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早すぎるトランプ詣で 安倍訪米は飛んで火に入る夏の虫
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193987
2016年11月16日 日刊ゲンダイ 文字お越し
猛威に襲われる(TPP特別委)/(C)日刊ゲンダイ
ドナルド・トランプが大統領選で勝利してから1週間。異例の早さで馳せ参じ、忠犬ぶりをアピールするのが日本の安倍首相だ。17日、ニューヨークで会談を行う。APEC(アジア太平洋経済協力会議)参加のためペルーに向かう途中、給油を名目にニューヨークに寄って、トランプと会う約束を取り付けた。
安倍周辺もメディアも「トランプ氏が会談する外国首脳は安倍首相が最初になる」と舞い上がり、「安倍首相は独裁的なトップとウマが合うから、トランプともいい関係を築ける」などと期待する声も上がっているが、そんなに浮かれている場合か。あっちから見れば、飛んで火に入る夏の虫というか、カモがネギを背負ってやってくるようなものだろう。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏が言う。
「政治経験がないトランプ氏の基本政策は、新政権がどういう体制になるかによって左右される。外交を担当する国務長官が誰になるかも決まっていない現状では、外交政策も定まっていないわけで、会談で実のある話などできるわけがない。日本政府の目的は、急いで会いにいって忠誠心をアピールすることだけかもしれませんが、そんなことをしたら余計に足元を見られるだけです」
選挙戦でトランプは日本の「安保タダ乗り論」をブチ上げ、同盟国は米軍駐留費の負担を拡大すべきだと主張。それができない場合の米軍撤退にも言及していた。実際は極東の島国のことなど、大して興味も関心もなく、知識もないままテキトーなことを言っていただけに違いない。
■すがれば安く見られる世の習い
実際、大統領就任が決まると、発言を微妙に修正してきている。選挙向けに国民ウケしそうな空手形を並べるのは自民党のお家芸でもあるから、ちょっと想像すれば、しばらく様子を見るのが得策だと分かるだろうに、トランプの発言にビビりまくり、焦ってお膝元にスッ飛んでいく。「どうか見捨てないで」とすがる男ほど安く見られ、都合良く使われてしまうもの。悲しいが、それが世の習いだ。
「トランプ氏が防衛費の増大や地位協定の見直しを言い出すんじゃないかと浮足立ち、慌ててご機嫌取りに表敬訪問する日本政府の姿勢は情けない。世界中に“やっぱりアメリカのポチだ”と知らしめるだけで、笑いものですよ。相手がどう出てくるかもまだ分からないのに、勝手に右往左往し、日本の方が率先して米軍駐留費の負担増についてコメントしたりしている。それらは、こちらからお伺いを立てるような話ではないし、もし相手が本当にガイドラインの見直しなどを要求してきたら、慎重に判断すればいいだけです」(孫崎享氏=前出)
これまでウケ狙いやダメもとで言っていたことまで、大真面目に取り合ってくれるのだから、トランプ側にしてみたら、笑いが止まらないだろう。日本が勝手に忖度していると、瓢箪から駒で、本当に無理難題を突き付けてくることになりかねない。
対日戦略には大差なし(C)AP
米国産業保護と財政拡張のツケは日本が払わされる
「そもそも、誰が大統領になっても、日本を植民地としてしか見ていない米国の対日戦略に変わりはありません。基本的に、日本の富を召し上げることしか考えていない。米国におもねり、媚びへつらう態度は付け入る隙を与えるだけなのに、安倍政権は対米追従しか頭にないから困ったものです。そこへ、“アメリカ・ファースト”を掲げるトランプ氏が登場し、さらなる貢ぎ物を迫られることになる。彼の現状認識は、米国は200兆ドルの債務国なのに、過剰な支出をして同盟国やNATOを守っているというものです。日本に対し、防衛費の増額や、武器の輸入を要求してくることが考えられる。また、10年間で1兆ドルの公共投資とインフラ投資をやると言っていますから、その財源として、日本がすでに120兆円も保有している米国債の買い増しを要請してくる可能性もある。それを断れないということが問題で、最終的にどれだけ吹っかけられるか分かりません」(経済アナリストの菊池英博氏)
大統領選に勝利した直後、為替は一気に1ドル=101円台まで円高に振れた。その後は一転、予想外の円安傾向が続いている。15日のニューヨーク市場では一時、5カ月ぶりに109円台をつけた。円安を好感して株価も上昇。トランプ・ショックで900円以上も急落した日経平均は、翌日から上昇基調に転じている。市場関係者を中心に「トランプも悪くない」という空気が漂い始めているが、この円安・ドル高は一過性のものだ。
トランプの基本政策は国内産業の保護と雇用の拡大である。そのための国内投資であり、他国通貨安も牽制しているから、必然的にドル安・財政支出拡大になる。そのツケを属国の日本に払わせようと考えるであろうことは、容易に想像がつく。排斥主義のトランプから見たら、日本人なんて、選挙戦で「強姦犯」と口汚く罵ったメキシコ人より下等という認識かもしれないのだ。
■どんな手土産を差し出すつもりか
少なくとも来年からは、政策的なドル安が長く続く。国外投資に付加税を課す可能性もあり、恐らく日本企業は総崩れになる。
「実際の政策がどうなるかは来年1月にならないと分かりませんが、今回の選挙で上院・下院とも共和党が多数を占めたことで、“トランプさまさま”になり、議会がトランプ大統領に従うムードがあります。財政支出を拡大する大規模なインフラ投資にも反対しないのではないか。いかにもビジネスマン的な発想で、日本に対しても強気の交渉を仕掛けてくることが考えられます」(経済評論家・斎藤満氏)
実は為替・通商政策では、ヒラリー・クリントンとトランプに大差はなく、どちらにしてもドル安政策を取ることは既定路線とされていた。違いといえば、クリントンが真綿で首を絞めるように搾取していくのに対し、トランプは単刀直入に要求してきそうなことくらいか。
「英国のEU離脱と同じで、米大統領選の結果の本質は、トランプ勝利というより反・新自由主義の勝利です。彼はTPPからの離脱を宣言していて、恐らくTPPは頓挫する。それ自体は日本にとって喜ばしいことです。ただ、トランプ氏は『TPPではなく2国間のFTAを結ぶ』と主張している。これは要注意で、12年に発効した米韓FTAで壊滅的な打撃を受けた韓国の二の舞いになりかねません。TPPを衆院で可決したことで、これがFTAの下地になってしまう可能性がある。新自由主義の脅威も恐ろしいですが、トランプの猛威は、それ以上になるかもしれない。そんなトランプ氏にスリ寄り、取り入って連合を組もうとしている亡国首相の無定見は、犯罪的と言えます」(菊池英博氏=前出)
次期大統領とのトップ会談で何が話し合われるのか。それは国益にかなう外交と言えるのか。国民だって気になるはずだ。そこで野党は、帰国後に訪米報告をする本会議を開くよう求めているのだが、安倍はまるで応じるつもりがないという。
「萩生田官房副長官から、トランプ氏は就任前の次期大統領なので、会談はあくまで私的なもので、外交報告は行わない方針だと伝えられています」(自民国対関係者)
私用なのに政府専用機を使うのかと言いたくなるが、国会で説明もできないなんて、謁見の手土産に何を差し出してくるか分かったもんじゃない。
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