安倍晋三とドナルド・トランプの共通点
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2016/11/post-61fd.html
2016.11.20　きっこのブログ

安倍晋三首相がドナルド・トランプ氏と面会するために誰よりも早く駆け付け警護‥‥じゃなくて、駆け付けたことを受けて、米カリフォルニア州ネバダシティーに拠点を置くインターネット・ニュースサイト「ユーバ・ネット」は、11月18日付で、次の記事を掲載した。

「Naoki Sakai: Populism, sexism and nationalism pair Trump and Shinzō Abe （酒井直樹教授「人民主義、性差別主義、国粋主義によって、トランプと安倍晋三はペアになる」）」

読んでみたら、とても的を射た記事だったので、あたしは要点だけを訳して、以下のようにツイートした。

きっこ @kikko_no_blog
コーラル大学の酒井直樹教授（日本思想史・比較文学）「安倍晋三とドナルド・トランプは非常に類似している。国際的状況に対して単純すぎる両者は、人民主義者であり国粋主義者、そして性差別主義者だ。さらに両者とも強い反知性主義の傾向がある」→ http://yubanet.com/opinions/naoki-sakai-populism-sexism-and-nationalism-pair-trump-and-shinzo-abe/
2016.11.20 07:39

そしたら、何人もの人から「全文を読みたい」というリクエストがあったので、さっそく、「きっこ訳」で全文を紹介しようと思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか？

‥‥そんなワケで、今日は余計なことをダラダラ書いたりせずに、トットと本題に入ることにする。以下が、全文の訳だ。

11月17日、アジア研究と比較文学、そして日本の国粋主義の研究を専門とするコーネル大学の酒井直樹教授は、今日、会談する予定の安倍とトランプが、人民主義と国粋主義という点で非常に類似していると述べ、トランプの公約の1つである「日本を含む東アジアからの米軍撤退」が、日本のリーダーにとっての大きな懸念材料になっていると説明した。

安倍とトランプは非常に類似している。国際的状況に対して単純すぎる両者は、人民主義者であり国粋主義者だ。彼らは両者ともに強い反知性主義の傾向もあり、日本はほとんど移民を受け入れていないのにも関わらず、安倍は、移民や少数派を排除しようとしているトランプと、この問題では立ち位置を隔てている。

性差別に関しては、両者それぞれが別の問題に直面した。第二次世界大戦の従軍慰安婦は「戦争犯罪」であると2007年に米国下院が決定した直後、安倍は従軍慰安婦を「戦争犯罪」として扱う動きに反対したため、結果、首相のポストを失うこととなった。

安倍は反共産主義者であり、日本帝国の栄光を夢見ながら、中国の軍事力の増強を懸念している。そのため、彼は戦後の憲法を改定して、東アジアにおける冷戦時代の米国軍事支配の枠組みの中で、日本の軍事力をさらに高めたいと考えている。彼は、実質的には「東アジアにおける米国のエージェント」なので、財政のために東アジアでの米軍支援を削減しようとしているトランプが、彼を激しく悩ませている。

安倍政権はTPPについて非常に積極的で、安倍の目標の1つは、TPPから手を引こうとしているトランプを説得して心変わりさせることだ。トランプは自国の企業の利益を最重要視しているため、長い目で見れば心変わりする可能性もあるが、現時点ではそのような余裕はないだろう。

東アジアにおける米国の覇権は明らかに減少しており、もはや米軍の単独支配だけでは平和を維持することができなくなる。東アジアでパクス・アメリカーナ（米国の覇権による平和）を維持するためには、TPPが最後のチャンスである。
http://yubanet.com/opinions/naoki-sakai-populism-sexism-and-nationalism-pair-trump-and-shinzo-abe/

‥‥そんなワケで、最後まで読むと、この酒井直樹教授はTPPに賛成のように感じるけど、よく読めば分かるように、東アジアでのパクス・アメリカーナを維持して行くためには、軍事力だけでなく、TPPによる「経済的なつながり」も必要だ、と言ってるワケだ。ま、これはあくまでも大局的な視点からの指摘であって、日本のことだけを考えれば、東アジアの平和が維持されることはアリガタイザーだけど、日本の一次産業や中小企業や医療などが大打撃を受けることは非常にアリガタクナイザーだ。だから、このTPPという「諸刃の剣」に関しては、ザックリと言えば、「農薬や添加物まみれの食品が日本に押し寄せ、安全な食品は高騰し、医療費や医薬品も高騰し、それでも東アジアの平和のほうが大切だ」と考える人は賛成すればいいし、「東アジアのことよりも自分の生活のほうが大切だ」と考える人は反対すればいい、ということになりそうな今日この頃なのだ。

コメント
1. 2016年11月20日 11:34:42 : 0CejVRban6 : urcdmA9xc1s[956] ▲△▽▼ 「「農薬や添加物まみれの食品が日本に押し寄せ、安全な食品は高騰し、医療費や医薬品も高騰し、それでも東アジアの平和のほうが大切だ」と考える人は（ＴＰＰに）賛成すればいいし、「東アジアのことよりも自分の生活のほうが大切だ」と考える人は反対すればいい」 そのように読めますか… 「東アジアにおける米国の覇権は明らかに減少しており、もはや米軍の単独支配だけでは平和を維持することができなくなる。東アジアでパクス・アメリカーナ（米国の覇権による平和）を維持するためには、TPPが最後のチャンスである。」 普通に読めば、「もう終わります」ということでしょう。東アジアの米国覇権はなくなりますよ、ということです。ＴＰＰは死んだのです。最後のチャンスもなくなったのです。
2. 2016年11月20日 12:36:11 : EIHH4CSarE : ZNs6WKx@BdQ[341] ▲△▽▼ ベトナムとフィリピンが、イスラエルをロールモデルとすれば、韓国がフランスをロールモデルとすれば、アメリカに対して、米韓安全保障条約そのものを、北太平洋安全保障条約にそっくりそのまま移行させるということで、北朝鮮と共に、朝鮮半島ならびに周辺海域を、この北太平洋安全保障条約により担保が取れた状態とすることで、中国にとっての核心的利益につながると同時に、アメリカにとってのメリットにもなり、韓国ならびに北朝鮮にとってのメリットにもなれば、これを拡大するならば、オーストラリアが、オランダやイタリアをロールモデルとすれば、カナダとメキシコが、韓国とベトナムをロールモデルにでもすれば、ロシアにしてみれば、千島列島をこの北太平洋安全保障条約により担保が取れた状態とすることで、歯舞諸島と色丹島だけは、日本に返還して棚上げ合意として円満解決を図ることを具体的目標に置くことにすれば、南シナ海周辺海域についても、この北太平洋安全保障条約により担保が取れた状態の緩衝海域とすれば、中国にとっては、第１列島線から第２列島線の間の海域全てが、緩衝海域となることで、核心的利益に繋がるばかりでなく、ベトナムやフィリピンをはじめ、ＡＳＥＡＮ諸国全体にとってのメリットになり、カナダやメキシコをはじめ、オーストラリアや韓国、北朝鮮、ロシアにとってのメリットにもなり、アメリカにとってのメリットにもなり、これが結果的に日本全体にとってのメリットにもなれば、これが公共の利益となって分かち合いながら、共に幸せに暮らすことが出来る様になって、アジア太平洋地域全体の平和と安定にも繋がるのならば、日米安全保障条約そのものを、この北太平洋安全保障条約にそっくりそのまま移行させるのか、このまま日米安全保障条約にしがみつくのか、どちらかを選択せよ、ということで、この間抜け大統領に置かれましては、まんまと騙されたふりをして、この屑総理を揺さぶって貰う様に利用して頂くというのは如何でしょうか？
3. 2016年11月20日 13:18:34 : 4wNvK1vK16 : GW0kSqCGJyE[8] ▲△▽▼ きっこさんも国際問題となると詰めが甘くてダメだな。こちらのブロガーさんたちを少しは見習ってほしい。 トランプ氏の周りは安倍氏と気が合う合わないとかのレベルではなさそうだ。良くも悪くも彼らと対等に話のできるような政治家は今の日本にはいそうにないのが残念。 傭兵部隊などを使って軍事侵略したり露と核戦争するべきでないとする人物を強硬派と呼ぶメディア（櫻井ジャーナル） http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/417.html 投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 20 日 ヒラリー・クリントンとは誰か？(上) http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-275.html?sp ヒラリー・クリントンとは誰か？(下) http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-276.html?sp 人道主義を唱えながら他国を爆撃したり、核戦争も辞さないという大統領よりは、すけべな暴言親父であってもそれを止めてくれる大統領の方がなんぼかマシだ。アメリカ国民の選択は正しいよ。
4. 2016年11月20日 17:19:55 : Szw5T4twqU : tMYIXtEuBoE[67] ▲△▽▼ ＞０３ そうなんです。まあ、取り上げられる事は同じでも命までは取らないのがトランプ命まで取られるのがヒラリーというべきかも知れません。(笑) きっこさん常になるほどというブログを書かれているので楽しんで読ましていただいていましたが今回はちょっといただけないですね。ＴＰＰのお勉強不足が出たようなブログです。常に完璧は難しいでしょうが、ＴＰＰこそさすがきっこさんとうならせるブログを書いて欲しかったです。 ユダ金が今以上に相手の国に手を突っ込んで何でもできる条約を国民をだまして受け入れるなどとんでもないことです。そして困るのは条約は最上位に位置し日本の法律では手も足も出ない事です。係争は民間が裁定し上告できずその負いは国が負担する。いや都合が悪いことが見つかっても取り消し不能。その上詳細は分からず白紙委任、こんな事誰が許可したのでしょうか。自民党の目的は国民を奴隷にすることにあるのかと問いたい。

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