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トランプショックが吹っ飛ばした野党共闘とそれにかわる新党憲法9条
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10Nov2016 天木直人のブログ
トランプショックから一夜あけ、今日の各紙はその評論でもちきりだ。
いや、今日だけではない。
今後長きにわたって、日本のメディアはトランプの米国とどのような関係を構築していくかでもちきりとなる。
なぜか。
それは、これからの日本の経済や安全保障にとって、つまり国民の暮らしと安全にとって、トランプの米国と良好な関係を構築することが決定的に重要になるからだ。
当然のことながら国民の関心もそこにある。
だから、当面の政治の最重要課題は、トランプの米国とどのような関係を築けばいいかということになる。
そうなると野党の出番はまったくなくなる。
なぜならば米国政権との関係構築は政権政党の独断場であるからだ。
それだけではない。
安倍自民党には日米同盟最優先という明確な方針がある。
だからそれに向かってあらゆる策を講じればいいだけだ。
ところが野党には確固とした対米政策がない。
いまの野党は、自民党と同様に日米同盟強化を唱えるしか能のない第二自民党と、戦争反対を叫ぶしか能のない左翼政党しか存在しない。
ただでさえまとまらない野党共闘が、トランプの登場で決定的に行き詰まる。
そもそも、野党共闘は、安倍打倒の一点で、外交・安保政策がまるで異なる政党が選挙協力で野合したに過ぎない。
しかしトランプショックで政権交代どころではなくなったのだ。
そもそも今の野党ではどう転んでも政権は取れないが、万が一政権をとれば、さらなる混乱が起きる。
TPPひとつとってみてもそうだ。
もはやTPPはトランプの登場で仕切り直しだ。
そんなときに、TPP反対で国会審議を遅らせるような野党共闘に、国民はますます愛想を尽かすだろう。
トランプショック後の日本の野党に必要な物は何か。
安倍政権に対する対抗軸としての野党には何が求められるか。
それは、いまこそ、トランプの米国と、対等、自立した関係を築く時だと堂々と主張する政治勢力である。
なぜ、「いまこそ」なのか。
それは、トランプが国益を最優先した一国主義を標榜しているからだ。
そのトランプに従属するだけでは、日本はますます対米従属にならざるを得ない。
そして、米国の国益を最優先するトランプの米国に、ますますむしりとられることになる。
その一方で、トランプは国益優先主義者だから、日本が国益を優先する政策を正しく打ち出せば、反対できなくなる。
いや、日本の主張が正しければ理解を示す可能性すらある。
一国主義だから、駐留なき安保を訴える絶好のチャンスなのだ。
当然ながら、対米自主、自立外交を訴える以上、日本の自主防衛をどうするかという大問題が出てくる。
もし軍事力を強化する形で自主防衛を行おうとすれば、国民経済はさらに疲弊し、国民は生きていけなくなる。
そして世界はそんな日本を警戒し、日本は世界から孤立する。
そんな政治をまろもな国民が選ぶはずがない。
だからといって、左翼イデオロギーのような戦争反対一辺倒では、国民には相手にされない。
憲法9条を世界に掲げ、専守防衛の自衛隊の強化とアジアの平和を最優先する東アジア集団安全保障体制の構築を掲げる政治勢力こそ、対米従属一辺倒の安倍自民党政権に対する対抗軸なのである。
今の野党共闘にはそれは望めない。
トランプの米国の実現によって、野党共闘は終わり、右翼でも左翼でもない、新党憲法9条が安倍政権の最強の対抗軸にとして浮上してくるに違いない(了)
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