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補選でハッキリした本籍自民党 小池劇場幕引きの懸念
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2016年10月24日 日刊ゲンダイ 文字お越し
打算と欺瞞(若狭候補の応援に駆け付けた安倍首相と小池都知事)/(C)日刊ゲンダイ
午後8時、投票が締め切られると同時に当確速報が流れた。下馬評通りの圧勝だった。
23日投開票された衆院ダブル補選。東京10区は自民公認の若狭勝・前衆院議員(東京比例区)、自民党の鳩山邦夫元総務相が死去したことによる福岡6区の補選は、次男の鳩山二郎・前大川市長が大差で勝利した。
それにしても、仮にも国政選挙だというのに、ここまで野党の存在が見えなかった選挙も珍しいのではないか。盛り上がりに欠け、最後まで選挙の争点もハッキリしなかった。本来なら、安倍政権の経済政策やTPPが争点になってしかるべきなのに、与野党対決はまったく話題にならなかったのだ。
「福岡の補選は鳩山邦夫氏の弔い合戦の趣があったし、自民党からは県議会のドンの息子も県連推薦で出馬したため、保守分裂に注目が集まり、民進党は埋没してしまった。出口調査によると、無党派層の6割以上が二郎氏に投票したとされ、鳩山ブランドを前に勝ち目はありませんでした」(民進党関係者)
自民党が候補者を一本化できなかった福岡6区の補選は、勝った方が公認ということで、正当性を争う選挙になった。
実際、当確が出ると、党本部はすぐさま二郎を追加公認。二階派入りが既定路線だ。
「保守分裂選挙でも勝てなかった民進党は情けないの一言ですが、それより不甲斐なかったのが東京10区の補選です。若狭氏と、民進党が公認した元NHK記者の鈴木庸介氏との事実上の一騎打ちにもかかわらず、存在感を示せなかった。選挙戦は終始、与党のペースで進み、都知事選で完勝した小池劇場の番外編とでもいうような展開になっていました」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
■後続アピールだけの選挙戦
東京10区の補選は、7月の東京都知事選に転出した小池百合子知事の議員失職に伴って行われたものだ。知事選で自民党の方針に逆らい、「離党も辞さず」と小池を支援した若狭が、茶番の公募で党公認候補として出馬。都知事選と同じ「百合子グリーン」をイメージカラーに使って、ひたすら小池の後継をアピールする選挙だった。
小池も頻繁に応援に入った。公務の合間を縫って、公示日や最終日にも駆けつけ、「後継者としてシュア(確実)な方にお願いしたい」「圧倒的に勝たせてください」などと声を張り上げた。そんなこんなで、衆院補選が、まるで小池都政への信任投票みたいになってしまったのだ。
小池の勢いに便乗した自民党は、応援に入った二階幹事長が「若狭さんは小池都政との連絡役」「連絡役になってくれれば若狭さんの言われることは何でも聞く」とまで言うなど、異常なまでに若狭を持ち上げてみせた。
この変わり身には、有権者ものけ反ったのではないか。都知事選での自民党と小池のバトルは何だったのか。有権者をバカにするにも程がある。マトモな有権者ほど欺瞞に満ちた選挙戦の薄汚さを感じ取ったのか、東京10区補選の投票率は、34.85%と過去最低だった。
福岡でも圧勝(当選を決め支持者と握手する鳩山二郎氏)/(C)共同通信社
政権基盤を強化する補選勝利に小池知事が大きく貢献
「都知事選で名を上げた若狭氏は、自民党に反旗を翻して小池知事を支えた孤独のヒーローのようなイメージで支持を集めていた。そこに自民党の幹部が続々と応援に入るのだから、有権者には構図が分かりづらかったと思います。それが歴史的な低投票率に表れている。選挙戦中盤には、安倍首相と小池知事が並び立つ場面もあり、反自民で若狭氏を応援している人は混乱したのではないでしょうか。安倍首相は、都知事選では自民党が推薦した増田寛也氏の応援演説に立たなかったのに、今回は若狭氏の応援に駆けつけた。節操がないと言われようが、勝ち馬に乗ることを優先したのです。ただ、東京10区での勝利は、あくまで小池劇場の延長戦上にあり、若狭氏以外の候補者だったら勝てなかったかもしれない。決して自民党の力で勝ったわけではないのに、これでまた政権与党が『信任を得た』ということにされてしまう。TPPの強行採決にも弾みがつくでしょう」(山田厚俊氏=前出)
1週間前の新潟県知事選で実質的な野党統一候補が勝ち、TPPや原発再稼働に「NO」の民意を突きつけたばかりなのに、補選の結果に上書きされて、暴政が加速するわけだ。
小池人気に便乗した勝利でしかないのに、あたかも安倍政権が支持されたように強弁するのは目に見えている。政権基盤の強化に小池が一役買ったのだ。
自民政治に嫌気が差して、都知事選で小池を勝たせた有権者からすれば、「なんてことをしてくれるんだ!」と言いたくもなるだろうが、小池は福岡6区の鳩山二郎の応援にも入った。自派閥入りが決まっている二郎を支援する二階の要請とされる。完全に握っているのであり、そうなると今後の都政運営も怪しくなってくる。
■怪しい舞台裏が見えてきた
就任早々、豊洲や五輪の問題に切り込んで喝采を浴びた小池だが、いつまで自民党との対立パフォーマンスを続けられるか。五輪組織委の森喜朗会長や、都議会のドンこと内田茂都議の利権にどこまで本気で切り込めるのか。
「彼女には、最初から本気で自民党とケンカする気などありませんよ。その証拠に、五輪の会場施設についても妥協する姿勢を見せ始めている。有権者にウケそうなパフォーマンスはするけれど、確固たる信念やビジョンがあるわけではないし、自分にとってメリットがある落としどころであれば、妥協しても構わないと考えているはずです。小池氏は今でも自民党に籍があることを忘れてはいけない。都政改革にしても、しょせんは自民党内の利権争いでしかないということです」(政治学者の五十嵐仁氏)
9月の都議会定例会では結局、豊洲新市場の盛り土や地下空間の問題は何も解明されなかった。鍵を握る石原慎太郎元知事の聴取も実現しなかった。閉会中も審議を続ける特別委員会の設置は決まったものの、どこまで真相解明に迫れるかは未知数だ。
「特別委よりも調査権限が強く、虚偽の証言をした場合は偽証罪に問われる可能性もある百条委員会を開いて石原氏を証人として呼ぶところまでいけば、たいしたものですが、補選での自民党との協調ぶりを見る限り期待薄です。都民の多くは、石原氏の責任をしっかり追及してほしいと願っていますが、アリバイ的に質問状を送ったことで終わりにしてしまうことも考えられる。自民党と裏で話をつけて幕引きでしょう。しょせんは同じ穴のムジナですから、こうなることは分かっていましたが、都民が納得できるような真相解明ができなければ、彼女自身が失望を買うだけです」(五十嵐仁氏=前出)
市場長の更迭だけでお茶を濁すようなことになれば、さすがに都民も黙っちゃいない。華々しくスタートした小池劇場も、今回の補選で怪しい舞台裏がハッキリ見えた。終焉は刻一刻と近づいている。
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