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小池百合子東京都知事 (c)朝日新聞社
7340億円→3兆円→?円 “したたか”IOC どうなる東京五輪〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161109-00000189-sasahi-soci
週刊朝日 2016年11月18日号
東京五輪の経費は、いまだに天井が定まらない。「おもてなし」で勝ち取った大会準備は今「もったいない」の世論に押され、小池百合子都知事主導の「やりなおし」の真っ最中だが……。いったい着地点はどこなのか。
「文化の日」の11月3日、東京・虎ノ門の大会組織委員会には海外メディアを含め、数十人の報道陣が押し寄せた。
東京都、政府、IOCの実務者との3日間にわたった「4者協議」作業部会の最終日。IOCのクリストフ・デュビ五輪統括部長は、10分という制限付きの囲み取材で、
「前向きで活発な議論だった」
と、よそ行きの笑顔で応じた。しかし、出席した関係者は、内情をこう明かす。
「IOCは内心、不機嫌ですよ。東京の信頼も揺らいでいる」
4者協議は、IOCのトーマス・バッハ会長が10月18日に会談した東京都の小池百合子知事に申し入れて実現した。
「都民に負の遺産を残すわけにはいかない」と訴える小池知事のブレーン、都政改革本部の調査チームが9月、いずれも新設するボート・カヌー、バレーボール、水泳の3会場の建設中止を含めた見直しを提言。その再検討が、4者協議の一つのテーマだった。
既存施設活用、コスト削減など、会場見直しにはこれまで理解を示してきたIOCだが、この期に及んでの見直しは、わけが違う。
開催決定から3年近くかけ、国内外の競技団体や東京都、組織委との調整を経てようやくまとめあげ、IOC理事会でも承認した計画に、トップが代わった東京都が手のひらを返したからだ。
そもそも、IOCが開催都市の五輪計画の現場まで降りてきて直接介入すること自体が異例だ。ある関係者はその理由をこう見る。
「3会場の問題より、IOCは3兆円を超えると指摘された総費用に神経をとがらせているからだ」
IOCの出方はしたたかだった。協議に先立ち、バッハ会長が小池知事に、
「会場見直しは決めうちせず、複数の選択肢の中で調整したい」
と電話で申し入れ、まず、これを知事にのませた。協議が始まってからも、見直しを最初から拒否する姿勢は見せず、丹念に都側の主張に耳を傾けたという。ある関係者は、
「4者の主導権を握ったIOCは、自分たちのペースに議論を引き戻した」
と分析する。
デュビ五輪統括部長は、ボート・カヌーで宮城・長沼、バレーボールで横浜アリーナと東京都の外への変更案も、
「選択肢としては残っている」
とは述べた。今月末に開く小池知事やジョン・コーツIOC副会長らによるトップレベルの4者協議で結論を出すとしたが、議論は東京都外への変更案ではなく、IOC理事会で承認済みの現行計画の縮小案を軸に進む可能性が高い。
会場整備のコスト削減で小池知事の顔を立て、競技会場の移設までは難しいという結論になるのでは、という見方が大勢を占める。
招致時は、7340億円と立候補ファイルに記した開催費用。それが、昨年7月、森喜朗・組織委会長が、「総額は最終的に2兆円を超すかもしれない」と発言し、その後、舛添要一前東京都知事も、「このままでは3兆円になるだろう」と述べていた。
円安などによる建設資材や人件費の高騰も背景にあるが、「3兆円を超す可能性」を報告した都の調査チームは、そもそも立候補ファイルには、都や国が負担することが見込まれる警備や輸送などの費用がほとんど計上されていなかったと指摘している。
小池知事が選挙中から、
「2兆、3兆ってお豆腐屋さんじゃあるまいし」
と、膨らみ続ける五輪経費を揶揄(やゆ)していた演説が、今も語りぐさになっているが、大会に一体全部でいくらかかるのかは、東京都も組織委もいまだ示せていない。五輪費用の全体像は豆腐同然、まだ真っ白なのだ。
それでは適切な五輪経費とはどのくらいなのか。
東京の参考事例となりそうなのが、同じ先進国の首都で大都市という共通点がある2012年のロンドン大会だ。大会5年前から、開催費用を93億ポンド(約1兆2200億円)と公表し、英国政府が大会本番まで、公的資金の推移や使途を定期的に公表した。最終的に総経費は2兆1千億円に上ったとされる。
ただ、当初の「コンパクト五輪」から、関東圏内の既存施設を利用する「広域開催」にシフトした東京大会は、開催エリアが広がれば広がるほど、選手の輸送費やテロ対策などセキュリティー費が増えるジレンマを抱える。ロンドン大会にはなかった、野球・ソフトボールや空手など5競技の追加もある。「復興五輪」をかなえようと、野球・ソフトなどの1次リーグを東日本大震災の被災地で開催するとなれば、その分の費用も増える。
東京大会の4年後、24年の招致からボストン、ハンブルク、ローマが撤退し、IOCは危機感を募らせる。撤退は主に市民への財政負担が理由だ。
IOCにとって、人気にかげりが見える五輪に意欲的で財政的にも安定している東京は、いわば“タニマチ”だ。五輪を持続可能なイベントにするために、世論も納得する適正な予算規模で開催することが最優先課題でもある。
全体費用を精査するリーダー不在、都や組織委の持ち寄り方式によって、「どんぶり勘定」のままの東京の大会準備をこれ以上IOCが看過できないのには、そんな事情もあるのだ。
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