2016年11月18日(金) 日本共産党第7回中央委員会総会 大会決議案の特徴について 志位委員長の報告から 日本共産党が15、16の両日に開いた第7回中央委員会総会で、志位和夫委員長が行った報告のなかの「大会決議案の特徴について」と、結語は次のとおりです。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-11-18/2016111804_01_0.jpg (写真)報告する志位和夫委員長=15日、党本部 みなさん、こんにちは。インターネット中継をご覧の全国のみなさん、こんにちは。 私は、幹部会を代表して、第27回党大会決議案についての報告を行います。 決議案は六つの章、32の項から構成されています。個々の章の内容についての報告を行うのに先立って、決議案全体の特徴について報告します。 3年間のたたかいは、日本の政治対決の構図を、さらに一段、前に進めた 来たるべき党大会は、日本の政治が戦後かつてない激動的な新しい時代に入るもとで開催されます。 3年前の党大会の主題は、「自共対決」時代の始まりというところにありました。しかし、この間の国民のたたかいの発展は、日本の政治対決の構図を、「自共対決」から、さらに一段、前に進めました。すなわち、「自公とその補完勢力」対「野党と市民の共闘」が、日本の政治の新しい対決構図として浮き彫りになってきました。 大会決議案は、こういう画期的な新しい情勢のもとで、日本共産党がどういう基本姿勢でたたかうか、世界の動き、日本の情勢の特徴をどうとらえ、たたかいにどうのぞむかについて、党綱領を踏まえて、全面的に明らかにするものになっています。 第1章――現在の情勢にのぞむ立場を明らかにし、野党連合政権を呼びかけ 決議案第1章は、日本の現在の政治対決の構造をどうとらえ、どうのぞむかについてのべています。この章は、決議案全体のいわば「総論」というべき章になっており、現在の情勢にのぞむわが党の立場が凝縮してのべられています。 まず決議案第1項で、「安倍自公政権とその補完勢力に、野党と市民の共闘が対決する、日本の政治の新しい時代が始まった」と現状を規定づけています。 そのうえで第2項で、「この新しい時代を開いた力はどこにあったか」と問いかけ、戦後かつてない新しい市民運動が発展したこと、日本共産党が政治的に躍進したこと、二つの力があわさって情勢の前向きの激動をつくりだしたことを解明しています。 さらに第3項では、そうした新しい対決構図がつくられた根底には、「二つの異常」――「異常な対米従属」、「異常な財界中心」を特質とした自民党政治の深刻な行き詰まりという、「社会の土台での激動」があることを明らかにしています。 そして第4項では、野党と市民の共闘をさらに大きく発展させ、安倍政権を打倒し、自民党政治を終わらせ、野党連合政権をつくろうという呼びかけを行っています。党大会の決議案として、野党連合政権を先々の目標ではなくて、当面の焦眉の課題として位置づけ、その実現を呼びかけました。これは、この決議案の核心部分であります。 第2章――世界論と日本の情勢論が共鳴する構造になっている 第2章では、党綱領を踏まえて、いま世界で起きている新しい動きを解明し、日本共産党の基本的立場を明らかにしています。 この章は、国際問題を論じた章ですが、ここで論じたどの問題も、遠い世界の話ではなく、日本のたたかいに密接に関連していることに注目して読んでいただきたいと思います。 たとえば、決議案がこの章の冒頭の第5項で解明している「核兵器のない世界」をめざす新しい動きは、まさに被爆国日本の運動と密接にむすびついたものです。また、決議案第11項は、欧米で起こっている格差と貧困の是正と平和を求める新しい市民運動と結びついた社会変革の動きに注目していますが、これはいま日本で発展しつつある野党と市民の共闘と響きあうものになっています。決議案では、世界論と日本の情勢論が共鳴する構造になっています。そこをぜひ、読み取っていただければと思います。 いま一つ、この章で注目してほしいのは、20世紀に起こった「世界の構造変化」が「世界の平和と社会進歩を促進する力として、生きた力を発揮しだした」という大局をしっかりとおさえながら、いま世界で起こっている逆流や複雑な諸問題に対しても、リアリズムの立場で、踏み込んだ解明を行っていることです。 決議案では、第7項で、アメリカの軍事的覇権主義の大破たん、グローバル資本主義の暴走がもたらした深刻な矛盾について分析し、米国大統領選挙でのトランプ氏の勝利の背景にある問題を明らかにしています。また、第8項で、今日の中国に新しい大国主義・覇権主義の誤りがあらわれていることを、踏み込んで明らかにしました。さらに、第9項では、ロシアでスターリン時代の覇権主義の復活という逆流が起こっていることを解明しています。そのうえで、第10項では、大国主義・覇権主義には未来がないということを、歴史的に、また世界的に太く明らかにし、日本共産党が自主独立の立場で奮闘する決意を表明しています。 第3章――安倍政権との対決の最も熱い焦点を解明、抜本的対案を示す 第3章は、安倍・自民党政権を打倒し、新しい日本をめざすたたかいの課題についてのべています。 決議案第13項は、この章の「総論」にあたる項です。「安倍政権の危険と、それを打ち破る可能性」についてのべています。安倍政権のもとで立憲主義が壊され、国家権力が憲法を無視して暴走を始めているという重大な危険が生まれていること、同時に、野党と市民が国民の願いにこたえる旗印を掲げ、連帯してたたかえば打ち破れるということを、事実にそくして明らかにしています。 それに続く第14項から第20項までの七つの項は、「戦争する国」づくりを許さない、格差と貧困をただす経済民主主義の改革、原発再稼働を許さず「原発ゼロの日本」をつくる、沖縄をはじめとする米軍基地問題、憲法改悪を許さず憲法を生かした新しい日本をつくる、歴史逆行と排外主義を許さない、日米安保条約と自衛隊の問題――各分野のたたかいの課題についてのべています。 ここでは、それぞれの課題で、安倍政権との対決の最も熱い焦点になる問題を端的につかみだし、掘り下げて解明するということに心がけました。たとえば、暮らしと経済をめぐっては、「格差と貧困」に焦点をあてて、日本の格差問題を、“富裕層への富の集中”、“中間層の疲弊”、“貧困層の増大”の三つの視点からとらえ、打開の方策を示しました。原発問題をめぐっては、「原発再稼働の是非」に焦点をあて、再稼働路線がいかに行き詰まり、矛盾が噴出しているかを、さまざまな角度から明らかにしています。 いま一つ、この章で重視したのは、それぞれの課題で、日本共産党の抜本的対案を明示することです。安保法制=戦争法への対案としては、「北東アジア平和協力構想」とともに、「グローバルな課題解決への五つの提案」を提唱しています。暮らしと経済では、「格差と貧困をただす経済民主主義の改革」として、「四つの改革」を提案しています。憲法問題では、「現行日本国憲法こそ対案」という立場を太く明らかにしています。決議案がこれまでのわが党の政策的提起を集大成し、発展させていることとともに、随所に新しい問題提起が含まれていることに注目していただきたいと思います。 この章の第21項では、この間の野党と市民の共闘の画期的発展のうえにたって、これをどう発展させるかについて、日本共産党の基本的姿勢を明らかにしています。 第4章――来たるべき総選挙の二大目標、選挙方針を明らかに 第4章は、国政選挙と地方選挙の方針です。 決議案第22項は、来たるべき総選挙の二大目標として、第一に、「『改憲勢力3分の2体制』を打破し、さらに自民・公明とその補完勢力を少数に追い込むことをめざす」、第二に、「日本共産党の“第3の躍進”を大きく発展させる」ことを提起しています。総選挙に向けた野党共闘の課題についても、ここで簡潔にのべています。 第23項で、東京都議会議員選挙の勝利をめざす方針、第24項で、地方政治をめぐる政治的焦点と地方選挙の躍進をめざす方針、第25項で、新しい情勢にふさわしく選挙方針を抜本的に発展させることを提起しています。 第5章――新しい統一戦線を推進する強大な党建設の方針 第5章は、新しい統一戦線を推進する質量ともに強大な党建設の方針です。 まず決議案第26項で、前大会が決めた2010年代の党建設の二大目標――「党勢倍加、世代的継承」を「全党の力を総結集してやりとげる」ことを訴えています。 そして、第27項で、いまなぜ党建設か、その歴史的意義について、踏み込んだ解明を行っています。(1)野党と市民の共闘を発展させる、(2)日本共産党の“第3の躍進”を持続・発展させる、(3)21世紀の先々まで日本の社会変革を促進する党をつくる――という三つの角度から、党建設の歴史的意義を明らかにしています。 第28項は、「どうやって党建設を本格的な前進に転ずるか」についての問題提起です。この間の大会決定で明らかにした党建設の基本方針を踏まえて、地区委員会の活動の強化に思い切って光を当て、全国の進んだ経験に学ぶことを呼びかけています。 第29項では、全党あげて、6000万人の労働者階級、若い世代のなかの党づくりに挑戦する――世代的継承についての活動方向をのべています。第30項では、党費を要とした党財政の確立・強化について、一項を立てて重視し、財政面からも党を土台から強めることを訴えています。 いま全党は、「第27回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」に取り組んでいます。決議案のこの章は、「大運動」を推進するうえでも指針にしていただきたいと思います。またこの部分は、「大運動」の実践によって豊かにしていきたいと考えています。 第6章――95年の党史を概括し、党創立100周年に向けた決意をのべる 決議案の最後の章――第6章は、95年の党史を大きく概括して、党創立100周年に向けた決意をのべています。 決議案では、95年のわが党のたたかいのなかで、「歴史が決着をつけた三つのたたかいがある」として、第一に、戦前の天皇制の専制政治・暗黒政治とのたたかい、第二に、戦後の旧ソ連などによる覇権主義とのたたかい、第三に、「日本共産党を除く」という「オール与党」体制とのたたかいをあげ、わが党の党史を大きく概括しています。 そのうえで、党創立100周年をめざして野党連合政権に挑戦する決意を明記しています。「日本共産党は、戦前、戦後の95年のたたかいを通じて、発達した資本主義国で社会変革をめざす政党としては、世界的にも最前線に立っている」ことを強調し、力をあわせて前進と躍進をかちとることを呼びかけています。 以上が決議案の全体の特徴と概略であります。 (志位委員長は、つづいて、大会決議案の章にそって、それぞれの中心的な内容について、報告しました) 志位委員長の結語 みなさん、2日間の会議、おつかれさまでした。 私は、幹部会を代表して、討論の結語を行います。 大会決議案は、大きな展望と確信を広げている 2日間で34人の同志が発言しました。どの発言も、大会決議案、「大運動」の成功を訴える特別決議案を正面から受け止め、深める発言であり、たいへん豊かで充実した、そして明るい討論になったと思います。 全国では、リアルタイムのインターネット中継で、1万1000人あまりが報告を視聴しました。700通を超える感想文が寄せられています。 討論でも感想でも、多くの同志が、決議案に対して「ワクワクする」という感想を寄せています。発言では、「スケールが大きいけれど現実感がある」という感想も出されました。決議案では、世界でも日本でも、スケールの大きい提起をしているけれども、決して大言壮語ではなく、現実としっかりかみ合っているという感想だと思います。大会決議案は、全体として、大きな展望と確信を広げていると思います。 今回の大会決議案に対しては、メディアも注目していますが、他の野党からも反応が寄せられています。ある野党の国会議員からは、「素晴らしい。期待しています」というメールが届きました。わが党の大会決議案に、他党議員から歓迎の声が寄せられたのは、初めてのことであります。 みんなの力で「日本の政治の新しい時代」を開いた 大会決議案に対する受け止めのいくつかの特徴点について、重要だと感じたことをのべておきたいと思います。 決議案は、第1章で「日本の政治の新しい時代が始まった」と規定づけ、「野党連合政権をつくろう」と呼びかけました。この呼びかけにたいして、討論のなかで、「実践がつくりあげた感動的な決議案だ」との感想が語られましたが、3年間の全党の実践、全党の奮闘によって、「新しい時代」を開いたことへの感動と確信が全国からもたくさん寄せられています。みんなの力――全党の力、野党と市民の共同の力によって「新しい時代」を開いた。ここに確信をもって前進したいと思います。 決議案は、野党と市民の共闘について、「前途には曲折と困難も予想されるが、この動きには大きな未来がある」とのべています。そのことは発言によってたいへん豊かに裏づけられました。新潟県からは、県知事選挙で見事な勝利をかちとった経験が語られました。沖縄県からは、この間の「オール沖縄」の画期的な前進について報告されました。福岡県からは、衆議院福岡6区補選のたたかいのなかで広がった共闘について語られました。香川県からは、参議院選挙で共産党公認候補を野党統一候補としてたたかい、その後も共闘の流れが広がっていることが報告されました。 参議院選挙後も全国で共闘の流れが広がっています。始まった野党と市民の共闘は、今後さまざまな曲折や困難があったとしても、大局で見れば、後戻りすることは決してない。そのことが討論を通じても浮き彫りになったと考えます。 世界の動き、日本の情勢の大局が浮き彫りに――党綱領の生命力の発揮 決議案は、第2章、第3章で、世界の動き、日本の情勢について、党綱領にもとづいて踏み込んだ解明を行い、日本共産党の役割を明らかにしています。 発言でも感想でも、世界と日本の情勢が響きあっていることへの確信がたくさん語られています。決議案では、「核兵器のない世界」をめざす画期的な動き、欧米での格差と貧困を是正し平和を求める新しい動きについて明らかにしましたが、日本の私たちのたたかいは、こうした世界の平和と進歩の流れと響きあい、その一翼を担い、促進している。日本の私たちのたたかいは孤立したたたかいではなく、世界の平和と進歩の流れの有力な一翼を担っている。そのことが多くのみなさんに確信をもってつかまれています。 それから、「世界はどうなってしまうのか」という不安もあったけれども、決議案を読んで大きな希望が見えてきたという感想が寄せられています。また、「安倍政権の悪政の強行が続く」という押された気分があったけれども、強権政治は自民党政治の「二つの異常」の行き詰まりのあらわれだと、大きな視野でとらえることができて、展望が開けてきたという発言もありました。世界の動きでも、日本の情勢でも、表面だけで見ますと、いろいろな逆行や逆流もあります。しかし、大局で見るならば、歴史の本流が前進している。その大局が、決議案では浮き彫りにされています。 ここには党綱領の生命力の発揮があるということを強調したいと思います。すなわち、情勢を、ある一断面でなく、歴史の大きな流れの中でとらえる。また、情勢を、表面だけでなく、社会の土台からとらえて、その矛盾をつかみ、展望をつかむ。世界論でも、日本の情勢論でも、大会決議案にはこの姿勢が貫かれていますが、その根本には党綱領のもつ生命力があります。 党建設――「『重く苦しいもの』でなく、ワクワクする気持ち」という感想が 決議案では、第4章、第5章で、選挙方針、党建設の方針を明らかにしましたが、この部分も、討論で深められました。 決議案では、いまなぜ党建設かについて、その歴史的意義を三つの角度からつっこんで明らかにしました。全国の地区委員会の進んだ経験に学んで、活動の強化方向を示しました。6000万人の労働者階級、若い世代のなかに党をつくる――世代的継承という点でも、全党の経験に学んで、新しい活動方向を提起しました。 総会での討論や、全国からの感想で、党建設についても、「ワクワクする気持ちで受け止めた」という声が寄せられたことは、たいへんにうれしいことであります。一つの感想を紹介します。 「党建設の提起は、『重く苦しいもの』と受け止めることがなくはありません。しかし、報告を聞き、私の支部の、私自身の入党した思いを達成する、私自身の『大運動』だと、ワクワクする気持ちです」 もともと、党を強く大きくするというのは、一人ひとりの党員にとって、それがかなった時は、大きな喜びとなると思います。この同志は、「私自身の入党した思いを達成する」という言葉を使っていますが、一人ひとりの党員が、自分の入党した思いを語り、同じ志をもつ仲間を増やしていく、これは本来、大きな喜びだと思います。本来、そういうワクワクする、喜びある仕事が、党づくりなんだということも、感想で寄せられている。決議案の第1章、第2章、第3章の内外情勢論の全体を受けて、党建設が提起されていることもあって、党建設の方針もワクワクした気持ちで受け止められている。これはたいへん大事な点だと感じました。 95年の党史の概括、100周年への抱負――大きな歓迎で迎えられている 決議案の第6章――95年の党史を概括し、党創立100周年への抱負をのべた章には、大きな反響が寄せられています。 決議案では、95年の党史をふりかえって、歴史が決着をつけた三つの問題――戦前の天皇制の専制政治・暗黒政治とのたたかい、戦後の旧ソ連などの覇権主義とのたたかい、「オール与党」体制とのたたかいの到達点を明らかにしています。95年の到達点にたって、将来を展望すると、実に見晴らしがよくなっている、晴れ渡っている、先々がよく見えるようになっている。決議案では、その到達点にたって、党創立100周年に向けての呼びかけを、行っています。 この章については、「わが党の役割を心底誇らしく思った」、「世界の最前線に立っていることを自覚し、党を強く大きくするために頑張る」など、大歓迎する声がたくさん寄せられています。 以上がおもな特徴点ですが、大会決議案が、大きな歓迎をもって迎えられ、党に新たな活力をつくりだしつつある。このことは間違いなくいえると考えます。 (つづいて志位委員長は、中央委員会総会で寄せられた意見をふまえて、大会決議案の修正・補強に関する提案を行いました。また、総会で出された決議案にかんする質問に対して、回答しました) 全体として、大会決議案は、「日本の政治の新しい時代」の始まりという情勢のもとで、世界の動きを大きくとらえながら、日本の社会変革の前途を明らかにした文書として、全党討論にふすにふさわしいものになったと思います。 大会決議案を全党の英知を結集して練り上げる つぎに、党大会にむけた活動について報告します。党大会にむけて、つぎの二つの大きな仕事をやりあげていくことを訴えます。 全党討論の土台――すべての支部で決議案を討議しよう 第一の仕事は、大会決議案を、全党の英知を結集して練り上げることであります。 まず強調したいのは、すべての支部で決議案を討議することが、全党討論の土台だということです。大会にむけた支部総会は、決議案を練り上げていくうえで、最も基本的かつ正規の場になります。決して実務的な会議に終わらせず、時間をとって決議案の討論をしっかり行うことを呼びかけます。毎回の支部会議での繰り返しの討論で深め、練り上げることも訴えたいと思います。 大会決議案、特別決議をすべての党員に届け、みんなが参加する党をつくろう その前提として、大会決議案、特別決議を、すべての党員に届けきる仕事にすみやかに取り組み、やりとげることを訴えます。この総会で採択されれば、中央として、全党員に大会決議案、特別決議を送る措置をただちにとります。この仕事も実務の仕事にしないで、党員の状況、願い、悩みなどをよくつかみ、すべての党員が参加する党活動をつくる運動として取り組みたいと思います。この機会に、これまでさまざまな事情から党活動に参加できていない同志のところにも訪問し、みんなが参加する党をつくろうではありませんか。 「全党員が読了することを基本に」――党の質を変えるとりくみ 大会決議案、特別決議は、「全党員が読了することを基本にする」、ということを強調したいと思います。大会決議案は、一定の分量がありますが、個々の項、節は、端的、簡潔に書かれています。読み始めれば一気に読めると思います。この文書を全党員が読めば、決議案の政治的・理論的水準が、全党の共通の水準になります。それは党の質を変えることになるでしょう。読了への挑戦を基本としたいと思います。 同時に、大会決議案と特別決議を提案・説明した幹部会報告――3時間の報告ですが、これを視聴すれば読了とみなすことにします。これも、あわせて取り組みたいと思います。 それから、全党員の読了を促進するうえで、指導的同志が率先して読了することを呼びかけます。県・地区役員、地方議員、支部長は、大会決議案と特別決議を11月23日までに読了し、全党員読了と全党討論のけん引車になることを呼びかけるものです。 党大会まで、ちょうどあと2カ月です。2カ月をかけて、決議案を全党の英知を結集した民主的討論で練り上げるのは、日本共産党の誇るべき伝統であります。みんなの力で決議案をよりよいものに仕上げようではありませんか。 「第27回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」の目標を必ず総達成しよう 第二の仕事は、「第27回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」を必ず成功させることであります。 「大運動」の成功を訴える特別決議案の提案報告では、「寝ても覚めても『大運動』と、脇目も振らず突き進もう」と、ここで目標の総達成にむけて「ギア・チェンジ」をやろうと訴えました。これはみんなの合言葉になりました。 「大運動」成功へ――大会決議案を縦横に活用しよう 「大運動」を成功させるうえで、大会決議案を縦横に活用することを、訴えたいと思います。 大会決議案の意義は、党内の意思統一の文書にとどまるものではありません。随所で国民への呼びかけを行っています。まず冒頭で、「野党と市民の共闘をさらに大きく発展させ、安倍政権を打倒し、自民党政治を終わらせ、野党連合政権をつくろう」と、国民への呼びかけを行っています。安倍政権の暴走政治とのたたかいの課題も、そのすべてが国民へのたたかいへの呼びかけです。また、決議案は、今日の世界で起こっている新たな動きを踏み込んで解明し、国民が切実な関心を寄せている問題で、わが党の回答を示しています。 この決議案の内容を、国民に広く語っていこうではありませんか。「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」では、綱領とともに、大会決議案は、党の姿を丸ごと語るうえでの最良の文書となると思います。野党と市民の共闘をともに進めてきた人々にも、この内容は広めていきたいと思います。 さらに、大会決議案の党建設の章(第5章)は、大会を待たずに実践し、「大運動」を進める党建設上の指針ともしていきたいと思います。決議案が明らかにした党建設の三つの歴史的意義、進んだ地区委員会の経験、世代的継承の活動方向などは、どれもが「大運動」を進める指針ともなります。 大会決議案を縦横に生かして「大運動」を成功させようではありませんか。 「第26回党大会期の活動の総仕上げ」、「大会決議案実践の第一歩」 いま一つ、強調したいのは、「大運動」の意義の問題です。 6中総決定では、「大運動」の意義として、「第26回党大会期の活動の総仕上げ」ということを強調しました。今回の7中総での大会決議案を踏まえて、「大運動」の意義を、「第26回党大会期の活動の総仕上げ」であると同時に、「大会決議案実践の第一歩」と位置づけて、大会後の活動を大きく展望した運動として、その意義づけをさらに高め、成功に導きたいと思います。 「党機関の長がやり抜く構えを固める」――中央役員が先頭に立ち、責任を果たそう 「大運動」の成功の条件は大いにあることが、討論で豊かに深められました。 『JCPマニフェスト 日本共産党綱領』のパンフレットが威力を発揮しています。討論では、このパンフレットを活用し、「綱領を読んで得心して入党してくる」という経験が各地から語られました。綱領が入党運動でも直接に力を発揮しています。これは新しい綱領の力であり、また綱領と情勢との響きあいが起こっていることを示すものであります。 6中総の結語では、「党機関の長がやり抜く構えを固める」――ここに「大運動」の成否を分けるカギがあるということを訴えましたが、この総会の討論でも、この点が深められたと思います。ある県委員長の発言で、「最大の弱点である党員拡大に立ち向かううえで、自分自身に弱点があったと率直に自己批判し、何よりも自分自身が実践することが大事だと決意して、30代の女性に入党を呼びかけて党に迎えた」という経験が語られました。まず県委員長が、党員拡大の実践の先頭に立つところから姿勢を変えた。それが党全体の空気を変え、党勢拡大の前進の契機となったといった経験が語られました。「できない理由を並べるのでなく、どうしたらできるのかを考えよう」、そうした変革の立場で目標達成に向けて力をつくしている経験が語られました。 まさにここに成否を分けるカギがあります。「党機関の長がやり抜く構えを固める」。この6中総での決意を、大会決議案を決定する7中総で、私たちの共通の決意にしようではありませんか。中央役員がやりぬく構えを固め抜いて、先頭に立って、責任を果たそうではありませんか。 決めた目標は必ずやり抜こう――文字通りの全党運動、全支部運動に発展を 最後に訴えます。 決めた目標を必ずやり抜きましょう。 特別決議案では、すべての支部が担えば荷は軽い、一挙にできるということを強調しています。一つの支部に平均すれば、「1人の党員、1人の日刊紙読者、5人から6人の日曜版読者」を増やせば、目標は達成できるのです。全党運動、全支部運動にすれば、必ず目標は達成できます。 「大運動」期間はあと2カ月半あります。この2カ月半の間に、「大運動」を、文字通りの全党運動、全支部運動に発展させて、必ず目標を達成し、来たるべき党大会を大成功に導こうではありませんか。そのことを最後に訴えて結語とします。頑張りましょう。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-11-18/2016111804_01_0.html
[32初期非表示理由]:担当:要点がまとまってない長文
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