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築地市場移転問題について、石原元都知事は間違いなく責任者の一人である。しかし、石原氏の対応はとても誠実なものとは言えない。これが都知事を務めた者の態度と言えるのか。石原氏は知っていることを洗いざらい話すべきではないか。
ここでは、石原氏の盟友である元参議院議員の村上正邦氏のインタビューを紹介したい。
『月刊日本』11月号
村上正邦「石原さん!『記憶にない』では済みませんよ」
http://gekkan-nippon.com/?p=9528
―― 築地市場移転問題についてどう見ていますか。
【村上】 都議会議員たちが議員特権にあぐらをかいていることが原因だと思いますね。彼らは一般の人たちと比べて給料が高いから、優越感を感じているんですよ。それで自分たちは何をやっても許されると勘違いするようになって、いい加減なことをやってきたんでしょう。
その都議会を仕切ってきたのが、「ドン」と呼ばれている内田茂さんです。私は内田さんとは非常に親しいですが、独裁的な振る舞いをしていたから「ドン」と呼ばれるようになったわけでしょう。「ドン」という呼び名は畏敬の念を込めて使われる場合もあるけども、決して健全なことではないと思いますよ。
こうした地方自治の問題は、東京都に限ったものではありません。富山市議会議員たちが政務活動費の問題で次々と辞職しているように、日本全体の問題です。私はこれを機に、地方自治を根本的に変えなきゃならんと思っています。
そのためにはまず、思い切って無駄を省く必要があります。議員には政務活動費も手当もいりません。彼らは社会奉仕のために働いているんですからね。奉仕とは自分の持っているものを公共のために使ってもらうということですから、お金のために働くような人間は必要ありません。こう言うと、「それではお金持ちしか議員になれないじゃないか」と批判されますが、私はそうじゃないと思います。重要なのはその人の性格です。見返りを求めずに公共のために働くことができる人間が求められているんですよ。
それから、議員定数も減らすべきです。私はこの前、韓国の江原道テベク市というところに行ったのですが、ここには市会議員が10人しかいないんです。十万都市なのに、わずか10人なんですよ。しかも、公用車を市の経費で使えるのは、週に2回だけなんだそうです。それでもその地方議会の議長は「大変ありがたいことです」と言っていましたね。私は参院議員の時に、公用車を廃止すべきだと主張したことがありました。残念ながら実現しませんでしたが、議員特権はなくすべきですよ。
また、これは国会についても言えることですが、決算をもっと重視すべきです。予算が適切なものであるかどうかは、決算をして初めてわかることです。しかし、今は予算ばかり重視されていますよね。決算がデタラメだから、予算も使い放題になって、不正が生まれてしまうんですよ。
それと、副知事についても見直さなきゃならんと思いますね。日本では中央省庁のキャリア官僚が副知事として出向している例が多いですよね。その副知事が選挙に出て知事になれば、当然官製の県政になっちゃうわけです。これでは昔の県政と何も変わりませんよ。県議や県の有力者が副知事に立候補し、市民に選ばれていくというのが、望ましいあり方だと思います。
地方自治改革は、国が責任をもってしっかりと取り組んでいくべきものです。安倍総理には、彼が得意とする有識者会議を開き、どうすればお金のかからない地方議会を作ることができるかを議論してもらいたいと思います。
―― 築地市場移転問題について責任を問われている石原慎太郎さんは、公開の場でのヒアリングに難色を示しているとも報じられています。
【村上】 私は石原さんとは長い付き合いですが、石原さんらしくないなと思いますね。「記憶にない」では済みませんよ。堂々とヒアリングに応じるべきです。あれでは逃げているとしか考えられません。都知事を務めたものとしての、政治に携わってきたものとしての責任は一体どこにいったんだと言いたくなりますね。……
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