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蓮舫・野田新執行部の責任問題急浮上は必至−(植草一秀氏)
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24th Oct 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
東京10区、福岡6区の衆院補欠選挙が実施され、いずれの選挙でも民進党候補が落選した。
民進党は10月16日の新潟県知事選で米山隆一氏の推薦を拒絶した。
民進党の支持母体である連合の地方組織である連合新潟が原発推進と見られる自公推薦の森民夫候補を
推薦したことが背景だった。
民進党は新潟知事選を「自主投票」としたが、実質的な森氏支援のスタンスを示したことになる。
この選挙で、民進党を離党して共産、自由、社民と市民団体の推薦を受けて出馬した米山隆一氏が
森民夫氏に6万票の大差をつけて当選した。
この結果、蓮舫−野田佳彦新体制の民進党は重要選挙で3連敗となった。
東京10区と福岡6区の衆院補選で民進党は独自候補の擁立にこだわり、野党共闘にも背を向けた。
その結果としての衆院補選大敗である。
二つの選挙区の選挙結果は以下の通り。
東京10区
若狭勝(自民・前)当選 7万5755票
鈴木庸介(民進・新) 4万7141票
吉井利光(諸派・新) 2824票
福岡6区
鳩山二郎(自民・新)当選 10万6531票
新井富美子(民進・新) 4万0020票
藏内謙(無所属・新) 2万2253票
西原忠弘(諸派・新) 2359票
開票結果は民進党の大敗を示している。
蓮舫・野田佳彦新体制の責任が問われることは必至である。
日本政治の変革を妨害する最大の要因は
民進党の鵺(ぬえ)体質
にある。
どういうことか。
民進党が
「隠れ与党」
と
「革新勢力」
の混合物であるということだ。
これを、与党に「癒着」する
「ゆ党」体質
という。
主権者が直面する重大政治課題が5つある。
原発、憲法、TPP、基地、格差(消費税)
だ。
この重大政策課題に対する政策方針が不明確なのだ。
新潟県知事選では原発再稼働が最大の争点になった。
これに対して民進党は
原発再稼働阻止の米山候補ではなく
原発再稼働推進と見られた森民夫氏を実質支援するスタンスを取った。
しかし、新潟の主権者はこの政策路線にNOを突き付けた。
結果として、
民進党抜きの共産、自由、社民3党の共闘によって知事選を勝ち抜いた。
そして、今回の衆院補選で蓮舫民進党は野党共闘を前面に出さず、民進党を前面に出して大敗した。
これらの結果から、今後の安倍政治打倒の戦略が明確になりつつある。
その戦略は二点に集約できる。
第一は、政策を基軸に安倍政治に対峙する勢力が連帯、結集すること。
第二は、民進党が基本政策によって二つに分離することだ。
新潟県知事選結果は、
政策を基軸に、党派を超えて、主権者が主導することによって勝利できる
ことを示した。
次期衆院選では、政策を基軸に、党派を超えて、主権者が主導して、
一選挙区一候補者の体制を構築することが重要になる。
第二の点は、民進党の支持母体である連合の在り方を根本から見直すことに必要性を浮かび上がらせている。
原発、集団的自衛権、TPP推進の御用組合は、自公支援組織として分離されるべきだ。
連合を「労働組合連合」と「御用組合連合」に分離することの必要性が著しく高まっている。
主権者の反民進党の意思は一段と強まっている。
野党共闘を弱めているのは、民進党の鵺体質である。
原発推進
TPP推進
集団的自衛権容認
辺野古米軍基地建設容認
消費税増税容認
のスタンスは自公と同一であり、この勢力が残存する限り、野党共闘は一枚岩にならない。
主権者にとって大事なのは「政策」であって「政党」ではない。
この「政策」で
正反対の主張を示す勢力が混在していたのでは、主権者はこの勢力に政策を委ねることができない。
安倍政治に対峙する政治勢力が大きく育つことを阻止するために、
民進党を意図的に「鵺体質」にしているのだと推察される。
「野党共闘を阻害しているのは共産党である」
とのイメージ操作が展開されているが、
野党共闘に対する主権者の信頼が育たない最大の原因は、民進党の政策が不明確な点にある。
民進党を
「隠れ与党勢力」
と
「革新勢力」
に分離して、「革新勢力」を独立させれば、野党共闘は円滑に進む。
主権者が求めているのは
大資本のための政治
ではなく
主権者のための政治
である。
具体的には
原発稼働阻止
集団的自衛権行使阻止
TPP不参加
辺野古米軍基地建設阻止
消費税増税阻止
を求めている。
これらの政策が実現することが重要なのであり、
どの政党が加わるのかは重要でない。
したがって、次期総選挙に向けては、主権者が主導して統一候補を選定することが重要になる。
民進党の候補者を除外はしないが、
各候補者が示す政策公約を基軸に統一候補を選定することが重要になる。
民進党候補の政策公約が主権者の求める政策と異なる場合には、
この候補者は主権者統一候補にはなり得ない。
自公と類似した政策公約を掲げる民進党候補が出馬し、
これとは別に主権者勢力の候補者を擁立する場合、票の食い合いは、
自公候補と民進党候補の間で発生する。
主権者側の候補には有利な状況が生まれる。
この主権者側の候補こそ
「オールジャパン候補」
なのだ。
したがって、民進党を含めて候補者を一本化することに固執する必要はない。
民進党候補でも、基本政策で一致する候補者はオールジャパン候補になり得るが、
基本政策が一致しない候補者は、自公サイド、安倍政権サイドの候補者であり、
この候補を含めて候補者を一本化する必要がない。
民進党は次の衆院選でさらに壊滅状態に移行することになるだろう。
民進党が自己改革しないなら、民進党抜きの主権者連合構築、オールジャパン体制構築を進めるべきである。
結局のところ、民進党自身の存立問題に発展するから、民進党の自己改革、自己変革、分離が
促進されることになるだろう。
民進党が「隠れ与党勢力」と「革新勢力」に分離することによって、
日本政治に大いなる活力が生まれることを改めて確認しておきたい。
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