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日本人が知らない日系人の「二重国籍問題」  自治体の経済規模を各国と比較 日銀、政策維持、追加緩和は「有事対応」明確に
http://www.asyura2.com/16/senkyo214/msg/943.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 10 月 27 日 01:35:30: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

日本人が知らない日系人の「二重国籍問題」

[橘玲の日々刻々]
 民進党の代表選で浮上した蓮舫氏の国籍問題では、「日本国籍と外国籍を共に保有するのは言語道断」という話になっています。国会議員(それも日本国首相を目指す野党第一党の党首)ならそのとおりでしょうが、実は「国籍」の実態はずっと複雑です。

 第二次世界大戦後、失業問題の解決のため南米などに多くの移民が送り出されましたが、第一世代(日本生まれの両親と子どもたち)の多くは日本国籍を保持したままで現地の国籍は取得していません。その理由は日本が二重国籍を認めていないからで、国籍法11条に「日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」とあるように、現地の国籍を取得すると(法的には)日本国籍を喪失してしまうのです。

 移民第一世代が「日系人」ではなく「日本人」でも、彼らの子どもの世代になると事情が変わります。日本の国籍法は「血統主義」で、日本人の父親もしくは母親から生まれた子どもが日本国民になりますが、アメリカのような「出生地主義」では国内で生まれた子どもに自動的に国籍が与えられます。しかしこれでは、出生によって外国籍を取得した日本人の子どもが日本国籍を持てなくなってしまうので、国籍を留保する届出をすることで、外国籍と日本国籍の両方を持つことができるようになっています。

 国籍法では、22歳までにいずれかの国籍を選択して二重国籍を解消することになっています。しかし日本国籍を選択し、外国の国籍を放棄する宣言をしても、「選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない」との努力義務があるだけで、外国籍を離脱しないと日本国籍を失うわけではありません。出生地主義国のなかでもフィリピンなどは、国籍を放棄する手続きそのものがありません。このため外国に暮らす日本人の二世、三世のなかには、成人後も二重国籍のままというケースは少なくないのです。

 外国に住む日本人/日系人が二重国籍になるのは、新興国よりも日本のパスポートの方がはるかに旅行の自由度が高い一方で、現地の国籍を持つことで税金や社会保障などで有利な扱いを受けられるからです。

 現地の日本大使館もこうした事情はわかっていますが、国籍法の趣旨に則って外国籍の離脱を求めるようなことはしていません。大使館の重要な役割のひとつに現地の日本人/日系人社会との親睦を深めることがありますが、「外国籍を捨てろ」と迫れば強い反発を受け、日本国籍を放棄させれば現地の日本人社会を破壊するだけで、なにひとついいことはないのです。

 多くの日本人は、日本国内で日本人の両親から生まれていますから、「国籍はひとつ」という原則を当たり前のように受け入れています。しかしひとたび周縁(海外)に目をやれば、日本人の二重国籍は珍しいことではないのです。

「国籍」は特別なものではなく、国際社会においてどの国に所属するかのたんなる指標に過ぎません。しかし「中心」しか知らないと、複数の国籍を使い分けるのが当たり前という「周縁」の実態が見えなくなってしまうようです。

『週刊プレイボーイ』2016年10月17日発売号に掲載

橘 玲(たちばな あきら)

作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(ダイヤモンド社)など。中国人の考え方、反日、歴史問題、不動産バブルなど「中国という大問題」に切り込んだ『橘玲の中国私論』が絶賛発売中。近刊『「言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)が30万部のベストセラーに。

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日本人が知らない日系人の「二重国籍問題」 [橘玲の日々刻々][2016.10.26]
「死刑」は本当に「極刑」なのか? [橘玲の日々刻々][2016.10.17]
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“フィリピンのダーティ・ハリー”ドゥテルテ大統領は、 民主主義の練習問題 [橘玲の日々刻々][2016.10.03]
子どもの性癖は親の責任か? 相も変わらぬ芸能ニュースの「民度」を問う [橘玲の日々刻々][2016.09.20]
http://diamond.jp/articles/-/105968
 


 



【第12回】 2016年10月26日 本川 裕 [統計データ分析家]
日本の自治体の経済規模を世界の「国」と比較してみた
東京都の県内総生産は93兆円と、全国の18.3%を占め、人口世界第4位のインドネシア一国の経済規模に匹敵する
日本の各都道府県には
世界各国の経済が詰まっている
各国の経済規模はGDP(国内総生産)であらわされる。そして、日本の近世に、石高制の下で、米の収穫量に換算した経済規模指標である石高で各藩が格付けされていたように、現代では、世界各国はGDPで格付けされている。WHO(世界保健機関)FAO(国連食糧農業機関)、世界銀行といった国際機関への拠出金も基本的にはGDP規模に対応している。 
石高制の基礎となったのが検地という調査統計だったとしたら、GDPによる国際秩序はGDP統計を基礎としている。統計には統治手段としての側面と観察手段としての両面があるが、GDP統計にも統治手段としての側面があるわけである。 
もっとも、近世の石高制でも、隠田(検地逃れの田畑)、縄伸び(田畑を広げて行って実際の面積が大きくなること)などで表高と内高が一致していなかったように、IMFの研究によれば、GDPでも把捉されない「シャドウエコノミー」がOECD諸国でも10〜30%存在しているとも言われている。しかし、国連の基準に基づいて作成され、各国の相互比較を可能とするデータとしてはGDP統計を措いて他にはない。 
前置きが長くなったが、今回は、各国のGDP統計と日本の各地域のGDPに当たる県内総生産や市町村内総生産のデータとを使って、日本の各地域の経済規模が世界のどんな国の経済規模と匹敵しているかを調べ、グラフにあらわしてみよう。 
英「エコノミスト」誌の記事に付されるグラフやマップはアイデアのよさと簡潔で分かりやすい表現で際立っている。米国の各州の経済規模が海外のどの国に匹敵するかをマップ化したのを手始めに中国の各省や日本の地域ブロックの経済規模を同じように世界のどの国に匹敵するかを描いたマップを掲載し、これが同誌のいわば“おはこ”となっている。 
ただし、日本については残念なことに東北や九州といった地域ブロック単位での対比であり、日本人にとってはもっとなじみ深い都道府県単位のマップは描かれていない。そこで、私は、おそらく本邦初だったと思うが、自分の著書やサイトでこれを掲載し、日本経済もそう捨てたものではないということの証左とした。 
次ページの図1がその最新版のマップである。これまでは経済規模をGDP額の棒グラフであらわすとともに地図上で対応国名を表記するという2図セットの表現だったのを、今回は、これを一つの図に統合するため地図内に円の大きさでGDP規模をあらわすという新たな方式を試みた。 
都道府県と経済規模が同等な国々(2013年)  ◆図1
©本川裕 ダイヤモンド社 禁無断転載拡大画像表示 
http://diamond.jp/mwimgs/1/6/-/img_166a33b9ff3ff30a3cfe43c710c50e98495876.jpg

データは各都道府県が算出した値を内閣府が取りまとめている統計によっているが、種々の統計の結果を利用して作成する加工統計なので、現在得られる最新年次が3年前の2013年と、結果が得られるまでに時間がかかりすぎるという欠点がある。 
国内最大の経済規模を有しているのは、首都を抱える東京都であり県内総生産は93兆円、都道府県計509兆円の18.3%を占めている。この額は、ほぼ、人口規模が2億5000万人と米国に次ぐ世界第4位のインドネシア一国の経済規模に匹敵している。 
第2位は大阪府の37兆円であり、東京都の約4割と大きく下回っているが、国レベルでは南米コロンビアの経済規模に匹敵している。第3位は、愛知県の35兆円であり、これはBRICSの一角を占める南アフリカの経済規模と同等である。 
第4位は神奈川県(マレーシアと同等)、第5位は埼玉県(アルジェリアと同等)、第6位は千葉県(ペルーと同等)、第7位は兵庫県(カタールと同等)であり、以上7位までの経済規模の累積は、全国の50.3%となっている。ほぼ3大都市圏に当たるこれら7都府県が日本経済の半分以上を占めているのである。 
都道府県の中で最も経済規模が小さいのは鳥取県の1.8兆円であり、東南アジアの産油国ブルネイのGDPとほぼ同等である。 
日本にも馴染み深い国が日本の都道府県レベルの経済規模であり、また、日本より人口規模の大きなインドネシア、バングラデシュなどが経済規模別には、それぞれ、東京都、静岡県と同等で日本地図の中にすっぽり収まってしまう姿に日本経済のスケールの大きさがうかがわれる。 
栃木県内の多くの市は
アフリカの国々と同等
次には、さらに、都道府県のレベルから市町村のレベルにブレークダウンして日本の経済規模のレイアウトを概観してみよう。 
多くの都道府県では、毎年、市町村民所得統計(市町村民経済計算)が作成されており、その中で市町村のGDPというべき市町村内総生産が算出されている。 
すべての都道府県を取り上げるというわけにもいかないので、今回は、代表例として栃木県の市町村の経済規模を海外諸国と比較してみた(図2参照)。 
栃木県の経済規模は都道府県の中で16位の8.2兆円とエクアドルと同等だったが、栃木県の中で最も経済規模が大きい市町村は県庁所在地の宇都宮市であり、市内総生産額は2兆7000億円である。これはアフリカ南部のザンビアのGDPとほぼ同じである。前図をよくみると分かるとおり、実は、佐賀県の県内総生産も同じ2.7兆円であり、ザンビアと同等だった。栃木県の中でも宇都宮市は県並みの経済規模を有していることが分かる。 
県内第2位の経済規模は栃木市の7000億円であり、これは中央アジアのキルギスに匹敵している。3位の小山市は西アフリカのモーリタニア、4位の那須塩原市はやはり西アフリカのシエラレオネ、5位の足利市はアフリカ南部のスワジランドとほぼ同等の経済規模である。 
このようにアフリカの国と同等の市が多くなっている。 
栃木県の市町村と経済規模が同等な国々(2013年)  ◆図2

©本川裕 ダイヤモンド社 禁無断転載拡大画像表示 
http://diamond.jp/mwimgs/2/1/-/img_21776846d25172145563d822c6de3d82488593.jpg

また、鹿沼市と南太平洋の島しょ国フィジー、日光市とインド洋に浮かぶモルディブ、那須烏山市とカリブ海のグレナダが同等経済規模となっており、各大洋の小さな島しょ国に匹敵する市町村も多くなっている。 
このように都道府県レベルから市町村レベルに目を移すとアフリカ諸国や太平洋やカリブ海などの小さな島しょ国の経済規模と同等な地域が多くなるが、それでも国レベルの経済規模を有している点から日本の地域経済は、やはり、あなどれない実力を有していると見られよう。 
表1には現在市町村内総生産が推計されている都道府県を示した。推計は都道府県で行っているので、各県のサイトからデータをダウンロードすることができる。今回は栃木県しか紹介できなかったが、興味のある方は同様のマップを作成して、見栄えのする地域紹介資料などにしてみたらいかがであろうか。 
市町村内総生産が推計されているか(平成25年度段階) ◆表1
©本川裕 ダイヤモンド社 禁無断転載拡大画像表示 
http://diamond.jp/mwimgs/2/b/-/img_2b2eefeb908ee26d599bbda2ba3744b8477787.jpg

地域と海外諸国との
GDP比較の注意点
最後に、地域と海外諸国のGDPを比較する場合の2つの注意点について言及しておこう。 
GDP統計は各国政府によって作成されたのち、国際機関に送られ、現地通貨ベースをドルベースに換算したデータとして整備され、相互比較が可能となる。そうしたGDP統計のデータベースとしてはIMF(国際通貨基金)のWorld Economic Outlook Databasesが標準的に使用される。 
注意点の1つ目は、もとは現地通貨ベースで作成されるGDP統計を、比較のためにドルに換算するレート(比率)についてである。 
ドル換算レートには、為替レートと購買力平価(purchasing power parity、PPP)ベースのレートの2種がある。前者は為替市場での現地通貨のドル価格をそのまま換算レートにするものであり、場合によっては、その時々の市場における通貨の過大評価や過小評価によって実際に商品を購入できるレートとかけ離れてしまう恐れがある。そこで、実際の様々な商品が現地通貨でどれだけ購入できるかを調べ、それで判明した購買力平価で換算するのが後者の方式である。 
今回のように経済規模や経済力の比較のためにGDP総額を使うときは為替レートが使われる場合が多く、所得水準をあらわす指標として、人口1人当たりのGDPを使う場合は、購買力平価ベースの値を使うことが多い。GDPは国内で一年間にどれだけの付加価値が生産されたかをあらわし、いわば国民の稼ぎがどの程度あるかを示している。その稼ぎでどの程度のものを海外から買えるかという発想では為替レート・ベースが適するということになる。一方、みずからの稼ぎでどの程度の生活水準が実現可能かという観点からは、購買力平価ベースが妥当だということになるのである。 
そのため、国際機関への拠出金の分担を決めるには為替レートによる換算が適しているのは明らかなのだが、為替レートによる換算の問題点は年により変動が大きいという点である。 
今回使用した為替レートは1ドル=97.6円だが、これは前年度(2012年)の1ドル=79.8円から2割以上も円安となった。今回、インドネシアと同等の東京都の経済規模は、前年2012年には、メキシコと同等、さらにその少し前には韓国と同規模と計算されていたのが、かなり相対的な地位を低下させているのは、経済成長率の差もあるがこのところ円高から円安へとシフトしているためでもある。同じように、例えば、今回、ペルーと同等の千葉県の場合は2012年にはフィリピン、その前はイスラエルと同等だった。 
円安の進行により2014年、2015年の評価はさらに低くなると予想される。 
もう1つの注意点は、GDP作成基準の変更による影響である。 
GDP統計は、正確にはSNA(国民経済計算)と呼ばれ、国の経済活動全体とその諸側面をあらわすため様々な1次統計の結果を組み合わせて作成される加工統計である。国連が定める統一基準で作成されることが重要なのは、全国検地として石高制の基礎を作った太閤検地が米の収穫量を同じ大きさの京升で計ることに統一したことが重要だったのと同じである。 
この国連のSNA基準は、68SNA(1968年の基準、以下同様)、93SNA、2008SNAと改訂されてきている。改訂の移行期には先行して改訂した国とまだ改訂していない国とが混在し正確にはGDP統計を各国比較できないことになる。2008SNAでは兵器や研究開発がコスト扱いから固定資本扱いとなりその分GDPも増加する。 
SMA基準改訂によるGDPレベルに及ぼす影響(2010年時点)  ◆表2
©本川裕 ダイヤモンド社 禁無断転載拡大画像表示 
http://diamond.jp/mwimgs/c/3/-/img_c3e2578aca4d11cbde49c74aa1f14db7226796.jpg
表2のように2008SNAへの改訂の影響(対GDP比ポイント)は、例えば、米国の場合、2010年に、研究開発の固定資本扱いで2.5%、兵器システムの固定資本扱いで0.5%、総合で3.7%とされる。改定の影響はルクセンブルクのように0.2%にとどまる国もあれば韓国のように7.8%と大幅だった国もある。日本では他のOECD諸国から大きく遅れて2016年7〜9月期の四半期GDPの2次速報から新たに算入される見通しであり、名目GDPは現在の約500兆円から3%以上、金額にして15兆円以上増える見込みである。 
そうであれば基準が切り替わっていない日本の地域内総生産も、他国と比べて3%ほど過小評価になっているということになる。アフリカ諸国など途上国ではまだ切り替えが進んでいない国が多いし、為替レートほどには影響が大きくないのであまり気にする必要はないかもしれないが、やはり、頭に入れておくべき統計上の背景状況といえよう。 
DIAMOND,Inc. All Rights Reserved.

http://diamond.jp/articles/print/105806 

 


016年10月26日 ロイター
日銀、政策維持の公算 追加緩和は「有事対応」明確に

10月26日、日銀は10月31日、11月1日に開く金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決める公算が大きい。写真は黒田日銀総裁。米国・ワシントンで開かれたIMF・世銀年次総会で、6日撮影(2016年 ロイター/James Lawler Duggan)
[東京 26日 ロイター」 - 日銀は10月31日、11月1日に開く金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決める公算が大きい。2017年度中としている物価2%の達成時期は先送りとなる可能性が高いが、物価の基調が2%に向かっていくメカニズムは崩れていないと判断しているためだ。

 9月の「総括的な検証」と政策の枠組み転換を機に、追加緩和は有事対応との姿勢を一段と明確にする。年間80兆円程度としている国債買い入れペースも維持する見通し。

 会合で議論する向こう3年間の経済・物価見通しを示す新たな「展望リポート」では、日銀が目安としている消費者物価(除く生鮮、コアCPI)の前年比上昇率について、現在の16年度プラス0.1%、17年度プラス1.7%を小幅に下方修正する見通し。2017年度中としている2%の達成時期も後ずれする可能性が高い。

 足元のコアCPIが8月にマイナス0.5%と日銀の想定よりも弱めに推移しており、当面は物価が上がりづらい状況が続くためだ。

 もっとも、見通し期間の最終年度となる18年度については、プラス1.9%の従来見通しを大きく引き下げる必要があるとの意見は少ない。

 景気の緩やかな回復が継続する中、政府による財政出動の効果もあり、潜在的な成長力との乖離幅を示す需給ギャップの改善基調が続くと見込まれている。

 また、原油価格の持ち直しを背景に、これまで物価の押し下げ要因となっていたエネルギー価格の前年比が、来春にはプラスに転じる見通し。

 日銀では、9月の「総括的な検証」で日本の期待インフレ率(企業・家計の物価観)は、実際の物価に引きずられやすいとの分析結果を示している。このため来春以降、足元の物価がプラス幅を拡大すれば、人々の物価見通しも上昇し、18年度には2%が展望できるとの見立てだ。

 一方、2%の物価目標実現に対し、市場では懐疑的な見方が多い。このため「2%の達成時期が後ずれすれば追加緩和」という思惑が広がりやすくなっている。実際、ここ数回の金融政策決定会合では、日銀が2%達成時期を先送りする公算が大きいと判断されると、追加緩和期待が盛り上がり、為替や株・金利の乱高下が繰り返された。

 今回、日銀にはこの市場心理をけん制する狙いもありそうだ。日銀は9月の金融政策決定会合の声明文で、先行きの金融政策運営について「2%の物価安定目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」と記述した。

 この「モメンタムの維持」は14年10月の量的・質的金融緩和(QQE)の拡大と16年1月のマイナス金利導入という大きな政策変更の際に使われた表現。物価見通しの多少の下振れが政策対応に直結するものではない、との姿勢を明確にしたといえる。

 当面、日銀が追加緩和の是非を検討する可能性があるイベントとして意識しているのは、米利上げの動向と米大統領選の行方、来年の春闘などとみられる。

 市場にある程度織り込まれている米国の年内利上げが見送られれば、急激な円高の進行によって企業収益が圧迫され、投資意欲が冷え込む可能性がある。

 また、来年の春闘が不発に終われば、賃上げによる所得引き上げ、消費拡大という物価押し上げのメカニズムが弱まりかねない。

 日銀では、物価2%の実現に向けた「モメンタム」の維持には、こうした所得から支出への前向きな循環メカニズムが作動し続けることが重要と位置づけており、失速するリスクが高まる場合は、マイナス金利の深掘りを中心に追加緩和の検討も辞さない構えを強調している。

 また、「量」から「金利」への政策の枠組み転換に伴い、国債買い入れ額を年間約80兆円増加させるペースは、「めど」とする柔軟対応に変わった。

 日銀は、長期金利が目標の「ゼロ%程度」を大幅に下振れるようであれば、買い入れ減額を進めるとみられる。現時点での買い入れペースが続くと仮定すると、年間買い入れ額は78兆円程度にとどまる見通し。

 しかし、日銀はその程度の「誤差」は、現行の買い入れペースの範囲として、80兆円程度の買い入れを維持するとの発信を継続する。

(竹本能文 伊藤純夫 編集:田巻一彦)
http://diamond.jp/articles/-/106016  

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コメント
 
1. 2016年10月27日 08:11:00 : sYBjoQQ0mU : 2ruWv6Q0QCo[4]
日系人の二重国籍に関しては、だからこそ元ペルー大統領のフジモリ氏までが「日本国籍」を盾に日本に亡命していられたんだよね。

GDPの国内自治体と各国比較も面白いが、そういえば北朝鮮のGDPは足立区並みと聞いたことがあるが、そんな国をなぜここまで恐れなければならないのか不可解だったが。


2. 2016年10月28日 22:10:36 : Los2jVjerw : kEwSRu1u6aU[4]
>>1の方も仰ってる通りで、被選挙権を行使しない限り、現実的に問題になることは、厳重尾では無いのでしょう。

日本のこの法律の性質上、他の国の法律に基づき取得した外国籍からの離脱を強制することはできないだろうし、外国籍からの離脱を証明しないと日本国籍を取得や維持できないという決まりでもない。

日本政府がどうしても、その人の国籍を日本国籍だけに強制したければ、外国籍の離脱証明の取得を国籍選択時に義務化すればいいし、外務省職員に外国政府に離脱したかの確認の問い合わせをさせたりすればいい。(法律で強制されなければ、外務省の連中は多分するわけないし、電話される国も(体制とかの関係で)迷惑かも知れないが。)

こうした不完全な法律は、将来的に改善が必要でしょうね。


3. 2016年10月28日 22:12:09 : Los2jVjerw : kEwSRu1u6aU[5]
厳重尾→現状

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