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小池都知事にかつての上司・二階幹事長が急接近! 安倍政権の魂胆 ふたりが裏で話していること
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50013
2016.10.24 週刊現代
彼らを抜きにして、もはや日本の政界を語ることはできない。就任わずか2ヵ月あまりで、圧倒的な実力を見せつけている両者。急接近を始めたのには、新聞やテレビでは報じられない事情があった。
■二階が持参した手土産
「安倍政権にとっての最重要課題は『小池パワーをできる限り利用する』ことです。なるべくたくさん貸しを作って、自分たちの側に引っ張り込みたい」(自民党二階派議員)
都心の気温が31℃を超え、10月とは思えぬ真夏日となった今月6日、マスコミをシャットアウトして二人の会談は行われた。今や向かうところ敵なしの小池百合子東京都知事と、剛腕を駆使し、「永田町の妖怪」の名をほしいままにする、二階俊博自民党幹事長だ。
二階氏はこの日の午前、自らが自民党本部で開催した沖縄物産展で、小池氏への手土産を買い求めていた。報じられたのは「コーレーグース」、つまり島唐辛子の調味料だけだが、実はもうひとつあった。辛口の泡盛である。
「都政も辛口でやれ、ってことですね」
受け取った小池氏はこう言って笑った。前出の自民党二階派議員が言う。
「二階さんは(自民党)都連本部にもお土産を買っていたけど、そちらは唐辛子だけだった。小池さんに、『オレは都連よりもあんたを重視しているんだよ』とメッセージを送ったわけです」
小池氏と二階氏は、もともとは「部下」と「上司」の関係である。
'92年、細川護煕総理が作った日本新党から参院選に出馬し、政治家としてのキャリアをスタートさせた小池氏。その後、小沢一郎衆院議員が結党した新進党・自由党に加わるも、'00年には自由党分裂騒ぎで小沢一派と訣別。二階氏とともに保守党結党に参加した。
「'02年に小池さんが保守党を抜けて自民党へ移ったときは、二階さんが道筋をつけてくれた。だから、小池さんは二階さんに今も恩義を感じているんです」(前出・自民党二階派議員)
政界の巨人となった二人が会った目的は、今月23日に投開票が迫った、衆院東京10区補選の「最終確認」である。週が明けて告示日の11日には、さっそく小池氏、二階氏、そして下村博文都連会長が池袋駅頭に並び立ち、応援演説を行っている。
この選挙に自民党から立候補する若狭勝氏は、小池氏の側近中の側近。彼女にとっては、自らの地盤・東京10区を若狭氏に継がせるための、負けられない選挙だ。
小池都知事が誕生したばかりの時点では、自民党内の反小池派が立ちはだかり、若狭氏が公認を得られない可能性もあった。しかし今となっては、世論の圧倒的な支持を受ける小池氏の勢いに、都議会議員はおろか、国会議員すら誰も手がつけられない。
冒頭の議員が言うように、安倍政権としても、もはや「小池旋風」に便乗する以外に道はないという状況である。
これを見越して、夏の終わりから水面下でいち早く動き、着々と根回しを進めていたのが、他でもない二階氏だった。
「二階さんは最初から、豊洲新市場の問題がはじけて、小池さんの独壇場になると踏んでいた。9月の間は毎日のように『今日も10区の補選の件でね』と言って飛び回っていましたから。
6日の会談は交渉の場ではなく、いわば『総仕上げ』の場でした」(前出・自民党二階派議員)
■反小池派と「話をつけた」
選挙前の自民党の事前調査では若狭氏がダブルスコアでリード(後注:10月23日、若狭氏が当選)。その一方で、選挙の舞台となる豊島区・練馬区議会では、自民党議員7名に、都知事選で小池氏を支援したかどで「離党勧告」が出ていた。
「表向きは、彼ら『親小池』の区議には補選の後何らかの処分が下る、ということになっています。しかし二階さんは、9月初めに候補者の公募が始まった時点で、都連会長の下村さんからも『お咎めなし』にする合意を取り付けていた」(自民党都連関係者)
二階氏の描いた筋書きはこうだ。
自民党の公認という「錦の御旗」があれば、親小池派の区議7人も若狭を堂々と応援することができる。小池人気に乗じて選挙に勝った暁には、区議の処分を訴える党内の反小池派に対しても、「彼らも自民党のために働いてくれたんだ。無下に扱うことはない」という理屈が立つ。簡単に首を切るわけにはいかなくなる——。
「勝てば官軍」というわけだ。今のところ、事態は二階氏の目論見通りに動いている。
「二階さんは、7人とも注意処分だけで無罪放免にするつもりです。そこまで良くされたら、小池さんは二階さんの言うことを聞かざるを得ない。
もちろん、『何で小池とその手下の肩を持たなきゃならないんだ』という人も党内にはまだまだいる。麻生(太郎財務相)さんも党内の『小池シフト』には冷ややかです。
しかし、都連の下村会長は党に戻れば幹事長代行で、二階さんと常に話をしている。官邸、党、都連—つまり安倍・二階・下村の『三位一体』が成立している以上、他が何を言おうと抑え込まれるだけでしょう」(自民党中堅議員)
事実、小池・二階会談が行われる以前は、
「若狭さんは誰に会っても協力が得られず『都連も選対もダメだ。板挟みどころか、トライアングルだ』と告示ギリギリまで頭を抱えていたが、会談後には晴れやかな表情になっていた」(自民党ベテラン議員)
という。自民党内で「反小池」を唱えている連中とも、すべて話をつけた——二階氏はそう小池氏に伝えたのである。
若狭氏の応援には安倍総理も参加する〔PHOTO〕gettyimages
■安倍は怖がっている
二階氏がここまで手を尽くす理由。それは、安倍政権と自民党にとって、小池氏の存在がいわば「両刃の剣」だからだ。
うまく使いこなせば、あらゆる障害をなぎ払う宝刀となる。しかしひとたび扱いを誤れば、振るう者のほうが逆に深手を負いかねない。
総理と二階氏の念頭にあるリスクは、まず「小池新党」誕生の動きだ。
小池氏は今月30日、自身が主宰する政治塾「希望の塾」を立ち上げる。近い将来「小池新党」が生まれるとすれば、橋下徹前大阪市長がかつて設置した「維新政治塾」のように、その人材供給源となることは明らかだ。
「しかし今のところ、二階さんの小池懐柔策は完璧です。ですから小池さんも、塾自体は一応開講させるものの、すぐに新党につなげるかどうかは保留して、状況を見極めようとしています。
自民党にとっては、都議選だけでなく総選挙でも小池新党が大量の候補者を立て、保守分裂選挙になるという最悪の事態だけは避けたい」(前出・自民党都連関係者)
もうひとつ、小池氏の政治的発言力が大きくなりすぎないようコントロールすることも重要になる。小池氏を「第二の石原慎太郎」にするわけにはいかないのだ。
「石原さんは'99年の都知事就任からしばらく経つと、毎週金曜の定例会見で『(当時総理だった)森(喜朗)さん、いったいなんだアリャ』とか、都政を超えて国政に口を出し始めた。これがバカにならないくらい内閣支持率に響いたんです。
安倍内閣の支持率は5割をキープしているのに、何かの拍子に小池さんが政権批判を始めれば悪影響は必至。そうなるよりは、至れり尽くせりの対応で『親自民』になってくれたほうがいい」(前出・自民党都連関係者)
二階氏は、小池氏のためにあらゆる障害を取り除き、舞台を整えた。その「見返り」として要求したのが、まず東京10区と同日に投開票される衆院福岡6区補選で、故・鳩山邦夫衆院議員の次男、鳩山二郎候補の応援に加わることだった。
「二郎さんは、この夏にきさらぎ会(邦夫氏が主宰していた党内勉強会)の顧問に就任した菅さんが面倒を見ていました。そこに二階さんが手を突っ込んで、いきなり小池さんを援軍に連れてきた。
菅さんは10月8・9日に沖縄に行っていましたが、そのタイミングで(前述した6日の)沖縄物産展に翁長(雄志沖縄県知事)さんを呼んだのも二階さんです。二階vs.菅という観点から言っても、今はかなり二階さんが優勢になっている」(前出・自民党中堅議員)
■火種はオリンピック
二階氏の口癖は、「ウィン・ウィンでいこう」。実際に今、彼は安倍総理、小池氏、そして自民党の三者それぞれの利益を最大化するよう動いている。
だが、全体を一歩引いて眺めれば、それは二階氏自身の手柄となり利益となる。この構図作りの巧みさこそ、彼が「永田町の妖怪」と呼ばれるゆえんである。
選挙を司る幹事長としては、二階体制下で初めての国政選挙となる東京・福岡の補選だけではなく、来る解散総選挙でも圧倒的勝利を収めなければならない。そのためには、小池氏の全面協力を取り付けるのが最善の策。
「東京選出の(自民党の)国会議員には若手が多いから、二階さんの判断に文句は言えない。次の選挙で公認がもらえなくなるとか、刺客を立てられるなんてことになればたまりませんしね。
都議も同じで、この状況で小池さんと本気のケンカなんかできっこない。来年7月には都議選が控えているんですから」(前出・自民党中堅議員)
ただ、二階氏にも読み切れない不確定要素はある。ひとつは築地市場の移転問題と、東京五輪関連施設の見直しだ。
「築地市場に関しては、官邸と二階さんは『旧市場の跡地をカジノにする』という路線で一致している。でも、小池さんのほうは都民・国民の反応を見極めて、豊洲に移すか、それとも築地を改修するかを決めるつもりです。
都内のゼネコン関係者は、すでに小池さんではなく二階さんを詣でているという話も聞きました。ここから両者に亀裂が入るかもしれない」(前出・自民党都連関係者)
もうひとつは、小池氏の持つ「野心」である。
「そもそも小池さんが都知事選に立ったのは、自分をソデにしてきた自民党、いや安倍政権への個人的な怒りです。皆忘れているかもしれませんが、'08年に(自民党の)総裁選に出た人ですからね。
64歳という年齢を考えると、都知事を2期8年フルにやれば70歳を超えてしまいます。東京五輪終了直後が最後のチャンスでしょう。二階さんがどれだけ手を尽くそうと、中長期的には小池さんがコントロール不能になるのは間違いない」(前出・自民党ベテラン議員)
たとえ昨日まで敵同士でも、利をもたらすと分かれば迷わず手を組む。同じ釜の飯を食った仲間とも、害をなすならきっぱり関係を断つ——小池氏と二階氏、二人の融通無碍な闘い方はよく似ている。最後に笑うのは、どちらであってもおかしくない。
「週刊現代」2016年10月29日号より
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