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陸上自衛隊観閲式での安倍首相と稲田防衛相(C)日刊ゲンダイ
肝心部分は必ず伏せてハナから国民の理解を求めない政権 日本経済一歩先の真相
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192664
2016年10月28日 日刊ゲンダイ
「最後の警告です。道を開けなさい」――。装甲車の大型スピーカーが英語でそう呼びかけ、盾を構えた隊員7人と小銃を持った5人がジリジリと前に進む。すると、暴徒化した群衆に扮する約30人の私服隊員たちは、すんなりと後ずさりしていった。
安全保障関連法の成立によって可能になった「駆けつけ警護」の訓練が24日、報道陣に初めて公開された。ニュース映像を見る限りは「まさか」の光景だった。
訓練のシナリオは、滞在先の建物の近くに暴徒化した群衆が集まり、身動きが取れない国連スタッフを救出するというもの。派遣先の南スーダンの紛争は激しさを増すばかりで、死傷者も相次いでいる。カオスのような臨戦態勢下の暴徒集団が、自衛隊のシナリオ通り呼びかけに従って、いとも簡単に現場を引き下がるとは到底思えない。
駆けつけ警護では、警告に応じない相手にこれまで禁じられてきた武器使用が認められている。派遣部隊の隊員たちは武器を使った訓練を重ねているようだ。ところが、防衛省は「手の内を明かすことになる」との理由で、解禁された武器を伴った訓練を報道陣に公開することは拒んだ。
安倍政権は必ず肝心な部分を国民に伏せようとする。駆けつけ警護のロコツな“危険隠し”はその一端だ。
TPPも同様である。政権与党が批准を急ぐ理由はサッパリ分からない。野党議員が審議の場から消えても、お構いなし。委員長が職権で参考人質疑を勝手に決めるなど、数にモノを言わせた強引な運営で、野党不在でもせっせと審議を進めてしまう。昔の交通標語じゃないが、「TPPそんなに急いでどこへ行く」と言いたくなる。
はたして、TPPの早期発効が日本の経済や産業構造、国民生活にどのような変化をもたらすのか。本来なら国会の場でキッチリと議論し、国民に納得してもらうのが何よりも大事なはずだ。それなのに、安倍首相は「早期承認で発効に弾みを」と期限だけを優先させて、非常に重要な国際条約を数の力でゴリ押しするつもりでいる。
どうも安倍首相には、ハナから国民の理解を得ようとは思っていない節すら感じる。王政時代の「由らしむべし、知らしむべからず」を基本理念として、民衆は従わせるべきであり、情報を与えるべきではないとでも考えているのだろう。独裁気分に浸っているように思えてならない。
生前退位の有識者会議の初会合で1時間超に及んだ非公開の議論も、国民に公開された議事概要はA4判2枚のみ。自由討議で出た6つの意見をサラッと紹介しただけで、発言者は明かそうとしなかった。
何でもカンでもベールに包みながら、歯向かう国民には容赦しない。沖縄・高江のヘリパッド建設に反対する住民には差別的な暴言を浴びせ、敵意をムキ出しにする。閉塞的で排他的な政権のせいで、まことに嫌な風潮が蔓延している。
高橋乗宣 エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。
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