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次期大統領のトランプ氏は中国AIIBを歓迎(C)AP
誇大妄想とジャパンハンドラーの凋落が政権漂流に直結 永田町の裏を読む
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193968
2016年11月17日 日刊ゲンダイ
トランプ勝利の大番狂わせで慌てふためいているのが安倍晋三首相で、押っ取り刀で17日にニューヨークでの安倍・トランプ会談を設定し、その地ならしのために河井克行首相補佐官を派米した。
しかし、米国事情に詳しい某中堅議員は懸念を隠さない。
「こういう時にバタバタするのは危ない。だって、主要国の首脳で安倍さんだけですよ、いきなり飛んで行って、まだ政権移行チームも動きだしていない次期大統領に面会を求めたのは。それだけで足元を見られるのは必然でしょう」
主な理由は2つ。1つには、安倍やその周辺は「トランプを甘く見ている」可能性があることだと彼は言う。
「安倍は最近、ダメなオバマに代わって自由世界をリードして『中国包囲網』をつくり上げるのは自分だという、一種の誇大妄想に陥っている節があって、何も分かっていないトランプにTPPが中国封じ込めのカギなんだということを教えてやらなくては、くらいに思っているのではないか。よく見極めもせずにそれを持ち出すと、『いや、私はアジアインフラ投資銀行(AIIB)への加盟を検討している』とか言われて、安倍が立ちすくむということだってあるかもしれない」
もう1つは、安倍が頼りにし切ってきたリチャード・アーミテージやマイケル・グリーンなど共和党系のジャパンハンドラーたちは、選挙戦中に「トランプは安全保障政策上、危険。我々はクリントンに投票する」と声明してしまっているので、新政権へのパイプとして役に立たない。
彼らは、「中国の脅威」を言い立てて日米安保を強化させ、オスプレイやF35戦闘機など米国製の高額な兵器を山ほど買わせようとしてきた安保利権集団で、「米軍撤退」を言い出しかねないトランプに早々に見切りをつけて、オバマよりはるかにタカ派のクリントンに乗り換えたのだが、当てが外れた。
今になって慌てて、日本に対しては「いや、トランプは実際にはそんな過激なことはしないから安心しろ。我々が暴走を止める」と、自分らの判断ミスを取り繕うようなことを言い、他方、政権移行チームに対しては「日本とのパイプは任せろ」と言い寄って猟官に必死だが、もはや凋落は免れまい。
周知のように、2012年8月の第3次アーミテージ報告書で、TPP参加、原発再稼働、国家機密保全、PKOの活動範囲拡大、ホルムズ海峡掃海、南シナ海監視、武器輸出などの課題を列記され、その通りに政権運営を図ってきたのが安倍だから、彼らの凋落は安倍の漂流に直結するのである。
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