6ipdaisk : TsgwS7nEkNg[1]
政治が権力があらゆる表現、芸術の内容に干渉してはいけない。右翼が戦意高揚の映画、ドラマを作りたければ作ればいい。ただし反戦を訴えるもの、戦時下の社会の悲惨さ陰湿な状態を訴える作品も当然いい。

表現の自由を規制したい奴はクソだ。自民党の憲法改正草案には政治が権力がことの善悪を決めるように書いてある。これは今の安倍自民党がクソであることを示している。


9. 2016年11月24日 21:37:40 : HrFTRFNcGS : QtQYPlSKr2A[219]
「反戦・平和のようなメッセージ性がないところがいい」
という評価をしている人間は
南スーダンで実際の戦地を経験すべきだね
現実とのんきお花畑の違いを思い知るがいい!
さぁ!行ってきな

10. 2016年11月25日 03:48:49 : 32huwzSpC6 : 9IwaVRcz_Lw[1]
私も先日この作品を観ました。

この作品は日常を丹念に描いているからこそ、それが戦争によって
破壊される悲しみや悲惨さが際立っているのだと思います。

玉音放送後の主人公すずの慟哭は、体制に対する怒りと同時に、
当時の多くの国民がそうであったように、積極的に戦争に
加担したわけではないけれど、時勢に流された結果、
大切なものを失ってしまった自分自身に対する怒りでも
あったように感じました。

そしてこのすずの姿は、明日の私やあなたかもしれないということを、
この作品は突き付けているように感じました。


11. 2016年11月25日 10:59:57 : YjLq0Xsg52 : Cp3xB_zA4Nw[122]
日常を丹念にっていうのがいい映画だよな。

見る価値あり。


12. 2017年7月19日 11:29:07 : fhpOfJtZPh : AzTMwjpibjE[1]
パヨク発狂中wwww
反戦映画見て泣いてるゴミパヨクきっしょいわwww
戦争は仕方ないことだしそれを賛美してもいいと思うんだが?
人類は戦争で発展してきたんだし今後もどんどんやるべきだと思う
戦争の恩恵をお前らも受けてるだろ?スマホやPCも戦争がなかったら生まれなかったんだよ
大日本帝国時代の日本人は武士道があったけど今の日本人は腑抜けになったよね
戦争で死にたくないとか平気で言うし色々終わってるわ

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